ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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カテゴリ:シーフード( 35 )

バカリャウの王様

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バカリャウの一番の友達はオリーブオイル

友達が仕事でリスボンに来た。いつもたくさんのお土産を持って来てくれるので、ご馳走することにした。タラかロブスターか選んでもらった。ロブスターと言われたらどうしようと内心ドキドキしていたが、海老は苦手という事でホッとした。先日友人にご馳走するからと大見得を切ってロブスターを頼んだら、お勘定が100€超えていた。(涙が)見えないようにカードで支払った。でもあんな美味しいものを食べたのは久しぶりだった。

ロブスターに負けない美味いタラ料理をと、リスボンのタラ料理専門店別名バカリャウの王様こと「ラウレンティーナ」にご招待した。メニューの最初のページはタラ料理で埋まっている。タラの身を一口大にほぐしたもの、かき揚げ、タラとジャガイモの卵とじ(バカリャウ・ア・ブラス)、ほうれん草とグラタンにしたもの、リゾット、大きな切り身を焼いたもの、茹でたもの、魅惑のタラ料理が10種類ほど並んでいる。友達はタラの身を一口大にほぐしたものにパン粉をのせて焼いたもの(バカリャウ・コン・ブロア)、私はこの店のスペシャリティというベイラ風タラの菜っ葉煮とでも訳す料理(コウバーダ・デ・バカリャウ)を頼んだ。

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香ばしい黄金色のブロアというトウモロコシパンの粉はカリッと歯に心地よく、白いツルッとしたタラの身を柔らかい青菜が受け止め、ジャガイモやソースが優しいハーモニーを奏でる、ケーキのように繊細優美なタラ料理、バカリャウ・コン・ブロア。

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一方赤土の土鍋に入ってやって来たタラの菜っ葉煮は、田舎料理らしく無骨で豪快だ。鍋いっぱいに敷き詰めた青菜の上にどーんとのせたタラの切り身、青菜の下には丸ごとのジャガイモ。こんがり揚げたニンニクスライス。菜っ葉をすくえばエメラルド色のオリーブオイルが滴り落ちる。
青菜はとても柔らかくてアクもなく、ニンニクとタラとオリーブオイルの旨みが絡んでとても美味しい。

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デザートはラズベリーのミルフィーユ

昔は庶民の食べ物だったタラは、今は100%輸入品の高級食材である。料理の材料の中でタラの割合が多ければ多いほど、切り身が厚ければ厚いほど、値段は高くなる。バカリャウ・ア・ブラス、バカリャウ・コン・ナタ、バカリャウ・ア・ゴメス・デ・サー、パスティス・デ・バカリャウ(タラコロッケ)などは、主原料はジャガイモなのだが、タラの風味とテクスチャーはそれぞれの料理に消し難い印象を与える。大した量を使わなくとも他の材料をタラ味にしてしまう干し鱈(バカリャウ)は偉大だ。

私もポルトガル人に負けないくらいタラが好きだが、嫌いな点は、時々骨が隠れている事と身が歯に挟まりやすい事だ。最近差し歯を入れていた前歯の歯根が折れてしまい、抜歯してインプラントを入れなくてはならなくなった。歯を抜いたところに仮歯を嵌めていたのだが、気をつけて食べていたつもりだったが、タラの小骨をガチッと噛んでしまい、仮歯が外れてしまった。更に悪いことに、歯医者に応急処置に行く前にきれいにしようと歯を磨いたら、かろうじて引っかかっていた仮歯がポロっと取れて、洗面台にコン、と落ちて消えてしまった。多分排水口に入ってしまったのだ。数ヶ月後に2千ユーロ以上かかるインプラント手術を受けるまで、歯っ欠けババアでいるか、取れるたびに安からぬ仮歯を作って凌がなくてはならぬのか、悩みが尽きない。バカリャウのバカヤロウ〜!

