ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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 バールやカフェのガラスケースには、甘い菓子パンやケーキとともにサルガードと呼ばれる塩味の揚げ物がおいてある。ちょっと小腹が空いた時、コーヒーまたはビールにサルガードをつまめば、しばらく凌ぐことができる。このサルガードの代表的なものが鱈のコロッケ、パステイス・デ・バカリャウ。ラグビーボールのような形で黄金色に揚がった鱈コロッケは熱くても冷めても美味しい。前菜、スナックのイメージが強いけれど、トマト味のリゾットやサラダを添えて1品料理にしているレストランもある。パーティでもよく登場し、すぐになくなるほど人気が高い。ご飯のおかずにもなるので作ってはいかが。

材料
・ジャガイモ
・鱈(日本では甘塩鱈の切り身など)
・卵
・パセリ
・塩・胡椒
・揚げ油

作り方
 ジャガイモと鱈を茹でて、皮や骨を取り、みじん切りにしたパセリや塩、胡椒、卵とともにフードプロセッサーにかけてよく混ぜる。機械がないときはすり鉢でジャガイモをつぶし、鱈は布巾などでもんで、繊維が細かくほぐれるようにする。
 カレースプーンを両手に持って、片方のスプーンで種をすくい、もう一方のスプーンで形を整えて、熱した油に落とし入れて、狐色に揚げる。
 分量は例によって適当。ただし、鱈をジャガイモと同量以上は使うこと。このコロッケはパン粉や小麦粉などの衣をつけない。細かい鱈の繊維が衣の役割をするので、鱈をケチると油の中でコロッケが崩れてとけてしまう。その場合は、日本式のコロッケ同様、小麦粉をつけて、卵を絡め、パン粉をまぶして救済する。

 高級な雰囲気のレストランで鱈料理がある!とばかりにパタニスカス・デ・バカリャウというものを頼むと、美男の蝶ネクタイの給仕がうやうやしく金縁のお皿かなんかに盛り付けてくれたものはどう見ても駅の立ち食いそばのてんぷらで、失望するか、ぷぷっと吹いてしまう危険性がある。パタニスカスは小麦粉を卵や水で溶いたものに細かくほぐした鱈や玉ねぎ、パセリを混ぜて、塩味をつけて油で揚げたものである。これこそ日本のかき揚げの元祖ではないかと思えるくらい、懐かしい味である。レストランのメインになるときは、やはりトマトや豆のリゾットなどと一緒にサービスされることが多い。しかしバールでビールを立ち飲みしているおじさんがつまみに食べているパタニスカスと本質はなんら変わらない。でも、できれば甘辛いつゆに入ったうどんやそばと食べたい。できれば給仕も腹の出たおじさんではなく、クリスチアーノ・ロナルドのような可愛い男の子の方が望ましい。
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パステイス・デ・バカリャウとパタニスカス
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by caldoverde | 2007-07-29 21:54 | シーフード | Comments(4)
本題とは関係ないけどバカリャウ・アサード(焼いた鱈)。魚の下の緑色の液体はオリーブオイル。上には揚げたニンニクがのっている。
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 鱈にジャガイモはつきものである。鱈料理と称するものの中には、芋の割合が7割位でこれはジャガイモ料理ではないか?と言いたくなるようなものも多い。でもジャガイモと鱈の相性はとてもいいので不満はない。だから美味しい鱈料理は、適度な塩抜きといいジャガイモが必須条件だろう。

 ジャガイモと鱈の組合せが絶妙なハーモニーをかもし出す料理が、バカリャウ・ア・ブラスである。このメニューはよくツアーの食事にも登場する。拍子木切りにしたジャガイモと玉ねぎと細く裂いた鱈を炒めて卵でとじたものだ。比較的簡単な料理なので、私は日本では干鱈の代わりに甘塩鱈の切り身を茹でて作る。ただしその場合干鱈独特の歯ごたえや風味は不足する。ジャガイモは種類に注意しないとべちゃっとなってしまう。私は手抜きして、切ったジャガイモをビニール袋に入れてレンジでチンしたあと玉ねぎと一緒に炒める。カロリーをそれほど気にしなければ、フライドポテトにして、玉ねぎは別に炒めて後から一緒にしたほうが美味しいと思う。鱈を加えて炒め、最後に溶き卵をいれて卵とじにする。あまり加熱すると卵がポロポロになって美味しくない。皿に盛り、パセリとオリーブの実で飾る。

