ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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カテゴリ:カルチャー( 29 )

リスボンから九州へ

このたびの熊本、大分の地震で被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。ポルトガルでも報道されましたが、直後に起こったエクアドルの地震の方が数的に被害甚大で、九州の地震はかつてない規模の大きさにもかかわらず、目立たなくなってしまった感があります。東日本大震災ではポルトガル在住の日本人も大いにアピールしましたが、4月20日現在のところ日本大使館や日本人会等で特別な動きがないのが少々気になります。ポルトガルでもくまモングッズや熊本の物産が手に入れば、間接的に支援できるのですが…。

以前もブログで取り上げたリスボン大震災は、ポルトガルの人々にとっては歴史の中の出来事であり、世界中で起こる大地震は遠い知らない国の話でしかない、という認識が現実だと思います。しかしながら、大災害を後世に伝えようという先人の意思は地名やモニュメントに残され、ささやかながらも人々に警告を与え続けています。

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窓の右の通りの名前を表すプレートには「地震の階段通り」

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こちらは「地震食堂」

私の住むリスボンのカンポ・デ・オリーク地区にはTerramotos(地震)という不思議な地名があります。高台に位置するこの地区は、1755年のリスボン大震災の被害を免れることができました。当時は人家もまばらな田園地帯で、リスボンの市街をなめ尽くした火事の延焼やテージョ河を襲った津波からも逃れることができたようです。住民は大震災の翌年から、自分たちを救ってくれたキリストに捧げる小さな教会を建立し始め「地震のキリスト礼拝堂」(Ermida de Nosso Senhor dos Terramotos) と名付けました。お堂に通じる階段の道は「地震の階段通り」そのあたりにある居酒屋は「地震の花」という名前で、由来を知らなければ変な名前だと思われるでしょう。
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今は神父さんもいらっしゃらないようです

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教会の壁には地震の義援金を集めるための穴が設けられている

大震災の後、リスボンでは「まさしくカンポ・デ・オリーク」という表現が生まれました。高台のこの地区が地震や津波の直接的な被害から免れた故事にちなみ、絶体絶命の状況がすぐそこまで迫っているが、どうにか切り抜けることができる、危機一髪という意味合いで使われます。

カンポ・デ・オリークの丘からリスボンの重要なモニュメントである、アグアス・リブレス水道橋が延び、アルカンタラ渓谷を跨いでいます。この水道橋が1748年に完成した数年後、大震災が起こります。近くには断層があるのですが、断層から少し離れた場所を土台とし、カンポ・デ・オリークの丘とモンサントの山を支えに、35のアーチの並ぶ、ことに中央の世界最大のアーチは無駄と批判を受けながらも鉄で補強されたこの水道橋は、おそらく震度6か7の激震にも持ち堪え、当時の土木技術の素晴らしさを今に伝えてくれます。
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小川にかかった太鼓橋のある辺りは、現在のカンポリーデ駅

九州の地震で、改めて日本は地震国であり大地震の起きない場所は無いことを思い知らされました。また、災害が一瞬のうちに個人の生命や財産を奪ってしまうという恐怖を、またしても見せつけられました。しかし個々の力は微弱でも、人々の心と力を合わせればいつか再び立ち上がることができると歴史は教えてくれます。そしてそこから得た教訓は必ず後世に伝えなければならない、それが今生きている私たちの責務ではないかと思います。
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エヴォラにも、地震から救われたことを神に感謝して造られた小さな祭壇がメインストリートの建物の壁に

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by caldoverde | 2016-04-20 21:25 | カルチャー | Comments(2)
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テージョ河に浮かぶ帆船をイメージ