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by caldoverde | 2017-03-12 05:34 | シーフード | Comments(0)
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空港でも聖アントニオがお出迎え

最近の気候の変化はジャカランダの開花を遅らせ、イワシも不漁で、6月のリスボン祭り月間には供給不足で輸入の冷凍物に頼っているという。水道橋の見えるカンポリーデの公園の祭りの屋台のメニューを見ると、1匹2€という結構なお値段だ。昔は1匹1€だった。しかし6月12日の聖アントニオの日の前夜祭はやはりどうしてもイワシが食べたい。屋外で炭火で焼いたイワシをパンにのせて食べるとめちゃ美味い。しかし冷たい風の吹く中を長時間立って待った挙句に皿を持って空いた席を探してウロウロするのは何度か経験済み。今年は足の怪我もあるので、イワシはレストランで食べることにした。しかし今日は4連休の3日目でしかも日曜日。広場の屋台以外のほとんどの店は休業している。
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眺め抜群のカンポリーデのお祭り会場

カンポ・デ・オリーク市場のそばにあるグリルレストラン「ヨーロッパ」は、そんな日にもかかわらず営業していた。しかもペニーシェという漁港で水揚げされたイワシが本日のおすすめだ。12.5€と高めではあるが、一皿6匹にサラダが付くので屋台と値段はそう変わらない。粗塩をまぶされていい具合に焦げ目のついた小ぶりのイワシは、ワタの苦さもうまさを引き立てるアクセントになって食欲は加速され、次から次へと骨と頭だけになっていった。
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サラダの焼きピメントも美味い

満腹してアパートに帰り、テレビをつけるとちょうどリベルダーデ大通りのパレードの生中継が始まるところだった。今年は十数年ぶりに地元のカンポ・デ・オリーク地区が参加するので、ぜひ見ようと思っていた。優勝するのは大抵アルファマなどの歴史と伝統のある古い地区だが、そうでない地区も斬新なアイディアで勝負。例えばカンポリーデ地区は刑務所があるので、衣装は縞々の囚人服をイメージしたものに、鉄格子を小道具に使うなどのユニークな演出もあった。
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最近のポルトガルは空前の数の観光客を迎えているらしい。バイロ・アルトやアルファマは今夜は外国人でごった返すことだろう。しかし観光客の来ない普通の住宅地でも祭は行われている。昨夜は向かいのアパートの小さなベランダに提灯や小旗を飾って音楽を流し、十数人ほど集まってパーティをしていた。毎週末なら苦情を入れるが、音楽が明らかにお祭り用なのでこの日1日だけと目を瞑るしかない。
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by caldoverde | 2016-06-13 20:22 | シーフード | Comments(4)
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春満開のテージョ河畔

年に一度か二度、真空包装のうなぎの蒲焼きをリスボンの日本食品店から購入する。値段は15€ほどなので、3〜4個1パックで5€(‼︎)の納豆に比べればそう高いものではないかもしれないが、たまの楽しみ、たまの贅沢だ。甘辛いタレが満遍なく絡めてあるので、皮と脂肪が分厚くて身が若干薄かろうと、まあまあ美味しく食べられる。しかし日本の鰻屋のうなぎのような、香ばしくふっくらと焼けたうなぎを食べるのは、異国では叶わないのだろうか。

エキスポ地区から伸びるヴァスコ・ダ・ガマ橋を渡った対岸には、塩田や潟が広がり、夏の雨の少ない時期には河の中央にも泥の中州が出現する。緩やかな流れの水は満潮になれば海水の混じり合う汽水となる。そこには様々な生き物が棲み、豊かな生態系を作った。昔はテージョ河沿岸に住む人々は、その日の糧を欠くことはなかったそうだ。それだけ魚や貝がたくさん採れた。その中にうなぎもいた。

ポルトガルのうなぎの料理というと、ぶつ切りにしたうなぎを野菜とともにトマト味で煮込んだカルデイラーダや、まだ細い若いうなぎに衣をつけて揚げた天ぷらが代表格だ。というか他に知らない。そういううなぎ料理を食べる度に蒲焼きの美味しさを思い出していたのだが、ついに日本のうなぎ料理と肩を並べられそうなメニューに出会った。
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青空に泳ぐうなぎの看板

リスボンからヴァスコ・ダ・ガマ橋を渡ったところにあるモンティージョという町に「うなぎの家 Casa das Enguias」というレストランがある。その名の通り、看板はうなぎ、うなぎ料理がスペシャリティである。と言ってもうなぎのメニューは、上記の二点に加えて、うなぎの炭火焼の3種類しかない。なお、松竹梅のランクもない。店員にうなぎの炭火焼とはどんなもんか、聞くまでもないことを尋ねた。それは開きにして塩だけで焼いたものだという。ん?それってうなぎの白焼きに近いものではないか。

