ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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カテゴリ:ポルトガルの旅( 70 )

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フルナスの最終日。午前中はまたカルデイラスにホットスプリングズを見に行った。プチプチ細かい泡が出る小さな湯だまりもあれば、煮えたぎった熱湯が勢いよく噴き上がる泉もある。灰色の泥がボコっと膨らんでは破裂する穴もある。白い地面からほんわか湯気が立っている場所もある。見ていて飽きない。あちこちに水が出るパイプがあるので、試しに口に含むと、ペッ酸っぱい!鉄臭い!シュワっとする!こんな小さなエリアに様々な泉質と温度の水が湧くのにまた驚いた。

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コジードと共にフルナス名物の双璧をなす、ボーロ・レヴェド

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こんなに美味い袋菓子がアソーレスにあったとは…ビールクッキー


最後の日はお菓子の食べ比べになった。カルデイラスの土産物屋で買ったビールクッキーはサクサクと香ばしく今まで食べたポルトガルの袋菓子で1、2を争う美味しさ。特産の里芋のケーキは、ねっとり感と土臭さを抑えつつ甘さも控えめにして意外と上品だ。お土産にフルナス名物のボーロ・レヴェドを買うついでに、その店の「豆のケイジャーダ」と「フルナス谷のケイジャーダ」という2種類のケイジャーダ(フレッシュチーズを使ったお菓子)も試してみたら、どちらも甘さ控えめで美味しい! 乳製品の産地であるアソーレスのお菓子は程よくバターやチーズが使われていて、本国の何を原料としているのか判らないやたら甘い菓子よりも上質だ。サン・ミゲル島のヴィラ・フランカ・デ・カンポやグラシオーザ島のケイジャーダは有名だが、フルナスの小さなお菓子屋のケイジャーダもなかなかの実力。せっかく温泉やサイクリングでカロリーを消費したのに元の木阿弥になった。

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黒糖饅頭に通じる味の里芋ケーキ

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某有名観光地のケイジャーダよりも数倍美味しい

最後の夜はたっぷり厚みのあるアソーレス牛のステーキを食べたいと思い、微生物センターの男の子に聞いたところ、サン・ミゲル島で一番美味しいステーキは、リベイラ・グランデの畜産協同組合のレストランであるという。残念ながらリベイラ・グランデまで行ってステーキを食べる時間は無いので、微生物センターにチラシが置いてある関係も窺われるが、彼の推挙する村のレストランに行ってみた。フルナス湖にもこの店の名前の立札の刺さった砂山があったので、温泉コジードで有名なんだろうが、インターネットの評判はあまり芳しくない。

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やっと来たら、冷めている

店内はそこそこお客が入っており、評判ほど悪くはないのではないかと期待した。しかし注文したステーキがなかなか来ない。 やっと来たら冷めている。出来上がったのを放置していたのか焼く温度が足りなかったのか。焼き直しを頼んでしばらくして食べかけのステーキが来たが、結果は全く同じであった。それどころかフライドポテトは更に萎びていた。我慢して食べ始めたが、リスボンで食べるステーキは厚かろうが薄かろうが熱々が来るのになあと思うと、もう一度言わずにはいられなかった。素材は良いのに調理人のセンスが足りないのか、客席に持っていくタイミングが悪いのか…グラシオーザ島でステーキをミディアムで頼んだらウェルダンで焼かれたのを思い出す。それがこの店の流儀だとしたら、私はクレーマーだ。

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作り直し?のステーキも大差なし

入店から2時間後、2枚目のステーキが来た。今度のは幾分熱いので、せっかくの新しい肉を無駄にするのは申し訳なく完食した。しかしフライドポテトの方は前の皿のリサイクルらしく、更に硬く芋ケンピのようになっていた。リスボンのアソーレス料理屋のトカゲステーキ・ミゲル風はこれまで食べた最も美味いステーキだったのに、現地のステーキはなぜこんなのか理解に苦しむ。しかしポルトガル語で話しても英語で返事する給仕を見て、何となく解った。夏はイギリスやドイツの観光客が怒涛のごとく訪れ、最近はアメリカ人の観光客も増えている。彼らはゴムのような肉や芋ケンピのフライドポテトもうまいうまいと食べているに違いない。コジードは温泉が作ってくれるので、料理人の腕はあまり関係しない。そう言えば、観光案内所の隣にも関わらず、職員が紹介した何軒かのレストランの最後におまけのように付け加えたのがこの店であった。

勘定を見ると、15€だと思ったら11€しかついていない。私は15€の仔牛のビッフェ(ステーキ)を頼んだのに、店員はビトックを厨房にオーダーしたらしい。だから目玉焼きが付いて薄くて硬かったのか。それにしても1時間かかってぬるい料理が出されたのは解せない。今度来るときは、島民が口を揃えて勧めるリベイラ・グランデの畜産協同組合で最高のアソーレス牛のステーキを食べてやる。