リスボンで新鮮な魚がある所と言えば、ピコアスやアルヴァラーデなどに昔ながらの、そして今でも活気のある市場がある。しかし生の魚と種類においては市場や巨大スーパーやデパ地下をはるかに凌ぐのが、エキスポ地区のリスボン海洋水族館、オセアナリオである。食卓に上る前のお魚が自然に近い形で展示されていてとても面白い。1998年のオープン以来ヨーロッパでも有数の規模を誇る回遊式水族館であったが、最近なんと旅行情報サイトのトリップアドバイザーで、世界の水族館ベスト1に選ばれた。
オセアナリオという名称がオーシャン(海洋)から来ている通り、世界の海の生き物が地域ごとに展示されている。
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私はマンボウが好きで、昔松島にあった水族館にマンボウを見に行った事がある。マンボウは巨体でしかもデリケートなので、飼ってもすぐに死んでしまうケースが多かった。松島のマンボウは狭い水槽の壁に張り巡らされた緩衝用のビニールにぶつかってはUターンを繰り返し、かわいそうだった。リスボンのオセアナリオでは2匹のマンボウが悠々とストレス無さそうに泳いでいる。
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ゴツゴツしています

ペンギンの水槽には氷もあり、飼育員からシシャモかワカサギのような魚を餌にもらっていた。贅沢な…
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私もシシャモやワカサギが食べたい

オセアナリオの一番の人気者はラッコのカップル。初代はアマリア(ファド歌手のアマリア・ロドリゲスから)とエウゼビオ(サッカー選手)と名付けられたが、今は代替わりしている。
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ほのぼのとします

とぼけた顔のサメがガラスにぴったりと寄りかかり、見学客の人気者となっていた。
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みんな写真に撮っていた

ポルトガル語でオオカミウナギという名前だが、日本名はウナギ犬に違いない。
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こう見えても恥ずかしがり屋なんです

カニはよく街中でも見るが、タカアシガニはさすがにレストランの生け簀には入きれない。
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美味そう…

砂に隠れたカレイやヒラメ。何匹いるでしょう?
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5匹はいます。見つけましたか?


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現在、特別展として日本の水景クリエイターでネイチャー写真家の天野尚(あまの たかし)氏の製作した、世界最大の淡水魚の水槽が展示されている。
自然の生態系を忠実に再現した、全長40mの水槽は、展示室を巡るように設営されている。暗い展示室に足を踏み入れると、京都の古寺の庭か、大名の城の大広間の障壁画のようなパノラマが展開する。自然を再現しながらも、洗練を極めた典雅な理想郷を描いた芸術作品である。この水中庭園が公開されてわずか数ヶ月後の8月4日、天野氏は逝去された。氏の最後の作品がオセアナリオを世界一の水族館に押し上げた要因の一つであることは間違いない。このネイチャーアクアリウムは、2年間展示されるそうだ。魚の好きな方はぜひ会期中にリスボン海洋水族館を見学されたし。






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by caldoverde | 2015-09-16 17:18 | カルチャー | Comments(0)

リスボンを聞く

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帰省中の仙台で、リスボンを舞台とした映画を見る機会があった。ポーランドの監督による「イマジン」は、英国、ルーマニア、ポルトガルのキャストで、全編リスボンで撮影が行われた。ドラマチックな展開や、情熱的なシーンがある訳でない、どちらかというと地味な映画だが、ジワジワ来るものがある。観光地として有名なアルファマ地区やバイシャ地区、名物の市電28番が頻繁に登場するが、それらはポルトガルの旅に誘う魅力的な風景としてではなく、生死を分かつ危険をはらんだ戦場のような所として扱われている。主人公たちは何があるのか、何が起こるのかわからない戦場への冒険を試みる。

この映画の主な舞台は、リスボンのとある盲学校である。白い塀に囲まれた、古い修道院の建物を借りた盲学校兼クリニックに、全盲のイギリス人の助手が赴任する。彼は、指や舌を鳴らし、その反響音によって、周囲にどんなものがあるか知ることのできる「反響定位」というテクニックで、白杖を使わずに歩くことを試みる男だ。

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責任者の医師は、生徒を決して危険に晒さないように指導することを、厳しく英国人助手に言い渡す。はじめ生徒たちは杖を使わないで歩くこの男を信用せず、実は目が見えるのではないかと様々なイタズラを仕掛けるが、次第に心を開き始め、外の世界を知りたいと願うようになる。