ポルトガルの魚料理の大半はシンプルな塩焼きだが、素材の新鮮さが左右するごまかしの効かない料理でもある。また泥に住む魚であるうなぎは、日本の専門店では何日かきれいな水に放して泥を吐かせてから調理されるが、ポルトガルでそんな丁寧な下ごしらえをするのだろうか?
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これで2人前ですが3人でも十分な量

そんな心配は杞憂だった。プリッと弾力のある白いうなぎの身は硬くもなく柔らかすぎもせず、日本のスーパーの特売品の皮がゴムのような輸入うなぎとは雲泥の差であった。十分に脂がのっていて、とろけるような味を、粗塩がキリッと引き締める。しかも全然泥臭さがない。レモンを絞ってかけるとこれまたまたさっぱりして美味しい。タレにごまかされない、うなぎ本来の味が十分に堪能できる。こんな上等のうなぎなら蒲焼きにしてもさぞ美味しかろうと思うが、これだけ臭みがなければやはり白焼きのままの方が良いかもしれない。次に来る機会があれば、わさび、醤油、ポン酢を持参しよう。

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by caldoverde | 2016-04-26 01:23 | シーフード | Comments(4)
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うたた寝すると風邪ひくよ

この秋初めての風邪をひいてしまった。最近は雨が降るかと思うと急に暖かくなるような変化の多い気候で、天気が良くなると油断して西日の当たるソファでうたた寝し、夜に身体を冷やしてこのような結果となる。分かっちゃいるけど、ついやってしまう。

生姜入り紅茶や蜂蜜レモンを飲んだり、味噌ラーメンやカレーなどを食べるが効き目は今ひとつ。やはりタンパク質が不足しているのか。またステーキを食べて風邪を撃退する方法(効果は不明)を試みようかと、近所のレストラン「小鳥の家(カーザ・ドス・パサリーニョス)」で石焼きステーキを食べるつもりで、支度をしていた。すると、前に住んでいたアパートの隣人、ガト君のおばさんから電話が入った。

「カフェのニュースがあるのよ。」一瞬カフェのニュースって何だ?と戸惑ったが、直ぐに、私と彼女が戦いを挑んで、私の方は諦めて撤退した騒音問題の元凶の、前のアパートの下のカフェの事だと思い出した。法的に基準に満たない条件下で無理やり開業して、住民を騒音、振動、悪臭で苦しめた「プラゼーレス・ド・カフェ」のオーナー(仮名:関取)は、自分の身内の総スカンもあって、経営を他の人間(仮名:マヌエル)に委ね、新オーナー、マヌエルから賃貸料を取る形にした。ところがマヌエルは、別のブラジル人(仮名:ネイマール)に店を又貸しした。ネイマールは律儀にマヌエルに家賃を払っていたが、マヌエルは関取に払うべき賃貸料を払っていなかった。関取は怒って店に警察を呼ぶような騒ぎを起こしたそうだ。そんな訳で、店は休業した。ひょっとすると閉店したのかもしれないというめでたいニュースだった。

嬉しくなって祝杯を挙げるべく「小鳥の家」に行った。はじめは肉を食べるつもりだったが、「マグロのステーキ、ミランダ風ソース」というメニューが目に入ったので、どういうものか試してみようと思った。ミランダ風ソースとは、オリーブオイルとビネガーでできたものだそうだ。あまり聞いたことのないソースなので、好奇心も手伝って、石焼きステーキからマグロのステーキに変更した。
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出てきたものは、ポルトガル料理のお約束の、名前通りのもので、それ以上でもそれ以下でもない、まさにマグロのステーキだった。またお約束通り、量はかなりある。「小鳥の家」の周辺には数軒レストランがあるけど、一番はやっているのはこの店だ。それは味もさることながら、量が十二分にあるというのも大きなポイントだと思う。また意外性や流行を追うような所がないのが、安定した顧客をつかんでいる所以だろう。
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マグロの切り身はツナ缶が3つ位取れそうな大きさで、焼き具合は火が十分に通ってバサバサになる手前の、柔らかさのあるミディアム。付け合わせにはステーキにつきもののフライドポテトと、この店のスペシャリティーと言ってもよい青菜の炒め物。問題のソースだが、なんのことはない、単なるオリーブオイルとビネガーである。何か特殊な配合や味付けがあるとも思えない、素材そのものである。それはそれで良いのだが、マグロのステーキとマッチするかというと、他にもっとよく合うソースはあるだろうと思う。肉汁が滴り落ちるようなミランダ牛のステーキなら、さっぱりして良いかもしれないが、マグロなら、やっぱり照焼きか、大根おろしに醤油でしょう。よっぽど次回来るときはマイソース(醤油)を持参し、厨房にも教えてあげようかなと思ったくらい。しかしポルトガルの伝統的な食堂では反則だし。