肝心のフルナスの温泉効果であるが、4日通って足首の痛みはほとんど消えた。骨折が治った後も捻った靭帯がずっと鈍痛を持っていたのだが、2日目辺りから軽くなっているのを感じた。水着着用だからこそ混浴の可能な露天風呂で、様々な国の様々な年代の人々の色んな言葉のおしゃべりを聞くのも楽しいし、赤い小川の流れ、里芋畑に来る小鳥、浴槽の石に生える苔などを観察するのも飽きない。思いの外楽しめた湯治だった。

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by caldoverde | 2017-01-01 06:49 | ポルトガルの旅 | Comments(4)
ずっとフルナスで温泉三昧しようと思ったが、ラゴアという町に「火山の家」という施設があるのを知り、また良いレストランがあるらしいので出かけることにした。フルナスから10時半に出発したポンタ・デルガーダ行きの路線バスは、くねくねした山道を走りいくつもの村や町を巡りながら正午ごろにラゴアに着いた。ラゴアには漁港があり、直ぐ隣に魚が美味しいと評判のレストランがある。ガラスケースにはいろんな魚が並び、お店の人が名前を教えてくれる。私は「インペラドール(皇帝)」というキンメダイに似た魚を注文した。この魚は高値で取引され漁が制限されていたらしい。ということは美味いのだろうが値段もそれなりに張るに違いない。先に来た客は前菜に私の大好きなカサガイを頼んでいたが、ぐっと我慢した。

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開いて炭で焼いた皇帝は、上品な白身の魚で、ノドグロのようにエラの内側が黒い。味もノドグロに似て程よく脂が乗り、とても美味である。デザートはマラクジャのムース。マラクジャ(パッションフルーツ)アソーレスの名産品の一つで、バールにはマラクジャのリキュールもよく置いてある。コーヒーを飲んでお勘定を見ると驚きの11€だった。ということは魚は7€ぐらいだった。カサガイも食べれば良かった。

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昼食後に「火山の家」を訪れた。海の真ん前にあり、隣はユースホステル。見学は午後の2時半、3時半、4時半の三回ガイドツアーが行われる。学芸員はアソーレス諸島やサン・ミゲル島の成り立ち、火山が生み出す様々な種類の石、世界中から集めた鉱物や宝石、化石などを解説してくれる。この日の2時半の回の客は私一人なので、色々質問したり、展示物をじっくり見ることができた。アソーレス諸島に旅行するようになって、地理や地学に興味を持てるようになった。中学生や高校生の頃だったら尚良かったのになあ。

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フルナスに戻り、また温泉を楽しんだ。夜はこれまた地元の家族連れやカップルが多い。住民は年間パスでも持っているのだろうか?毎日4€の入浴料は家計に大きいと思うが。お風呂はみな石で出来ていて、もちろん源泉掛け流し。お湯は透明だが、かなり鉄分を含んでいて、石の隙間や川底は沈殿した酸化鉄で赤く染まっていて、真っ白いタオルや薄い色の水着は染みがつく恐れがある。なおタオルは温泉で2€で借りることもできるし、水着も売っている。

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最初のお風呂は「瞑想の湯」深さ130cm、私が立つと頭から下が全部お湯に浸かる。水温は39度。次は「静穏の湯」深さは90cmほどで段差があり、掛けて腰湯に浸かることもでき、肩まで沈むこともできる。「河岸の湯」は山から流れて来る水と温泉の湯の混じったお風呂で水温は28度。「テルマエの集い」は浴槽の段差が3つあり、小さな子供も大人も一緒に入ることができる。またこの浴槽は滝がなく体に負担がかからない。「神話の湯」は浴槽の一辺が滝のカーテンになり、全身を優しくマッサージすることができる。それぞれの浴槽の底は沈殿物や小石でヌルヌルザラザラするが、海水浴の一つのバリエーションと思って我慢。お風呂の後はやっぱりビールが飲みたくなる。アソーレスの地ビール「エスペシャル」で乾杯!

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イケメンや美女と混浴できます。


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by caldoverde | 2016-12-29 06:24 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
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フルナスの朝は、村を環状に囲む山や森に霞がたなびき、まるで日本の山村のようだ。通りに出ると道の奥は特に霧が深く立ち込めている。歩いていくうちにそれは霧ではなく湯気であることに気が付いた。道路のマンホールや排水溝の隙間から白い蒸気が立ち上り、硫黄の臭いが漂う。ついに湯気の大元に行き着いた。そこには黄色がかった白い地面にいくつかの石の輪があって、輪の中からほんわか湯気が立ち上り、あるいは煮えたぎった湯が恐ろしい音と共に噴出する。そばには川が流れ、河原の至る所でもうもう湯気が吹き出している。現地ではカルデイラス(ボイラー)と呼ばれているが、日本なら地獄釜とか地獄谷と名付けられそうな場所だ。怒り狂ったように吹き上げる熱湯の泉の合間に置かれた、中世の城や聖家族やラクダに乗った東方の三博士の書き割りがなんともミスマッチだ。閻魔様や鬼の方が断然似合う。