ある日、英国人助手は隣の部屋の美しいドイツ人女性と健常者同士のカップルを装い、杖なしで街に繰り出す。下町のバールの、地元の老人や観光客やボーイとのたわいない会話から、彼女は塀の外の未知の世界へと想像の翼を羽ばたかせる。

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教会の鐘の反響を聞いて、大きな船が来ていることを知った英国人助手は、生徒の一人と共に夜の港に出かける。彼らは一歩間違えば海に落ちる岸壁ギリギリに沿って歩きながら、正確に船を探しあてるが、小石を投げながら歩く2人の男を不審に思った警官によって連行される。

白杖を使わないことによって自らも幾度も怪我をし、生徒にとって危険だと判断された英国人助手は、盲学校を去る。塀の外に出た助手を、ドイツ人女性が杖なしで追う。車や市電が行き交う段差のある道を横断し、歩道に設置された変圧器や鉄棒などの様々な障害物を避けながら、彼女は英国人助手とコーヒーを飲んだ階段下のカフェに行き着く。古いアパートの建て込む狭い路地の向こうに、リスボンを出港する巨大な船が横切っていく。教会の鐘が鳴り響く。市電の警笛も、車の騒音も、人の話し声も石畳の道に響き、反響する。すぐそばのテーブルには追っていた英国人助手が…

映画の宣伝では、盲目の男女のロマンスとして扱われているが、私には目の見えない人々の知覚が捉える世界を、そして私たちにとってごく普通の環境が、彼らにはいかに過酷で危険であるかを、垣間見ることのできる興味深い作品だった。
盲目=闇というイメージは、舞台となる修道院の真っ白い壁や眩しすぎるリスボンの陽光によって揺らぐ。視覚を持たずに生まれてきた人々の、意外なほどの敏捷さや鋭敏さ。音に集中することで様々なものが形をなすという驚き。「見える人は見ようとしない」主人公の英国人助手の言葉は示唆に富む。時には「目を閉じて」何かを見ようと試みるのも大事なことだ。

オフィシャルサイト http://mermaidfilms.co.jp/imagine/

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by caldoverde | 2015-08-05 21:31 | カルチャー | Comments(2)
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王女さま? 巡礼者姿の幼子イエスです

子供の頃読んでいた少女漫画の主人公は、大きな瞳に星がきらめき、ゴージャスな巻き髪、背景にはバラの花が咲き誇っていた。それが少女の理想とする「美」であった。このようなキャラクターは日本の専売特許かと思っていたら、実はすでに17世紀のポルトガルに存在していた。日本よりも300年も早く少女漫画的造形スタイルを確立したのは、ジョゼファ・ド・オビドス先生だ。

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聖アントニオもこんなに麗しく

ジョゼファは、ポルトガル人画家の父とスペイン人の母の間にセビリアで生まれたが、幼少時に父の出身地であるポルトガルのオビドスに移住し、そこで生涯を終えた。父の元で絵を学び、少女時代からその才能を顕した。17世紀という時代において非常に稀な職業婦人で、54才で亡くなった時は、かなりの遺産を残した。

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スイカがみずみずしい

17世紀のヨーロッパは、光と影の対比により劇的な効果をねらうバロック様式の時代。苦悶するキリストや恍惚とした表情の殉教者を描いた宗教画、暗い背景から顔だけ浮かび上がる黒衣の人物画、果物や狩の獲物を写真のように描いた静物画などが、イタリア、スペイン、フランドルで盛んに制作された。ジョゼファの父はセビリアの著名な画家に学んだのだが、スペインではいまいち芽が出ず、ポルトガルに戻った。はじめ娘は父を手伝っていたが、そのうちに作品に自分のサインを入れるようになった。教会や有力者、そして王室からも注文が来た。結婚して家庭を持つ暇がないほど忙しかったと思われる。

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代表作「神秘の子羊」

救世主や聖母、聖人は現実の人間を超越しなくてはならない。その理想形が大きな瞳にバラ色の頬、その周りを取り囲む花々、繊細優美を極めたレースやチュールの衣装で表現される。まさに少女漫画のキャラクターである。