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度々すみません

などと考えていると、またガト君のおばさんから電話が来た。さっきの話の続きで、関取は家賃収入が途絶えたので、最初に店を開いた時の銀行のローンが払えなくなり、店は差し押さえられたそうだ。誰かが買い取るにしても再開は当分先の事だろうと。関取はアパートの共益費や店の電気工事代や市役所の罰金を払っていなかった。私とガト君のおばさんは、やっぱり自分のした事は自分に返ってくるんだねと話し合った。その話を聞いた後のマグロは美味しくなった。
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by caldoverde | 2015-10-23 09:08 | シーフード | Comments(6)

セトゥーバルの市場

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市場は派手なピンクの建物

うららかな春の日曜日、久しぶりにリスボンの南にあるセトゥーバルでサイクリングをした。リスボンのスペイン広場から出るTSTバスに自転車を積み込み、4月25日橋の上からテージョ河とリスボンの町並みの美しさに息を飲み、幾つかのベッドタウンを通過して、ブドウ畑やコルクの木があちこちに見えはじめるとセトゥーバルに到着である。
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花も市庁舎も愛車も皆ピンク

この町でも自転車専用レーンが設けられるようになり、老若男女ペダルを漕ぐ人が多くなった。

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今回のセトゥーバル訪問の目的は市場を見ることだった。リスボンのレストランの中にはセトゥーバルから仕入れた魚をメニューに入れている店もある。それだけ新鮮というイメージが定着しているのだろう。セトゥーバルのリブラメント市場は日曜も営業し、家族連れで買い物に来る市民や、仕入れに来た業者らしきおじさんたちで大いに賑わっている。私もこんな市場のすぐそばに住みたい!と一瞬思った。魚も野菜も果物もどれも美味しそうで、皆持ち帰りたくなる。どれか一つだけ選べと言われても不可能だ。こういう場合、私はどのような決断をするか…何も買わない。
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もうスイカ
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春の味覚、ソラマメ
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銀と黒の太刀魚
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ホシガレイ、タイ、クエ等高級魚が無造作に
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エビカニ貝専門
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なぜこんな小さい鰻を…
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小さいサメ
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小さな貝ばかりでなく山伏が吹くような大きな法螺貝もあった
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寿司ブームでマグロも需要が高い

しかし我慢できなくなって買ったものがある。近郊のアゼイタンという町の名物のトルタ(ロールケーキ)と、柔らかいクッキー状のものにアーモンドをまぶした小さなお菓子。シナモンの香りのクリーミーなトルタを頬張りながら市場見学を続行すると、さらにうまそうなものが次々現れて、あ〜こっちにすれば良かったと後悔することしきりである。
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ズシンと来そうなお菓子
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香草を混ぜたヤギのチーズと羊のチーズ
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ヤギやヒツジのバターもあり
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ビニールのレジ袋に税金がかかるので、買い物かごが復活の兆し

市場にはあんなに様々な種類の魚介類が揃っているのに、レストランにあるものはリスボンと変わらない、アジ、スズキ、クロダイ、太刀魚などの平凡なメニューばかり。結局セトゥーバル名物のショコス・フリットス(モンゴウイカフライ)になった。本当は色んな魚を使ったセトゥーバル風カルデイラーダ(ブイヤベース)が食べたかったのだが、注文は2人前からということで断念。今度来るときは1人前のカルデイラーダを出す店を探しあてるつもりだ。
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by caldoverde | 2015-04-20 05:44 | シーフード | Comments(19)

ペスカーダ色々

ポルトガルというと、タラ(バカリャウ)が有名で、TVでも時々紹介されるが、実際はタラ料理はそんなに安くないので、ご馳走の部類に入ると思う。もっと庶民的な魚はベスカーダ(メルルーサ)という白身魚で、生も冷凍もある。タラはほぼ100%干物である。