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昔の湯治場だった小さな建物は、今は温泉に棲息する微生物を紹介する科学館となっている。髪の毛の30分の1の細さの藻のような生物や、100度を超える温泉に存在するバクテリアなどが展示されている。中には地中の350度の高温を生き延びることのできる種もあるそうで、そんなのが人類を襲ったら大変なことになる。微生物センターでは温泉の水を使ったお茶やコーヒーも飲むことができる。

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そのあと、愛車のブロンプトンでフルナス湖畔のサイクリングに出かけた。初めてフルナスにきた時は、紫陽花の綺麗な、しかし車がビュンビュンとばす国道から外れて牧場に入り、そこからぬかるんだ細い登山道を歩いて湖に出たと記憶している。あれから9年、ひょっとして起伏の少ない舗装された遊歩道やサイクリングコースができていないかと期待したが、結局同じ山道を自転車を引いて歩くことになった。峠を越えるとき、別の道から来たイギリス人らしき女性に「ユーアークレイジー」と笑われた。

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しかしその苦労は、フルナス湖畔を自転車で半周し美しい景色を大いに楽しんだことで報われた。以前来た時に温泉の地熱でコジードを作っているのを見たのはここだった。レストランの立て札がつけられた砂山の下で、肉や野菜たちはじんわりと茹でられ互いの味がしみていく。水辺では鴨やガチョウのような鳥が、観光客から売店で販売している餌を貰っている。もう家禽化しているので、こいつらも温泉で茹でたら美味いのでは…と不謹慎ながら思った。

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コジードを作る温泉から湖沿いに5km位先にある、フルナス湖自然保護観察センターを訪れた。近年は牧場が原因の水質の富栄養化や、外来植物の繁殖が問題になっているので、フルナス湖を本来の姿に戻すのがセンターの目標である。観光や農業の振興と自然保護をいかに調和させるかが、アソーレスの大きな課題である。格安航空会社の就航に伴い大幅に観光客が増えたのは良いが、観光開発が自然を破壊しては本末転倒だ。今のうちにアソーレスに行けと警告する旅行サイトもある。ブームになる前に(もうなっているかもしれないが)是非とも訪れるべき場所だ。

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ようやく前日食べたコジードが1日半かかって消化された。夕食は同じ店「Tony's」でカサガイのグリルとアブロテイアという白身の魚のフライを食べた。アブロテイアはサン・ミゲル島ではよく食べられる魚で、鱈系の癖のないあっさりした味だ。飲み物はモランゲイロ(イチゴワイン)。酸味が強く、やや濁った、イチゴの香りのするワインははっきり言ってそんなに美味しいものではないが、地酒ということでアソーレスに来たら一度は飲んでみるのも良いだろう。

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by caldoverde | 2016-12-27 03:40 | ポルトガルの旅 | Comments(0)
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飛行機から見たロカ岬

かねがね春に骨折した足首の養生を兼ねて、12月は温泉に行こうと漠然と考えていたが、ネットでたまたま格安航空会社イージージェットのリスボンーポンタ・デルガーダ往復56€の航空券を見つけたので、冬のアソーレスも体験してみようと切符を押さえた。ローコストキャリアはちょっと考えていると値段がすぐに変わる。

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テーラ・ノストラ・ガーデンホテルの温泉プール。赤い水は水着を一つダメにした。

それからサン・ミゲル島の温泉を探したら、以前訪れたフルナスに天然温泉の公衆浴場があるではないか。昔行った時は気付かなかったが、地元ではよく知られた温泉で、数年前に新装開店し、なんと朝は7時から夜は23時まで一年中営業しているという。また最近フルナスのテーラ・ノストラ・ガーデンが、世界の名庭ベスト100の内ポルトガルから選ばれた5つの庭園のひとつとなったので、再訪したいと思っていたのと、地熱で作るフルナス名物のコジードももう一度食べたかったのもあり、今回のアソーレスの旅はあちこち移動せずにフルナスに連泊することにした。

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中央の白い家がポエムの家 (Casa do Poema)

フルナスの代表的な宿泊施設は何と言っても大きな温泉プールと素晴らしい庭園のあるテーラ・ノストラ・ガーデンホテルなのだが、シングルの部屋は狭いし冬でも結構高い。オフシーズンにもかかわらず温泉に近いホテルやペンションはほとんど満室で、唯一残っていたのが「ポエムの家」というポエマーな名前の築4年の小さな一軒家で、料金は4泊200€に清掃代35€。台所や洗濯機など長期滞在も可能な設備が全て揃い、リスボンのおしゃれなアパートのような内装だ。
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小さな家だが吹き抜けがあり、広々とした印象

自転車でフルナス湖の周辺を散歩したいと思い、後から自転車の積載を追加したら、料金が驚きの98€で、人間様より高い。格安航空会社の最安チケットで持ち込める荷物はキャビンに積める手荷物一つのみで、女性のハンドバッグや土産物の紙袋まで追加料金の対象になる。ケチ!
朝7時出発の便が10時半に遅れるとアナウンスがあり、結局9時半ごろリスボンを離陸した。一応お詫びの4.50€のミール券を貰った。この会社の機内食は有料なので、少しばかり得をしたような?
昼頃にポンタ・デルガーダの空港に着くと「ポエムの家」のオーナー、ルイスさんが迎えに来た。時間の都合がつけば、送迎や観光案内もしてくれるので、帰りも空港までのトランスファーを頼んだ。北回りの幹線道路をドライブしながらフルナスに到着し、早速宿の近くのレストラン「トニーズ」でフルナス名物温泉コジードを久々に食べることができた。
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3種の肉と芋+2種類の腸詰とキャベツ+人参+ご飯で限界の満腹度

