ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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絨毯の村アライオロス

白と青の村、アライオロス

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アレンテージョの小さな白い村アライオロスは、伝統的な手法で作られるカーペットで有名である。ざっくりした毛糸を一針一針粗いジュート地に刺して、東洋風の花模様を描いてゆく。作業は根気と忍耐を要し、技術は母から娘へと伝えられてきた。
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おっさんたちはおしゃべりに興じていた

かつては26社もあったカーペット関連の会社も、今では10軒を超えるか超えないかというところまで減少してしまった。不況のために高価なものが売れず、カーペットを生業とする若い人がいなくなったのもあるが、村以外で作られる安価なコピー品が出回っていることが大きな要因だ。15年前、村のカーペットを買い漁り、中国に送った男がいた。数ヶ月後には中国産のアライオロス「風」カーペットがポルトガルに出現した。本物のアライオロスカーペットは、毛糸が脂っぽい羊の匂いがするような粗さがあり、人の手で刺す独特のタッチがあるのに対し、偽物は縫い目が均一で糸には艶があり、工業製品のような完璧さがある。昔は裏の縁の仕上げを見れば真贋が一目で分かったそうだが、今は偽物も技術が向上して見分けがつかない程になったそうだ。
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2015年6月5日から10日までカーペット祭りが行われる。

アライオロス村では本物であるという保証書を付ける制度を設け、純粋なアライオロスカーペットの保存と普及に努めている。数年前には立派なカーペット資料館が生まれ、カーペットの歴史を紹介している。15世紀にリスボンから追放されたアラブ人が、アレンテージョの田舎町に定住し、彼らの伝統技法を伝えたと言われる。現在の村の広場はかつて羊毛を染色していた作業場でもあった。資料館はその広場に面している。また隣にはカーペット組合の販売所がある。
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ポルトガルの各地の宮殿や高級ホテル、上流家庭の邸宅には大抵アライオロスカーペットがある。美しいばかりでなく、数百年保つ実用品でもある。熟練した職人が数人がかりで1ヶ月かけて仕上げるカーペットのお値段は6平方メートル1200€ほど。その手間暇を考えれば、また職人が受け取る報酬を想像すれば、そう高いものではない。しかし気軽に買えるような値段ではないことは確か。アライオロスカーペットが生き残るにはどうすれば良いのだろうか?伝統を守る一方で、21世紀のインテリアにマッチする新しいデザインも取り入れることも必要だろう。実際にピカソの絵を基にした特注品もあったそうだ。企業のロゴや個人の名入りなど細かな注文に応じることができるのも零細企業ならではの強み。綿々と伝わる技術を継承しつつ、新しい感覚も取り入れた製品を開発することが今後の課題となるだろう。
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アライオロス銘菓、パスティス・デ・トウシーニョ。直訳すると、豚の脂身の菓子ですが、味は普通のポルトガル菓子です。
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by caldoverde | 2015-05-27 20:46 | ポルトガルの旅 | Comments(7)

寿司@リスボン

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日本酒や日本のビールの並ぶ「引き出し」のカウンター

この週末は人生初めての大贅沢をした。3日間連続で寿司を食べたのだ。私にとって寿司とは年に数回、特別の機会に食べるご馳走だった。しかも実は生魚はあまり好きではなく、子供の頃は卵とかんぴょう巻きで満足していた。ポルトガルで寿司など食べなくとも全然平気だったのだが、金曜日に突然タガが外れた。

まず初日、仕事仲間と「五十」という最近開店した日本食レストランで食事をした。ポルトガルを代表する和食店だった「彩」の元スタッフが始めたお店だそうだ。フロアの女性は上手に日本語を話し、器も盛り付けも上品で、日本の和食店となんら遜色ない。先付け、お造り、握り寿司、焼き物、味噌汁、デザートなど何品かがセットになっているコースが30€、それにかなり良い日本酒や、ヴィーニョ・ヴェルデなどを飲み、細巻きを追加したら、一人あたり60€のお勘定となった。普段私が外食して払う金額の5〜6倍だ。高いだけあってとても美味しく、自分では作れないものだから納得すべきなのに、なんか物足りない。それは大きな皿に美しく盛り付けられた料理の半分はツマであり、握り寿司は3個しかなく、その酢飯の量はほんのわずかという上品すぎるものだったからである。ポルトガルの料理に慣れると、美味さ=量と錯覚するようになる。皿からはみ出るような大きさの肉や魚、メイン以上の量のある付け合わせの芋や野菜。ところが日本食は飾りが多く、それらはお腹を満たしてはくれない葉っぱとか大根の千切りだ。それが証拠にコースが終わった後、仲間たちは巻物を追加注文した。やはり握り3かんでは足りなかったのだ。

翌日の昼はガッツリ寿司が食べたくて、カンポ・デ・オリーク市場の寿司コーナーで寿司をテイクアウトした。以前ここで食べた人が、ここのマグロは悪くないと言っていたのを思い出し、メニューの写真にもマグロの握りがしっかり写っていたので、「シェフのおまかせセット」を選んだ。12.50€。サーモンの刺身を細巻きに変えられないかと交渉したが、拒否された。サーモンの刺身よりも河童巻きの方が嬉しいのだが。家に帰って良く見ると、何と90%以上がサーモン関係で占められていた。不味くはないのだが、しつこいし、最後は飽きてしまった。マグロはカリフォルニア巻の中にほんのちょっぴり入っているだけだった。騙された。
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サーモン好きの人にはたまらないかもしれませんが…


今度はサーモンじゃない寿司をどうしても食べたくなり、日曜の夜カンポ・デ・オリーク地区にできた「引き出し」という居酒屋風の和食屋に行ってみた。大きな一枚板のテーブルカウンターだけの、本当に日本の居酒屋スタイルだ。音楽はわざとらしい演歌やJーPOPや琴じゃなく洋楽、硬い木の椅子でなく、低めの柔らかい革張りなので、結構居心地が良い。座席が少ないので予約が推奨されているが、この日は夜9時を過ぎても客は私一人だった。人気チームのベンフィカの重要な試合があったので、TVのない店は閑古鳥だったわけだ。静かな環境で一人心ゆくまま(サーモン以外の魚の)寿司を食べることができた。注文したのはちらし寿司とキリンビール。サーモンは避けられないが、意外に珍しいネタが入っている。
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マグロから時計回りにサーモン、ヒメジ、ホタテ、イクラ、アジ、タイ、中央はヒラメ

ようやく色んな魚とご飯をどっさり使った寿司を食べ満足した。ちらし寿司20€、ビール2,50€、日本酒5€、合計27,50€という値段もまあまあだ。 細かいことを言えば、海老や卵焼きや海苔など散らすと本物のちらし寿司になるのだが。またお新香でいいから、何かお通しがあったらなあ。
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by caldoverde | 2015-05-18 18:48 | インターナショナル料理 | Comments(12)