ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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カテゴリ:シーフード( 38 )


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コルクでできたお勘定入れとロゴが洒落ている

以前住んでいた下宿の近くに「ストップ・ド・バイロ」という食堂があった。店内にはサッカーチームのマフラーが壁ぎっしり飾り付けられ、試合があればもちろん盛況で、普段もそこそこ客が入っていたが、久しぶりに通りかかったら看板が外されていた。最近ようやく景気回復の兆しが見えてきたとはいえ、次々と新しいレストランが開店するこのカンポ・デ・オリーク地区で生き延びるのはなかなか容易では無いんだなあと少し寂しく思っていたら、実は家賃が高いのでもっと安くて広いカンポリーデ地区の物件に移転したそうだ。移転先は以前「カババヤン」というフィリピン料理屋があった場所で、ビュッフェが安かったので何度か行ったことがあったが、高齢地元民がかなりの割合を占めるカンポリーデ地区では、毛色の変わったアジアンレストランは根付かなかったようだ。

新装開店となった「ストップ・ド・バイロ」は小綺麗になり、この道何十年のおじさん達が若者向けの服をきたようなぎこちなさが感じられたが、開店時は私一人しかいなかった店内も食べ終わる頃には昔からの馴染みの客で一杯になっていた。

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イカ釣り船をイメージした?店内

一方「ストップ」が移転した後の店舗は、最近モンゴウイカフライ専門店になった。店名は地元の人に慣れ親しまれた前の店の名前の一部を取って、「ショコス・ド・バイロ」(地区のモンゴウイカ)となった。店主が「ストップ」と関係あるのかどうかは知らないが、良い選択だと思う。モンゴウイカフライはリスボンの南にあるセトゥーバルの名物だが、カンポ・デ・オリーク地区のレストランでもメニューに入れているところがある。しかし本場に比べると数や厚さでやや劣るのは否めない。しかし店の名にショコス(モンゴウイカ)と入れている以上は、客はセトゥーバル並みの味を期待して来るはずであり、店もそれに答える義務がある。

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プリプリシコシコのショコス・フリットス

揚げたてのモンゴウイカフライと山と盛ったフライドポテトにサラダが添えられて9ユーロ。モンゴウイカは期待通りの肉厚で、衣には軽く味がついてそのままでもいけるが、レモンを絞ったりマヨネーズをつけるのも良い。カリッとした薄い衣の下の真っ白なモンゴウイカの肉は硬すぎずプリッと弾力があり、熱々でジューシーで美味しい。できればポテトを減らしてモンゴウイカを増やして欲しい。ポテトは塩気がなく、マヨネーズをつけるとかなりの高カロリーになるので自粛し、3分の1位残した。もしこれに天然の塩やハーブ・スパイスなどがまぶされていたら全部平らげていた危険性がある。飲み物はセトゥーバル地方のフルーティでキリッとした白ワインを頼んだ。


「ショコス・ド・バイロ」にはモンゴウイカのフライの他に、モンゴウイカと白豆の煮込み、モンゴウイカの卵のフライなどがある。モンゴウイカの卵のフライはどんなものか興味はあるが、イカはただでさえコレステロールが高いのに更に卵となるともっと凄いに違いない。モンゴウイカのは善玉か悪玉か知らないが、何れにせよフライ系はたまの楽しみにした方が健康にはよさそうだ。



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by caldoverde | 2017-11-17 03:43 | シーフード | Comments(6)

蛸の油屋風

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我輩は猫である。名前は知らない。

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我輩は蛸である。名前は油屋風。

ポルトガルに来たら、タコを堪能していただきたい。その柔らかさ、ジューシーさはきっとあなたを虜にする。未知のタコの味わいを発見できる。そして日本でポルトガルのタコ料理を再現すれば、再びあの感動が蘇る。茹でてあるタコを使えば面倒な事はほとんどない。究極にシンプルなポルトガルのタコ料理は茹でダコにオリーブオイルをかけただけのものである。その次に手間のかからないのがこれだろう。

