ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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串揚げと白い町

 雨の多い11月も半ばを過ぎ、今日は小春日和の日曜日となった。久しぶりに河向こうにサイクリングに行こうと思い立った。ポルトガルの九十九里浜と私が勝手に名付けた、リスボンの南にあるカパリカ海岸(15km)には自転車道がある。暖かい日差しと穏やかな潮風を浴び、広大な海岸を眺めながらペダルをこぐのは爽快に違いない。しかしその前にまず腹ごしらえ。リスボンの美しい眺めを楽しみながら食事を取れるレストランがテージョ河の対岸にある。
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 カイス・ド・ソドレ駅から始まる河沿いの自転車道を走り、国鉄ベレン駅そばにあるフェリー乗り場でトラファリア行きの船に自転車ごと乗り込み、次のポルト・ブランダンで降りる。ちっちゃな砂浜とレストランが二,三軒ある小集落の港だ。その浜に面したレストラン「マレー・ヴィヴァ」の窓際の席に座ると、青い水の向こうに玩具のようなベレンの塔や発見のモニュメント、緑濃いモンサントの森とリスボンの白い街並み、その彼方にはうっすらと青いシントラの山、河沿いに延びてやがて海に消えていく近郊の町々が一望できる。
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中央の左端に世界遺産のベレンの塔が見える

 この店も隣のレストランも炭火焼とオイルフォンデュを看板に掲げている。最初はあっさり魚の炭火焼でもと思っていたが、隣の席から流れてくる揚げ物の匂いがどうにもたまらず、本来は皆でわいわい楽しむべき串揚げをおひとりさまで注文するに至った。具は様々な種類の肉やシーフード、そのコンビネーションがあるが、私は牛肉とアンコウと海老というお得感のある組合せを選んだ。
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 まずカットフルーツの盛り合わせが運ばれてきた。揚げ物が胃にもたれないようにとの気遣いだが、すごい量である。種類もオレンジ、バナナ、イチゴ、パイナップル、キウイ、マンゴー、パパイヤ、メロンと8種類はあった。付け合せはフライドポテト。キャベツの葉が敷かれた皿には、塩・ハーブ・スパイスのまぶされた牛肉の赤身、白いアンコウ、青い海老が並べられている。いずれも比較的あっさり系とは言え、揚げれば結構なカロリーになるはず。そればかりではない。味付けに何と6種類のソースが付くのだ。6つの内5つはマヨネーズ系だ。マヨラーには感涙の量と品数である。
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右下から時計回りに、トマトケチャップ入り、シンプル、ピクルス入り、ハーブ入り、カレー味のマヨネーズソース。黒っぽいのはベリー系ジャムソース。

 フォンデュ鍋の熱した油の中に串に刺した肉やアンコウを入れて、頃合を見て引き上げる。早すぎたかアンコウの中はまだ冷たい。もう一度。肉を入れっぱなしにしておくと今度は縮んでしまう。最初はなかなか加減が難しいが、それもまた楽しい。下味が付いているので何もつけなくても十分美味しいが、せっかく6種類のソースが出されたからには、全部試してみたくなるのが人の性。一番さっぱりしていたのはブルーベリージャムのような甘酸っぱいソースだった。
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発見のモニュメントとジェロニモス修道院。

 フェリーに自転車を乗せて、途中の港でリスボンの素晴らしい眺めを見ながら揚げたての肉や魚介類を食べた後は、再び乗船して次の港で降り、海までサイクリングを続行してカロリーを消化する予定だった。フェリーは船首を大西洋に向けてポルト・ブランダンを出航した。あれがトラファリア港か、もうそろそろだなと思いながら、船が着岸して他の乗客が降り始めたら私も自転車と一緒に降りようと準備を始めたが、誰も降りない。様子を見ているうちに船は方向を変え、リスボンに戻り始めた。カパリカ海岸のサイクリングは次の小春日和の日曜日まで延期となった。(今年はあるだろうか)

 注)フォンデュ屋に行く時は、油の臭いがついても構わない普段着で。
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by caldoverde | 2012-11-19 08:14 | ポルトガルの旅 | Comments(4)

自転車カフェ

 ここ数年の間に自転車後進国だったポルトガルにも各地に自転車専用道路(シクロヴィア)が作られ、リスボンは、カイス・ド・ソドレ駅からベレンの塔まで、市北部のベンフィカから川沿いのエキスポ地区まで自転車で行けるようになった。街の真ん中にあるデパートのエル・コルテ・イングレスから、アルコ・セゴ地区にかけて延びるドゥケ・デ・アヴィラ通りも、車道を一方通行にし、快適なサイクリングコースと広々とした舗道が設けられ、親子でペダルを踏む姿や、颯爽と自転車通勤する人達が増えている。
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窓に飾られているのはイタリアのANITA
(https://www.facebook.com/VelociteCafe)


 そのアヴィラ通りの端、地下鉄サン・セバスチアン駅前に、ポルトガル初の自転車カフェVELOCITÉ CAFÉがオープンした。目印は建物から飛び出した自転車、または窓に吊り下げられた自転車である。店はカフェと自転車店プラス修理工房を兼ねていて、レンタサイクルもある。自転車に乗ったまま入って行けるようスロープがつけてある。店のそばには駐輪用の鉄パイプがあるので、愛車をチェーンで繋いでおけば安心して食事がたのしめる。白い壁一杯にリスボンの街のイラストを描いたおしゃれなインテリア。木の椅子やテーブルも可愛い。
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 メニューは軽い小洒落たものが多い。熱いコーヒーに氷を入れてレモンスライスとミントを浮かべたマザグランという飲み物に、山羊のチーズと蜂蜜のサンドイッチなるパリーのキャフェみたいな(行ったことないけど)ものを注文した。盛り付けもこのようにおっしゃれ~なのだが、味は普通である。
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 開店間もない頃から、舗道のテラス席ではいつもピタピタの自転車シャツを着た男達が談笑し、トラブルを起こした自転車を運び込むサイクリストがひっきりなしにやって来る。通行人も好奇心で中を覗き、珍しい自転車を眺めては店員に質問している。自転車好きの仲間が作った店なので、店員がメニューの注文取りよりも、自転車談議の方が熱心になりがちなのは仕方がない。(ポルトガルだから)
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左の棚には小さく折りたためる英国製bromptonがぎっしり

