リスボンの春
2014年 04月 21日
今年の冬は長かった。特に2月は雨が多く、出番が多かったゴム長に穴があき、傘は3本とも修理に出した。ウールのセーターをしまおうか未だに迷っている。唯一良かったことは、雨で植物の花粉の飛散が抑えられたのか、アレルギーが例年ほどひどくなかったことだ。ともあれ、4月に入り新芽や花が一気に噴き出したような野原を見ると、これからが要注意の時期のようだ。
古代の春祭りをキリストの復活に換骨奪胎したイースター(パスコア)は、今年は4月20日。ようやく暖かくなりかけたところで雨の少し肌寒い朝である。昔のユーミンの曲に「ベルベット・イースター」という歌があった。当時はイースターって何なのか全く知らずに聞いていたが、今日のような日を歌ったのだと気が付く。
去年まで復活祭の時期は騒音から逃れてアレンテージョやアルガルヴェに行っていたが、今年はその必要もなくなった。田舎には住民が参加するお祭りがあって復活祭に遠出するのは楽しいが、リスボンでは特にこれといった大きな行事はなく、静かな休日だ。唯一賑やかなのは復活祭用のお菓子を並べたカフェ。休日と日曜の重なるこの日は早仕舞いする店も多い。
しかし夕方になると、まだ営業しているカフェがどこも赤いシャツやマフラーを着けた男女で満員になっている。店のTVでは人気サッカーチームのベンフィカの試合を中継している。キリストの復活よりベンフィカの方が大事なのかい⁈
優勝したらしいです
昔は日曜日はほとんど休みでしたが、規制緩和と年中無休のアジア系の店が増えたせいで、週末や連休もどこかで買い物はできるようになりました。
1998年頃天皇陛下が訪ポされたとき、ポルトガル人のおっちゃんが
「日本のエンペラーはポルトガル料理を召し上がったんだ」
などと言うので私も思わず
「鰯の塩焼き?」と聞き返したのでした。