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ポルヴォ・ア・ラガレイラ、要するにタコのオーブン焼きだが、ラガレイラとはオリーブオイルを搾る搾油場のことで、タコの油屋風とでも言ったら良いのだろうか、その名の通りタコがどっぷりとオリーブオイルの中に浸っていて、その上からこれでもかとニンニクが散らしてある。お供は皮付きのジャガイモで、タコとともにオーブンで焼かれ、ぐちゃっと潰されている。

ポルトガルのオリーブオイルはとても良質で、あらゆる料理に使われている。シーフード、特にタラ、タコ、そしてイカとは相性が抜群だ。タラやイカの油屋風(バカリャウ・ア・ラガレイロ、ショコス・ア・ラガレイロ)もあり、魚介の出汁の浸みたオリーブオイルをつけながら食べる皮付きのジャガイモもこれまた美味しい。食べ過ぎ注意である。油なのでカロリーが気になるが、オリーブオイルにはお通じを良くする作用もあるので、むしろスッキリするかも。昔、初めてツアーでポルトガルに来た時は毎晩お腹を下し、日本に帰る頃には2〜3キロ体重が減っていた。その頃のオリーブオイルは品質があまり良くなかったのかもしれないし、和食から急にコテコテの油っぽいものを食べて胃腸がびっくりしたのかも知れない。今ではかなりの量を食べても平気になった。

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タラ専門店「ラウレンティーナ」のタラ料理はオリーブオイルで煮たと言ってよい

秋は新絞りのオリーブオイルが出る季節。新しい瓶を買ったら、皮ごと潰したニンニクを入れたヴァージンオイルを焼きたてのパンにつけて食べるんだ!


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by caldoverde | 2017-09-04 02:49 | シーフード | Comments(0)

ロブスターの夢

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水族館の様にファンタスティックないけす

ある日、目が覚めたら億万長者になっていた。とりあえず家のローンを完済し、まだ動いているiPhone3GSをiPhone7に買い替え、友達に奢ってもらったコーヒーを今度は奢ってあげよう…と日ごろ夢想しているが、今日は銀行残高をよく見たら、本当に入金がある。年末調整で多く払った税金の戻りだ。ローンを完済するにはあまりにも少ないが、思わぬボーナスに気が大きくなった。

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いつもは値段を気にして手を出さないパンと生ハム。今日は腹一杯ロブスターを食べるのでパス。

先日友達に奢るからと大見得を切って一匹100€払ったロブスターを、今度は一人で食べるんだ!その店を紹介した知り合いのファドレストランの支配人に、あそこのロブスターは美味かった〜と言ったら、今度は俺に言え、店主と友達だから特別価格にしてくれる様に頼んでやるぞ、という言葉は心に深く刻み込まれた。ポルトガルはコネがものを言う社会なのだ。

リスボンの日本料理店で一人で寿司と刺身の舟盛りを食べているポルトガル人男性を見たことがあるが、女でロブスターを一匹と言うのは有りだろうか。まあいい。別に誰も気にしていないし。

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どーん

何と、ロブスターばかりではなく、あさりのニンニク炒めまで来た。大サービスだ。ワインはヴィーニョ・ヴェルデ(緑ワイン)の中でも評価の高い「ムラーリャス」のハーフボトル。小皿に殻が積み上がれば、給仕がさっと取って新しい皿を置いてくれる。ファドの支配人が「特別にアテンドする様に」と言ってくれただけあって、お一人様の私にもよく気を配っている。

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マヨネーズとバターソース付き
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デザートとコーヒーも済ませ、お勘定を頼んだ。どれだけ特別価格になっているのか期待したら…あれ?101€?定価と変わらないどころかちょっと高くない? よく見たらアサリが14€の値段がついていて、別にサービスでも何でもない。しかしあの盛り付けはどう見てもおまけに付けてくれた様にしか思えないが。まあいい。今日は臨時収入があったのだ。セコイことは言わないでおこう。とレシートをしまおうとしたら、水0.90€という数字に気が付いた。いくら今日は気が大きくなっているとは言え、飲んでないものに払ういわれはない。しかしもう会計は終わっている。悔しいので水の瓶を持ち帰った。