 レストランによってはこのじゃが鱈の卵とじを工夫して独特のスタイルにしているところもある。5,6年前にメールトラというポルトガル南部の小さな町で食べたバカリャウ・ア・ブラスほど繊細なものにまだ出会った事がない。ジャガイモが拍子木切りよりさらに細いマッチ棒くらいに切られていて、鱈がそぼろ状というかでんぶ状というか、細かい繊維になるまでほぐされ、それが細いジャガイモに満遍なく絡み付いて、しかもその鱈の繊維が絡みついたジャガイモが卵の黄身の黄金色に輝いている。どんな風にしたらこのようなバカリャウ・ア・ブラスになるのか不思議だった。

 雑誌で見た、ブラジルのポルトガルレストランで作るバカリャウ・ア・ブラスは、フランス料理のようなしゃれた盛り付けになっている。卵を絡めたフライドポテトを小さな円形にまとめ、その上に鱈の切り身を乗せ、その上にまたジャガイモのガレットを重ね、また鱈の切り身、というふうに層を重ね、てっぺんにオリーブとパセリをかわいらしく飾ってケーキのようにしている。大皿に卵とじをてんこ盛りにして、ランダムにオリーブやパセリを散らしただけのポルトガル流盛り付けと比較するとずいぶん洗練されている。

 この店のバカリャウ・ア・ブラスは違う、私は、あるいは家族はこんなふうに作る、という情報があればよろしくお願いします。
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by caldoverde | 2007-07-21 18:15 | シーフード | Comments(8)
 ポルトガル料理といえば鱈料理と言われるくらい沢山の種類があるそうだ。鱈料理ばかりを集めた分厚い本も売られている。理論上1年間違う鱈料理を食べられるはずなのだが、実際にレストランで食べられるのは種類がほとんど限定されている。

 ポルトガルで言う鱈とは日本でよく見る生や薄塩の切り身がプラスチックトレーに3枚入っているようなものとは全く違う。スーパーや専門店には縦横50cmほどの洋凧の形に開かれた大きな干し鱈が何枚も重ねられて強烈な匂いを放っている。表面には塩が吹いている。これをギロチンでバチンバチンとカットし、ビニール袋に入れて量りにかけて値段をつける。スーパーにはあらかじめカットしてあるものや、細く裂いたものもある。

 干鱈は塩抜きしないと食べられない。1日以上、水を替えながら干鱈を戻す。この戻し加減がなかなか難しいようだ。塩を抜きすぎても残しすぎてもいけない。アルファマ地区の小さな食料品店では昔ながらにたらいに水を張って鱈をもどしながら売っている。
 
 このような手間を経てようやく鱈は調理されるが、代表的なものはバカリャウ・コジード。私が初めてレストランで自分で注文して食べたのもこれだった。バカリャウというのは鱈で、コジードというのは煮たという意味だ。つまり、鱈の煮物である。切り身を上品な薄味のだしで煮て、ゆずとかハジカミとか香りのいいつまが添えられて、きれいに形を整えた野菜や、食べられないけど花や葉っぱが添えられて…という日本の煮魚を想像すると、どーんとパンチを食らう。これは言語や文化を共有するブラジル人にとってもそうらしい。

 日系ブラジル人の知人はポルトガルのレストランでバカリャウ・コジード・コン・トードスという料理を注文した。コン・トードスとはみんな一緒という意味である。どんなすごい料理が出てくるかと期待しながら待つと、ただ水で茹でただけの大きな鱈の切り身と茹で野菜が出てきた。不審に思った彼は店の人に「コン・トードス」とは何だと尋ねたところ、鱈と一緒のジャガイモや人参やブロッコリや卵がトードス(皆さん)だということであった。鱈と上記のつけあわせを同じ鍋にぶち込んで茹でるから「みんな一緒」であるらしい。味付けは鱈から出る塩味のみ。これにオリーブオイルやビネガーをかけて食べる。ブラジル人の知人は第一印象では呆れたようだが、食べてみると結構美味いと言っていた。上手に塩抜きしていたのだろう。

 私の初バカリャウにおけるリアクションもブラジル人の知人同様であった。出てきたものを見て、これがレストランと称するところで出される料理かと驚いた。白い皿にのっているのは白身魚の大きな切り身とゆで卵とジャガイモである。色彩がない。しかしこれは許せる。許せないのは塩辛くてとても全部は食べられなかったことである。今考えるとそこは黙っていても観光客が来る立地である。地元の人はわざわざそんな店に行かないだろう。文句を言うべきだったが、その頃はあまりポルトガル語が話せなかった。
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by caldoverde | 2007-07-18 10:23 | シーフード | Comments(2)

