ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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 元々の独身女性と最近独身になった女性たち4人は、互いに安否を確認し孤独死を回避する互助組織を作ろうと、カルニーデのレストランで会食した。
 以前タコと栗を食べたあの地区は100年前の田舎町を都会のど真ん中に巧妙に再現したテーマパークのようだ。広場を中心に何件ものレストランが集まっているので、リスボン料理(と言うカテゴリーはあまり聞かないが)のテーマパークであるともいえる。今回はタコと栗の店ではなく、もう少し奥に入ったところにある「Adega das Gravatas」(ネクタイ酒房)という名のグリルレストランである。日替わりメニューの鴨が美味しかった、石焼ステーキの量が半端じゃないという体験者の生の声を聞けば、期待はますます高まる。
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 その名の通り、店内の木の梁には無数のネクタイがぶら下がっている。1908年、炭火焼を得意とする居酒屋としてスタートしたこの店では、1940年ごろからお客さんがこう書いたネクタイを置いていくようになった。「この店に入るならネクタイをここに置いていけ。ここで飲むワインは人生(生活)を安くあげる」
 その安さと旨さはビジネスマンの間にも知られることとなり、カラフになみなみ注がれる自家製ワインやじゅうじゅうという音とともに運ばれてくる巨大な肉や魚に瞠目した彼らは、絹のネクタイをかなぐり捨て、自らの限界に挑戦したのであろう。満足した彼らはネクタイを店に寄贈し、現在3000本を超えるネクタイのコレクションに発展した。
 前菜にもうモンゴウイカのフライが出ている。軽い食事ならこれだけでいいくらいの塊である。4人で魚と肉を1品ずつ頼んでシェアすることにした。魚はカンタリルというカサゴか金目鯛のような赤い大きな魚の炭火焼、肉は豚の骨付きあばら肉にたっぷりソースがかかったものを選んだ。
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 鮮やかな赤の体に大きな金色の目のカンタリルは、スーパーや市場で見ると買おうか買うまいか迷った末、アパートに魚焼きグリルがないので諦めていた魚で、レストランのメニューにも見たことがなく、私にとっては憧れで、かつ幻の魚でもあった。淡白だが適度に脂がのっていて大変に美味。今まで食べた魚の中でも最もおいしい部類に入る。1匹で2人前だが、いつか体調を整えて丸ごと1匹チャレンジしたい。
 豚肉もかなりの厚みがあり骨をすっかり取り去ったとしても相当なボリュームとなる。ポルトガル料理にしては珍しく濃厚なソースがかかっていてコテコテだ。付け合わせはサツマイモで、これがまたねっとり甘い。
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 7時半に来た時はガラガラだった店内もいつの間にか満席になっている。昼は他の地区からわざわざやって来る勤め人でいっぱいになるそうだ。
 デザートはセミフレッドのチョコレートソース、シュークリームにチョコレートをかけたもの、カボチャのムース。どれも巨大な上にクリームがたっぷり使われていて、ダイエットをするならしてみろとあざ笑うかのように甘いのだ。
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 肝心の独女セーフガードに関しては特に具体的な話にまでは発展しなかったが、誰かがまた「カルニーデで食べよう」と言い出せば、それで十分安否確認になるはずだ。
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by caldoverde | 2013-08-30 01:49 | 話題の店 | Comments(5)
「快楽」という名のカフェ兼レストランがアパートの1階と地階に開店し、静かな夜が破壊されて丸2年になる。私と隣の巨大猫ガト君のおばさんはアンケートを取り管理会社に訴えたり、警察に通報したり、市役所に苦情を申し立てたりと、カフェとの直接の接触を避けながら闘ってきた。はかばかしい成果は出ないながらも、じわじわブローが効いているようだ。それは私たち外部からの攻撃よりも、内部からの綻びと、世の中の趨勢によるところ大なのであるが。
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行きつけの別のカフェのフランセジーニャ

 昨年の市の環境課による騒音検査で基準値を超えるデシベルが私の部屋で検出され、カフェは今年の4月に市から改善命令を受けたが、何ら改善された形跡は見られない。部屋の壁全体、ベッドのマットレスからも響く不快なモーター音は私の睡眠を妨げ、暖かくなってからは、いくらかましな居間のソファで夜明かしする日も多かった。