小さなペスカーダの尻尾を口にくわえさせて揚げた熱々の唐揚げも、薄い切り身を天ぷらにしたのも美味しい。どちらも日本人好みの味だ。白ご飯と醤油が合いそうだが、定食としてたいてい豆のリゾットが付いている。

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ペスカーダ天ぷらのサンドイッチ

天ぷらは、そのままビールのつまみにも、そばやうどんにのせても良いのだが、パンにはさんでフィレオフィッシュ・サンドにするとちょっとした軽食やお弁当になる。アパートの近くのカフェのフィレオフィッシュ・サンドは、カルカッサという軽いパンではさみ、パンに天ぷらの揚げ油の風味がついてこれまた美味しい。マックのフニャとしたバンズでなく、ポルトガルのパンにはさむからうまいのだ。
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この前は1枚だったが、この日はなぜか2枚の天ぷらでダブルバーガー。

市場では、ペスカーダの卵も売っている。タラコとそっくりで、自分で明太子を作れないものかと時々考える。私はコレステロール値が高いので、あまり魚卵系は食べないほうが良いのだが、塩の効いたタラコやピリッと辛い明太子とご飯があれば、他に何もいらない、日本の帰省時限定の禁断の贅沢だ。

しかしその日は禁を破ってしまった。マリオットホテルの近くの陸橋のたもとにボロボロの小さな家が集まった村みたいな場所があり、そこに地元民で賑わう炭火焼のレストランがある。そこのメニューにペスカーダの卵の炭火焼があり、血液ドロドロになるのを覚悟して注文した。ドロドロになった血がサラサラになるように赤ワイン500mlとともに。
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オリーブやチーズも美味しそうですが我慢

パン、バター、オリーブ、チーズには手をつけず、メインが来るのをちびちびワインを飲みながら待った。最初に付け合わせの野菜が来た。丸ごとジャガイモ、茹ですぎず色鮮やかで歯ごたえもよいモロッコインゲン、甘みのある人参。これだけでお腹は十分膨れる。
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しばらくしてペスカーダの卵がやってきた。どんな大きさのものがいくつ、どんな盛り付けで来るんだろうか…

ジャーン‼︎
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衝撃のヴィジュアルだった。そっけない白い長方形の皿にゴロゴロと置かれたタラコ。一体、もっと美味しそうに見せる工夫はないのだろうか?

呆れつつナイフとフォークでタラコを切って口に入れたら、熱さで慌ててワインを口に含んだ。中までジワっと火が通り、ホクホクの美味しさだ。外の焦げた皮も香ばしい。やはり炭火でじわじわと焼いたものは違う。と思う。味はまさしく薄塩タラコである。白いご飯が欲しい!タラコは茶碗一杯に対し1腹くらいが適量であると思われるが、大小合わせて6腹もある。ご飯が5杯お代わりできる数だ。
このペスカーダの卵のグリルは付け合わせを取ったらどうしようもなく貧相だが、見かけに反して実はうまいという典型的なポルトガルの食べ物である。
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by caldoverde | 2014-11-09 21:21 | シーフード | Comments(8)

モンゴウイカの黒ご飯

引っ越したら同じ通りになり、より一層親しみの湧いてきた「カーザ・ドス・パッサリーニョス(小鳥の家)」は、カンポ・デ・オリーク地区のポピュラーなレストランだ。家族や友達と大勢で食べても良いし、お一人様用のテーブルもいくつかある。通りかかるたびに今日のお勧めは何だろうと気になる。三角に折られて窓ガラスに貼られた紙のテーブルクロスに書かれたその日のお勧めに「モンゴウイカの黒ご飯」というものがあった。店に入って席に着くと、そばのテーブルの客がまさにそれを食べようとしているところだった。私の心は即座に決まった。予想通りのいかすみのリゾットであった。
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本場イタリアのイカスミリゾットがどのようなものか知らないが、ポルトガルらしい点は多分、コリアンダーが散らされている事だろう。イタリアなら、イタリアンパセリとパルメザンチーズが添えられるであろう。