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これも幼子イエスです

ジョゼファの作品は二重の意味で甘美である。彼女は静物画もよくしたが、特に秀逸なのは口の中によだれが湧いてくるような果物やお菓子を描いた作品だ。カステラ、金平糖、ケイジャーダ、復活祭用の卵入りパンなどは、その味や質感まで見事に表現されている。もし彼女が現代に生きていたら、さぞかしお菓子屋や喫茶店から注文が殺到しただろう。

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カステラ‼︎

2015年9月6日までリスボンの国立古代美術館にて「ジョゼファ・ド・オビドス展」開催中

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by caldoverde | 2015-07-06 07:53 | カルチャー | Comments(10)
世界最高齢の映画監督、マノエル・ド・オリヴェイラが、4月2日、ポルトで死去した。106歳。昨年まで制作を続け、生涯に残した映画は70本以上に及ぶ。この日のTVニュースはずっとこの偉大な監督の業績をたたえ続けいる。
オリヴェイラ監督の独特のスタイルは、国内外の評論家に高く評価されている。日本でも「芸術映画」専門の独立系映画館で特集されたり、NHKの衛星放送でも放映されたので、インテリな映画好きの間では知名度は高いだろう。では、ポルトガル国内での人気はどうだったのだろうか。
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「アブラハム渓谷」

新作が発表されるとリスボンの1、2の映画館で長くて3週間上映される程度で、とても大ヒットとは言えない。ポルトガル人でさえ、オリヴェイラ監督の映画は退屈だ、という人が多い。私も何本か見たが、動きの極端に少ない画面で主人公のモノローグが延々10分も続く演出に、イライラするか爆睡するかのどちらかだった。リアリズムとはちょっと違う様式美というか、演劇的な要素が多分にあり、また文学作品や史実などを独自に解釈した作品が多いので、教養のない私にはさっぱり面白くないのだった。それでも映像の美しさは抜群だ。



しかし一般大衆受けするような「解りやすい」映画もある。初期の「ドウロ河」「アニキ・ボボ」などは、イタリアのネオ・リアリズモの影響を受け、ポルトの庶民の生活を力強く、愛情を込めて描いている。



オリヴェイラ監督はポルトのブルジョアの家庭に生まれ、若い頃はスポーツ万能で、カーレースに出たり飛行機を操縦したり、棒高跳びの選手でもあった。俳優としてポルトガルの喜劇映画にも出演している。ヴィム・ヴェンダース監督の「リスボン・ストーリー」ではチャップリンの真似をして軽やかな足さばきを披露しているが、この時すでに80歳を超えている。



リスボンのアルファマ地区を舞台にした「階段通りの人々」では、しみったれた、しかしどこか憎めない小市民の姿を描く。リアルなポルトガル人の生活や内面をバラしてしまったこの作品は、ある人には不快に感じたようだ。これも解りやすい作品。



一般的な商業映画にはない、ゆったりしたテンポ、暗示的な描写を多用した映像美、詩を読むようなセリフの言い回しなど、独特の世界を築き上げたオリヴェイラ監督。その作品はポルトガルのみならず、世界の映画芸術における宝となるだろう。
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by caldoverde | 2015-04-03 06:34 | カルチャー | Comments(2)
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あるレストランの黒豚のグリル。日本人の感覚では茶碗1杯のご飯に肉1枚あれば十分ですが、8枚ありました…

今週の大ニュースは、一つは前首相ジョゼ・ソクラテスの逮捕とエヴォラ刑務所への拘留、もう一つはエヴォラを州都とするアレンテージョ地方の伝統音楽、カンテ・アレンテジャーノがユネスコの無形文化遺産に選定されたことである。どちらも普段はのんびりしたアレンテージョのみならず、ポルトガル中を湧き立たせている。




