ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ:動植物( 6 )

リスボン本の市

a0103335_2555271.jpg
ジャカランダの花の元、Wカップを控えて故障を抱えたC・ロナウドのポスターは…SAMSUNG⁈ この非国民‼︎

 毎年ジャカランダの花の咲く季節には、エドゥアルド7世公園でフェイラ・ド・リブロ(本の市)が催される。通常の値段より10%から時には60%引きで新刊書や古書が手に入る。所得に対して本の値段の高いポルトガルでは、年に一度のまとめ買いのチャンス。ポルトガルの有名書店や大・中・小・零細の出版社がリスボン一の眺望を誇る公園に店舗を出し、一押しの本を「本日の本」として大幅な値引きをして売る。お目当ての本がたまたま「本日の本」ならラッキーだ。もちろんそれ以外にも掘り出し物はわんさかあるし、週末には著者のサイン会や公開インタビューなどの催し物も盛りだくさんだ。
a0103335_2555358.jpg
会場は広く、重い本を持って歩くのも結構大変

 長引く不況のせいか、今年はいつもより出店している版元が少ないような印象を受けた。全国に支店がありベストセラーを連発する老舗の書店や、学校で使うテキストや辞書など安定した顧客を持つ大きな出版社のコーナーはかなり充実しているが、去年まであった(ような気がする)小さな出版社がだいぶ少なくなったと思う。淘汰されてしまったのだろうか、それともポルトガル人の余暇は読書からスマホになってしまったのだろうか?

a0103335_2555417.jpg
本の市で売っていた無骨な外見のクルミケーキはリスボンの菓子屋にはない種類で、しかも美味しい!

 それでも変わらぬ賑わいを維持しているのは、従来出版社の出店があったところに食物屋が入っているせいであろう。ちょっと前までこういったイベントの屋台といえば、毒々しいジャムの入ったチューロスとか綿飴とかポップコーンなどありきたりのものばかりだったのに、いつの間にか小洒落たものになっている。ポルトワインとアゼイタンチーズのテイスティングやら、銘柄牛のハンバーガーやら、アイスクリームコーン形のパイにチーズやハムを詰めたスナックやら、初めて見る屋台が結構ある。ビファナやチョリソパンなどポルトガルのトラディショナルなファストフードにも国民的詩人の名を付けて文化の香り高いものにしている。いや、今年の「本の市」はあの新刊書のインクの匂いも古本のかび臭い匂いも圧倒して焼肉の匂いが充満している!

a0103335_2555569.jpg
新古典主義詩人ボカージェがチョリソパン、20世紀最大の詩人フェルナンド・ペッソーアがビファナ(豚サンド)、大航海時代の国民的詩人カモンエスがケバブですと。

 毎年覗くのはアソーレス諸島の出版物を専門に扱う店だ。リスボンではなかなか見つからない、しかしアソーレスに行ってもどこで売っているのかわからない、多分島の空港の土産物屋にちょっとだけ置いてあるアソーレス関係の本がここでいっぺんに見られるのだ。各島ごとの、あるいはダイビング、トレッキング、バードウオッチングなど目的別のガイドブックが揃い、アソーレス出身の作家や、諸島独特の建築物や民謡で使う楽器についての本など、かなりオタッキーなものばかりで、アソーレス大好きの私には、どれを買おうか迷いに迷う場所である。字ばかりの本はどうせ催眠作用しかないので、写真入りの薄い本を3冊買った。今年はアソーレスに行こうか行くまいか…

a0103335_2555966.jpg
アソーレスの花、アソーレスの火山風景、アソーレスの火山洞窟、ポルトガルの地学的名所の本(表紙はアソーレスのところてん状に固まった溶岩)

a0103335_2555890.jpg
本の市は15日まで。その頃はジャカランダも…
[PR]
by caldoverde | 2014-06-09 01:56 | 動植物 | Comments(8)

リスボンの春

a0103335_750382.jpg
エドワード7世公園の上の裁判所。お世話になる予定はないけどカッコイイ建物。

今年の冬は長かった。特に2月は雨が多く、出番が多かったゴム長に穴があき、傘は3本とも修理に出した。ウールのセーターをしまおうか未だに迷っている。唯一良かったことは、雨で植物の花粉の飛散が抑えられたのか、アレルギーが例年ほどひどくなかったことだ。ともあれ、4月に入り新芽や花が一気に噴き出したような野原を見ると、これからが要注意の時期のようだ。
a0103335_7503965.jpg
a0103335_7504096.jpg
a0103335_7504135.jpg
ケシしか名前がわかりません