豆腐チーズ

 ポルトガルからの輸入食品がどんなに普及したとしても、多分日本では食べられないものに生チーズがある。ケイジョ・フレスコ、直訳するとフレッシュチーズという名のチーズと、リケイジョンというカテージチーズみたいなものの2種類ある。2つのチーズとも醗酵臭はなく、塩味のミルクが固まったような、淡白な味である。

 ケイジョ・フレスコは直径5cmほどの小さな円筒形のカップに入っており、滑らかな絹ごし豆腐のような舌触り。脂肪分の多いもの、中くらいのもの、少な目のものの3種類ある。ほとんどが牛乳だが、まれに山羊や羊の乳から作られるものもある。このチーズは、よくレストランで前菜に出される。日本人の中にはスプーンを使いチーズをカップからすくって食べようとなさる方もいらっしゃるが、プッチンプリンの要領でカップをひっくり返して、お皿の上に出してフォークとナイフでいただくのが正しい。ポルトガル人は塩と胡椒をふって食べる。見た目も舌触りも豆腐そっくりなのでわさびをのせて醤油をかけてもいけそう。

 リケイジョンは直径10cmほどで、ケイジョ・フレスコのようなプラスチックの容器に入ったもの、紙に包まれてるもの、小さなざる状の入れ物に入っているものなど包装の形態は様々である。食感は木綿豆腐か水分の多いおからの様な感じである。脂肪分は少ない。これも牛乳のほかに山羊乳、羊乳のものがある。リケイジョンのかぼちゃジャム添えは近所のレストランのデザートメニューだ。ポルトガル最高峰エストレーラ山系のふもとセイアという町から取り寄せた羊の生チーズにオレンジ色のかぼちゃのジャムをかけたものだ。チーズの軽い塩味がジャムの甘みを引き立て、ミルクの優しい風味と調和する。チーズもジャムもスーパーで買ったものとは味が違う。たぶん大工場製ではなく家内制手工業によるものなのだろう。凝りに凝って作られたデコラティヴなデザートにも引けを取らないおいしさだ。これは近所のワインバーのおつまみのリケイジョンのトマトジャム添え。盛り付けがおしゃれだ。
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 暑くて火を使う料理をする気が起きないとき、私はこんなズボラ料理を作る。イタリア料理のサラダによく登場するルッコラにゴマだれをあえ、真ん中に山羊のケイジョ・フレスコをでーんとおいて、その上にイチジクのジャムをかける。ルッコラはゴマのような香りがするので当然ゴマとよく合う。ゴマだれはすりゴマに醤油、砂糖、みりんを適当に合わせる。あればくるみか松の実を添えたい。前菜とデザートを兼ねた甘いサラダで、冷やした白ワインとともに食す。
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 生チーズを使ったケイジャーダというお菓子はポルトガル各地にある。有名なのはシントラのケイジャーダで、ガイドブックにもよく載っている。しかし私が好きなのはエヴォラのケイジャーダである。シントラのはチーズの味や香りより、圧倒的にシナモンの香りが勝っている。それにすごく甘い。京都の八橋の好きな方には勧める。一方エヴォラのほうはマドレーヌのようなしっとりした生地にほんのりミルクの香りがして、チーズケーキらしい味がする。エヴォラのケイジャーダには2種類あって、ふちが正円のプリンをひっくり返したような形のはケイジョ・フレスコを使い、ふちが花のようにでこぼこのある型で焼いたのはリケイジョンを使っている。エヴォラのガイドさんによるとケイジョ・フレスコを使ったものはこってりして、花形のリケイジョンのはあっさりしているということだ。シントラもエヴォラもユネスコの世界遺産の町である。美しさもお菓子の美味しさも優劣つけがたい。この2つの町を訪れたなら、ぜひともケイジャーダを食べ比べてください。
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by caldoverde | 2007-07-13 07:42 | スープ・前菜・酒肴 | Comments(0)

モツ料理(トリパス)