 私の愛車bromptonの部品を失くした時も、整備士は週末だったにもかかわらず知り合いのディーラーに連絡し、在庫の有無を確認、連絡してくれた。後日部品を受け取り、家で自力で取り付けを試みたがダメで、結局この店に持ち込んだ。支払ったのは部品の代金だけだった。
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シンプルで美しい東京バイク
(https://www.facebook.com/VelociteCafe より)


 仙台では見たことのなかったTOKYO BYKEというブランドや、ポルトガル唯一の国産車ÓRBITAなど変わった自転車があるので、自転車を愛する人はリスボンにお越しの際は、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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貸し自転車はポルトガル製ÓRBITA
(https://www.facebook.com/VelociteCafe より)

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Osaka Byke?いいえドルチェ&ガバーナ。これはありませんでした。
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by caldoverde | 2012-11-11 07:33 | お菓子・カフェ | Comments(4)

ワイン市@闘牛場

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 新酒の季節である。全国のワイナリーがリスボンのカンポ・ピケーノ闘牛場に集合し、選りすぐりのワインをテイスティングさせてくれるワイン市が11月の初めに開催された。赤レンガのアラビア風の闘牛場は、グラスを片手にどのワインを試飲しようかと右往左往する左党たちで賑わった。入場は無料で、試飲する人はプラスチックなら1ユーロ、ガラスは3ユーロのグラスを購入する。ワインだけでなく、チーズやハム・ソーセージ、お菓子、ジャムなど様々な地場産品も出品しているので、飲めない人も結構楽しめる。
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 私はたまたま財布が空っぽで、最後の1ユーロ硬貨でプラスチックのグラスを買った。試飲にはプラコップと決まっているではないか。きりっと冷やしたロゼはそのままでもいけるが、赤はやはりつまみがければなどとチーズをつまんだりしながら歩いていると、一緒に来た日本人たちが、あるワイナリーの宣伝マンに捕まっている。滑らかな口上で、ワインのテイスティングの仕方を教授している。

 彼はリスボンの農業試験場で教鞭をとる醸造技師でもあり、私のプラスチックのグラスを見て、即座にこれはダメだと却下し、ガラスのグラスを私に貸し与え、赤ワインを注いだ。まず、鼻をワイングラスに全部突っ込むようにして香りを嗅ぐように言われた。いきなりグラスの足を持ってグルグル回すのはツーリスト(通リスト/痛リスト?)だそうな。
 あら不思議、私の持っていたプラコップに鼻を入れて嗅いでもあまり香りを感じないのに、口のすぼんだガラスのグラスに注いだワインは同じものとは思えないほどよく香る。あの形には理由があると漠然と知っていたが、実際にこんなに違うとは、ここで初めて実感した。
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先生の推すメーカーとは違いますが、SEXYという銘柄のワイン。赤、白、ロゼ、スプマンテあり。

 この先生が最初に味見させたのは、アレンテージョ地方の赤ワイン。香りが華やかでフルーティ、味は軽やかな酸味のある、飲みやすいワインだ。次にドウロ地方の赤ワイン。アレンテージョワインほど強くはないが、落ち着いた香り。口に含むとじんわりと渋みが広がり、果実味とは全く違う、土や革を連想させる、タンニンの強い辛口のワインである。これが暑い地方(アレンテージョ)と寒い地方(ドウロ)のワインの違いだそうだ。前者は軽い食事または食事なしでも飲めるが、後者は食事と一対をなす。近年はポルトガルでも世界的にも飲みやすいアレンテージョタイプが好まれているが、本当のワインの醍醐味を味わうならば、ドウロワインであると先生は言いたげだった。
 食事なしでワインそのものを楽しむタイプも紹介してくれた。ドイツワインと同じリースリングのダン地方の白ワインは、日本人が昔から馴染んできた甘口ワインと同じ系統で、デザートワインにぴったり。後でお金をおろして買いに来るからと、1本予約した。

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 会場の中央にはエッグタルトとチョコレートのコップ入り甘口ワインというとんでもない組み合わせを販売するキオスクがあり、エッグタルトにかぶりついてはチョコのコップからリキュールのように甘い液体をすする男女が周りを取り囲んでいた。
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可愛い木綿の帽子を被ったジャム、白いどんぶりに入ったマルメラーダ、ハーブ入り塩の花

 イベリコ豚の生ハム、可愛いビンに入った手作りのジャム、珍しい伝統菓子、お洒落な装丁の料理本、ミニチュアサイズのオリーブオイルなど、ワインの他にも食指の動くものでいっぱいだ。もし財布に100ユーロ入っていたら、ほとんど使ってしまっていたところだ。幸い(?)所持金がゼロに近かったので、散財せずに済んだ。それでもリースリングワインの取り置きを頼んでいたので、7ユーロのワインを買うために20ユーロATMから引き出したが、あの先生は他のお客さんに講義中で忙しそうだったので、邪魔しては悪いと思い、買わずに闘牛場を後にした。コイン一つでポルトガル中のワインを堪能した秋の一日だった。
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大理石模様のチーズはなんとチョコレートをミックスしたもの
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by caldoverde | 2012-11-05 10:07 | 酒・ワイン | Comments(6)