古代の春祭りをキリストの復活に換骨奪胎したイースター(パスコア)は、今年は4月20日。ようやく暖かくなりかけたところで雨の少し肌寒い朝である。昔のユーミンの曲に「ベルベット・イースター」という歌があった。当時はイースターって何なのか全く知らずに聞いていたが、今日のような日を歌ったのだと気が付く。
a0103335_7504388.jpg
後ろに水道橋

a0103335_750448.jpg
後ろにロボットの頭みたいなアモレイラス・ショッピング

a0103335_7504685.jpg
鬼太郎の目玉親父みたいなグラフィティが描かれた民家

去年まで復活祭の時期は騒音から逃れてアレンテージョやアルガルヴェに行っていたが、今年はその必要もなくなった。田舎には住民が参加するお祭りがあって復活祭に遠出するのは楽しいが、リスボンでは特にこれといった大きな行事はなく、静かな休日だ。唯一賑やかなのは復活祭用のお菓子を並べたカフェ。休日と日曜の重なるこの日は早仕舞いする店も多い。
a0103335_7504761.jpg
復活祭のお約束、卵のパンとケーキ。元祖カステラのパン・デ・ローも

a0103335_7504842.jpg
キリストが磔になった金曜日は肉断ち、復活した日曜は肉入りパン

a0103335_7504930.jpg
無愛想な職人の店、サーブもこんなです

しかし夕方になると、まだ営業しているカフェがどこも赤いシャツやマフラーを着けた男女で満員になっている。店のTVでは人気サッカーチームのベンフィカの試合を中継している。キリストの復活よりベンフィカの方が大事なのかい⁈


優勝したらしいです
[PR]
by caldoverde | 2014-04-21 07:20 | 動植物 | Comments(4)

ロバと歩くアルガルヴェ

 アルガルヴェ地方の絵葉書や民芸品にはしばしばロバが登場する。荷車をひいたり井戸水を汲み上げたりとロバは人々の生活に欠かせない動物だった。辛抱強いが強情なロバはポルトガル語では「馬鹿」という意味にも使われるが、全く失礼な話だ。実はロバは賢い動物であることを身を持って知る機会があった。
a0103335_781742.jpg

 サン・ブラス・デ・アルポルテルの復活祭の翌日、町の文化センターでたまたまドンキーライディングのチラシを見つけた。すでに夕方ではあったが、電話とメールで連絡して翌日の午前中の予約を取り付けた。場所は町の中心から少し離れた山の中で、1日(8時間)・半日(4時間)・1時間半の3つのコースがあり、私はお試しの1時間半30ユーロのコースを選んだ。スタッフはポルトガル人夫婦と雄のロバが2頭。夫のフラヴィオさんがジープでサン・ブラス・アルポルテルのバスターミナルまで迎えにきてくれた。

 茶色のロバはペペ、白っぽい方はアスーカル(砂糖)といい、25才と30才。以前のオーナーは英国人とフランス人で、散歩用に飼っていたそうだ。ロバはアルガルヴェ地方の伝統的な鞍や手織の敷物で盛装する。乗る時は鞍を付けるか鞍なしかを選ぶことができる。
a0103335_710426.jpg
鞍の上に大きなポケット状の手織りの敷物をかけドレスアップ

 初めは乗らずに手綱を引いてロバをコントロールする事を学ぶ。私が選んだペペというロバは、文字通りしょっ中道草をしては歩みを止めるので、その度に綱引きをして方向転換をしなくてはならない。ロバはどうも人を見るようだ。
a0103335_7161245.jpg
樹齢約500年の木

 フラヴィオさんと奥さんのソニアさんは、ロバの性質や、アルガルヴェ地方の自然や農業、植物の名前などを説明しながら、山路や畑の中をのんびりとしかし慎重にロバを牽く。花を摘んでロバに飾り、鳥の声や小川のせせらぎに耳をすませ、山火事の跡から新芽が萌えるのを確認し、泉で喉を潤し、おやつにアルガルヴェの名産品の干しイチジクをロバに与え、地面に落ちていた生のアーモンドの実を食べたりしながら、スタート地点の井戸に戻ってきた。

