ほっぺたが落ちるほっぺた
2015年 09月 27日
バイショ・アレンテージョ地方へ日帰りで遊びに行った。夏が名残を惜しむように暑さが戻ってきたこの日は、べジャでは最高気温が30度に達した。
ベジャという町は世界遺産になっているエヴォラに比べるとやや地味であるが、先史時代からローマ帝国、ゲルマン人、アラブ人の残した遺跡や遺物などは掘ればざくざく出てくる、また中世の城や大航海時代の修道院なども残っているなかなか奥の深い歴史の町だ。
町の外縁は白い新しいマンションや瀟洒な住宅が立ち並び、その周りを囲むのはコルクの木がぽつんぽつんとある黄金色の大平原。ずいぶん前だが、べジャはポルトガルでも住宅の値段のかなり高い町にランクされていた。
町の中に入るとボロいが凝った模様のタイルの建物や、白壁に青い線の引かれた民家が並ぶ旧市街となる。道行く人たち、特に年配の人は結構きちんとした服装だ。昔はかなり栄えていたことが伺われる。
ポルトガルが最も栄華を極めた15世紀から16世紀以来、宮廷や教会は美しいタイル(アズレージョ)で装飾されてきた。ベジャのノッサ・セニョーラ・ダ・コンセイサン修道院は、ポルトガルのアズレージョの歴史の集大成で、18世紀までの国内のあらゆるデザインと技術を駆使したものと言えると思う。
天井のフレスコ画も素晴らしい
この修道院はまた文学史において有名な作品の舞台ともなった。17世紀の尼僧マリアナ・アルコフォラードが恋する仏軍人に当てた手紙が出版され、当時のヨーロッパでベストセラーになった。出版したのは手紙を受け取った仏軍人で、作者である尼僧は想いが叶わなかった(だって尼僧だもん)上に、印税も入らなかったと思われる。酷い男だ。女子修道院だったせいか、宗教画の登場人物はイケメンが多いような気がする。
美男のイエス様?
こういう絵にお祈りしていたシスター達…
お昼は地元の人が推す「4月25日酒蔵(アデガ・ヴィンティシンコ・デ・アブリル)」というレストランで、その日のオススメの黒豚の頬肉の栗添えを食べた。酒蔵(アデガ)という名が示すように、造り酒屋だったようだ。店内にはワインを保存していた大きな瓶が飾られ、店名と同じ名前のワインの瓶もある。アレンテージョ名物の黒豚のほっぺにアレンテージョの地酒の組み合わせは、不味い訳がなかろう。頬肉は様々な香草やスパイス(多分ミント、コリアンダー、クミンなど)が使われ、複雑な味わいだ。煮汁のしみたご飯がうまい。まあ、栗は今の時期は冷凍のむき栗に決まっているが、ほんのり季節を感じさせてくれる。デザートはずっしりねっとり甘いアーモンドプリン。今日は暑いから、エネルギーを消耗しカロリーは消費されるはず…
ジューシーな頬肉でほっぺた落ちっぱなし
ズシンとくる甘さと重さ
ベージャは仕事を始めて2本目の周遊で寄ったなぁ。後はセビージャに行くのに近くを通るばかり。丁度最近、佐藤春夫訳のポルトガル文を検索した所でした。
マカオの料理は中華とポルトガルがミックスしてきっと美味しいと思います。
ぜひ本場のポルトガル料理を食べにおいでください!