ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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 アソーレスの地酒にヴィーニョ・デ・シェイロというものがあると地元の人や友達から聞いていたが、島ではお目にかかることはなかった。それどころか販売が禁止されているらしい。観光局のパンフレットに名産品として堂々と書いてあるのにだ。

 数少ない日本語のアソーレス諸島の紀行文の中に、リスボンにそのヴィーニョ・デ・シェイロと同じものを飲ませてくれる酒場があるという記述をおぼろげに記憶していた。確かモラリア地区にあるその酒場の事はどこか秘密めかして書かれていた。著者は誰にも教えたくなかったのだろう。

 知人にその秘密の酒を飲ませる秘密の酒場に案内されたら、在住の日本人がよく納豆や大根を買いに行く中華食材店のすぐ隣だった。常連には「ゼー・ドス・コルノス(牛の角のゼー)」と呼ばれている。店の奥の壁に牛の角が飾られている。昔は炭を売る店だったそうだ。
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つまみは豚耳と小鰺の唐揚げ。他に豚足や赤いピメントの粉をまぶしたチーズ、アソーレスのチーズなどがある

 ヴィーニョ・デ・シェイロは別名モランゲイロと呼ばれる。モランゴとはイチゴで、イチゴのような香りのワインという意味だ。店の人によるとミーニョ地方のヴィーニョ・ヴェルデの赤と同じものだそうだ。
 いかにもブドウの皮ごと絞りましたと言わんばかりの濃い赤紫色の液体がコップになみなみ注がれると、表面を発酵時に生じるガスの泡が薄く覆う。モランゲイロはアルコール度数が低くすぐに酢になってしまうので、作ったその年の内に飲み切る酒だ。軽く冷やして飲むと美味い。サングリアにしても良い。イチゴを思わせるフルーティーな香りと酸味、軽い口当たり、低めのアルコール、そして1杯1ユーロという値段がついつい杯を重ねさせるが、要注意!

 モランゲイロはメチルアルコールを生成しやすい性質を有している。メチルアルコールは失明を引き起こし量によっては死んでしまう程の猛毒だ。日本で戦後、酒税のかからないメチルアルコールを使った酒を飲んで失明した人がいた、という話を聞いた事がある。だからモランゲイロはEUでは流通してはいけないことになっている。

 では、ポルトガルでワインを飲んで失明したという話は…あまり聞かない。アル中はいっぱいいるけど。西洋人は日本人よりずっとアルコールに強い体質だ。勤め人でも昼食にワインやビールを飲む人が多い。飲みやすいからといって日本人がモランゲイロをガバガバ飲んだら失明する可能性があるかも。

 私は酒に弱くはないが、モランゲイロの有毒性を聞いてこの日はコップ4杯にとどめた。一応まだ目は見えている。
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by caldoverde | 2012-09-29 05:45 | 酒・ワイン | Comments(7)
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ソファには私を怠惰にさせる猫のクッション

 1ヶ月間の帰省後、リスボンのアパートに戻ると、隣の大猫ガト君のおばさんと、ブーンという相も変わらぬ騒音のお出迎えを受けた。

 悔しいことに私が不在の8月中は、騒音源のカフェも夏期休業で、アパートの住民たちはかつて無いほどの静寂な日々を過ごしていた。全然騒音を感じていなかった向かいの未亡人にもその違いが歴然とわかるほどだったという。

 そして更に腹が立つのは、私がリスボンに戻ってきたその日にカフェが営業を再開したのである。まるで私が帰ったからうるさくなったみたいではないか。

 しかし私が戻ったら、直ぐにこの問題にカタがつけられるはずであった。9月3日月曜日のカフェの定休日の状態と、同じ週の7日に店の機械をフル稼働した状態と、8日にすべての機械をOFFにした状態の3つの条件下で騒音検査が行われる予定であった。
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ロマンチックなベッドも騒音と震動で安眠できず

 3日の午後に検査技師から確認の電話が来た。私は久しぶりに男性が訪ねて来るので、滅多にしない部屋の掃除をし、検査の行われる寝室のベッドはシワがないように入念に整えていた。ところが10分と経たないうちに検査技師が騒音検査のドタキャンを告げた。一体どういう事なのか半分訳が分からず、口頭でなく文書でキャンセルのいきさつを説明するようメールした。

 彼は私に確認の電話をいれた後、カフェの責任者に当夜の検査の立ち会いを求めたが、責任者は休暇中でリスボンの外におり、立会いが不可能、更に9月5日まで夏期休業だと言ったという。とんでもない嘘である。私がリスボンに戻った8月31日には既に再開していた。9月3日は定休日だとしても、前後の日は営業しているので、来ようと思えばいくらでも来れるはずだ。
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コンパクトな台所、でも冷蔵庫に冷凍室がない

 更に呆れるのは、7月に口頭で9月の検査について告知があったにもかかわらず、カフェの責任者は実施の15日以前に役所から文書による正式な告知がなされていないので7日と8日の検査も受けることは出来ないと言い張ったそうだ。さんざん違法行為を行っていながら、こんな時に法律を振りかざすとは見上げたものだ。
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狭いけどバスタブのある洗面所。ビデはいらないんですが・・・

 リスボン市の環境課の検査技師もコケにされて黙っているわけにはいかず、改めて正式に文書で検査の日時を告知し、その際は市警察の立会いの元で行われることになった。

 一方、アパート各戸のオーナー達は、別件でカフェと管理会社に対し不信の目を向け始めた。

 私の大家には、建物にアンテナがなく、デジタル化されて以来テレビが全く見られないと苦情を入れたので、大家は屋上に共同アンテナの設置を管理会社に要求する旨を約束した。

 それと同時に、屋上にあるゴミだらけの物干し場を新しく作り直して、その上に置かれた、騒音と振動と臭いを撒き散らす巨大なカフェの排気装置とごろんと放置されたアルミ管を撤去し、きちんと設置し直させる事も、他のオーナーと共に要求することになり、大家は早速数社に見積もりを依頼し、管理会社に持って行った。
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眺めはブー。写真の右に見えるのはカフェの排気設備から屋上に伸びたアルミ管。これも建物を震動させる。

 ところが管理会社の選んだ業者は大家が見積もりを頼んだ会社ではなかった。アパートには足場が組まれ、工事が始まった。入り口のガラス戸に市役所の工事に関する文書が6枚ほど張り出された。その工事の管理責任者の名は…何とカフェの主人であった!! …ざけんなよ‼!

 カフェと管理会社はグルだった。また市の商業施設に営業許可を与える部門とカフェとの間にも何がしかの繋がりがあるのは十分に考えられる。幸いに騒音検査を行う環境課にはコネがないようだが、もし市の上層部に知り合いがあるとしたら、環境課に圧力をかける事も出来なくはないだろう。その時はマスコミにリークしようと思う。しかしそうなると防弾ガラス入りの車で外出しなければなくなるかも?
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大きな丸テーブルはいつもモノで一杯に

 現在オーナー達は密かに、管理会社の変更を画策しているらしい。元々飲食店でない店舗にカフェが許可された事、事前に行うべき防音設備の検査の有無、知らぬ間の営業時間の延長など、不透明な事が多すぎる。管理会社が変わって黒い事実が白日の下に晒されるといいのだが。

 しかしその日が来るまでこのアパートで不眠に耐えられるかどうかは分からない(家賃も高い。)不動産広告を舐めるように読んでいる今日この頃である。(たぶん続く)
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by caldoverde | 2012-09-13 23:17 | 生活 | Comments(10)