アレンテージョ地方の各市町村の農民や職人、消防隊、炭鉱労働者で組織されるコーラスグループは地元のバールが活動場所。今では学校でも「カンテ」(歌)を教え、伝統の継承に努めている。

数年前、ファドがユネスコの無形文化遺産になったが、今度は国際的にはほとんど知名度の無さそうなアレンテージョ民謡が快挙を成し遂げた。地元では無形文化遺産への登録申請の動きは以前からあったが、文化省がユネスコに申請するのを忘れたりして、ようやく今年悲願を果たした。

他にポルトガルのユネスコ無形文化遺産としては、ポルトガル料理が地中海料理として登録された。オリーブオイル、食物繊維、魚介類、果物、ワインなどを多用し、動物性たんぱく質や動物性油脂の割合が比較的少ない、バランスのとれたヘルシーな食生活が評価されている。味もなかなかである。

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アレンテージョのお茶漬け、アソルダ(ソパ)・ア・アレンテジャーナ。5分でできます。

今日はユネスコ無形文化遺産登録を祝って、アレンテージョ料理を作った。超ローコストなアレンテージョ風スープと、レストランで食べた黒豚の食べ残しを持ち帰って再利用した、これまたローコストなアレンテージョ風ポーク(アサリ豚)、ワインは安いが飲みやすいアレンテージョワインで。
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本当はラードで豚肉やじゃがいもを揚げるのですが、手抜きで玉ねぎと赤ピーマンを炒めたものに揚げていない肉や芋を入れて圧力鍋で煮た。コリアンダーは必須です。

わずか1千万人の人口の小さな国だが、地方には意外なほど固有の文化が残されている。リスボンやポルトなどの都市も魅力的だが、田舎にこそ豊かな伝統やそれを守る人々の誇りや愛情が感じられるポルトガルである。
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by caldoverde | 2014-11-30 00:46 | カルチャー | Comments(16)

CR7来日

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今カノとツーショット

ほとんど毎年夏は日本に帰っているが、今年は私の帰省に合わせてクリスチアーノ・ロナルドも日本に来ていたようだ。TVでサッカー少年の指導にあたっている映像や、何かのバラエティー番組に出演しているのを見た。インタビューを受けた子供達は真摯な表情で世界的プレイヤーを目の当たりにした感激を語っていたが、バラエティー番組の方は、目を覆いたくなるような下らない内容だった。子供の頃からサッカー漬けで学歴や教養はない彼にも、自分のやらされている事のバカバカしさは自覚していると思う。しかし中国の端っこで放映される顔筋トレーニング器具のCMなんか、最優秀選手賞を2回取った俺のイメージの妨げになりはしないだろう。多分。
http://youtu.be/K1zGa3vWXUk

こんな下らない番組や商品を作っているのは、日本の有名大学を出たエリート中のエリートで、頭からっぽ風の美人アナも熾烈な競争を勝ち抜いた「勝ち組」中の「勝ち組」なのだ。男の司会者が、女子アナを指してこんな日本の女の子はどうかと尋ねると、クリロナは笑ってごまかしていた。それはそうだろう。彼の彼女は世界的に有名なロシア人のモデルである。顔はともかく、身体ではかなわないのである。この場合、黒柳徹子さんとか櫻井良子さんなんかが別の土俵で相手をすれば良かったのにな…
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最近はCR7という下着のブランドも出しました

クリロナ以前のポルトガルの名選手と言えば、フィーゴだった。彼はポルトガルのある銀行のイメージキャラクターとなり、リスボンのあちこちにある支店の店頭で笑顔を振りまいていた。しかしその銀行は破綻し、取り付け騒ぎも起こった。当時の社会党政府は件の銀行を国有化し、のちにアンゴラの銀行が買い取った。あの国民的英雄がCMに出ている銀行だからと安心して預金し投資した顧客はさぞかし慌てただろう。
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上の写真とどちらがお好みですか?

