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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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阿蘇列島旅日記part2 テルセイラ島篇4 闘牛とビフテキ

テルセイラ島独特の飴細工で作られた闘牛
阿蘇列島旅日記part2 テルセイラ島篇4 闘牛とビフテキ_a0103335_0203177.jpg

 アソーレス諸島の中で特にテルセイラ島は闘牛の盛んなところである。テルセイラの闘牛には、闘牛場で牛と馬と人が戦う普通の闘牛と、道に牛を放して人が牛と一緒に走るスペインのパンプローナ式の闘牛(トウラーダ・ア・コルダ)の2種類ある。コルダとは綱のことで、5人ほどの男性が牛につけたロープを引いて牛の方向転換をしたり暴走を牽制するので、パンプローナのように死者が出ることはない(と思う。)アングラ滞在の3日目は市内でトウラーダ・ア・コルダが行われるので、走るのが大嫌いな臆病者の私も珍しいもの見たさで、町外れの闘牛会場に出かけた。

 闘牛が行われる場所近くになるとこの町にこんなに人がいたのかと思うくらい集まっている。ポップコーンや菓子を売る若者の威勢のいい掛け声、ビールを片手にアドレナリンを上昇させる男たち、昔はワシも牛の前を走って、寸でのところであの塀に駆け上って牛は塀に激突したんじゃよと自慢話をする老人たち、民家のベランダにはその家で一番きれいなベッドカバーを掛け、意識して?肩や胸が開いた服を着た女たちが始まるのを待ち、祝祭気分が盛り上がっている。沿道の住民は牛の衝突や見物人の侵入を防ぐため、ベランダや玄関の周りを板で囲っている。

 花火がパンパンと鳴り雰囲気が一瞬張り詰め、ざわめきのトーンが変わり、人々は後ずさりし始めた。広場の方を向いていた人々は、広場に背を向けて走り出した。さあ、闘牛の始まりだ。私は沿道の何段か階段を上った玄関のたたきの様なところで高みの見物のつもりだったが、そこは牛が来るぞと地元の人に注意されたので、その辺のお宅の鉄柵の土台のコンクリート塀によじ登り、鉄柵にしがみついた。よく見ると付近には女はほとんどいない。波のように人々が前進しては後退する。牛は広場や何本かの通りをあちこち引き回されているようだ。中央の広場では度胸のある若者が傘やケープで牛をけしかけている。私のいる道を牛が駆けてきた。牛の周りを大勢の男たちが走り、少しでも牛が方向を変える兆しを見せると、わき道にそれてひょっと高いところに飛び移ったり、クモの子を散らすようにちりぢり逃げたり、牛も怖いが、半ばパニック状態の人間も怖い。この牛はあまり闘争意欲が無かったようで、坂道の途中でスピードを落とし、止まって戻っていった。むしろ一緒に走る人たちの方が興奮して、人間にぶつかった方が危ないのではという気もした。

 アングラの町の写真店やみやげ物店ではこの闘牛を撮影したDVDが売られている。もういい年のおじさんが牛に立ち向かって角でつつかれているところが繰り返し流されている。トウラーダ・ア・コルダは島の様々な場所、砂浜でも行われる。観光局の闘牛予定表には事故については一切責任を持ちませんと書いてある。大人も子供も沸き立つ大きな鬼ごっこだ。YouTubeで TOURADA TERCEIRAのキーワードで検索すると映像が見られる。
阿蘇列島旅日記part2 テルセイラ島篇4 闘牛とビフテキ_a0103335_0225054.jpg

