ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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トロイアリゾートの休日

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 6月13日の聖アントニオの日はリスボンの祝日で、あちこちに転がっているプラコップやビール瓶が前日の喧騒を物語る。遅くまで飲んでいたリスボン市民が起きだして海に出かける車で混み始める前に、自転車での遠出を試みた。リスボンでは週末や祝日は鉄道、地下鉄、フェリーに自転車を無料で載せることができる。私の愛車ブロンプトンはかなり小さく折りたためるので、市電や小型バスに載せても注意されたことはない。

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 まずコメルシオ広場のフェリー乗り場テレイロ・デ・パソから対岸のバレイロに渡った。地下鉄と連結しているテレイロ・デ・パソ駅は、バスも多数停まるので、平日は活気に溢れているが、休日の昼時は閑散としている。待合室に自転車がもう1台。私のお仲間がいるようだ。運賃は往復5ユーロほど、座席はゆったりとしていて、乗船時間は30分足らずにもかかわらずコーヒーを売るバールもある。最後部の座席の窓から遠ざかるリスボンを見ていると、映画の「白い町で」を思い出す。
 バレイロに降り立ち、駅の側からテージョ河沿いに延びる自転車道を、漁船や水鳥を眺めながら走った。小船と掘っ立て小屋のアジア的風景に懐かしさを覚えた。

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 今度はフェリー駅の隣にある鉄道駅のバレイロからセトゥーバル行きの電車に乗った。車窓から見えるのは、どの大都市の郊外にも見られるような味気ない工場やアパートや休耕中の農地ばかりだが、終点の一つ手前のパルメラ駅で、山の上にそびえるパルメラ城、ふもとの赤い屋根瓦の集落、見事なブドウ畑と、ようやく絵になる風景が現われた。

 セトゥーバルは豊かな自然に恵まれ、また漁業、工業、農業、観光業と様々な業種が発展した町だが、リスボンやポルトのような都市としての魅力や景観の美しさにいまひとつ欠ける。紺碧海岸(コスタ・アズール)と異名をとるこの付近の海にはイルカが訪れ、さらさらの細かい砂のきれいなビーチもいくつかあるが、醜悪なセメント工場が台無しにしている。
 セトゥーバルが生んだ現代の偉人といえば、リアル・マドリードのモウリーニョ監督。もしナショナルチームの監督に就任しポルトガルを優勝に導いたら銅像が建つだろうが、まだ彼の名を冠した地名や建物はないようだ。

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 セトゥーバルの港から、白い砂浜と松林が細長く延びたトロイア半島が見える。半島の先端にあった高層ホテルが取り壊されてリゾート開発が進められている。トロイア半島にはこれまたフェリーで行くことができる。意外と便数もある。黄緑色の大きなフェリーは甲板に車を積み、半島の中ほどにある桟橋に到着する。ここから半島の先っぽのトロイア・リゾートまでのサイクリングは良い運動になる。

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 トロイア・リゾートは、美しいビーチを目前にしたホテルや分譲マンション、ゴルフ場の複合リゾート施設で、病院や警察などのインフラも整っている。しかし風光明媚な自然のなかに造られたそれは、やはり自然破壊そのものである。ホテルの宿泊客やリゾートマンションのオーナーはベランダからすばらしい風景を楽しめるが・・・

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 トロイアからは、リゾート施設の中にある乗り場から出る、乗客専用のフェリーに乗ってセトゥーバルにもどった。この船は自転車は畳むかケースに入れないとダメらしい。船の中に耳からコードをたらし何事か吼えている乗客がいる。ちょうどユーロ選手権のポルトガルとデンマークの試合が行われている最中だった。フェリーを降りた港からほど近い大通りには、セトゥーバル名物ショコス・フリットス(モンゴウイカのてんぷら)専門店が並んでいる。夕方5時に開いていて、しかもテレビがあり試合を中継している店は一軒のみ。他に選択肢はなかった。イカ天と白ワインで気合の入った私の応援のおかげでポルトガルは2-1で初勝利を収めた。

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オーナー夫妻もTV中継から目が離せない

 スカしたトロイアリゾートで高いビールやカクテルを飲むより、品のないセトゥーバルのイカ天ぷら屋でサッカーを観ながら陶器のピッチャーに入った安ワインを飲むほうが私は好きだ。
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この厚みから推測するとこのモンゴウイカの大きさは50cmくらい?
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消防士、医師、裁判官、パイロット、カメラマン、漁師、整備工、シェフ、兵士、フロアマネジャー、会社員に扮したポルトガル選抜チーム。ぴったりな人も全然似合わない人も。(石油会社galpのポスター)
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by caldoverde | 2012-06-15 04:57 | ポルトガルの旅 | Comments(11)

麝香蘭朶の匂いにむせて

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 年々開花が早まる傾向にあったリスボンのジャカランダは、昨年からの異常気象のせいか今年は5月後半といつもより遅めだった。しかし、今年は葉をすっかり落として枝一杯に花をつけた見事な樹が多いように思う。葉っぱが残っていると花と葉が半々になる。
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5月24日 シェラトンホテルそばの通りにて

 リスボンにはあちこちにジャカランダ並木があり、古い街並みとそれは見事な調和を奏でているのだが、ポルトガル人は誰も気に止めないようだ。無秩序に停められた車がせっかくの景観を台無しにしている。車の持ち主は、花びらが落ちてきて車が汚れて困るとさえ思っているに違いない。情緒ある石畳に零れ落ちる紫の花びらを踏みながら散歩する風流人は外国の観光客ばかりである。
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6月3日 ロドリゴ・ダ・フォンセカ通り

 リスボン市はこの貴重な観光資源を有効に活用すれば収入を増やすことができるのではないかと思うのだが、ジャカランダに関連するイベントなどは聞いたことがない。精度の高いジャカランダ予報を出して、ジャカランダマップを作成し、観光局がプロモートすれば5月~6月の観光客の数は飛躍的に伸びると思うのだが。

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 リスボンのネセシダーデス宮殿と、隣接するネセシダーデス公園はガイドブックに載っていない隠れたジャカランダの名所である。6月7日の撮影時点では盛りが過ぎて散り始めていたが、それでも見事な花が18世紀の美麗な宮殿や華やかな色彩の民家をいっそうあでやかに彩り、路上に紫の絨毯を敷いている。
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 ネセシダーデス公園に入ると、緑のトンネル中に紫の帯が現われた。ジャカランダの樹はだいぶ花を落としていたが、その下には花びらを敷き詰めた紫の小道が出来上がっていて、その美しさはたとえようもない。下手な写真で十分にお伝えできないことが残念だ。
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by caldoverde | 2012-06-08 01:36 | 動植物 | Comments(7)