で、ポルトガル国内でCR7がCM契約している企業とは、今世界中をちょっとだけ震撼させている銀行、バンコ・エスピリト・サント(BES)である。頭取リカルド・エスピリト・サントの退陣と前後して関連企業への回収不能の融資やら何やら膿がドバッと噴出し、またしても大変な問題になっている。私にとっても大問題である。なぜならBESに口座があるからだ。もし銀行が潰れて預金が凍結されたらどうすればいいのか?クリロナがCMに出てるから安心して預金してたのに!彼が全収入をBESに預ければ、当面大丈夫だと思うが…
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こんな若い頃にCM契約したのは、BESも当時は先見の明があったと言えよう
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by caldoverde | 2014-08-07 01:12 | カルチャー | Comments(4)
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イケメンの土人形職人の土人形

今年も恒例の工芸見本市がリスボンのエキスポ地区で開催された。以前はポルトガルの素朴な伝統工芸品に満ちあふれていたこの催し物も、昔の活気は薄れてきている。衰退の要因の一つはグロバリゼーションだと思う。その土地で生産される材料で、地元の工人たちが緬々と作り続け、地域の人々に消費され続けてきたものが、スーパーや中華百貨店で売られている、どこかの国で安く大量に作られたものに取って変わったからだ。伝統工芸品にはそれに太刀打ちできる要素があるか?機械も凌駕する職人技、センスや美的感覚、天然素材の良さ、それに加えて納得のいく値段であることが必要だ。
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おじさんがミシンのような機械で作業しているものは…
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象嵌細工の模様になる板を切り抜いていたのでした

安ければそれに越したことはないが、質に見あった値段、生産者が生きていける値段であることも大事。ひょっとするとこの見本市では21世紀中に消えてしまう工芸品を今見ているのかもしれない。
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山岳地方のフェルトのマント。可愛いけどポルトガルで着ている人は見たことない。
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い草のショッピングカート。面白い!売約済。
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コルクのドレスです。
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大理石職人の土人形。伝統と現代がマッチ。

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ニワトリの置物よりも売れること確実ですが、本人の肖像権がどうなっているのかは不明。

去年はちょっと盛り返した感もあったこの見本市は、今年は伝統とコンテンポラリーがごっちゃになり、今まで明確だった地方ごとの区分けも曖昧になり、規模が小さくなったのに一層混沌としているように思えた。

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おなじみ生ハムサンド

それでも足を運ぶのは「食」のコーナーが魅力的だからで、今年は国産牛のコンクールが行われ、入場券が会場に出店しているレストランの割引券になるからであった。私が食べたのは北部の知らない村の名前がつけられた赤牛のステーキ16€。ポルトガルでステーキを頼む時はビッフェ(薄切り)よりポスタ(厚切り)がお勧め。外がこんがり中が生焼けのミディアムが美味しい。しかし出てきたものは焼きが足りず、焼き直しを頼んだら良くなった。
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びっくりしたのはヴィーニョ・ヴェルデの赤ハーフボトルを頼んだら、フルボトルが出てきたこと。間違えたのだろうと思ったが、まあいいやと飲み始めて半分でやめておいた(1人だった)。軽く冷やしたオリのたっぷり入った酸味の強い赤の緑ワイン、勘定書きはちゃんとハーフボトルになっていてちょっと安心。隣のカップルは肉はうまいがフライドポテトが来ないと文句を言っていた。急ごしらえのリスボン支店では仕方あるまい。
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パステル・デ・ナタもヴァリエーションが増えた。ホワイトチョコやマンゴーなども。
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by caldoverde | 2014-07-07 07:32 | カルチャー | Comments(4)
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 ポルトガルで現在最も人気の高い女流アーティスト、ジョアナ・ヴァスコンセーロスの作品がヴェネツィアからリスボンに凱旋した。
 テージョ河を往復していたサビだらけのオンボロフェリーが、彼女の手によって、タイル、コルク、レース編み、アップリケなどのポルトガルのフォークアートの素材をふんだんに用いて飾り立てられ、「ポルトガル館」として生まれ変わり、2013ベネツィア・ビエンナーレ展に参加したのだ。
 美しく蘇ったフェリーはジョアナの作品を展示するギャラリーとして、またテージョ河からリスボンの眺めを堪能できるクルーズ船として、4月から第二の人生を歩み始めた。
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 船体はテージョ河沿いに広がるリスボンのパノラマを描いた青と白の爽やかなアズレージョ(タイル)。オレンジのラインはフェリー時代の名残だが、色の対比が美しい。
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 デッキにはコルクのスツールやテーブルが備えつけられている。柔らかく暖かい感触で坐り心地抜群。万が一沈没しても救命具になるかも?
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 ジョアナの作品を展示するギャラリーは、海底をイメージしたオブジェ群。ポルトガルの田舎のおばちゃんがせっせと作ったかぎ針編み、パッチワーク、刺繍などを駆使した、巨大なヌイグルミに発光ダイオード、LEDライトのネオンを纏いつけ、神秘的な雰囲気を醸し出している。時折船の軋む音が鯨の鳴き声のようで、ますます深海の中にいるような感覚になる。
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 クルーズはカイス・ド・ソドレ駅そばから出発し、火曜日から金曜日は11:00、16:00、19:00の3回、土日は更に13:00の回も加わり4回出港する。クルーズは約1時間、月曜日はお休み。料金は18€。船が岸壁に付いている時はギャラリーの見学のみも可能で、こちらは入場料6€。
 残念なのはデッキで飲食できないこと。川風に吹かれながらポルトガル産ワインなど最高なのにねえ。しかし団体への貸切は可能だそうで、その場合は船上でパーティを開けるかも。
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by caldoverde | 2014-05-22 18:41 | カルチャー | Comments(0)

