ジャカランダより団子
2009年 06月 10日
例年はリスボンでは五月の半ばから六月の初旬が一番見ごろのジャカランダは、今年は温暖化のせいか少し早めに咲き始め、六月九日現在花をつけている木はわずかになった。世界三大花木のひとつに挙げられるほど、満開のジャカランダは美しい。フリージアのような形のリラ色の花が房になって咲く姿は、遠目には藤色の桜かと思うくらいである。花は色あせぬまま地面に落ちて薄紫の木陰を作る。
日本人ならジャカランダ前線を予報したり、川の堤に植えてお花見の名所にしたり、ジャカランダ園などを作り入場料を取って見せるはず。
ところがジャカランダがどんなに見事に咲いていようが、ポルトガル人が、①口をあけて呆然と花に見とれていたり、②写真を撮っていたり、③団体で訪れたり、④満開の木の下で弁当を食べ酒を飲んでいる姿は全く見られない。私は特に花を愛でる風流人ではないが、ジャカランダの花が咲けば必ず①②は行う。③は仕事でする場合がある。④は乗ってくれる仲間を探す前に花が終ってしまう。ポルトガルは花の名前を覚えたり、花を見にどこかに出かけたりするような人の割合は少ないと思う。だからポルトガル人に花の名前を尋ねても無駄である。
ジャカランダの花が散ってもののあはれを感じるポルトガル人はいるだろうか。むしろ、さあ夏がやってくる、海だ、バカンスだと意気込む人のほうが多いと思う。ジャカランダをイメージしたお菓子や飲み物、料理があるだろうかと思ったが、こんなところにある訳がないだろうと断定し、探す努力もしなかった。せめてジャカランダを見ながらコーヒーを飲んだり食事の出来る場所でもリサーチしておけばよかったが、つい行きつけの店にいってしまう。そうしているうちに花がほとんど散ってしまった。
来年はセレブを招待し初夏の園遊会を催し、参加者は薄紫のものを着用、ジャカランダの咲く庭でお汁粉を食べ、はらはらと花の散る木の下でシソの葉で巻いたおにぎりを頬張り、夜桜ならぬ夜ジャカランダを見ながら紫色のカクテルを賞味するという企画を思いついた。ただし参加者は酔っ払って全裸にならないように注意すること。
ないかしら。
きれいだから家の庭にも植えたいけど、なにしろ巨大になるものねぇ。
でも今年のジャカランダはちょっと例年よりしょぼかったような
気がします。人間だってまいるようなこのヘンな天候じゃぁ
しょうがないか。
今でもクラシックギターの素材としては使われているらしいのですが、
材木1本数千万円だそうです。