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by caldoverde | 2017-06-08 09:27 | シーフード | Comments(5)

バカリャウの王様

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バカリャウの一番の友達はオリーブオイル

友達が仕事でリスボンに来た。いつもたくさんのお土産を持って来てくれるので、ご馳走することにした。タラかロブスターか選んでもらった。ロブスターと言われたらどうしようと内心ドキドキしていたが、海老は苦手という事でホッとした。先日友人にご馳走するからと大見得を切ってロブスターを頼んだら、お勘定が100€超えていた。(涙が)見えないようにカードで支払った。でもあんな美味しいものを食べたのは久しぶりだった。

ロブスターに負けない美味いタラ料理をと、リスボンのタラ料理専門店別名バカリャウの王様こと「ラウレンティーナ」にご招待した。メニューの最初のページはタラ料理で埋まっている。タラの身を一口大にほぐしたもの、かき揚げ、タラとジャガイモの卵とじ(バカリャウ・ア・ブラス)、ほうれん草とグラタンにしたもの、リゾット、大きな切り身を焼いたもの、茹でたもの、魅惑のタラ料理が10種類ほど並んでいる。友達はタラの身を一口大にほぐしたものにパン粉をのせて焼いたもの(バカリャウ・コン・ブロア)、私はこの店のスペシャリティというベイラ風タラの菜っ葉煮とでも訳す料理(コウバーダ・デ・バカリャウ)を頼んだ。

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香ばしい黄金色のブロアというトウモロコシパンの粉はカリッと歯に心地よく、白いツルッとしたタラの身を柔らかい青菜が受け止め、ジャガイモやソースが優しいハーモニーを奏でる、ケーキのように繊細優美なタラ料理、バカリャウ・コン・ブロア。

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一方赤土の土鍋に入ってやって来たタラの菜っ葉煮は、田舎料理らしく無骨で豪快だ。鍋いっぱいに敷き詰めた青菜の上にどーんとのせたタラの切り身、青菜の下には丸ごとのジャガイモ。こんがり揚げたニンニクスライス。菜っ葉をすくえばエメラルド色のオリーブオイルが滴り落ちる。
青菜はとても柔らかくてアクもなく、ニンニクとタラとオリーブオイルの旨みが絡んでとても美味しい。

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デザートはラズベリーのミルフィーユ

昔は庶民の食べ物だったタラは、今は100%輸入品の高級食材である。料理の材料の中でタラの割合が多ければ多いほど、切り身が厚ければ厚いほど、値段は高くなる。バカリャウ・ア・ブラス、バカリャウ・コン・ナタ、バカリャウ・ア・ゴメス・デ・サー、パスティス・デ・バカリャウ(タラコロッケ)などは、主原料はジャガイモなのだが、タラの風味とテクスチャーはそれぞれの料理に消し難い印象を与える。大した量を使わなくとも他の材料をタラ味にしてしまう干し鱈(バカリャウ)は偉大だ。

私もポルトガル人に負けないくらいタラが好きだが、嫌いな点は、時々骨が隠れている事と身が歯に挟まりやすい事だ。最近差し歯を入れていた前歯の歯根が折れてしまい、抜歯してインプラントを入れなくてはならなくなった。歯を抜いたところに仮歯を嵌めていたのだが、気をつけて食べていたつもりだったが、タラの小骨をガチッと噛んでしまい、仮歯が外れてしまった。更に悪いことに、歯医者に応急処置に行く前にきれいにしようと歯を磨いたら、かろうじて引っかかっていた仮歯がポロっと取れて、洗面台にコン、と落ちて消えてしまった。多分排水口に入ってしまったのだ。数ヶ月後に2千ユーロ以上かかるインプラント手術を受けるまで、歯っ欠けババアでいるか、取れるたびに安からぬ仮歯を作って凌がなくてはならぬのか、悩みが尽きない。バカリャウのバカヤロウ〜!

