ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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ファドが世界遺産に

 景気の良い話のないポルトガルに、明るいような明るくないようなニュースが!ユネスコの無形文化遺産にポルトガルの伝統音楽のファドが登録された。ポルトガルの誇りとばかり日曜日の夜の報道番組はずっとそのことが話題となった。めでたいことだ。ファドの知名度が世界的に上がり、本物のファドを聞きにポルトガルに来る人々が増えれば嬉しい。

 一方で、へそ曲がりな私はポルトガルの音楽はファドだけじゃない、もっと色んな音楽があると反論したくなる。ファドってリスボンとコインブラの地方の民謡なのに、それをポルトガル全体で歌われているものとのイメージを固定化してしまうんじゃない?ポルトガル人の好きな音楽は暗い泣節ばかりという先入観を植え付けてしまうんじゃない?
 私は全く音楽には詳しくないので偉そうな事は言えないが、ほんの少しだけ知っているポルトガルの様々な伝統音楽やそれに霊感を受けたミュージシャンをご紹介したい。

 大歌手のアマリア・ロドリゲスの後継者はこの人だと思っていた。ドゥルス・ポンテスは圧倒的な歌唱力でファドもポップもクラシックも歌う。「暗いはしけ」 のオリジナル「黒い母」はブラジルの大農場の女奴隷が主人公。アフリカっぽいアレンジと数オクターブの声が雄大なスケールを感じさせる。

 ポルトガルの文化のルーツの一つはケルト。特に北部にはケルト由来のバグパイプや太鼓を使った民謡や踊りが残っている。ファドにケルトの香りを加えてアレンジしたドゥルスの「川に集う人々」はアマリアの歌以上に心揺さぶられる。

 ポルトガルの公用語はポルトガル語の他に北部の国境の町ミランダ・ド・ドウロで話されるミランダ語がある。ネー・ラデイラスはCD「トラス・オズ・モンテス」で鈴を振るような響きのミランダ語で北部の民謡を現代風にアレンジして歌う。

 アレンテージョ地方の男性コーラスも好きだ。揃いの帽子とチョッキを身につけたおじさん達が力強く歌う労働の歌。そこから革命の合図となったゼカ・アフォンソ「小麦色の町グランドラ」が生まれた。

 田舎者の代名詞となっているアレンテージョ人の中にもソフトで洗練された歌を聞かせてくれる人がいる。大海洋帝国だったポルトガルの凋落を詩的に歌ったヴィトリーノの「帝国の落陽」はしみじみ美しい。

 最後にリスボン近郊のアンゴラ移民街から生まれ世界のダンスシーンに大きな影響を与えたクドゥーロというノリノリの音楽。この夏ヒットしクラブの若者だけでなく村の爺さん婆さんも踊らせたジョゼ・マリョアの「モレーナ・クドゥーロ」

皆さんはどの音楽がお好きですか?
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by caldoverde | 2011-11-28 22:14 | カルチャー | Comments(9)

地の果てる処のキノコ

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 リスボンから車で約45分も走ると世界の果てに行き着く。ユーラシア大陸最西端ロカ岬。ここはまたリスボンとは異なる特殊な小気候の地域に属し、独特な植物の宝庫でもある。
 岬を覆うように生えているのは巨大化した「マツバギク」。5月頃満開になり、ピンクや黄色の花はとても可憐で、太い指のような葉は秋になると先が赤く色づいてこれも美しい。繁殖力が強く、時々引き抜かれている。
 春は白い小さな葱坊主のような「アルメリア」が咲く。別名ハマカンザシとも呼ばれるこの花が風に揺れる様は、夢二の描くはかなげな少女のようだ。
 数年前までやたら生えていたが、おそらく駆除されたのだろう。最近あまり見ない「ドクゼリ」は不気味な宇宙人のような姿である。
 何十年に一度しか花を咲かせない「リュウゼツラン」はポルトガルの海岸部でよく見られ、電柱のように丈のある茎を伸ばしてあまり美しくはない黄色い花を咲かせると、倒れて枯れてしまう。
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 そして春と秋の、暑くもなく寒くもない時期の雨の後には、ロカ岬にキノコがにょきにょきと生えてくる。春のキノコは巨大な白いキノコで、秋は茶色のこれまたかなり大型化する茶色いキノコが出現する。時々コメントを寄せてくれるOVOSMOLESさん、PATOさんはキノコ狩りの名人で、季節にはリスボンから車を出してロカ岬にキノコを採りに行き、仕事でロカ岬に来る時はビニール袋を持参する程の熱心さである。当然地元の人も黙ってはいない。ロカ岬の観光局のおばさんもキノコハンターの一人で、彼女は食用と毒キノコの見分けがつくと自負している。彼女によると、軸にスカートをはいているのは食べられるということだ。

