ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

<   2013年 01月 ( 2 )   > この月の画像一覧

タコと栗

a0103335_2255496.jpg

 高速道路からもよく目立つ巨大ショッピングセンター、コロンボのすぐ近くには「村」がある。リスボンの真ん中にアルガルヴェかリバテージョのどこかの集落がスポッと落ちて来たような、そこだけ時間が止まってしまったような不思議な地区、カルニーデ。黒い石のごろごろした路地、小さな2階建ての家、オリーブの木や塀に囲まれた畑、曲がり角から馬が荷車を引いてひょっこり出てきそうな、昭和に戻ったような、懐かしい風景。「村」の中心のあずまやのある細長い公園の周りには飲食店が集まっていて、時々雑誌で紹介される店も数軒ある。ある雑誌に載っていたタコ料理の写真が凄く美味しそうだったので、地図で調べて来たのだが、リスボンの新興住宅街にこんな場所があるとは驚きだった。
a0103335_2282485.jpg

a0103335_227683.jpg

「コレット・デ・カルニーデ」は可愛い黄色い三角屋根の建物で1階と2階がレストラン。こじんまりとした客室も窓から見る景色も心が和む。記事によると、魚介のスープもリッチで美味しいそうだが、タコを食べるつもりで来たので、野菜のスープにした。野菜スープも実沢山で食べごたえがある。ポルトガルのスープは動物性油脂やたんぱく質を使わなくともボリュームとコクがありとても美味しい。
a0103335_2294769.jpg

 メインのタコのグリルは栗とキャベツがつけ合わせという珍しい組み合わせ。みじん切りにした赤と緑のピーマンを散らした食欲をそそる色彩。タコは柔らかく、キャベツもジューシーだ。キャベツに隠れたオリーブオイルをたっぷり吸収したパンの小片も美味い。しかし栗は「ん?」であった。水分が抜けてカチカチになった栗は甘みもなく、タコの旨味を吸った訳でもなく、オリーブオイルともなじんでもなく、皿の中では協調しているように見せかけて、実は他の材料とは融和せず独立独歩の道を歩んでいたのだった。私はタコのお供はやはり皮付きジャガイモが似合うと思う。
a0103335_22144541.jpg

 デザートはカルニーデ・パイというこの店のスペシャリティ。サクサクのパイにカスタードソースをかけたものだ。大きさに驚くが軽くて甘さもかなり控え目。
a0103335_22195290.jpg

 コロンボで買物ついでにフードコートでマックやピザを食べるのもいいけど、次のカルニーデ駅で降りて前世紀のポルトガルにタイムスリップし、伝統的なポルトガル料理を味わうのも楽しい。値段は前世紀とは言えないが、このカルニーデ地区には他にもアレンテージョ料理専門店や、石焼ステーキを名物とするレストランがある。リスボンの知られざるミニテーマパーク「カルニーデ田舎ランド」でノスタルジーを感じてみては。
a0103335_2221540.jpg

[PR]
by caldoverde | 2013-01-16 22:24 | シーフード | Comments(5)

初買物2013

 明けましておめでとうございます。
 と言ってもポルトガルの正月は全く嬉しくない。むしろ悲しい。税金、料金、その他諸々の値上げ。休日、賞与、人員のカット。色んな公共事業の削減。泣きそうな顔の大統領と首相のスピーチは今年も犠牲の1年と、気分をますます盛り下げる。
 福袋や升酒や豪華な景品の振舞われる仙台の初売りのようなものはない。既にクリスマス直後から始まっているセールは在庫処分または店じまいの雰囲気で、それもうら悲しい。
 せめてポルトガルの国産品を購入して、少しでも景気回復に寄与しようと、昨年から欲しかったものを買いに出かけた。

a0103335_19465891.jpg
家並みもアンティークなサン・ベント通り。

a0103335_19482983.jpg
ファドの女王アマリア・ロドリゲスが晩年住んでいた家は記念館に。

a0103335_19491587.jpg
ほとんど骨董屋と化した電器店。中にはブラウン管のテレビも。

 ラト広場から国会議事堂へ伸びるサン・ベント通りはリスボンの骨董通り。そこにはガラスの専門店「デポジット・マリーニャ・グランデ」が2店ある。一つは美麗な装飾品や食器を中心とした品揃えの店、もう一つは業務用のビンやフラスコ、実用的なガラス器をメインにした店だ。私は理科の実験室にあるようなビーカーやジャムの瓶の並ぶ2号店が好きだ。
 以前ここで買った3つのコップのうち2つが壊れ、残る1個も問題が生じたので、同じものを探しに来たのである。
a0103335_19505382.jpg
よく見ると棚ごとに特色がある。コルク栓も売っている。

a0103335_19555557.jpg
手作りの保存食を作りたくなるようなガラス器がいっぱい。

 透明な鉢型で胴に水平にくびれというか筋のついた、手吹ガラスのコップは見た目はどっしりとした重みを感じさせるが、手にとると意外なほど軽い。コップの壁が中空になっているのだ。底に小さな穴を塞いだ跡があり、そこから空気を吹き込んで熱いシャボン玉になったガラスを型に被せて作るのだろうか。実は非常に薄くて繊細なものだった。そんな訳で前に買った3個のうち2個が壊れ、1個は中に水が入って曇ってしまった。
a0103335_19335430.jpg

 まだ売っているだろうかと店の奥に入ると、他の商品に埋もれて埃をうっすら被り、はがれかけた値段シールをつけた同じ型のコップが3個あった。嬉々として女性店員に渡すと、5分待ってねと言いながら倉庫から在庫を持って来てくれた。紙箱には6個のコップが丁寧に薄紙に包まれて入っており、6個全部持って行きませんかと柔かに勧められたが、狭いアパートゆえ、しまう場所がない。また壊した時のために在庫を置いてもらうことにしよう。
a0103335_19571920.jpg
キャンディのようなカラフルなグラスも主力商品。

 職人の手の温もりが伝わるこのコップは、口当たりがとても柔らかく、私の掌にすっぽりと収まり、飲物をとても素敵に見せてくれる。ひとつひとつ微妙に違うのも味わい深い。キャベツ皿でお馴染みのボルダロ・ピニェイロ社と共に、愛すべき食器を作るマリーニャ・グランデ社も不況に負けず、生き延びて欲しいと切に願う。頑張れポルトガルブランド!
a0103335_19584962.jpg
揃えでなくバラバラで欲しくなる楽しいワイングラス。
[PR]
by caldoverde | 2013-01-08 20:14 | 話題の店 | Comments(6)