  昔は食わず嫌いだったが、ポルトガルに住むようになって食べられるもののレパートリーがだいぶ増えた。動物の血や脚や耳や内臓を使った料理も平気になった。牛のひづめの軟骨とヒヨコマメを煮たものや豚耳のサラダなど、ぷるぷるこりこりした食感のゼラチン質が豊富で美容によさそうだ。レバーはまだ苦手だが、近所のレストランの自家製の鴨レバーのパテはすごく美味しい。同じく近所の別の店には豚の腎臓の炭焼きがある。これはまだ試していない。

  ポルトの名物料理に牛の臓物を使った「トリパス・ア・モーダ・ド・ポルト(ポルト風臓物)」という料理がある。リスボンでは「ドブラーダ」と呼ばれることもある。牛の胃に白いんげん豆、野菜、チョリソ等を加えて煮込み、ごはんを添えて食べる。日本なら甘い煮豆にする白いんげん豆であるが、こちらではホルモンと一緒のごった煮にされる。

  ポルトのトリパスの歴史は、大航海時代の幕開けとなった1415年のモロッコのセウタ攻略にさかのぼるそうな。ポルトガル軍はポルトの港から出航した。ポルトの市民は自国の海外進出と言うか他国侵略に協力を惜しまず(仕方なく?)肉のいいところは軍隊に供給し、自分たちは残り物の臓物を食べて凌いだ。そして出来上がったのがこのモツ料理だということだ。15年前コインブラの下宿屋のおばさんにこの料理の作り方を教わったが、下ごしらえになかなか手間がかかる。牛の胃はレモンで洗って臭みを取ったり、下ゆでをしたりと面倒だし、乾燥豆を使うなら戻すのに時間がかかる。でもモツは安く、豆はお腹を膨ませ、しかも味がいいので、大航海時代が終わった後も何百年も庶民に親しまれてきたのだろう。

  牛の胃なんてモー絶対ダメ!などと言わずに、ぜひトライしていただきたい。ハチノスと呼ばれるように細かい網目状のでこぼこのある、または微細な突起が密集した胃は、柔らかく茹でられているが弾力があり、味は淡白で、たんぱく質でできているきのこのようである。あっさりしているようでボリュームのある白豆は美味しいけれど食べ過ぎ注意、私にとっては腸内ガスが増える傾向を引き起こす。臓物料理といってもそんなにギトギトしたものではないので、店によってはピリピリソースを添えるところもある。淡白な味にアクセントをつけるのはニンニクの効いた赤いチョリソである。たった1枚入っていたチョリソを食べた後に撮った写真は、ご覧のようにあまりヴィジュアル的に魅力のないものになってしまったけど、ホルモン料理は旨い。
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 リスボン近郊のヴィラ・フランカ・デ・シーラという町で7月に「赤いチョッキの祭り」というお祭りがある。町の通りに柵を設けて、その中に牛を放して人と牛が追いかけっこをしたり、闘牛が行われる。牛追いが行われたのは午前中で、私が着いた昼過ぎにはもう終わっていたが、町の人たちが何を食べているのかのぞいて見る事ができた。この町の名物は牛のモツと豆の煮込みもしくはモツの炭火焼らしく、大抵のレストランにあった。この地方は闘牛が盛んなので、原料は本来の役目が済んだ闘牛だろうか。
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by caldoverde | 2007-07-09 19:25 | 肉料理 | Comments(7)

小魚の唐揚げ

 日本の家庭でもおなじみのお惣菜の南蛮漬けは、南蛮国でも味や作り方はほとんど同じで、小あじなどの小魚をから揚げにして、野菜を入れたヴィネガーソースに漬ける。米酢や醤油を使えば和風、オリーブオイルにワインヴィネガーなら洋風。ポルトガルのレストランの前菜やバールのつまみに時々登場する。これはケルースのポウザーダのレストランで出された、おしゃれな盛り付けの南蛮漬け。
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 メインディッシュの小魚料理には、ぺティンガとカラパウジーニョがある。前者は小さなイワシ、後者は小あじである。長さが10cmくらいの小魚に軽く衣をつけて揚げたものに、トマトライスやパンをどろどろのおかゆ状にしたアソルダが付け合わされる。熱々の魚のフライにレモンをきゅっと絞り、歯の丈夫な人は頭や骨も丸ごと食べてしまおう。香ばしくてとても美味しい。
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 もうちょっと大き目のものとなるとペスカディーニャというものがある。ペスカーダという鱈系の白身魚の小さいもので、体の割りに大きな口をしている。その口に自分の尻尾をくわえさせられ輪になった状態でから揚げにされる。味は小あじや小イワシより淡白である。
 揚げたての魚のフライにはやっぱり生ビールか、緑のワイン、ヴィーニョ・ヴェルデがよく合う。