昼食の後は、テーラ・ノストラ・ガーデンを散歩した。広大な庭には湯気の立つ小川が流れ、水辺には里芋が群生し、地面は苔で覆われ、赤や白の椿が咲き、銀杏が黄金色の落葉を歩道に敷き詰め、杉の巨木の下には季節外れのツツジもぽちぽち咲くかたわら、ジュラシックパークに出てきそうな巨大なシダが大きく葉っぱを広げ、見慣れないトロピカルな植物もありといった具合の、日本とヨーロッパと古生代の混じったなんとも不思議な庭園である。
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庭園の里芋の収穫。煮物が食べたい!

庭園の後は、天然温泉の「ポッサ・ダ・ドナ・ベイジャ」に出かけた。勢いよく流れる赤茶色の小川を挟んで、5つの異なった深さと温度の露天風呂があり、地元民や外国人のカップルや家族連れがまったりと湯に浸っている。水温は28度の一つを除き、他は39度の熱くもぬるくもなく、長時間浸れる湯加減である。お湯から出る度に冷たい空気に当たっては体を縮めたが、5つの浴槽を一巡りした頃には、身体がぽかぽか温まっていた。


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by caldoverde | 2016-12-25 20:56 | ポルトガルの旅 | Comments(2)

食欲の秋のポルト

ご無沙汰しています。更新をサボっていましたが、ちゃんと生きています。

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きれいに紅葉した街路樹。リスボンにはない。

ポルトで1日過ごせる機会ができたので、リスボンに無いうまいものを食べようと、まだ夜の明けぬ朝7:00のバスに乗ってポルトに向かった。

もう落ち着いた頃だろうと思ったら、10月半ばになってもポルトはどこもかしこも観光客で一杯で、レロ書店やカフェ・マジェスティックには相変わらず行列ができている。ボリャオン市場も昔と変わらずキタナいが、ほとんどのお客さんは外国人で、月曜日のせいもあるが出店は土産物を売る業者が半分を占めていた。昔は八百屋やチーズ屋や肉屋など地元民向けの店がほとんどだったのに、変わったなあと少し寂しくなった。

ポルトで時間が出来たら絶対に行こうと思っていたのは、ケーキ屋のtavi。近所のフランス菓子店がなくなって以来、リスボンに私を満足させる洋菓子店は無い。また海を見ながら綺麗で美味しいケーキを食べるのだ!しかしその前に、お昼をとらなければ。どこか良い所はないか…と大先輩のMOREIAさんに尋ねたところ、候補を3つ挙げてもらった。少々高くても経費で落としてやれと、その中で一番高級で、評判の良いCafeinaという店に行った。よく雑誌にも紹介されている有名店で、入るとダークスーツを着たビジネスマンばかりが食事をしている。「ビジネスランチ」と銘打った昼の(比較的)お手頃なメニューが用意されているが、私には十分贅沢な金額だった(16€)。3種類のメインディッシュから、私はセーラ・ダ・エストレーラチーズのソースを使ったステーキにした。

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大きさは4x10x2cm位

正直に言うと、見た瞬間「え、こんだけ?」と思った。味も肉質も焼き具合も申し分ないが、期待していた大きさの半分だった。何を基準にしたかと言うと、何度か食べているボルサ宮そばのフェレイラ・ボルジェス市場の中にあるグリルレストランの牛肉サンドと比較してである。値段がたったの7.5€で、炭火で焼かれた赤身の牛肉は、噛むと柔らかくじわっと肉汁が染み出すいい焼き加減で、味も良い。しかもパンからはみ出すほど大きい。

Cafeinaは高級店だけあって、メインディッシュが来る前に前菜やスープを食べるのを想定して、ポーションが小さいのだろう。コースとして食べればちょうど良い量だ。が…。
ビジネスランチにはデザートも含まれていたが、taviでケーキを食べるのは決定事項だったのでパスした。

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この日はポルトの街を歩き回ったので、大丈夫

むしろこちらが優先課題であったtaviの、クリームをたっぷり使った生菓子系は4種類。その中からデリシア・デ・マンガ(マンゴーの快楽)を選んだ。固めに泡立てたマンゴームースの下は、濃厚なチョコレートガナッシュで、甘みと苦味の調和が素晴らしい。こういう店が身近にないので、なんとか体重を増やさずに済んでいる。

