ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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 夏の1ヶ月間の帰省からリスボンに戻ると、あそこにあった店が閉めてしまった、ここにこんな店が開いたと、地域の商店の消長を見ることになる。階下の数年間空き家だった貸し店舗にもようやく飲食店が入った。名前は「プラゼーレス(快楽)」というのだが、別にキャバクラではなくベタベタなトラディッショナルなポルトガルのカフェ兼食堂である。プラゼーレスとはこのカンポ・デ・オリーク地区の端にある墓地の名で、市電の終点の停留所名でもある。店の奥の壁面には大きく引き伸ばした市電25番プラゼーレス行きの写真が飾られている。
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店の奥から市電がやって来る

 開店の日曜日の朝8時、早速どんなものかコーヒーを飲みに行ったが、昔からある味をモットーとするだけに、特筆すべきものは何もなかった。開店当時は通りに面した部分は全面ガラス張りで外も中も丸見えのお洒落な外観だったのが、そのうちにガラスに紙のテーブルクロスを三角に切った「日替わり定食」やら「持ち帰りOK」やら「今日はベンフィカ対ギマランイスの試合があるよ」やらのメニューを張り出すことによって、また内部を通行人の視線から一部遮断することによって逆に好奇心を引くようになったのか、客の安心感を与えることになったのか、開店から半月、順調に顧客を増やしているようである。

 一方、カンポ・デ・オリーク地区に隣接するアモレイラス地区に新しい、画期的なパン屋が開店した。日本でもチェーン店を展開している「エリック・カイザー」というフランスのベーカリーだ。アモレイラスショッピングセンターの、通りをはさんだ向かいにあるモダンなビルの1階は洋服屋が入っては潰れるを繰り返していたが、とうとうリスボン初の高級感溢れるオサレなブーランジュリーが上陸したのだ(陸続きだが)。これは19世紀にナポレオンがポルトガルに攻めてきた時以来の脅威になるのではないだろうか。

 店内に入るときれいに並べられたケーキに目が釘付けになった。私はこの日を待っていた。やっとポルトガルでも日本の洋菓子店が作るケーキに匹敵するものを味わうことができるのだ…!はっきり言ってポルトガルの菓子屋のケーキは日本の主婦が趣味で焼くものと大きな隔たりはない。
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 カウンターの後の壁には直径が40cmもあろうかと思われる巨大な丸いパン、パン・ド・カンパーニュが並ぶ。この美しさ、端正さで田舎パンと呼ぶのなら、ポルトガルのパンはドドド田舎パンである。もちろんこんがり焼き色の着いたバケットも並ぶ。
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お昼はサンドイッチとスープとソフトドリンクのセットメニュー7ユーロ。ちょっと高い。でもバゲットにはちゃんと辛子が塗ってある。

 ここなら本物のクロワッサンが食べられるはずだ。大学の語学コースで同じクラスになったフランス人が、ポルトガルのクロワッサンは偽物だとフンガイしていたが、私もその通りだと思った。ポルトガルの田舎のクロワッサンもどきは、卵とオレンジジュースを使った生地を丸めて焼いたもので、本物とは似ても似つかないものだ。まずくはないけど。

 店内はレストランとしても十分な広さがあり、ガラス窓を通して職人がパンを焼く様子が見える。フランスから派遣された職人が指導しているようだ。

 出勤前に開店したばかりの「エリック・カイザー」でコーヒーとくるみのたっぷり乗ったブラウニーを食べた。アメリカ系ファストフード店によくあるメニューだが、アメリカのお菓子にありがちの歯にねっとりとまとわりつくようなくどさはなく、ふんわりと軽い口当たりである。
 仕事の帰りにもう一度立ち寄り、今度は念願のケーキを食べることにした。ザッハートルテを思わせるようなつややかなチョコレートのコーティングにピンクのマカロンが飾りにつけられた、シンプルな外観であるが、手間がかかっていそうなケーキだ。中身はチョコレートのムースをくり抜くようにラズベリージャムが仕込んであり、底には薄いチョコレートスポンジが敷いてある。これなら、日本のデパ地下に出しても遜色はない。ついでに値段も4.50ユーロ(480円)と日本の高級ケーキと遜色ないお値段で、この店に通うのを断念させるのに十分であった。
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写真でよく見るとコーティングが一部崩れていました。

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一番上のポルトガルの伝統菓子と比べると洗練度が違う。でも毎日は食べられません。
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by caldoverde | 2011-09-16 23:05 | パン・ご飯 | Comments(12)