LX ファクトリー

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4月25日橋のたもとにある

  アンゴラ領事館やモアンバのレストランのあるアルカンタラ地区は、かつては様々な工場の集積する一大工業地域だったが、今やリスボンで最もクリエイティブなゾーンになっている。煉瓦やコンクリートの工場群はLX(リスボンの略称)FACTORYとして、ポップでレトロなカフェやレストラン、ブティック、インテリアショップ、スタジオやアトリエに生まれ変わった。ほとんどの店が工場で使われていた什器や中古家具をリサイクルし、開放的なスペースの中に昔の機械や設備をそのままインテリアに利用して、過去と現在が絶妙に共存したユニークな空間を構成している。
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 ここではライブを始め様々なイベントも行われるが、特に日曜日にはLXマーケットという青空市が開かれる。古着、手作りアクセサリー、チーズや腸詰などの食品、古道具など、ミニ泥棒市の様相だ。しかし商品も人々も怪しげな本家の泥棒市より、売り手も客層も若くてお洒落である。子供連れも多い。
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ワインの木箱に古い新聞や雑誌を貼り付け、中にアンティークの陶器や人形を飾るオブジェ

  またここにはリスボンの出版文化の一翼を担う書店、LER DEVAGAR (ゆっくり読むの意)がある。巨大な吹き抜けにびっしりと並ぶ本は新刊も古書も、国内の本も洋書(?)もあり、ポルトガル語を知らない人でも本好きならきっと夢中になれる。心地よいジャズが流れ、アートの展覧会を行うギャラリーやカフェも併設されている。オヤジがサッカー新聞を読んでいるカフェでコーヒーを飲むよりも若干(数段)知的に見えること請け合いである。
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児童書コーナーもあり
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チープな鉄パイプの椅子やテーブルもおしゃれに
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2階はCD売り場。試聴もできるみたい

  この本屋に、インダストリアル・シックという英語の本があった。既に役目を終えた工場を店舗や住宅として再生し、レトロなデザインの工業製品をインテリアに取り入れるのがトレンドらしい。アルカンタラのLXファクトリーは正にインダストリアル・シックの好例だ。
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脂が使われていないので軽いかなと思ったら激甘のメレンゲケーキ
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不気味なおじさん人形と古いアコーディオン
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フランスのアーティストによるオープンリールの録音機を使った動くオブジェ
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by caldoverde | 2014-02-03 05:10 | カルチャー | Comments(11)