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でかっ

夜はホテルから近いのもあるが、確実に腹一杯になる「アバディア・ド・ポルト」に行った。以前ここでトリパス(牛モツと豆の煮込み)を頼んだら、鍋で来た。連れはかなり大きく美味そうなポスタ・ミランデーザ(ミランダ牛ステーキ)を食べていて、そっちもいいなあと心が揺れた。よほど夜もステーキにしようかと思ったが、やはり身体に優しい(ような気がする)魚介類にしようと考え直し、タコのグリルを頼んだ。昼の高級店のステーキの倍の大きさのタコの足に野菜炒め、皮付きのジャガイモの付け合わせ。おなじみてんこ盛りのポルトガル料理で、見た目のボリュームは満点だ。タコはスプーンで切れるほど柔らかく、プリっというよりはねっとりした感触で、焦げた部分が香ばしい。値段はやはり2桁€になるけれど、物理的な満足感は十分に与えられた。やはりお腹いっぱいにならないとポルトに来た気がしない。

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by caldoverde | 2016-10-18 05:09 | ポルトガルの旅 | Comments(4)

黄金海岸のバカンス 2


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大西洋に日が沈むのは午後8時15分頃。その頃は既にアルモグラーヴェ村のレストランはそこそこ賑わって、なかなか一人客のテーブルも空かなければ、うまく席を確保してもすぐに注文を取りには来ない。ここはアレンテージョなんだから、別に急がないのだからゆったり構えるべしと自分に言い聞かせそこは我慢できるが、一年のうちの2ヶ月だけ忙しい海岸の村のレストランでの夕食は、どうも今ひとつであった。冷凍食品の疑い濃厚なモンゴウイカのフライや、リスボンの近所の店でも良いのが食えるビトックを選んでしまったのは、あんまり地方色を感じないものしかメニューになかったからだ。夏は黙っていても客は来るからね…

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香ばしく焼いたクロダイにコリアンダーとニンニクがたっぷり

2泊3日の短いバカンスの最後の昼食は、隣村のロンゲイラのもう一つのレストラン、「ジョアン・ダ・ロンゲイラ」でようやく郷土食らしいものを食べることができた。メニューは基本的に前日行った「ジョズエ」とほとんど同じだが、ちょっと違うのが、魚のグリルがコリアンダーまみれ(コエントラーダ)になっている点だ。店の女の子お勧めのクロダイのグリル・コリアンダーソースとハーフボトルのヴィーニョ・ヴェルデを注文した、昨夜の店のカラフに入ったハウスワインが不味かったので、信頼の置けるメーカーの瓶入りのワインを選んだ。正解であった。

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カップ入りのブルーベリーチーズケーキ

砂浜と輝く太陽を求め海にやって来る人達は、砂や岩場に生きる動植物にあまり目を向けることはない。夕日に何の感慨もないのか、皆、赤く染まった海を振り向きもせず家や宿やレストランに向かう。夕涼みでビールを片手におしゃべりに興じる人々の頭上には都会では見えない天の河や様々な星座が展開する。食事は期待外れでも、それを補うのに十分な自然の魅力がたっぷりなのだが、関心を持つ人は少なく思える。最近はアレンテージョの海岸がモードになっているようだが、遅かれ早かれアルガルヴェ化してしまうのではないかと心配だ。

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とても変わった形の花弁

葉はなく砂中から重そうな蕾を付けた茎が出て、妖精のような美しい花を咲かせる不思議な植物は砂ユリ。砂丘にはハマカンザシの株があちこちに見られ、春の砂丘は白やピンクのぼんぼりが風にそよいでさぞかし綺麗だろう。3月から6月にかけて砂丘は様々な花で彩られる。アルモグラーヴェ海岸は独特な植物の宝庫らしいので、その時期にぜひまた訪れたい。

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群生するハマカンザシ

地層も興味をそそる。いかなる大地の動きがこのような形や模様を作り出したのか不思議である。まるで古代ローマの遺跡が海に沈んでいるかのようだ。

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渦を巻いたりアーチを描く地層

夏のポルトガルのビーチでは、Tシャツと長いズボンというスタイルは相当な厚着で、フランスで問題になっているブルキニ並みにビーチで浮くことこの上ない。目立たないようにするには、露出度の高い服装で。水着は女性はぜひビキニを。ワンピース水着はおばあちゃんと子供しか着ていない。太っていても全然平気、誰も気にしない。かなり日差しが強いので、UVローションで十分プロテクトしよう。午前中と午後の日没に近い時刻は日射も強すぎず人も少ないのでお勧め。日射病にならないよう必ず帽子かパラソルを用意しよう。砂に寝ころんでいると混み合う時間帯は案外人の話し声が響く(特に子供)ので、ヘッドフォンを持って来れば良かったと少し後悔。バスの中で30分も携帯で話す迷惑野郎対策にも役立ったのに。



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by caldoverde | 2016-08-30 05:45 | ポルトガルの旅 | Comments(2)

黄金海岸のバカンス

今年は春に足首を骨折して大損害を被ったので、恒例の夏のアソーレス旅行は諦め、毎年帰省するお盆に仕事をして挽回した。仕事がひと段落した夜中、突然思いついてビーチのホテルを予約した。最後の一部屋だった。アレンテージョのシーネスという町の南にあるアルモグラーヴェという海岸だ。

