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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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アソーレス諸島の旅6 グラシオーザ島2 富士と温泉

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 2日目は朝一番に広場にある観光局に行き、バスの時刻表を手に入れた。10時半にサンタ・クルスを発つ路線バスで30分ほどで、島の南にあるカラパッショ温泉に行くことができる。この旅の大きな目的は何と言ってもこの温泉である。帰りのバスは午後4時ごろ温泉の付近を通過し、5時前後にサンタ・クルスに到着する。4時間たっぷりカラパッショで温泉に入ったり、海水浴をしたり食事ができる。

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 この日の午前中も好天に恵まれ、カラパッショからは陽光きらめく群青の水平線の上に、中間の青のギザギザの鋸のようなサン・ジョルジェ島、その後に淡いブルーの富士山のような完璧な姿のピコ島、そして少し離れてこんもりとしたテルセイラ島と、様々な青の諧調に息を呑んだ。
 温泉の建物は集落の外れにあり、切り立った崖が小さな湾に落ち込む山裾にある。昔からこの温泉はリューマチの療養に有名だったが、数年前に改装して最新の施設を備えたスパになった。健康な人も温泉プール、ジャグジーバス、各種マッサージなどが利用できる。私はプールとジャグジーバス、ヴィシーマッサージを選んだ。

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 まず最初はヴィシーマッサージ。持参した水着に着替えマッサージ台にうつぶせに横たわると上から暖かくしょっぱいシャワーが降り注ぐ。華奢な女性マッサージ師の手は意外と暖かく心地よい重みで体に圧力をかけ撫で上げる。お湯の固まりになった猫が体を押し付けるようなとでも言ったらよいだろうか、あまりの気持ち良さにいつまでもここにいたくなるほどである。次に温泉プールで30分。利用者は私一人の貸切で、だら~んと浮かんだり遠慮なく泳ぐこともできた。暑くもなく冷たくもない柔らかいお湯に心も体もとろけてしまった。最後に個室に入って水着を脱ぎジャグジーバスで愉悦の世界へ。まさに極楽。タオルやバスローブ、キャップはスパで貸してくれるが、水着とビーチサンダルは必須。
 温泉の前の海水プールでは、見事な肢体の女性が日光浴をし、子供や若い人が水遊びに歓声をあげているばかりでなく、地元のお年寄りも水浴をしている。こちらもリューマチなどに効果があるのだろう。

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 温泉でふやけた後は近くのレストラン「ドルフィン」で遅目の昼食。魚のフライ2種と牛肉、豚肉、つけ合わせの野菜のビュッフェとカサ貝のグリル半人前。体力的に食べ放題で元を取るのが難しくなってきたが、ここグラシオーザ島では割と安い値段でビュッフェを出す店が多く、食いしん坊にはありがたい。味はまあまあ。

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左はアボテイア、右はビクーダという魚のフライ
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牛肉のシチューと骨付きの豚肉
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アソーレスに来たらこれを食べなくては。カサガイ(ラパス)

 カラパッショからホテルに戻るころは時折小雨のぱらつくあいにくの空模様になってしまったが、大した雨ではなかったので、届いた自転車で海岸沿いをサイクリングした。比較的平坦だが、ゆるい上り坂で向かい風にあうとさすがにきつい。4キロほど走ったところに灯台があり、そこにはクジラ島と呼ばれる岩礁がある。黒い鯨が迷い込んだ湾の内側は、鯨を飲み込もうとする怪物の黒い口のような、不気味な洞窟や崩れつつある崖になっている。たおやかなグラシオーザ島の中で数少ない荒々しい風景である。

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 ホテルに自転車を置いて、今度は徒歩で近くの山の中にある闘牛場を見に行った。サンタ・クルスには、火山の天然の地形を利用して作られたすり鉢状の闘牛場がある。それを囲む噴火口の縁には小さな教会が3つある。闘牛は8月に本土から闘牛士を呼んで2回行われるが、それ以外の時期は草ぼうぼうでゴミだらけ。森を切り通して作った、山をぐるりと回る自動車道は真新しく、急な坂の歩行者専用の近道は完全に雑草で覆われている。どちらも利用者はほとんどいないようだ。自然をうまく利用した円形競技場は闘牛以外にもっと活用されていいと思う。

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 海岸や道路に牛を放すトウラーダ・ア・コルダも夏の間、島のあちこちで行われる。私の滞在中は2カ所で行われたようだ。闘牛の始まる時間は午後6時。見たかったが会場がホテルからは離れているので今回は見送った。

2010年にグラシオーザ島のグァダループという集落で行われた闘牛の模様をyoutubeで




 闘牛とともに静かなこの島を興奮させる数少ないイベントは自動車レース。7月13日、14日はグラシオーザ・ラリーが行われ、街や海岸沿いの道をエンジン音を轟かせながら30台ほどの車がレースを行う。サンタ・クルスの広場周辺には人が大勢集まっていた。日中すれ違うのは中高年ばかりだったが、まだ若者や子供もいたんだと、島の将来を案じていた?私は少し安心した。車が爆音を轟かせながらやってくると、観客はフェンスから乗り出し盛んに声援を送った。ラリー参加者は大半がテルセイラ島のドライバーだそうだ。


Commented by aomeumi at 2012-07-22 06:12
オリャオ・青目
わぁ、夏に温泉・・・贅沢ねぇ・・・うちは、五年振りの夏の休暇は、パリにしようか、アムステルダムか、はたまた、ブルターニュか・・・と、散々揉めて・・・はぁ・・・リスボンになりました。
そこにも出没・・・カニカマ・・・無礼者め!
Commented by caldoverde at 2012-07-22 07:28
本当は冬の方がいいですが、ポルトガルの温泉は冬に閉めたりお湯の温度が足りなくて寒い所が多いですよ。大西洋の水は冷たいからやはり温泉は夏です。
Commented by おっちゃん at 2012-07-22 15:41 x
日本人には当たり前のカニカマだけど、海外では新しい珍味なのですね。ポルトガルはいろんな国と係わっているから、地方によって南米風だったり、アジア風だったりして、面白いですね。
Commented by caldoverde at 2012-07-23 04:10
実は、カニカマありふれています。安いです。原材料スリミ(日本語)です。イセエビや鰻の稚魚に似せたのもありますが、逆に日本にはありますか?カサガイは日本ではなかなか食べられないと思います。島のタクシー運転手によると、本当に新鮮なのは、生で食べるんだそうです。
Commented by pato at 2012-07-23 06:05 x
アソーレス全島制覇も佳境に差し掛かって来ました!?

こちらのカニカマは、つなぎの小麦粉?が多すぎ、甘すぎと
個人的には思います。
日本だとおつまみとして食べるんだけど。
Commented by caldoverde at 2012-07-23 06:34
アソーレス9島のうち8島目です。残るはサン・ジョルジェ島のみ。でもどの島もまた行きたいです。
by caldoverde | 2012-07-21 09:05 | ポルトガルの旅 | Comments(6)