ロバの背に揺られて・・・


 1時間半のコースは終了したが、フラヴィオさんが、ついでに別の古い井戸で昔どんなふうに水を汲んでいたかをお見せしましょうかと言うので、せっかくの好意を受けることにした。ところがペペはいつもの終点場所から動こうとしない。古い井戸に連れて行かれると、今度は引き綱を大きな歯車を回す鉄棒の先に結ばれて井戸の周りを歩かされる。彼はそれを知っているので嫌がったのだ。ロバは働き者かと思ったら、人間と同じでサービス残業はしたくないのであった。

も~いいでしょ。これで。


 ロバツアーの後、少し多く払うのでサン・ブラス・アルポルテルでなくローマ遺跡のあるエストイまで車で送ってくれるようフラヴィオさんにお願いした。途中小さな村や鉄分の多い水の湧き出る泉、展望台なども見せてもらい、なかなか楽しいドライブとなった。
a0103335_80101.jpg

 この地方に生まれ育ち、アレンテージョ出身のソニアさんと大学で知り合い結婚したフラヴィオさんは、停滞した地域の再興を目指し、祖父母の住んでいた山に戻ってきた。かつてのアルガルヴェの産業や農業に重要な役割を担っていたロバに、自然と人間を結ぶ橋渡しという新しい任務を与えた。海岸ばかりが注目され乱開発気味のアルガルヴェだが、実は内陸の方が固有の伝統や自然が残されていることをロバは旅人に気付かせてくれる。またこのロバツアーは、ストレスや悩みを抱えた人には動物セラピーの効能も期待できる。都会の生活や仕事に疲れた方は、アルガルヴェの山をのんびりロバと歩いて癒されては。
[PR]
by caldoverde | 2013-04-08 08:15 | 動植物 | Comments(4)

酔っ払いの木

 初夏のジャカランダと並んでリスボンの美しい花木といえば、初秋に咲く「酔っ払いの木」。濃いピンクの細長い花弁は縁がフリルの様に波打ち、花の中心部は黄味を帯び、白地に濃い紫の斑点模様。大きさは10~15cm、割りと大きな花だ。そのあでやかさは人気の極みの女優のようだ。
a0103335_2132872.jpg
カテドラルの鐘楼と
a0103335_21112069.jpg
ジェロニモス修道院と

 しかし幹を見るとぼってりした下半身デブで酒飲みのビール腹のようである。この姿が「酔っ払いの木」別名「トックリキワタ」と呼ばれる由縁である。おまけに幹の表面はびっしりと棘で覆われている。まるで男性の髭の剃り残しのような。木の周りには重すぎて風に吹き寄せられることもない花弁が、打ち上げられたヒトデのようにぐったりと横たわり、通行人に踏み潰される。
a0103335_2194875.jpg

a0103335_2114649.jpg

a0103335_21123644.jpg


 トラベスティと呼ばれる女装した男性の芸人が後輩に人気を奪われ落ち目になっていく、芸(ゲイ)の世界の愛憎を描いたポルトガル映画「Morrer Como Um Homem(男として死す)」がある。「酔っ払いの木」は精一杯着飾りながら、肉体の衰えにおののく中年男であるこの映画の主人公を思い出させる。



a0103335_21182319.jpg
酔っ払いの木の下で飲む酔っ払いたち
a0103335_21363235.jpg
a0103335_2138293.jpg
木によって花の色や形が違う
[PR]
by caldoverde | 2012-10-02 18:56 | 動植物 | Comments(6)

麝香蘭朶の匂いにむせて

a0103335_1225640.jpg

 年々開花が早まる傾向にあったリスボンのジャカランダは、昨年からの異常気象のせいか今年は5月後半といつもより遅めだった。しかし、今年は葉をすっかり落として枝一杯に花をつけた見事な樹が多いように思う。葉っぱが残っていると花と葉が半々になる。
a0103335_154585.jpg
5月24日 シェラトンホテルそばの通りにて

