ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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セトゥーバルの市場

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市場は派手なピンクの建物

うららかな春の日曜日、久しぶりにリスボンの南にあるセトゥーバルでサイクリングをした。リスボンのスペイン広場から出るTSTバスに自転車を積み込み、4月25日橋の上からテージョ河とリスボンの町並みの美しさに息を飲み、幾つかのベッドタウンを通過して、ブドウ畑やコルクの木があちこちに見えはじめるとセトゥーバルに到着である。
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花も市庁舎も愛車も皆ピンク

この町でも自転車専用レーンが設けられるようになり、老若男女ペダルを漕ぐ人が多くなった。

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今回のセトゥーバル訪問の目的は市場を見ることだった。リスボンのレストランの中にはセトゥーバルから仕入れた魚をメニューに入れている店もある。それだけ新鮮というイメージが定着しているのだろう。セトゥーバルのリブラメント市場は日曜も営業し、家族連れで買い物に来る市民や、仕入れに来た業者らしきおじさんたちで大いに賑わっている。私もこんな市場のすぐそばに住みたい!と一瞬思った。魚も野菜も果物もどれも美味しそうで、皆持ち帰りたくなる。どれか一つだけ選べと言われても不可能だ。こういう場合、私はどのような決断をするか…何も買わない。
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もうスイカ
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春の味覚、ソラマメ
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銀と黒の太刀魚
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ホシガレイ、タイ、クエ等高級魚が無造作に
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エビカニ貝専門
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なぜこんな小さい鰻を…
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小さいサメ
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小さな貝ばかりでなく山伏が吹くような大きな法螺貝もあった
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寿司ブームでマグロも需要が高い

しかし我慢できなくなって買ったものがある。近郊のアゼイタンという町の名物のトルタ(ロールケーキ)と、柔らかいクッキー状のものにアーモンドをまぶした小さなお菓子。シナモンの香りのクリーミーなトルタを頬張りながら市場見学を続行すると、さらにうまそうなものが次々現れて、あ〜こっちにすれば良かったと後悔することしきりである。
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ズシンと来そうなお菓子
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香草を混ぜたヤギのチーズと羊のチーズ
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ヤギやヒツジのバターもあり
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ビニールのレジ袋に税金がかかるので、買い物かごが復活の兆し

市場にはあんなに様々な種類の魚介類が揃っているのに、レストランにあるものはリスボンと変わらない、アジ、スズキ、クロダイ、太刀魚などの平凡なメニューばかり。結局セトゥーバル名物のショコス・フリットス(モンゴウイカフライ)になった。本当は色んな魚を使ったセトゥーバル風カルデイラーダ(ブイヤベース)が食べたかったのだが、注文は2人前からということで断念。今度来るときは1人前のカルデイラーダを出す店を探しあてるつもりだ。
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by caldoverde | 2015-04-20 05:44 | シーフード | Comments(19)

近くにあったマデイラ島

マデイラ島に行ったのは、何年前になるだろうか。真冬にもかかわらず25度の暖かさ、極彩色の花や見たこともない果物で賑わう市場、世界名庭100に選ばれた植物園、谷底にある尼僧たちが隠れた村、山の斜面にへばりついた白い家々を見下ろすケーブルカー、スリルあふれるトボガン(籠ぞり)、魅力に溢れた島だ。食べ物、飲み物も独特だ。この島で私は初めてカサガイを食べた。魚ならマグロと太刀魚。肉だって負けていない。月桂樹に刺したバーベキュー。甘いものなら巨大なチェリモヤや可愛いマデイラバナナ、お菓子はどっしりした黒いサトウキビ蜜のケーキに巾着型のケイジャーダ(チーズケーキ)。スモーキーな香りの甘美なマデイラワインに爽やかでパンチの効いたカクテル、ポンシャ。例によって格安ホテルに宿泊し、移動は路線バスというケチケチ旅行だったが、次回はチャーチルの泊まったホテルで優雅なアフタヌーンティーを楽し…まなくてもいいか。周りがスノッブなイギリス人ばかりだったらなんだか場違いだし。だいいち、飛行機でマデイラ島に行かずとも、歩いて5分のところにマデイラ関係の店が3つもあるんだった。