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by caldoverde | 2017-03-12 05:34 | シーフード | Comments(2)
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空港でも聖アントニオがお出迎え

最近の気候の変化はジャカランダの開花を遅らせ、イワシも不漁で、6月のリスボン祭り月間には供給不足で輸入の冷凍物に頼っているという。水道橋の見えるカンポリーデの公園の祭りの屋台のメニューを見ると、1匹2€という結構なお値段だ。昔は1匹1€だった。しかし6月12日の聖アントニオの日の前夜祭はやはりどうしてもイワシが食べたい。屋外で炭火で焼いたイワシをパンにのせて食べるとめちゃ美味い。しかし冷たい風の吹く中を長時間立って待った挙句に皿を持って空いた席を探してウロウロするのは何度か経験済み。今年は足の怪我もあるので、イワシはレストランで食べることにした。しかし今日は4連休の3日目でしかも日曜日。広場の屋台以外のほとんどの店は休業している。
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眺め抜群のカンポリーデのお祭り会場

カンポ・デ・オリーク市場のそばにあるグリルレストラン「ヨーロッパ」は、そんな日にもかかわらず営業していた。しかもペニーシェという漁港で水揚げされたイワシが本日のおすすめだ。12.5€と高めではあるが、一皿6匹にサラダが付くので屋台と値段はそう変わらない。粗塩をまぶされていい具合に焦げ目のついた小ぶりのイワシは、ワタの苦さもうまさを引き立てるアクセントになって食欲は加速され、次から次へと骨と頭だけになっていった。
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サラダの焼きピメントも美味い

満腹してアパートに帰り、テレビをつけるとちょうどリベルダーデ大通りのパレードの生中継が始まるところだった。今年は十数年ぶりに地元のカンポ・デ・オリーク地区が参加するので、ぜひ見ようと思っていた。優勝するのは大抵アルファマなどの歴史と伝統のある古い地区だが、そうでない地区も斬新なアイディアで勝負。例えばカンポリーデ地区は刑務所があるので、衣装は縞々の囚人服をイメージしたものに、鉄格子を小道具に使うなどのユニークな演出もあった。
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最近のポルトガルは空前の数の観光客を迎えているらしい。バイロ・アルトやアルファマは今夜は外国人でごった返すことだろう。しかし観光客の来ない普通の住宅地でも祭は行われている。昨夜は向かいのアパートの小さなベランダに提灯や小旗を飾って音楽を流し、十数人ほど集まってパーティをしていた。毎週末なら苦情を入れるが、音楽が明らかにお祭り用なのでこの日1日だけと目を瞑るしかない。
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by caldoverde | 2016-06-13 20:22 | シーフード | Comments(4)
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春満開のテージョ河畔

年に一度か二度、真空包装のうなぎの蒲焼きをリスボンの日本食品店から購入する。値段は15€ほどなので、3〜4個1パックで5€(‼︎)の納豆に比べればそう高いものではないかもしれないが、たまの楽しみ、たまの贅沢だ。甘辛いタレが満遍なく絡めてあるので、皮と脂肪が分厚くて身が若干薄かろうと、まあまあ美味しく食べられる。しかし日本の鰻屋のうなぎのような、香ばしくふっくらと焼けたうなぎを食べるのは、異国では叶わないのだろうか。

エキスポ地区から伸びるヴァスコ・ダ・ガマ橋を渡った対岸には、塩田や潟が広がり、夏の雨の少ない時期には河の中央にも泥の中州が出現する。緩やかな流れの水は満潮になれば海水の混じり合う汽水となる。そこには様々な生き物が棲み、豊かな生態系を作った。昔はテージョ河沿岸に住む人々は、その日の糧を欠くことはなかったそうだ。それだけ魚や貝がたくさん採れた。その中にうなぎもいた。