 6月に市の環境課が改善命令後の状況を調べるための騒音検査を行った。ところがわずかながら基準値を下回っていた!そんな馬鹿な‼ 確かに以前と比べれば音は低くなったが、逃れようのない不快な音は依然として私を苦しめている。人間は寝なくても死なないものだと納得した程だ。それなのに、基準内とは!カフェは防音工事など全く行っていないのは明らかで、音が低くなったのは、客が減ったために喫煙スペースの空調や厨房のダクトを使う時間や出力が減ったからであり、客が戻ればまたやかましくなるのは自明だ。しかしその時は、カフェの設備は基準にかなっているという役所のお墨付きを得ているのだ。それだけは絶対に阻止しなくては。
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眠れなくて白髪になった猫

 私はその場で抗議し、その後、低周波騒音問題の専門家であるルゾフォナ大学のアルヴェス・ペレイラ教授にも助言を受け、環境課に再検査を要請し、受理された。また、ガト君のおばさんはリスボン市役所に見切りをつけて、行政を監視するオンブズマンと消防署に直訴した。元々用途が倉庫だった地下に喫煙可のレストランを作るのは、素人目にも防災上問題ありありだ。数週間後に消防署が店と屋上の排気装置を見に来た。当然だが、基準を満たしていないので改善命令が出された。オーナーはやっと自分の店が基準に従っていない事に気付いたようだ。
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イワシの酢漬けとオリーブ。これはアルファマで食べたもの

 しかし市役所や消防署の改善命令に素直に従うカフェではない。と言うか、そんな余裕は無いらしい。長引く不景気でこのカンポ・デ・オリーク地区の店はバタバタ潰れていて「快楽」もご多分に漏れず閑古鳥が鳴いている。勝手に午前1時まで営業時間を延長したものの、最近は21時過ぎには店じまいしている。ところがガト君のおばさんは閉店後も地階のレストランには人がいる気配がするという。実は、店を切り盛りしている支配人(オーナーの異母弟、既婚者)が、調理師の女性と客のいない地階で楽しんでいたらしい。遂に彼の奥さんが店に乗り込み、修羅場となって支配人は警察を呼ぶ騒ぎとなった。その翌日調理師は辞め、また支配人もいなくなり、制服を着ていない若い男が一人で店番をしていたそうだ。まるでドラマか漫画のような話が階下で繰り広げられていたのだった。
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噛みごたえのあるステーキはエストレーラ大聖堂そばのグリルで

一方オーナーは金策に駆け回っていると思われる。ガト君のおばさんによれば、従業員の給料の遅配は恒常化し、もう元のメンバーは誰もいない。あちこちに融資を申し入れても、もう貸してくれるところはない。しかしオーナーは政治家か政党と繋がりがあるらしく、今度の選挙について誰かと話していたそうだ。それでノーチェックで開店できたのかと納得した。当初3人いた共同経営者の一人の、オーナーのすぐ下の弟はマフィアみたいな人物で、カーボヴェルデ人を使った売春や麻薬売買にも手を染めているという恐ろしい噂を近所の人から聞いたが、幸いにして早々とオーナーと仲違いし、もう店には出入りしていない。で、もう一人の共同経営者の異母弟も愛人と共にいなくなってしまった。
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市電を改装したカフェはジェロニモス修道院とパスティス・デ・ベレンの間にある

「快楽」は空中分解したまま夏休みに突入した。店の扉には8月1日から29日まで夏期休暇との紙が貼られている。願わくば無期休暇となって欲しい。しかしメールで状況を報告してくれるガト君のおばさんも私も、油断できない事を認識している。オーナーが居抜きで店を売って飲食店が継続されれば、騒音も継続される。それは絶対に阻止しなければ。しかし肝心の飲食店営業許可に関する苦情については、今だに市役所から回答を得ていない。多分オーナーの友達の政治家が手を回したのだろう。そうなると、住民が一致団結し管理組合会議でアパートの飲食店開業を拒否するしかない。ところが反対者がいたにもかかわらず、2年前カフェは開業した。一体どういう事なのか?カフェ、市役所、管理会社、某政党、某政治家とブラックな友達の輪に絡まってしまったアパートだが、静かに眠らせてくれれば何の文句もない。少なくとも8月29日までは住民は静寂を満喫できるが…(まだ続く)

*写真は本文とはほとんど関係がありません。

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by caldoverde | 2013-08-02 21:30 | 生活 | Comments(9)