 お隣のスペインの珍味はウナギの稚魚であるが、ポルトガルではあまり見たことがない。高いので私の予算でいける店にはないだけかも。ところがスーパーの高級海産物コーナーにウナギの稚魚が私の手に届く値段で売られていた。手にとってよく見ると、原材料は魚のすりみであった。背中を表すためにうっすら灰色に着色され、小さな目までついている。非常によくできている。
 もう少し大きくなったウナギのから揚げをポルトで食べたことがある。ペスカディーニャのように輪にして揚げてあった。しかし骨が硬くて肉の部分が少ない。ウナギの味はどこへ?何度も言うが、日本のウナギの蒲焼は最高だ。
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by caldoverde | 2007-07-04 17:58 | シーフード | Comments(4)

石焼ステーキ

 日本ではすき焼き、焼肉、しゃぶしゃぶ、鍋物など自分で作りながら食べる料理はポピュラーであるが、ポルトガルでは野外や家庭で食べる肉やイワシのバーベキューくらいか。料理店では作る人、運ぶ人、食べる人とはっきり役割が決まっている。セルフサービスで調理しながら食べるものというとあまり思い浮かばないが、石焼ステーキがある。何とか・ナ・ペドラというメニューは熱く焼いた石の上に分厚く切った肉をのせて焼く料理だ。材料の質と石の温度とあなたの腕がこの料理の成否を決めるのだ。ただ焼くだけ煮るだけの多いポルトガル料理の中でも最も料理人の手間の要らないものだ。味付けさえ客が自分で行う。

 まな板より小さめの厚みのある木の板の上に約15cm四方の熱く焼いた石が置かれ、その上に肉の塊がどーんと乗っかっている。もちろんじゅーという食欲をそそる騒音とともに。板のふちにはマヨネーズや塩の入った小さな器が添えられている。ゆっくり食べるのが身上のポルトガル料理であるが、レアのステーキが好きな人にとっては早く食べなければという焦燥感をかき立てられるものだ。何度に熱されているのか知らないが、肉がどんどん焼け焦げていく。あまり加熱すると肉が硬くなってしまう、でも付け合せのポテトも食べたいし、ガス台のように火が調節できないし、と心ははやる。実はそんなに焦らなくても良い。石は冷めていくから肉が真っ黒に炭化することはない。石の温度が低くなったら店の人にまた石を焼いてもらえばいいのだ。それに肉はかなりの厚みがあるので、表面が焦げても中は血の滴るレア状態である。
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  NA PEDRA とは「石の上」という意味だ。肉の種類がこの前に記される。多いのはNACO NA PEDRAでナコとは塊肉のことで普通は牛肉である。鹿の場合はVEADO, ブラジル(風)の牛ならPICANHA である。ピカーニャは牛の腰肉でブラジル料理ではとてもポピュラーな部位で、日本ではイチボと呼ばれる。

 リスボンの飲食店街のバイロ・アルト地区でこのピカーニャの石焼肉を食べた。長さ20㎝、幅7㎝、厚み1㎝位はありそうな大きな肉のスライスが3枚来た。日本人ならごはんと味噌汁と野菜が付いていれば1枚で十分満足できる量である。なのに3枚!!!しかもふちの一方は幅1㎝の脂身だ。私にメタボ症候群になれというのか。なら受けて立とうじゃないの。1枚目を灼熱の石の上に載せるとじゅうううと勢いよく音が炸裂し、もうもうと煙が上がる。脂肪がはじけ飛び、思わず体をかわす。早くも表面が焦げている。慌ててナイフで切って口に入れる。あちちち。赤ワインで口を冷ます。うっ、旨い…。連れは脂肪の少ないナコの石焼を選んだ。こちらもあっさりして美味しいが、脂肪がたっぷり乗ったピカーニャに軍配が上がった。帯状になった脂身まで食べれば1枚でもカロリー超過は確実である。付け合せはお約束のフライドポテト。ピッチャーに入ったワインが進む。  でも1枚半で限界だった。太く、短く人生を楽しみたい人はぜひどうぞ。旅行中に1,2回食べたって寿命に影響はないでしょう。
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by caldoverde | 2007-07-02 16:49 | 肉料理 | Comments(18)