またモンゴウイカだけでなく、海老も結構入っている。どちらも自分が主役だとばかり主張して譲らない。このイカスミリゾットは、元々ポルトガルにあるアロース・デ・マリスコス(海鮮リゾット)を変形させたものと思われる。
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分厚い身のモンゴウイカは、焼くとプリプリになるが、煮るとかまぼこのように柔らかい弾力と味になる。モンゴウイカのグリルを頼むと墨付きか、墨なしか訊かれる事がある。墨付きを頼めば、イカスミがソースになって、独特の風味が楽しめる。イカスミリゾットが登場した日は、グリルにするには大きすぎるモンゴウイカを仕入れたのだろう。

大きなモンゴウイカの料理にもう一つ忘れてはならないのは、フライ(ショコス・フリットス)だ。これは港町セトゥーバルの名物で、これ専門のお店が何軒か並ぶ通りもある。「カーザ・ドス・パッサリーニョス」の定番にショコス・フリットスがあり、他の日替わりメニューにも時々魚の名前にセトゥーバルのと付け加えているので、この店の魚は主にセトゥーバルから仕入れているものと思われる。
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デザートは、チジェラーダ・ダ・ベイラというものがあったので、どういうものか試してみた。オレンジ風味の出来損ないのプリンみたいなもので、見かけは良くないが、味は悪くはない。
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この店のハウスワインの白はプレッソンと言う発泡性のヴィーニョ・ヴェルデタイプで、スッキリして美味しい。生ビールのようにゴクゴク飲みたくなる。しかしビールよりはずっとアルコール度数は高いので、気を付けて飲まないといけない。また店内2カ所にモスカテルワインの瓶が置いてあり、席が空くまで、またはお会計が来るまでセルフで飲んで待っててくださいというサービスもある。飲み過ぎても歩いて帰れる距離にこんな店があるのは嬉しいことだ。
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by caldoverde | 2014-10-13 19:12 | シーフード | Comments(12)
ある暑い日の午後、すでに時計は2時を回り、今さら材料を買って昼ごはんを作るのが嫌になり、適当な所で食べようと、手書きのメニューの紙が貼られた近所の安食堂にふらりと入った。初老の男性2人が注文を聞いたり料理を運んでいる。何となく年恰好が似ているので兄弟なのかもしれない。姿は見えないが厨房で調理しているのは奥さんだろう。彼らの高齢の母親である可能性もある。きっと兄弟(と勝手に認定)は、金を貯めて一緒にリスボンに店を開こうぜ、自分たちの慣れ親しんだ故郷の味のレストランを、と目標を立てたのだ。そしてようやく中古物件の店舗を見つけて家族で商売を始めた。大成功とは言えないまでも、細々と続けている。銀行の口車に乗らずに無理な設備投資はせず、昔からのお客さんを大事にしながら…(多分) エアコンではなく20〜30年前の型と思われる扇風機の回る、さしたる装飾品もないチープな内装は、最近リスボンで初めて見た小津安二郎の映画「秋刀魚の味」に出てくるラーメン屋(主人が東野英治郎=水戸黄門)を彷彿させる。
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そこで私は本日のメニューである「カルデイラーダ・ア・フラガテイラ」を注文した。カルデイラーダは鍋に魚介類と野菜を交互に重ねて煮込んだポルトガルのブイヤベースのようなもの。スーパーにはカルデイラーダ用の冷凍シーフードミックスまで売られている。もともとは漁師の料理で、獲れた魚やエビ・カニ、貝類何でもかんでもを野菜と煮込んだものである。しかし、フラガテイロとはなんだろう?

出てきたのは、ジャガイモと2種類の魚のトマト味煮込みである。貝も海老もなく、リスボンのカルデイラーダにありがちなカニカマもない。ミニマムな材料である。ではまずいかというとそんなことはない。むしろ美味い。スープはかすかにピリッと唐辛子が効かせてある。赤魚のような魚と、エイのぶつ切りが入っているが魚臭くないのは、刻まずに葉っぱ丸ごと煮込んだミントのせいか。
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フラガテイロとはテージョ河で漁をしていた漁船のことらしい。だから本式のカルデイラーダ・ア・フラガテイロは、アサリやウナギ、穴子などテージョ河付近で捕れる魚介類をふんだんに使う。エイや赤魚が沿岸漁業の魚かどうかと知らないが、あの魚シチューはつましい家庭に育ったオーナー兄弟や厨房スタッフが、2種類の魚しか入っていないジャガイモの煮込みを、これがカルデイラーダ・ア・フラガテイロだと言い聞かされて食べていたおふくろの味に違いない。(と勝手に想像)