ポルトガルのうなぎの料理というと、ぶつ切りにしたうなぎを野菜とともにトマト味で煮込んだカルデイラーダや、まだ細い若いうなぎに衣をつけて揚げた天ぷらが代表格だ。というか他に知らない。そういううなぎ料理を食べる度に蒲焼きの美味しさを思い出していたのだが、ついに日本のうなぎ料理と肩を並べられそうなメニューに出会った。
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青空に泳ぐうなぎの看板

リスボンからヴァスコ・ダ・ガマ橋を渡ったところにあるモンティージョという町に「うなぎの家 Casa das Enguias」というレストランがある。その名の通り、看板はうなぎ、うなぎ料理がスペシャリティである。と言ってもうなぎのメニューは、上記の二点に加えて、うなぎの炭火焼の3種類しかない。なお、松竹梅のランクもない。店員にうなぎの炭火焼とはどんなもんか、聞くまでもないことを尋ねた。それは開きにして塩だけで焼いたものだという。ん?それってうなぎの白焼きに近いものではないか。

ポルトガルの魚料理の大半はシンプルな塩焼きだが、素材の新鮮さが左右するごまかしの効かない料理でもある。また泥に住む魚であるうなぎは、日本の専門店では何日かきれいな水に放して泥を吐かせてから調理されるが、ポルトガルでそんな丁寧な下ごしらえをするのだろうか?
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これで2人前ですが3人でも十分な量

そんな心配は杞憂だった。プリッと弾力のある白いうなぎの身は硬くもなく柔らかすぎもせず、日本のスーパーの特売品の皮がゴムのような輸入うなぎとは雲泥の差であった。十分に脂がのっていて、とろけるような味を、粗塩がキリッと引き締める。しかも全然泥臭さがない。レモンを絞ってかけるとこれまたまたさっぱりして美味しい。タレにごまかされない、うなぎ本来の味が十分に堪能できる。こんな上等のうなぎなら蒲焼きにしてもさぞ美味しかろうと思うが、これだけ臭みがなければやはり白焼きのままの方が良いかもしれない。次に来る機会があれば、わさび、醤油、ポン酢を持参しよう。

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by caldoverde | 2016-04-26 01:23 | シーフード | Comments(4)
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うたた寝すると風邪ひくよ

この秋初めての風邪をひいてしまった。最近は雨が降るかと思うと急に暖かくなるような変化の多い気候で、天気が良くなると油断して西日の当たるソファでうたた寝し、夜に身体を冷やしてこのような結果となる。分かっちゃいるけど、ついやってしまう。

生姜入り紅茶や蜂蜜レモンを飲んだり、味噌ラーメンやカレーなどを食べるが効き目は今ひとつ。やはりタンパク質が不足しているのか。またステーキを食べて風邪を撃退する方法(効果は不明)を試みようかと、近所のレストラン「小鳥の家(カーザ・ドス・パサリーニョス)」で石焼きステーキを食べるつもりで、支度をしていた。すると、前に住んでいたアパートの隣人、ガト君のおばさんから電話が入った。

「カフェのニュースがあるのよ。」一瞬カフェのニュースって何だ?と戸惑ったが、直ぐに、私と彼女が戦いを挑んで、私の方は諦めて撤退した騒音問題の元凶の、前のアパートの下のカフェの事だと思い出した。法的に基準に満たない条件下で無理やり開業して、住民を騒音、振動、悪臭で苦しめた「プラゼーレス・ド・カフェ」のオーナー(仮名:関取)は、自分の身内の総スカンもあって、経営を他の人間(仮名:マヌエル)に委ね、新オーナー、マヌエルから賃貸料を取る形にした。ところがマヌエルは、別のブラジル人(仮名:ネイマール)に店を又貸しした。ネイマールは律儀にマヌエルに家賃を払っていたが、マヌエルは関取に払うべき賃貸料を払っていなかった。関取は怒って店に警察を呼ぶような騒ぎを起こしたそうだ。そんな訳で、店は休業した。ひょっとすると閉店したのかもしれないというめでたいニュースだった。