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30年前、リスボンの新名所になったアモレイラス・ショッピングのビルは周りの景色を一変させた。

すでにオープンして30年も経つ老舗のショッピングセンター、アモレイラスには、オ・マデイレンス(マデイラ島民)というレストランがある。フードコートの一角に派手な合掌造りの民家をデザインした入口があり、中に入ると重厚な木のインテリア。値段も少々高めかも。

しかしシックなアモレイラスショッピングから歩いて5分、かつて工場の労働者たちが住んでいた長屋のひしめくカンポ・デ・オリーク通りに、イーリャ・ダ・マデイラ(マデイラ島)という郷土料理店がある。この通りには私の愛するカーザ・ドス・パッサリーニョス(小鳥の家)や、シーフードレストランなど数店の飲食店が集まり、近所の人々で賑わっていて、しかも私の住むアパートと同じ通りである。マデイラ料理だけでなく、普通のポルトガル料理もあり、そちらの方は値段も手頃だ。14、5年前に2度ほど入ったような記憶があるが、その時は特に変わったものがあるとも気付かず、それっきりになっていた。久々に「マデイラ島」に立ち寄ったのは4月3日の聖金曜日。この日は仕事が長引いてまともな食事が取れなかったので、夜は外食することにした。ところがどの店も休みでお気に入りの「小鳥の家」も閉まっていたが、その並びにある「マデイラ島」がたまたま開いていたので、時を経ての再会となった。

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コリコリです

各テーブルには鉄のカギに串焼きの肉を吊るすバーベキュースタンドがある。奥のテーブルの客も長い串から肉の塊を外してもらっている。私も一瞬香ばしい月桂樹に刺した牛肉を頬張ろうかと思ったが、前菜にカサガイ(ラパス)がある。アソーレス諸島に行った時くらいしか食べられないだろうと思っていたカサガイがこんな身近に!数を尋ねると20個ぐらいという。アソーレスでは50個食べた私だが、リスボンではこれでよしとすべきだ。メインは一口大に切った牛肉を煮込んだマデイラ風ビーフにした。歯ごたえのある貝の身や肉もさることながら、貝殻に残されたエキスやシチューの汁をパンやご飯につけるとより美味い。はじめはフォークでカサガイの身だけを取って食べていたが、手で殻を持って口に持って行き汁ごと食べると、貝を余すことなく味わえることがわかった。マナー的にOKかどうかは不明だが。

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ピカディーニョ(つついて食べる一口大の肉料理) ソースが美味。

マデイラのパンは、ボーロ・デ・カコという嵩のあるホットケーキのような形のモチモチしたもので、焼きたてにニンニク入りバターをつけて食べると非常に美味しい。最近これまたアモレイラスショッピングから歩いて5分程度の、やはりカンポ・デ・オリーク地区のフェレイラ・ボルジェス通りに、ボーロ・デ・カコの専門店がオープンした。カコ・オ・オリジナルというファストフード店は、細く裂いた肉やツナのパテを挟んだもの、ヌテラというチョコクリームを挟んだもの、ソーセージやチーズを巻いて棒状にしたものなど、色々なボーロ・デ・カコを提案している。むっちりと食べ応えのあるマデイラ島のパンは本土のポルトガル人を征服できるだろうか?

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by caldoverde | 2015-04-09 03:23 | 話題の店 | Comments(6)
世界最高齢の映画監督、マノエル・ド・オリヴェイラが、4月2日、ポルトで死去した。106歳。昨年まで制作を続け、生涯に残した映画は70本以上に及ぶ。この日のTVニュースはずっとこの偉大な監督の業績をたたえ続けいる。
オリヴェイラ監督の独特のスタイルは、国内外の評論家に高く評価されている。日本でも「芸術映画」専門の独立系映画館で特集されたり、NHKの衛星放送でも放映されたので、インテリな映画好きの間では知名度は高いだろう。では、ポルトガル国内での人気はどうだったのだろうか。
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「アブラハム渓谷」