 先日ロカ岬に行ったところ、このおばさんがずっしり重いビニール袋を私にプレゼントしてくれた。中身は日本では見たこともないような巨大なキノコがたくさん入っていた。椎茸に似た茶色のひび割れた模様のある笠で、軸はかなり長く、開いた状態のものは確かに軸にスカートをはいたような格好に見える。とても一人で食べきれる量ではないので、同じくこのブログの読者のMOREIAさんにおすそ分けすることにした。彼女の旦那様はご母堂がこのキノコをよく料理し食べていたということをおっしゃったので、私も二人の経験者のお墨付きを得たものと心強く、早速その晩に調理に取りかかった。
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 一番大きい直径が15cm位あるものは焼き魚用のグリルでシンプルに焼いて、ポン酢で食べた。マツタケどころか椎茸ほどの香りも何もない淡白な味だ。
 丸い、笠の開いていないものは玉ねぎ、ニンニク、ベーコン、ソーセージと一緒に炒めてワインのつまみとして食べた。これも特に印象に残る味や香りはないのだが、キノコ特有の歯ざわり、弾力があり、悪くはなかった。
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 しかし食べ終わってしばらくすると腹の具合がおかしくなり、胃腸が不穏な音を鳴らし始めた。ふと数ヶ月前ポルトガルに住むタイ人の家族がキノコで食中毒を起こし亡くなったというニュースが頭の中によぎった。静かなトイレの中で体と心の安定を試みた。最近少々便秘気味だったが問題は一気に解決した。キノコとソーセージの炒め物が私の贅肉となるのは回避された。喜ばしいことだ。

 インターネットで調べると、私の食べたキノコは「オニタケ」か「カラカサタケ」のようだ。ところがこの両キノコは人によって食用とされたり毒キノコとされたり評価はまちまちである。生食厳禁と警告している人もいれば、調理法を紹介しているHPもある。15cm以下のものが毒だという人もいれば、人によって食中毒を起こす可能性もありという記述もある。どうも100%安全なキノコではないらしい。調理の仕方や体質によっては当たる可能性もあるオニタケ?は、命を賭してまで食べたいような美味なものでもなかったので、まだ冷蔵庫に眠っているキノコの処分を今検討中である。
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石川県HP「いしかわ きのこ図鑑」より
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by caldoverde | 2011-11-22 02:29 | 野菜・果物・キノコ | Comments(11)

イワシ萌え

 長い夏が唐突に去って秋のしみじみとした寂寥を感じる間もなく、クリスマス商戦が始まった。近所にもクリスマス需要を当て込んだと思われる店がオープンした。市電28番の終点プラゼーレス墓地から一つ手前のサント・コンデスターヴェル教会停留所前にある、洒落たデザインの食品や小物などを売るピメンタ・ローザ(ピンクの胡椒)という店だ。
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この教会の向かい側にある

 中身はスーパーで売っているものと大差ないが、パッケージによって立派な贈答品に変身した品々が、細りゆく一方のポルトガル人や私の財布の口を無理やりこじ開けさせる。

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 ポルトガルのイラストレーターがセンスを競う魚の缶詰。ポルトガルを代表する魚のイワシの他に、マグロ、イカ、ニシンの缶詰がお洒落な紙箱に包まれ、更に贈答用に4個入る箱も用意されている。缶詰は3ユーロより、贈答箱は4個買えばサービスされる。
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 イワシの缶詰をイメージしたレトロなパッケージにイワシ型のチョコレートを詰めたイワシチョコ。可愛いイワシ模様の銀紙に包まれたチョコの中身はイワシのペーストで、チョコと潮の香りが絶妙なハーモニーを醸し、お父さんのビールのお供にも、育ち盛りのお子様にもぴったりのスナックです。
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 …というのは嘘です。チョコは単なるミルクチョコで、銀紙をよく見るとバルセロナのメーカーが製造しているではないか。箱はポルトガルのイメージをこれでもかと押し出しているのに、中身はスペイン製、詐欺じゃん!しかもいいお値段。でも面白いから許す。


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 陶製のイワシは、中に磁石が仕込まれクリップ留めの機能を有する。


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 イワシプリントのエコバッグ。コットン製で数パターンのイワシシリーズがある。


 今までは突き抜けたデザインがあまり見られなかったポルトガル製品に、ようやく可愛いなと思えるものがぼちぼち出始めてきたようだ。ポルトガルは消臭力のミゲル君ばかりでなく萌えキャラクターをどんどん世界に売り込み、オタクのメッカとなることを国策に掲げるべきだ。それはギリシャ、イタリアに次いで懸念されているポルトガルの経済破綻を回避する有効な手立てとなるだろう。
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上は糸カボチャ、下はサクランボのジャムと陶器の入れ物のセット。カボチャは判るが、下の容器の蓋は微妙な形。
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民族衣装に使われていたコットン生地で作ったパソコンバッグ。ダサ可愛い。
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by caldoverde | 2011-11-07 21:32 | 話題の店 | Comments(8)