嬉しくなって祝杯を挙げるべく「小鳥の家」に行った。はじめは肉を食べるつもりだったが、「マグロのステーキ、ミランダ風ソース」というメニューが目に入ったので、どういうものか試してみようと思った。ミランダ風ソースとは、オリーブオイルとビネガーでできたものだそうだ。あまり聞いたことのないソースなので、好奇心も手伝って、石焼きステーキからマグロのステーキに変更した。
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出てきたものは、ポルトガル料理のお約束の、名前通りのもので、それ以上でもそれ以下でもない、まさにマグロのステーキだった。またお約束通り、量はかなりある。「小鳥の家」の周辺には数軒レストランがあるけど、一番はやっているのはこの店だ。それは味もさることながら、量が十二分にあるというのも大きなポイントだと思う。また意外性や流行を追うような所がないのが、安定した顧客をつかんでいる所以だろう。
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マグロの切り身はツナ缶が3つ位取れそうな大きさで、焼き具合は火が十分に通ってバサバサになる手前の、柔らかさのあるミディアム。付け合わせにはステーキにつきもののフライドポテトと、この店のスペシャリティーと言ってもよい青菜の炒め物。問題のソースだが、なんのことはない、単なるオリーブオイルとビネガーである。何か特殊な配合や味付けがあるとも思えない、素材そのものである。それはそれで良いのだが、マグロのステーキとマッチするかというと、他にもっとよく合うソースはあるだろうと思う。肉汁が滴り落ちるようなミランダ牛のステーキなら、さっぱりして良いかもしれないが、マグロなら、やっぱり照焼きか、大根おろしに醤油でしょう。よっぽど次回来るときはマイソース(醤油)を持参し、厨房にも教えてあげようかなと思ったくらい。しかしポルトガルの伝統的な食堂では反則だし。

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度々すみません

などと考えていると、またガト君のおばさんから電話が来た。さっきの話の続きで、関取は家賃収入が途絶えたので、最初に店を開いた時の銀行のローンが払えなくなり、店は差し押さえられたそうだ。誰かが買い取るにしても再開は当分先の事だろうと。関取はアパートの共益費や店の電気工事代や市役所の罰金を払っていなかった。私とガト君のおばさんは、やっぱり自分のした事は自分に返ってくるんだねと話し合った。その話を聞いた後のマグロは美味しくなった。
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by caldoverde | 2015-10-23 09:08 | シーフード | Comments(6)

セトゥーバルの市場

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市場は派手なピンクの建物

うららかな春の日曜日、久しぶりにリスボンの南にあるセトゥーバルでサイクリングをした。リスボンのスペイン広場から出るTSTバスに自転車を積み込み、4月25日橋の上からテージョ河とリスボンの町並みの美しさに息を飲み、幾つかのベッドタウンを通過して、ブドウ畑やコルクの木があちこちに見えはじめるとセトゥーバルに到着である。
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花も市庁舎も愛車も皆ピンク

この町でも自転車専用レーンが設けられるようになり、老若男女ペダルを漕ぐ人が多くなった。

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今回のセトゥーバル訪問の目的は市場を見ることだった。リスボンのレストランの中にはセトゥーバルから仕入れた魚をメニューに入れている店もある。それだけ新鮮というイメージが定着しているのだろう。セトゥーバルのリブラメント市場は日曜も営業し、家族連れで買い物に来る市民や、仕入れに来た業者らしきおじさんたちで大いに賑わっている。私もこんな市場のすぐそばに住みたい!と一瞬思った。魚も野菜も果物もどれも美味しそうで、皆持ち帰りたくなる。どれか一つだけ選べと言われても不可能だ。こういう場合、私はどのような決断をするか…何も買わない。
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もうスイカ
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春の味覚、ソラマメ
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銀と黒の太刀魚
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ホシガレイ、タイ、クエ等高級魚が無造作に
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エビカニ貝専門
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なぜこんな小さい鰻を…
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小さいサメ
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小さな貝ばかりでなく山伏が吹くような大きな法螺貝もあった
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寿司ブームでマグロも需要が高い