デザートはチョコレートムースかフルーツサラダ、桃、バナナがあるというので、桃を頼んだ。漠然とピーチメルバのようにアイスクリームやキャラメルが添えられた小洒落たものを期待していたが、ここはポルトガルであった。

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by caldoverde | 2013-09-22 22:57 | シーフード | Comments(5)

マグロの美徳

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 焼いた牛肉に目玉焼きを乗せたものをビトックbitoqueと言う。付け合わせにフライドポテトとご飯が付く。ポルトガルの牛丼と言っていいかもしれない。肉は塩とニンニクで味付けしているが、店によっては特製ソースに浸っているものもある。しかし、元来はソースは不要である。ポルトガル人は、目玉焼きの半熟の黄身をソース代りに肉や芋に絡めて食べている。すき焼きと似ている。

 あれ、そう言えば鶏肉と卵の組み合わせはあったっけ?タラの卵とじはあるが、ポルトガル料理に親子丼のようなものがあったかどうかは思い出せない。強いて言えばチキンのオムレツやキッシュだろうか。
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 先日、地域の店として愛されているカンポ・デ・オリークのCasa dos Passarinhosに行ったところ、マグロのビトックが本日のおすすめだった。たっぷり厚みのあるマグロのステーキに目玉焼きを乗せ、フライドポテトを添えたものだ。私は油っこいご飯の代わりに青菜の炒め物を付け合わせに頼んだ。まぐろは火を通しすぎるとバサバサして美味しくないけど、その硬くなる寸前で火から下ろしたという感じで、いい焼き加減である。鮮度は刺身にするほどではないと思うが、悪くはない。こういう食べ方もあるのかと目からうろこのツナステーキだった。

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デザートはイチゴのムース。もっと色気のある盛り付けはできないものだろうか…
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by caldoverde | 2013-05-30 09:12 | シーフード | Comments(4)

タヴィラで焼魚三昧

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水の町タヴィラにはこのローマ橋の他にも3つの橋がある。

 タヴィラは川と海が作り上げた広大な潟と山に挟まれた土地に、ローマの遺構とイスラムの伝統、カトリックの壮麗さがモザイクのように入り組んだ歴史の町。近代はマグロ漁でも栄えた。ジラオン川を挟んで市街は二つに分かれ、いずれも水面に美しい影を映す。赤い汽車ぽっぽ型の観光バスが町と塩田の広がる潟、そしてタヴィラ島行きのフェリー乗り場を巡る。旧市街の小さな箱型の家々や、潟に集う野鳥を見るのも楽しい。バスは一回の乗車3.5ユーロだが、5ユーロで1日何度も乗り降りできる。
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 そんな町に何か特別な食べ物がないか注意して歩いたが、旧市街にはなぜかインド料理屋ばかり目立った。カフェにはアルガルヴェ名物のマジパン菓子があるけど、特別美味しいというほどのものでもない。地元の人達で賑わうレストランは見当たらない。メニューを見てもどうもピンと来ない。観光客向けのカタプラーナ2人前28ユーロ等、予算も量も一人ではオーバーだし、何となく美味しそうでない。

 フェリー乗り場付近には大きなレストランが何軒かあるが、半分は閉まっていた。タヴィラ島にはキャンプ場があり、自炊することができる。またレストランも沢山ある。夏は相当混み合うのだろうが、4月の始めは閑散としていて、少ない観光客に盛んに営業をかける店も、はたして新鮮な食材があるのか疑問である。そういう偏見が働いて、人のいない綺麗なビーチのそばでシーフードを食べるのは見合わせて、ビールだけ飲んで島を出た。
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こんな景色ならビールだけでも十分

 フェリーのおじさんに、美味しい店を教えてくれと尋ねると、何で島で食べなかったんだと半ば呆れ顔で言われた。確かに島にいたのは昼時だった。彼は2軒の店を紹介してくれた。ひとつは新しいショッピングセンターのそばの魚の炭火焼専門店で、もう一つは旧市街のレストランだった。

