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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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カンテ・アレンテジャーノが世界遺産に

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あるレストランの黒豚のグリル。日本人の感覚では茶碗1杯のご飯に肉1枚あれば十分ですが、8枚ありました…

今週の大ニュースは、一つは前首相ジョゼ・ソクラテスの逮捕とエヴォラ刑務所への拘留、もう一つはエヴォラを州都とするアレンテージョ地方の伝統音楽、カンテ・アレンテジャーノがユネスコの無形文化遺産に選定されたことである。どちらも普段はのんびりしたアレンテージョのみならず、ポルトガル中を湧き立たせている。




アレンテージョ地方の各市町村の農民や職人、消防隊、炭鉱労働者で組織されるコーラスグループは地元のバールが活動場所。今では学校でも「カンテ」(歌)を教え、伝統の継承に努めている。

数年前、ファドがユネスコの無形文化遺産になったが、今度は国際的にはほとんど知名度の無さそうなアレンテージョ民謡が快挙を成し遂げた。地元では無形文化遺産への登録申請の動きは以前からあったが、文化省がユネスコに申請するのを忘れたりして、ようやく今年悲願を果たした。

他にポルトガルのユネスコ無形文化遺産としては、ポルトガル料理が地中海料理として登録された。オリーブオイル、食物繊維、魚介類、果物、ワインなどを多用し、動物性たんぱく質や動物性油脂の割合が比較的少ない、バランスのとれたヘルシーな食生活が評価されている。味もなかなかである。

カンテ・アレンテジャーノが世界遺産に_a0103335_152436.jpg
アレンテージョのお茶漬け、アソルダ(ソパ)・ア・アレンテジャーナ。5分でできます。

今日はユネスコ無形文化遺産登録を祝って、アレンテージョ料理を作った。超ローコストなアレンテージョ風スープと、レストランで食べた黒豚の食べ残しを持ち帰って再利用した、これまたローコストなアレンテージョ風ポーク(アサリ豚)、ワインは安いが飲みやすいアレンテージョワインで。
カンテ・アレンテジャーノが世界遺産に_a0103335_152593.jpg
本当はラードで豚肉やじゃがいもを揚げるのですが、手抜きで玉ねぎと赤ピーマンを炒めたものに揚げていない肉や芋を入れて圧力鍋で煮た。コリアンダーは必須です。

わずか1千万人の人口の小さな国だが、地方には意外なほど固有の文化が残されている。リスボンやポルトなどの都市も魅力的だが、田舎にこそ豊かな伝統やそれを守る人々の誇りや愛情が感じられるポルトガルである。
Commented by おっちゃん at 2014-11-30 07:33 x
ちょっと見ぬ間に二話も更新するとは、働くねえ。世界遺産とかにしないと街並みも守れない時代なんだね。古い物はいつのまにか無くなっているものね。
Commented by caldoverde at 2014-11-30 17:19
アレンテージョ民謡は結構好きなので、ニュースが新鮮なうちに紹介したいと思いました。娯楽がコーラスってお金がかからないし、地域住民の絆が深まるし、この地方の奥さんたちは旦那の浮気の心配がないかもね?
Commented by pato at 2014-12-01 08:30 x
でもなんだか最近の世界遺産ってモンドセレクション金賞みたいになりつつある気がする。
お料理はおいしそうですね。
Commented by caldoverde at 2014-12-01 09:14
乱発してありがたさがなくなるってこともありますが、正統を守るのにはいいと思います。特に和食。
Commented by ovosmoles at 2014-12-01 11:02 x
労働者が歌っているわりには、力が抜ける歌唱法ですが・・・。この音程が外れ気味なところがアレンテジャーノのイメージにぴったりではありますね。
ファドが登録された直後に、このカンテ・アレンテジャーノも名乗りを上げたと聞いて、「またまた、ご冗談を」と思ってた私。やるね、アレンテージョ!
Commented by caldoverde at 2014-12-02 00:44
次の世界遺産はアレンテージョのアネドッタス(小話)ですね。(例)アレンテージョの男がリンゴの木の下で口を開けて寝転んでいた。彼は口の中にリンゴが落ちるのを待っていた。奇跡的にリンゴが口の中に入ったが、男はまだ動かない。彼はもう一個のリンゴが落ちて最初のリンゴを胃の中に押し込んでくれるのを待っていたのだ。
Commented by こうすけの父 at 2014-12-02 08:47 x
研究所の行事でアレンテージョに行った時、おじさん達がカンテを歌ってくれました。黄昏時に、なーんにもないアレンテージョの丘間に歌声が吸い込まれていくようで、えらく感動した記憶があります。世界遺産になったんですねえ。
Commented by caldoverde at 2014-12-02 16:42
あの歌声は、緩やかな曲線を描きながらコルクやオリーブがまばらに植えられ、時折白い村がひょっこり現れるアレンテージョの大平原の風景を表現していると思います。素敵なおもてなしですね。
Commented by Moreia at 2014-12-03 05:50 x
これは二つとも嬉しいニュースwwアレンテージョ歌唱は、いつかブルガリアン・ヴォイスとコラボさせてみたいですね。同じ種類の歌唱ですから。リスボンの・カザ・アレンテージョで毎週聞けるようになるといいのだが、その前にあそこの料理をなんとかせにゃwww小話のほうは林檎じゃなくて、イチジクのバージョンを聞いたことがあります。
Commented by caldoverde at 2014-12-04 03:54
独裁政権時代に地方民謡の伝承が奨励され、コーラスグループの衣装もコンクールの審査の対象になったということです。どんな政治家も一つくらい良いことをする…かな?ソクラテスも同性婚の法案通したし。
Commented by pato at 2014-12-04 18:59 x
私の知ってる小話は父と息子の会話で、カタツムリ編と電球編です。
Commented by caldoverde at 2014-12-06 04:03
どんな話ですか?
Commented by pato at 2014-12-10 06:04 x
カタツムリ編は夏に2時間かけて一匹しか捕まえられなかった息子に父親が「なんだ、たった1匹か」と言うと、息子が「これは2匹目で、これを捕まえてる最中に1匹目に逃げられた」と言うもの。
カタツムリにさえ逃げられるほど、トロイと言いたいのだな。
Commented by pato at 2014-12-10 06:06 x
電球編は、切れた電球を換えるのに父が息子を肩車するんだけど、息子は電球に手をかけただけで、自分で電球を外す事はせずに父親がグルグル回って電球が外れるのを待ってた。
と言うものですな。
Commented by caldoverde at 2014-12-10 06:43
お後がよろしいようで〜
Commented by pato at 2014-12-10 07:30 x
違う傾向だけどもう一つ思い出した。
ブエ・ダ・フィッシュ(Bué da fish?綴りが分からない)な音楽を聴こうと言う事で、日本語ならイカシタ音楽かな?
そこでフィッシュは英語でサカナだしと言うのでラジオのアンテナにサカナを突き刺して聴いてた。と言うの。
これを私に言ったのはイザベルだけど、多分97年くらいの事なんで彼女が覚えてるかは分からないな。
by caldoverde | 2014-11-30 00:46 | カルチャー | Comments(16)