しかし我慢できなくなって買ったものがある。近郊のアゼイタンという町の名物のトルタ(ロールケーキ)と、柔らかいクッキー状のものにアーモンドをまぶした小さなお菓子。シナモンの香りのクリーミーなトルタを頬張りながら市場見学を続行すると、さらにうまそうなものが次々現れて、あ〜こっちにすれば良かったと後悔することしきりである。
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ズシンと来そうなお菓子
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香草を混ぜたヤギのチーズと羊のチーズ
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ヤギやヒツジのバターもあり
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ビニールのレジ袋に税金がかかるので、買い物かごが復活の兆し

市場にはあんなに様々な種類の魚介類が揃っているのに、レストランにあるものはリスボンと変わらない、アジ、スズキ、クロダイ、太刀魚などの平凡なメニューばかり。結局セトゥーバル名物のショコス・フリットス(モンゴウイカフライ)になった。本当は色んな魚を使ったセトゥーバル風カルデイラーダ(ブイヤベース)が食べたかったのだが、注文は2人前からということで断念。今度来るときは1人前のカルデイラーダを出す店を探しあてるつもりだ。
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by caldoverde | 2015-04-20 05:44 | シーフード | Comments(19)

ペスカーダ色々

ポルトガルというと、タラ(バカリャウ)が有名で、TVでも時々紹介されるが、実際はタラ料理はそんなに安くないので、ご馳走の部類に入ると思う。もっと庶民的な魚はベスカーダ(メルルーサ)という白身魚で、生も冷凍もある。タラはほぼ100%干物である。

小さなペスカーダの尻尾を口にくわえさせて揚げた熱々の唐揚げも、薄い切り身を天ぷらにしたのも美味しい。どちらも日本人好みの味だ。白ご飯と醤油が合いそうだが、定食としてたいてい豆のリゾットが付いている。

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ペスカーダ天ぷらのサンドイッチ

天ぷらは、そのままビールのつまみにも、そばやうどんにのせても良いのだが、パンにはさんでフィレオフィッシュ・サンドにするとちょっとした軽食やお弁当になる。アパートの近くのカフェのフィレオフィッシュ・サンドは、カルカッサという軽いパンではさみ、パンに天ぷらの揚げ油の風味がついてこれまた美味しい。マックのフニャとしたバンズでなく、ポルトガルのパンにはさむからうまいのだ。
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この前は1枚だったが、この日はなぜか2枚の天ぷらでダブルバーガー。

市場では、ペスカーダの卵も売っている。タラコとそっくりで、自分で明太子を作れないものかと時々考える。私はコレステロール値が高いので、あまり魚卵系は食べないほうが良いのだが、塩の効いたタラコやピリッと辛い明太子とご飯があれば、他に何もいらない、日本の帰省時限定の禁断の贅沢だ。

しかしその日は禁を破ってしまった。マリオットホテルの近くの陸橋のたもとにボロボロの小さな家が集まった村みたいな場所があり、そこに地元民で賑わう炭火焼のレストランがある。そこのメニューにペスカーダの卵の炭火焼があり、血液ドロドロになるのを覚悟して注文した。ドロドロになった血がサラサラになるように赤ワイン500mlとともに。
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オリーブやチーズも美味しそうですが我慢

パン、バター、オリーブ、チーズには手をつけず、メインが来るのをちびちびワインを飲みながら待った。最初に付け合わせの野菜が来た。丸ごとジャガイモ、茹ですぎず色鮮やかで歯ごたえもよいモロッコインゲン、甘みのある人参。これだけでお腹は十分膨れる。
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しばらくしてペスカーダの卵がやってきた。どんな大きさのものがいくつ、どんな盛り付けで来るんだろうか…

ジャーン‼︎
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衝撃のヴィジュアルだった。そっけない白い長方形の皿にゴロゴロと置かれたタラコ。一体、もっと美味しそうに見せる工夫はないのだろうか?