 リスボンにはあちこちにジャカランダ並木があり、古い街並みとそれは見事な調和を奏でているのだが、ポルトガル人は誰も気に止めないようだ。無秩序に停められた車がせっかくの景観を台無しにしている。車の持ち主は、花びらが落ちてきて車が汚れて困るとさえ思っているに違いない。情緒ある石畳に零れ落ちる紫の花びらを踏みながら散歩する風流人は外国の観光客ばかりである。
a0103335_174665.jpg
6月3日 ロドリゴ・ダ・フォンセカ通り

 リスボン市はこの貴重な観光資源を有効に活用すれば収入を増やすことができるのではないかと思うのだが、ジャカランダに関連するイベントなどは聞いたことがない。精度の高いジャカランダ予報を出して、ジャカランダマップを作成し、観光局がプロモートすれば5月~6月の観光客の数は飛躍的に伸びると思うのだが。

a0103335_111551.jpg

 リスボンのネセシダーデス宮殿と、隣接するネセシダーデス公園はガイドブックに載っていない隠れたジャカランダの名所である。6月7日の撮影時点では盛りが過ぎて散り始めていたが、それでも見事な花が18世紀の美麗な宮殿や華やかな色彩の民家をいっそうあでやかに彩り、路上に紫の絨毯を敷いている。
a0103335_1133219.jpg

 ネセシダーデス公園に入ると、緑のトンネル中に紫の帯が現われた。ジャカランダの樹はだいぶ花を落としていたが、その下には花びらを敷き詰めた紫の小道が出来上がっていて、その美しさはたとえようもない。下手な写真で十分にお伝えできないことが残念だ。
a0103335_1175941.jpg
a0103335_119327.jpg
a0103335_1215074.jpg

[PR]
by caldoverde | 2012-06-08 01:36 | 動植物 | Comments(7)

ジャカランダより団子

a0103335_8183912.jpg
アルファマのサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会とジャカランダ 

a0103335_8191135.jpg

 例年はリスボンでは五月の半ばから六月の初旬が一番見ごろのジャカランダは、今年は温暖化のせいか少し早めに咲き始め、六月九日現在花をつけている木はわずかになった。世界三大花木のひとつに挙げられるほど、満開のジャカランダは美しい。フリージアのような形のリラ色の花が房になって咲く姿は、遠目には藤色の桜かと思うくらいである。花は色あせぬまま地面に落ちて薄紫の木陰を作る。
a0103335_742365.jpg

 日本人ならジャカランダ前線を予報したり、川の堤に植えてお花見の名所にしたり、ジャカランダ園などを作り入場料を取って見せるはず。
 ところがジャカランダがどんなに見事に咲いていようが、ポルトガル人が、①口をあけて呆然と花に見とれていたり、②写真を撮っていたり、③団体で訪れたり、④満開の木の下で弁当を食べ酒を飲んでいる姿は全く見られない。私は特に花を愛でる風流人ではないが、ジャカランダの花が咲けば必ず①②は行う。③は仕事でする場合がある。④は乗ってくれる仲間を探す前に花が終ってしまう。ポルトガルは花の名前を覚えたり、花を見にどこかに出かけたりするような人の割合は少ないと思う。だからポルトガル人に花の名前を尋ねても無駄である。
a0103335_7433112.jpg

 ジャカランダの花が散ってもののあはれを感じるポルトガル人はいるだろうか。むしろ、さあ夏がやってくる、海だ、バカンスだと意気込む人のほうが多いと思う。ジャカランダをイメージしたお菓子や飲み物、料理があるだろうかと思ったが、こんなところにある訳がないだろうと断定し、探す努力もしなかった。せめてジャカランダを見ながらコーヒーを飲んだり食事の出来る場所でもリサーチしておけばよかったが、つい行きつけの店にいってしまう。そうしているうちに花がほとんど散ってしまった。

 来年はセレブを招待し初夏の園遊会を催し、参加者は薄紫のものを着用、ジャカランダの咲く庭でお汁粉を食べ、はらはらと花の散る木の下でシソの葉で巻いたおにぎりを頬張り、夜桜ならぬ夜ジャカランダを見ながら紫色のカクテルを賞味するという企画を思いついた。ただし参加者は酔っ払って全裸にならないように注意すること。
a0103335_8154446.jpg

[PR]
by caldoverde | 2009-06-10 07:54 | 動植物 | Comments(5)