ポルトガル南部のアレンテージョ地方の海岸はまだまだ自然が残され、知る人ぞ知る美しいビーチが点在する夏の穴場である。コスタ・アレンテジャーナまたはコスタ・ヴィセンティーナと呼ばれ、黄金海岸の異名も持つ。夏の乾燥した気候は草木を金色に枯らし、海岸はさらさらの黄色い砂浜だからだろう。幸いリスボンから路線バスで気軽に行くことができる。グーグルアースで地形を見ると、自転車で散歩できそうだ。久々に愛車ブロンプトンを携えての遠出である。

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ポルトガル最良のビーチと自負するアルモグラーヴェ海岸は、黒い岩礁がベージュの砂浜を抱く様な形をなし、その外側にもまた別のビーチがある。ビーチにはバールや物売りは無く、レンタルのパラソルやチェアもない。トイレはあるが、シャワーは使えなくなっている。この海岸に来るのは、村に宿泊する人か村人であることが前提の様だ。あちこちにこの辺の動植物を紹介する看板があるのだが、すっかり色あせてほとんど読めない。そんな観光客を突き放した姿勢が、逆に自然保護に一役買っているのかも?

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遊歩道の先にも別のビーチが

アルモグラーヴェ海岸から海沿いに埃っぽい道路を小一時間ぶらぶら歩くと、通りの突き当りに漁港がある。漁師小屋とわずかな漁船があるばかりの小さな港だ。そこに発泡スチロールでできた粗末な手漕ぎボートが上陸した。観光客が遊んでいるのかと思ったら、れっきとした漁船で、バケツには色んな種類の魚とタコが満載されていた。漁師がバケツの魚を地面にまけて仕分けし始めると、野良猫がやってきて、魚をせしめた。漁師にどのレストランが良いか尋ねると、ホテルからほど近い「ラヴラドール」と隣村の「ジョズエ」を挙げた。側にいたフランス人夫婦も「ジョズエ」を推したので、昼はサイクリングを兼ねてロンゲイラという隣村に食べに行った。

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今日は大漁だ!

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0.007トンの黄金丸と大西丸

海岸から少し離れたロンゲイラは、街道沿いに平屋の小さな家がくっつきあっている典型的なアレンテージョの村だ。その街道の突き当りに近い場所に「ジョズエ」がある。メニューにウツボがあるのだが残念ながらその日は無かったので、シーフードのパン粥(アソルダ・デ・マリスコス)を頼んだ。先程見た漁師の獲物にはカサゴやヒメジなど色んな魚があったのだが、レストランにあるのはクロダイ、スズキ、ヒラメのみ。2人以上であれば、シーフードリゾットなどもっとチョイスが増えるのだが、おひとり様だと選べるものが限られ、魚のグリル以外では必然的にパン粥になる。コリアンダーやニンニクをたっぷり使った郷土料理であるが、シーフードが冷凍食品なのがマイナスポイント。しかし食後のコーヒーを頼んだら自家製リキュールが3種類もおまけされたので、まあ良しとしよう。

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白壁に青い縁取りの平屋の並ぶ小さな村、ロンゲイラ

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日本でも話題のコリアンダーたっぷりです

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市販の瓶に入っていますが自家製

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鮮やかな色のミントのリキュール



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by caldoverde | 2016-08-26 00:56 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
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堂々たる村の門。でもアーチをくぐると石の壁にぶちあたるので敵も味方も入れない変な門。

翌日はモンサントの宿の人に9時にタクシーを手配してもらい、イダーニャ・ア・ヴェーリャに行った。日本のガイドブックには載っていないが、ユネスコ世界遺産への登録を目指している古い村である。ローマ帝国時代に集落が造られ、西ゴート族、アラブ人、レコンキスタ、と古代から中世にかけてのイベリア半島の民族の衰亡史がこの小さな村でも綴られ、色んな時代の重層的な遺構と、農業を営む人々の日常が共存している。
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古い城や教会は民家の材料にされてしまったと思われる

古い桑の木のある広場には村に一つしかないカフェがあり、小学生の兄弟が村のじいさん達にコーヒーやワインを出すのを手伝っていた。広場には人間だけでなく犬や猫も集まってくる。リンゴや梨を積んだ果物の移動販売のトラックも来る。

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ぶらぶら歩いていると中年の男に店と呼ぶにはあまりにも普通の家に呼び込まれ、ヤギと羊のミックスのチーズとビスケットを買うことになった。特別価格にするからと必死に営業されるも、財布には50€札1枚しかなく、タクシーや路線バスのお金は確保しなくてはいけない。小さい方のチーズ10€とビスケット5€で計15€。残り35€からタクシー代やバス代を払うとギリギリ。リスボンではキャッシュレスでもOKだが、ATMのない田舎はやはり現金が必要だ。

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ジャガイモとベーコンと買ったチーズをオーブンで焼いてみたら…ほっぺた落ちた
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左はイダーニャで買ったオリーブオイルのビスケット、右はモンサントで買ったココナッツ入り甘食。田舎の駄菓子と侮っていたら、意外と美味い!

