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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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蟹バーガー

パダリア・ポルトゲーザ(ポルトガルパン屋)がカンポ・デ・オリーク地区に2号店を出したのは6年前になるだろうか。今はリスボンを中心に40店舗を数えるまでになり、地域に一つは同じ構えの、茶色とオレンジを基本色とした内装の、同じパンを提供する「パダリア」が見られるようになった。成功の要因は、どの店も変わらぬ品質や味、店舗イメージの統一、定期的な新製品など、アメリカ発祥のファストフード店のノウハウを取り入れながら、メニューは店名のごとくバリバリにポルトガル風を大事にしたからではないかと思う。サービスまでポルトガル風を踏襲し、モタモタしている。ついでにポルトガルのマクドナルドも日本と比較すると3倍は時間がかかる。

いつでもどこでも同じものが食べられるということは、目新しさがなくなる事だ。私はとっくの昔に飽きてしまったのと、お気に入りのメニューがなくなったので「パダリア」からしばらく足が遠のいていたが、先日近所で見たポスターに目が釘付けになった。

蟹バーガー_a0103335_06063294.jpg

ハンバーガーから足が生えている⁈ キモい‼︎

2017年パダリア・ポルトゲーザ夏の新製品、新味覚ディスカバリーの時来たれり!ソフトシェルクラブバーガー。

脱皮したてのフニャフニャの殻の蟹を丸ごと揚げたものをパンに挟んだものだ。蟹全体がパンの中に収まっていれば何の変哲も無いハンバーガーの一種に過ぎないが、パンからはみ出した脚のビジュアルは相当なインパクトがある。その上、蟹は俎板に載せてプラスチックのトンカチでガンガン甲羅を割って食べるものだという認識がある。果たしてこれは保守的なポルトガル人にどこまで受け入れられるのだろうか…

初めてポスターを見てから約1ヶ月後にようやく食べる機会が持てた。蟹バーガーは昼食用にセットメニューが設定され、さつまいもチップスとグラスワインが付いて5.95€。ポルトガルのランチメニューとしては普通の値段である。食べた所は最近開店したマルケス・デ・ポンバル駅のそばの店だ。ちょうど昼時で近隣のOLや勤め人で賑わっていた。

蟹バーガー_a0103335_06063229.jpg


実物は、SF映画の宇宙探査機のように長い足がパンから伸びている訳ではなく、いかにも「蟹です!」とハサミや目玉を主張するでもなく、オニオンスライスに隠れたそれは、言われなくては何なのか解りにくい地味な外観だ。私も脚の肉やミソでなく殻を食べる蟹など初めての経験で、仮の前歯がまた外れるのではないかと不安を抱えながら、大口を開けて蟹バーガーにかぶりつくと…

懐かしい味覚が口一杯に広がった。おお、これは日本のデパ地下などで売っている贈答用の海老煎餅と同じ味ではないか!芳醇なアミノ酸の旨味、パリッとした甲殻類独特の食感。予想外のうまさにポスター以上の衝撃を受けた。

しかし私の予想では、多分この夏限りの限定品になるのではないかと思う。こんな変な見かけの、しかもポルトガルの伝統とは関係なさそうなものが長続きするとは思えない。なくなる前にもう一度食べておこう。

蟹バーガー_a0103335_06063399.jpg

限りなくペチャンコの蟹

蟹バーガー_a0103335_06063423.jpg


容器は経木(きょうぎ)の舟!凝ってる
Commented by pato at 2017-07-05 23:14 x
この夏の新製品、ローストビーフサンドの方には
目を奪われてたけど、このソフトシェル・クラブには
気づきませんでした。
今度、食べてみる。
Commented by caldoverde at 2017-07-06 03:25
高級なえびせんの味です。白ワインにぴったりです。
by caldoverde | 2017-07-04 05:54 | ファストフード | Comments(2)