新作が発表されるとリスボンの1、2の映画館で長くて3週間上映される程度で、とても大ヒットとは言えない。ポルトガル人でさえ、オリヴェイラ監督の映画は退屈だ、という人が多い。私も何本か見たが、動きの極端に少ない画面で主人公のモノローグが延々10分も続く演出に、イライラするか爆睡するかのどちらかだった。リアリズムとはちょっと違う様式美というか、演劇的な要素が多分にあり、また文学作品や史実などを独自に解釈した作品が多いので、教養のない私にはさっぱり面白くないのだった。それでも映像の美しさは抜群だ。



しかし一般大衆受けするような「解りやすい」映画もある。初期の「ドウロ河」「アニキ・ボボ」などは、イタリアのネオ・リアリズモの影響を受け、ポルトの庶民の生活を力強く、愛情を込めて描いている。



オリヴェイラ監督はポルトのブルジョアの家庭に生まれ、若い頃はスポーツ万能で、カーレースに出たり飛行機を操縦したり、棒高跳びの選手でもあった。俳優としてポルトガルの喜劇映画にも出演している。ヴィム・ヴェンダース監督の「リスボン・ストーリー」ではチャップリンの真似をして軽やかな足さばきを披露しているが、この時すでに80歳を超えている。



リスボンのアルファマ地区を舞台にした「階段通りの人々」では、しみったれた、しかしどこか憎めない小市民の姿を描く。リアルなポルトガル人の生活や内面をバラしてしまったこの作品は、ある人には不快に感じたようだ。これも解りやすい作品。



一般的な商業映画にはない、ゆったりしたテンポ、暗示的な描写を多用した映像美、詩を読むようなセリフの言い回しなど、独特の世界を築き上げたオリヴェイラ監督。その作品はポルトガルのみならず、世界の映画芸術における宝となるだろう。
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by caldoverde | 2015-04-03 06:34 | カルチャー | Comments(2)

ギリシャカフェ 2

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今リスボンではこの花が咲いています。
花蘇芳またはユダの木。


4月1日のリスボンは地中海の夏空のような爽やかな青空が広がった。当ブログスーパーコメンテーターのMOREIAさんのお誘いで、再び「サントリーニ・コーフィー」で地中海気分を味わうことにした。こんないい天気の日はやはりビール。料理が来るまでの間、何かつまむものが欲しい。

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ポルトガルのレストランの一般的なコウヴェール(パン、バター、オリーブなどの前菜)が、ここではエキゾチックなピタパン、豆や野菜のペースト、限りなくチーズに近いヨーグルト、オリーブオイル、ハーブのセットになっていて、東方の香りプンプンである。
メインにMOREIAさんはムサカ、私は鶏胸肉のチーズ詰めを注文した。ディナーは12€となるギリシャ料理も、ランチは半額で食べられて大変お得。

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ムサカは牛挽肉とナスの薄切りを重ね、ジャガイモのピューレで覆ってオーブンで焼いたギリシャ風グラタン。ポルトガルにも挽肉とジャガイモのグラタン「エンパダン」という料理があるが、ポルトガルの大学の学食でエンパダンを食べた日本人学生が、あんな不味いものは初めて食べたと漏らしていた。見た目と味が正しく一致しているエンパダンには不当な評価だ。たまたま学食の質が悪かったのだろう。このギリシャのエンパダンは見た目以上の実力があったらしくMOREIAさんは「凄く美味しい」と激賞していた。とても優しい味で、ナスの食感が嫌いとか牛肉は癖があるからとか言う好き嫌いの多い人でも喜んで平らげるだろう。
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私が頼んだ鶏胸肉にはサラダとご飯が付いて、彩りや栄養的にもバランスが良い。鶏胸肉を切ると白いフェタチーズとオリーブペーストが現れる。淡白な胸肉にコクと香りを添えている。オリーブペーストはパンに塗るだけかと思っていたら、こんな使い方もあったのか、と感心した。魚などにも応用できそうだ。
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青く澄んだ空と海、眩しい白い家のサントリーニ島は、MOREIAさんによると古代ギリシャ人が理想とした愛(男x男)を現代人も育み深めることのできる場所なのだそうな。道理でそんな島の名前をお店に付けたオーナーは、物腰がとても柔らかく、料理も繊細なわけだ。
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by caldoverde | 2015-04-02 08:04 | インターナショナル料理 | Comments(2)