村を囲む城壁の上に鉄製の遊歩道が架けられ、ローマ時代の墓碑を展示するミュージアムが設けられ、昔のオリーブオイル製造所が再現され、廃墟となっている屋敷はホテルに改装されるプロジェクトが進行中で、世界遺産に向けた準備が着々と進んでいる様に見える。オフシーズンは空き家が目立ちゴーストタウン化しつつあるモンサントに比べると、イダーニャはまだ普通の人々の暮らしが残っているようだ。村の共同パン釜で焼かれるオリーブオイルのパンを買いたかったが、日曜日のためか焼く人はいなかった。村の周りは古いオリーブの木、牛の鳴き声の聞こえてくる牧場、ローマ時代の橋の掛かった小川など、のどかな田舎の風景が広がる。モンサントのような奇観はないが、絵になる村だ。
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2時間もあれば村は十分に見て回れるので、11時頃にまた村に迎えに来るようタクシーに頼んだ。モンサントの先にあるペーニャ・ガルシアの村にも行ってみたかったが、手持ちの現金が少なくなったので、モンサントで降りてカードの使えるレストランで昼食をとる。昨日観光案内所で紹介され、タクシーの運転手も勧める「オ・クルゼイロ」で今度こそキノコを食べるのだ!モダンな建物の窓からは素晴らしい眺望が楽しめ、値段も比較的手頃だ。日曜日は山は霧に包まれ、景色は幽玄な墨絵のようでこれはまた別の美しさである。
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店に入った時から、キノコのいい香りがしていたが、前菜の中にマッシュルームのソテーがあった。パンは地元の平べったく焼いたオリーブオイルパン。マヨネーズにツナやピクルスを混ぜたパテをつけて食べるととても美味しい。
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メインはポークのヒレ肉のソテー、キノコ添え。きれいな焼き目をつけたジューシーなヒレ肉の上にこんもりと盛られたキノコは、さっきのマッシュルームとはまた違った香りだ。山で採れたキノコだろうか?でも嗅いだことのある臭いだ。以前リスボンのイタリアンレストランで食べたポルチーニ茸に似ているなあ…。給仕のお兄さんに、これは何というキノコですかと聞いたら、袋に内容物の名前が書いてあるので調べればわかりますと。この辺の山で採れたものではなく冷凍ものだった。でも美味しいし、そんなに高くないので良しとしよう。
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デザートは蜂蜜とシナモンでアクセントをつけたトウモロコシのプリン。激ウマではないが素朴な地元のスイーツ。
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モンサントで一番美味しい飲み物は水道水だと思う。村のあちこちに泉が湧いており、宿の風呂場の蛇口からは勢いよく水が出る。飲んでみるとまろやかで甘い!市販のミネラルウォーターよりもはるかに美味。レストランでワインとともに水道水も持ってきてもらえないかと聞いたら、困った様子。要はミネラルウォーターを買って下さいということだ。だったらお金を払ってもいいから水道水が飲みたい。今度来る時は空のペットボトルを持参しお土産にしよう。

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by caldoverde | 2015-12-23 21:42 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
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城から見たモンサントの村

最近CP(ポルトガル鉄道)のサイトに、歴史村を訪ねるツアーなるものを見つけた。朝リスボンから中部の町のカステロ・ブランコ行きの列車に乗り、そこから車で3つの中世の村を巡るという内容だ。昼食、軽食、ガイド付き、51€でなかなかお得だ。年間毎週土曜日出発ということが書いてある。駅に行って切符を買おうとしたら、窓口の職員はそのツアーを初めて知った様子だった。あらかじめメールや電話で予約が必要らしく、問合せ先の電話番号のメモを渡された。その番号に電話すると、今の時期はやっていないと言う。人数が30人位集まらないと催行されず、冬は気候もイマイチで日没も早いため申し込むグループは殆ど無いので、行きたかった日のツアーはまず出ないということだった。ある程度まとまった数の申し込みがあれば、それに便乗する形でお一人様参加できるそうな。こんなだからCPはどんどん衰退していくんだと納得である。不便なダイヤ、汚い車両、やる気のないサービス。猫を社長にした方がよっぽど良い。だったら同じコースを自力で行こうと思い立った。
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モンサントの観光振興課課長と係長

行きは腹が立つけどやっぱり電車。車窓からテージョ河の中州にそびえるアルムーロル城が見えるのは大きな魅力である。8時15分にリスボンのサンタ・アポロニア駅を出発し11時ちょっと過ぎにカステロ・ブランコ駅に到着した。最近駅のそばにバスターミナルが移転したので、若干便利になった。CPのツアーでは、カステロ・ブランコ駅から貸切バスでイダーニャ・ア・ヴェーリャに行き、教会などを見た後、モンサントを散策し昼食、その後ペーニャ・ガルシアという村のお城を見学し、駅に戻って電車でリスボンという日帰りコースである。しかしお一人様自力コースとなると、イダーニャ行きの公共交通機関はないので、まず路線バスでモンサントに向かい、そこで一泊し、翌日タクシーでイダーニャやペーニャを訪れ、再びモンサントに戻ってカステロ・ブランコ行きのバスに乗り、電車か長距離バスでリスボンに帰るというルートになった。

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どのお家がお好みですか?