 トウラーダ・ア・コルダは6時半ごろから2時間続く。安全な場所でさわりだけ見て今夜はステーキを食べようと心に決め街に戻った。ヨットハーバーを見下ろすホテルのレストラン「ベイラ・マール」で年配の給仕が勧めるベイラ・マール風ビーフを食べた。出てきたのは、ビトックと呼ばれるポルトガルのどの食堂にもある、目玉焼きを乗せたステーキで、特色といえばコーンが添えてあるくらい。これが自慢料理か?と一瞬思ったが、目玉焼きと肉の間には丸ごと潰して炒めたニンニクがこれでもかというくらい入っていて、しかもピリッと唐辛子のきいた赤いソースがたっぷりかかっている。甘いとうもろこしがニンニクやソースの辛さを和らげる。フライドポテトもさくっと揚がっていて、肉汁と唐辛子の混じったソースに浸して食べると止められない。いつもはカロリーを警戒しフライドポテトには手をつけない主義だがこの日はタブーを破ってしまった。それにしても日の丸の旗を立てたくなるようなこの盛り付け、どうにかならないものだろうか。
Commented by Moreia at 2008-08-02 10:36 x
この飴細工もヘタウマでかわいいね。私の子供時代はかろうじて飴細工の行商人が残っていて、目の前でやわらかい飴をひねっては食紅をちょいちょいとつけて、鳥だの動物だの作ってくれました。食べるのがもったいなかったですよ。
闘牛の前にこのステーキを食べれば、逃げ回ってカロリーを消費できたんじゃないの・・・?
Commented by おっちゃん at 2008-08-02 12:26 x
何事もなく無事帰ってよかったねえ。日本でも馬に ひよどり越え みたいな急な坂道を無理矢理越えさせる祭りがどこかであって、坂道を乗り越えると豊作と占うらしいんだけど、逆ギレした馬が坂道を逆走して、騎手や見物客が怪我した事件がありました。祭りの裏に事件あり、体には気をつけてくださいね。
Commented by caldoverde at 2008-08-02 13:08 x
願掛けするとき教会に奉納する腕や鳩や埴輪のような人形など色んな飴細工がありました。
闘牛の前にステーキを食べていたら満腹で動けません。しかも牛が復讐のために追いかけてくるかもしれません。
閉塞的な日本じゃ変な事件が増えているので、祭りでストレスを発散させたほうがいいんじゃないでしょうか。
Commented by miwakof at 2008-08-03 08:41 x
この飴細工…「細工」といえないおおざっぱさ、がいいんでしょうね。
日本じゃ小学生だってもう少し気の利いたモノを作りそうです。
それに、盛り付けも…。
いやいや、このそっけなさがポルトガルの「美学」だったりして。。
このステーキ、夏場に良さそう、食べてみたいっす!!
Commented by jojo at 2008-08-05 21:36 x
へぇ、コーンか。珍しいね。
コーンてあまり食べないもんね。
甘さで辛さをやわらげるという、ちゃんとした考えがあっての
コーン?だったらほめてやろう~。
Commented by caldoverde at 2008-08-11 19:36
この島ではお米はとれそうにないし、付け合わせといったらコーンしかなかったのではないでしょうか。
Commented by ちゅんち at 2008-08-12 03:42 x
あれ、でもお茶の栽培してるのはテルセイラ島だったけか。
って、お茶とお米の栽培条件は違いますね。
やっぱり、なんとなくトウモロコシな気がします。
北部から移民した人が多かったとか?昔リンドーゾに行った時に見た
イシュピゲイロの中にはトウモロコシが積まれてましたが。
Commented by caldoverde at 2008-08-13 18:47 x
他に島でとれる付け合せはサトイモやサツマイモかな。湿気が多いからサトイモ、火山だからサツマイモかと勝手に推測しています。
アソーレスはそれぞれの島がポルトガル各地から来た領主によって治められていたので、言葉や料理の味付けがお殿様の出身地の影響を受けているんだそうです。テルセイラ島とサン・ミゲル島ではかなり違いますね。
Commented by claudia rumi at 2008-09-20 21:41 x
Vc escreve em portugues???rrsrsrs. vejo os pratos típicos do Brasil e queria entender um pouco o que está escrito pois minha lembrança de kanji é péssima. gomen.Mas escrevi apenas para falar que etou vendo seu blog. bj
rumi
Commented by caldoverde at 2008-09-21 00:16
Olá claudia, obrigada pelo comentário. Este blog não é de comida brasileira mas sim portuguesa. Não conheço o Brasil mas imagino que há muitas coisas semelhantes de Portugal. Espero que goste deste blog e que venha saborear a Lisboa!
by caldoverde | 2008-08-02 00:38 | ポルトガルの旅 | Comments(10)