呆れつつナイフとフォークでタラコを切って口に入れたら、熱さで慌ててワインを口に含んだ。中までジワっと火が通り、ホクホクの美味しさだ。外の焦げた皮も香ばしい。やはり炭火でじわじわと焼いたものは違う。と思う。味はまさしく薄塩タラコである。白いご飯が欲しい!タラコは茶碗一杯に対し1腹くらいが適量であると思われるが、大小合わせて6腹もある。ご飯が5杯お代わりできる数だ。
このペスカーダの卵のグリルは付け合わせを取ったらどうしようもなく貧相だが、見かけに反して実はうまいという典型的なポルトガルの食べ物である。
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by caldoverde | 2014-11-09 21:21 | シーフード | Comments(8)

モンゴウイカの黒ご飯

引っ越したら同じ通りになり、より一層親しみの湧いてきた「カーザ・ドス・パッサリーニョス(小鳥の家)」は、カンポ・デ・オリーク地区のポピュラーなレストランだ。家族や友達と大勢で食べても良いし、お一人様用のテーブルもいくつかある。通りかかるたびに今日のお勧めは何だろうと気になる。三角に折られて窓ガラスに貼られた紙のテーブルクロスに書かれたその日のお勧めに「モンゴウイカの黒ご飯」というものがあった。店に入って席に着くと、そばのテーブルの客がまさにそれを食べようとしているところだった。私の心は即座に決まった。予想通りのいかすみのリゾットであった。
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本場イタリアのイカスミリゾットがどのようなものか知らないが、ポルトガルらしい点は多分、コリアンダーが散らされている事だろう。イタリアなら、イタリアンパセリとパルメザンチーズが添えられるであろう。

またモンゴウイカだけでなく、海老も結構入っている。どちらも自分が主役だとばかり主張して譲らない。このイカスミリゾットは、元々ポルトガルにあるアロース・デ・マリスコス(海鮮リゾット)を変形させたものと思われる。
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分厚い身のモンゴウイカは、焼くとプリプリになるが、煮るとかまぼこのように柔らかい弾力と味になる。モンゴウイカのグリルを頼むと墨付きか、墨なしか訊かれる事がある。墨付きを頼めば、イカスミがソースになって、独特の風味が楽しめる。イカスミリゾットが登場した日は、グリルにするには大きすぎるモンゴウイカを仕入れたのだろう。

大きなモンゴウイカの料理にもう一つ忘れてはならないのは、フライ(ショコス・フリットス)だ。これは港町セトゥーバルの名物で、これ専門のお店が何軒か並ぶ通りもある。「カーザ・ドス・パッサリーニョス」の定番にショコス・フリットスがあり、他の日替わりメニューにも時々魚の名前にセトゥーバルのと付け加えているので、この店の魚は主にセトゥーバルから仕入れているものと思われる。
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デザートは、チジェラーダ・ダ・ベイラというものがあったので、どういうものか試してみた。オレンジ風味の出来損ないのプリンみたいなもので、見かけは良くないが、味は悪くはない。
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この店のハウスワインの白はプレッソンと言う発泡性のヴィーニョ・ヴェルデタイプで、スッキリして美味しい。生ビールのようにゴクゴク飲みたくなる。しかしビールよりはずっとアルコール度数は高いので、気を付けて飲まないといけない。また店内2カ所にモスカテルワインの瓶が置いてあり、席が空くまで、またはお会計が来るまでセルフで飲んで待っててくださいというサービスもある。飲み過ぎても歩いて帰れる距離にこんな店があるのは嬉しいことだ。
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by caldoverde | 2014-10-13 19:12 | シーフード | Comments(12)