モンサントは独裁政権時代「最もポルトガルらしい村」に選ばれた。別の見方では「ポルトガルで最も不便な村」である。標高700mの巨岩のゴロゴロした山の急な斜面に作られた集落で、岩と岩の隙間に人が住んでいるような所だ。巨人が大きな石を屋根に投げ落としたかの様な家もあれば、大きな岩にじわじわと挟まれて縮まった様に見える家もある。内部が一体どんな風になっているのかぜひ見たいものだ。

泊まったホテルはそんな希望を少し叶えてくれた。カーザ・ダ・シャファリス(噴水の家)という名の、18世紀の白壁の建物だが、浴室がこんな事になっている。
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冬は雪が降るというモンサントの村も、今年は暖冬で厚いコートは要らないほど。12月19日は好天に恵まれ、山の頂上の城や村の展望台からは絶景が眺められた。
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観光案内所でこの村の名物料理を聞いた所、特にここでしか食べられないというものはないけれど、今の季節はキノコですねという回答。そこで、キノコが食べられそうなレストランを2軒紹介してもらった。その一軒「ペティスコス&グラニートス」で夕食をとった。キノコはなかったが、2人前から事前に予約すれば、ジビエ料理なども食べられる。田舎道を走るバスの窓からたくさん羊を見たので、骨つきラム肉のグリルを頼んだ。昼食を摂らなかったので、いつもは無視するパンや生ハム・鱈のコロッケなどの前菜セットも食べたら、5€もして、さすが観光地だなあと思った。
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これで5€…生ハムもっと欲しい

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羊は柔らかくて普通に美味しい
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by caldoverde | 2015-12-21 21:27 | ポルトガルの旅 | Comments(4)

夏が戻った

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2015年11月8日のギンショ海岸

11月の最初の日曜日は、まさに小春日和と言うか、ほとんど夏になった。冬に入る少し前のポルトガルでは、サン・マルティーニョの夏と呼ばれる、暖かい日が出現する。だいたい11月11日の聖マルティーニョの日の前後に多いので、こう呼ばれる。せっかくの好天の週末を、いつものように自宅や近所のカフェでだらだら過ごすのはもったいなく感じ、久々に自転車を出した。
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サドルとハンドルを革にしてドレスアップしたbrompton

電車に自転車を乗せてカスカイスまで行き、そこから海沿いのサイクリング道路を走り、ギンショ海岸に向かう。約6kmのアスファルトの自転車道はアップダウンもなく、片側は海、片側は美しい邸宅や灌木の広がる原野の向こうにシントラ山脈を臨む素晴らしい景色が楽しめる。しかし、大西洋から吹きつける潮風は、最初は背中を押してくれるが、帰りはペダルをこぐ度にヨイショコラショと気合を入れなくてはカスカイスに戻らせてはくれない。それをカスカイスに住む友達に話したら、11月のギンショ海岸は、しばしば風のない、とても穏やかな日があると教えてくれた。今日はまさにその日である。
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海のそばに生えていた茸、食べられるのかな?

以前と同じように、赤いアスファルトの自転車道が終わるギンショ海岸で折り返し、カスカイスに戻るつもりだったが、驚いた事にその先に木の香りも清々しい、真新しい木製のデッキ状の遊歩道ができていた。浜から吹き寄せられた砂の上に架けられた木の遊歩道を過ぎると、再び赤いアスファルトの敷かれた自転車道が現れ、海岸の東に広がる砂丘の方に伸びている。ここからはもう登り坂なので、翌日の筋肉痛を避けるために、サドルを降り自転車を引っぱって登った。坂を登りきったところは何やら車がたくさん停まっている。小さな黒い建物がある。砂丘の自然を紹介するインフォメーションセンターとカフェだった。うっすら汗をかいた後の、海を見ながら飲む生ビールは美味い!
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砂丘には何本かの木製の遊歩道があり、ギンショ海岸や城塞を改装したホテルやシーフードレストランに伸びている。十数人のハイキング姿のグループもいた。インフォメーションに事前に申し込めば、1時間半のガイドツアーも行うそうだ。砂丘内の狭い遊歩道は、自転車は降りて歩かなくてはならないが、砂丘に生きる植物に目を留めるのにはその方が都合がいい。
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それにしてもポルトガルで自然に親しもうとすれば、車を出さなくてはならない。電車やバスで観光地に行くのは外国人か貧乏人(私は両方)。風光明媚な場所は休日は車で一杯。海も街も路上駐車の車で溢れかえっている。マイカーは快適だが、大気汚染や自然破壊は大丈夫なんだろうか…砂丘の遊歩道や立派なインフォメーションセンターは、なんだか大航海時代に未開人を教化するという崇高な目的をもってキリスト教を布教したポルトガル人宣教師の業績に通じるものがあると感じるのは、私だけでしょうか?
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ロカ岬も見える

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by caldoverde | 2015-11-09 05:43 | ポルトガルの旅 | Comments(6)