 3時ごろ魚の炭火焼専門店に行ってみると既に昼のオーダーは終了し、火の消えたグリルのそばに無造作に積み上げた焼き魚は種類もなく、これしかありませんと言われたので、夜に旧市街のレストランに行くことになった。そこはアルガルヴェ名物のマテ貝のリゾットが一人前から注文でき、値段もそれほど高くはない。リゾットはトマトで調味され、必須の生のコリアンダーがあしらわれている。貝はマテ貝かどうか判らない程に切ってあるが良しとしよう。見た目は美味しそうだ。ところが食べてみると何の味もしない。しょっぱくも酸っぱくもない。3月に風邪と花粉症で鼻の奥が思いっきり腫れて、一時味や臭いが分からなくなったが、徐々に回復しつつあった。まだ治っていなかったんだろうか?首をかしげながら食べた。米は茹ですぎて割れた状態だったので、炊いたご飯を使ったのだろう。コメ料理は注文してから作ったものは、汁気が多くてかさが増えるので普通2人前からだが、あらかじめ茹でたご飯を汁に入れる方法なら1人前を作るのは容易である。しかし米の香りや弾力が減少する。このマテ貝のリゾットはそれっぽい。お客さんを見ると、何と全員外国人、しかも世界で最も料理がまずいと言われるイギリスの人ばっかりだった。失敗…
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自分で作ったマテ貝のリゾットの方がうまかった

 翌日の昼は、今度こそ魚の炭火焼を食べようと、町はずれにある3本の椰子の木以外何の飾り気もない「トレス・パルメイラス」(三本椰子)に行った。この店はオフシーズンは昼しか営業しないので、夏以外に行く時は注意。実は昨日それを知らずに夜行ったら閉まっていたので、味のないマテ貝のリゾットを食べる羽目になったのだ。
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 隣を見るとカップルが何か大きめの魚を2人で分け、ぷっくり焼かれたモンゴウイカと太刀魚の切身の皿、山盛りのサラダと茹でじゃが芋でテーブルが一杯になっている。どの魚を焼いてもらおうか迷っていると店のお姉さんがサラダとじゃが芋を持って来て、大きい魚がいいか小さな魚がいいかという大雑把な注文だけ取って行った。私は小さい魚を色々食べたいと答えた。
 しばらくすると、もう少し年嵩のお姉さんが、大皿に焼きあがった魚を山盛り載せて各テーブルを周り、客の皿に次々と配って行った。この店のシステムは魚を種類ごとにまとめて焼いて、焼き上がったらテーブルに持って行き、客は好きな魚を好きなだけ取って食べる、という方式らしい。
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こういう組み合わせは普通ではない

 はじめにやって来たのは、鯛系のサルゴとファネッカという赤い魚で、どちらも淡白でとても美味しい。やっぱり鼻は麻痺していなかった。ピメントでアクセントをつけたニンニクトーストも来た。
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普通のパンもある。パンは美味しいけど食べるとメインが入らなくなるし

 リスボンでは高い、美味なヒメジが2匹。この時点で既に十分に満足していたが、やはり隣のモンゴウイカが気になる。しかしその前に立派なスズキがやって来た。普通はこれ1匹で十分な大きさだ。スズキはどこでも食べられるので、特に食指は動かないのだが、香ばしく焼けていて、半分だけ食べるつもりが全部平らげてしまった。さすがにモンゴウイカの入る余地は無くなった。デザートは果物が入ったカゴがどーんとテーブルに置かれて、好きなものを選ぶ。私はもうコーヒー以外は必要なかった。お勘定にはワインやサラダやコーヒーなどの品別の値段はなく、ただ13ユーロとしか書いていない。全部込みでセットの料金らしい。
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頭がどっちだろうがかまいません

 客は地元の家族連れが多く、次々運ばれてくる魚もすぐに骨だけになり、お代わりを頼む声が聞こえる。イギリス人の観光客に一生懸命英語で話しかける隣の夫婦。夕べの静かで上品な、しかし味のないレストランとは雰囲気が全然違う。道理でポルトガル人は一人もいなかった訳だ。しかしなぜフェリーのおじさんがあの店を推したのか謎である。昔は美味しかったのだろうか。
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皿からはみ出る鈴木君
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by caldoverde | 2013-04-17 00:02 | シーフード | Comments(7)