ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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料理は爆発だ

 件の有名シェフ、ヴィトル・ソブラルの店「タスカ・ダ・エスキーナ」はこの不景気にもかかわらず盛況のようである。後日別のメンバー三人で夜の部の開店と同時に入ろうとしたら、既に予約で一杯で、25分後に来てくれとさえ言われなかった。またしても半ば仕方なく隣の「カーナス」で夕食をとることにした。

この前の「カーナス」(←話題の店「有名シェフvs老舗カフェの攻防」参照)の食べものはポルトガル食堂らしからぬ、工夫の跡の見られる盛り付けだったので、今度はどんなヴィジュアルか楽しみであった。
 本日のお勧めは「スーパー串焼き」(super espetada)。なんだか知らないがとにかくただものではない串焼きらしい。それに加え前回好評で追加注文したローストビーフとスタンダードなポルトガル料理の小イワシのフライを頼んだ。

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 まず、スーパー串焼き。その名に恥じぬ、堂々たる押し出し。山と盛り上げたピラフの上を、野菜と肉を交互に差した巨大な串焼きが二本交差する。平均的日本女性なら優に二人前はあり、平均を超えるキャパシティを誇る日本女性である私たちでも驚くボリュームだ。

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 小イワシのフライというと、ステンレスの楕円皿に無造作にてんこ盛りし、飾りといえばレモンを4分の1に切ったものが相場であるが、ここのはご覧のようにきれいに整列させ、余白にソースでラインを引いている。こんな可愛い盛り付けは初めて見たが、この作業によって揚げたてのフライの熱はどんどん失われ、完成しテーブルに運ばれる頃にはやや冷めていたのが残念であった。

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 そしてローストビーフ。この前はブルーチーズのソースが好評を博したが、今回のはカスタードにチョコという甘いソース(!!)で、細胞か微生物の顕微鏡写真を連想させるようなトゲトゲが描かれている。その中央に分厚いローストビーフがまるでバラの花のごとく肉感的に渦を巻いている。率直な感想は、この前のブルーチーズソースの方が相性が良いということとローストビーフと生ハムは薄い方がいいということである。

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付け合せのサラダとトマトリゾット。サラダのトマトを耳に見立て、オリーブやミニトマトでポケモンの顔を描いたらなお可愛い。

 先日の「カーナス」の料理は、ふだんスッピンのお嬢さんが口紅をひいたごとく、基本ポルトガル料理にちょっぴり彩りを添えた結果、味も見た目もぐっと向上した好例を示してくれた。で今回はこのひと工夫に味を占めたシェフが色々と趣向を凝らした挙句、遊びすぎたきらいがある。料理はできたての熱々であれば、てんこ盛りでも構わないし、肉や魚の素材や焼き加減がよければソースはなくても良いかもしれない。

 デザートでは遂にシェフのタガは外れ、ダムが決壊するごとくイマジネーションがあふれ出し、皿の中をのたうっている様相を呈している。昔TVのコマーシャルに出ていた岡本太郎画伯の鬼気迫る表情と「芸術は爆発だ!」のフレーズが頭の中に浮かんだ。
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 抽象表現主義それともアクションペインティング?実は厨房で遊んでいた調理人の子どもにやらせたのかも。

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親「今度はこのソースでぐるぐる描いてごらん」

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親「父ちゃんが見本を見せる。どうだ、ミロの絵みたいだろう。」

 ま、たまにはこんな遊び心のある料理も良いか。次はいったいどんなものが出てくるのか楽しみである。
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by caldoverde | 2009-09-15 17:07 | 話題の店 | Comments(6)