ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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アサリ、イカ、エビ、鱈、赤魚入りの豪華版

仙台に帰省中、ポルトガル語の師匠である日系ブラジル人のヴァレリア先生のお宅で夕食をご馳走になった。料理上手の彼女に、ポルトガル料理を作るので作り方を教えて欲しいと頼まれたのだが、実は私は冷蔵庫の残り物を適当に圧力鍋やオーブンに放り込むだけで、いつも目分量と勘で作っている。当然失敗も多い。しかしこんないい加減な作り方でもだいたい美味しくできるレシピ?がある。魚介と野菜の鍋物、カルデイラーダである。ヴァレリア先生には材料だけメールし、簡単だからと丸投げした。

玉ねぎ、トマト、じゃがいも、赤ピーマン(緑でも可)、にんにくを輪切りまたは薄切りにする。
トマトと赤ピーマンの赤い色が食欲をそそり、また味や香りをつけるのに重要な役割を果たす。じゃがいもは輪切りにする。ポルトガルのじゃがいもは煮崩れないが、日本のはやわなので、心持ち厚めに切ると良い。

魚介類は好みのものを2種類以上用意する。アサリ、エビ、イカ、カニ、ムール貝、赤魚、鱈、アンコウ、エイ、ホウボウなど。魚は白身の魚がよく合う。種類が多ければ多いほど美味しい。

鍋底に玉ねぎを敷き、その上にトマトを乗せる。さらにじゃがいもを置いて、ピーマンをという風に野菜の層を作り、上からドボドボオリーブオイルを注ぐ。適当ににんにくを散らし、今度は魚介類の層を作り、塩を加え、魚が隠れるようにまた玉ねぎやトマト、ピーマンの層を…という風に野菜と魚介類を重ねていく。

野菜と魚介類を交互に鍋に入れたら、またオリーブオイルを注ぎ、水は加えず野菜の水分だけ、あるいは少量の白ワインで煮込む。私は圧力鍋で一気に加熱し、しばらく放置してから蓋を開けて、味や煮え具合を見る。塩鱈を使うとほとんど味付けは不要だが、足りなければ適宜塩を加える。仕上げに生のコリアンダーの葉を散らす。苦手な人はパセリでも良い。でもコリアンダーを使うと断然ポルトガル料理に近づく。

普通の寸胴鍋や圧力鍋の代わりに、カタプラーナと呼ばれる銅鑼型のポルトガルの鍋を使うと見た目も豪華で、食卓に鍋ごと持って行き食べる直前に蓋を開ければ、サプライズと共に素晴しい香りが楽しめる。

スープもすごく美味なので、ご飯やマカロニを入れて煮込んで、口福を2度味わうのも良い。

さて、初めて挑戦したヴァレリア先生のカルデイラーダは…まさしくポルトガルの味!
冷たいヴィーニョ・ヴェルデ(緑ワイン)と一緒に召し上がれ、ボン・アペティート!




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by caldoverde | 2015-08-23 01:00 | インターナショナル料理 | Comments(8)

リスボンを聞く

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帰省中の仙台で、リスボンを舞台とした映画を見る機会があった。ポーランドの監督による「イマジン」は、英国、ルーマニア、ポルトガルのキャストで、全編リスボンで撮影が行われた。ドラマチックな展開や、情熱的なシーンがある訳でない、どちらかというと地味な映画だが、ジワジワ来るものがある。観光地として有名なアルファマ地区やバイシャ地区、名物の市電28番が頻繁に登場するが、それらはポルトガルの旅に誘う魅力的な風景としてではなく、生死を分かつ危険をはらんだ戦場のような所として扱われている。主人公たちは何があるのか、何が起こるのかわからない戦場への冒険を試みる。

この映画の主な舞台は、リスボンのとある盲学校である。白い塀に囲まれた、古い修道院の建物を借りた盲学校兼クリニックに、全盲のイギリス人の助手が赴任する。彼は、指や舌を鳴らし、その反響音によって、周囲にどんなものがあるか知ることのできる「反響定位」というテクニックで、白杖を使わずに歩くことを試みる男だ。

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責任者の医師は、生徒を決して危険に晒さないように指導することを、厳しく英国人助手に言い渡す。はじめ生徒たちは杖を使わないで歩くこの男を信用せず、実は目が見えるのではないかと様々なイタズラを仕掛けるが、次第に心を開き始め、外の世界を知りたいと願うようになる。

ある日、英国人助手は隣の部屋の美しいドイツ人女性と健常者同士のカップルを装い、杖なしで街に繰り出す。下町のバールの、地元の老人や観光客やボーイとのたわいない会話から、彼女は塀の外の未知の世界へと想像の翼を羽ばたかせる。

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教会の鐘の反響を聞いて、大きな船が来ていることを知った英国人助手は、生徒の一人と共に夜の港に出かける。彼らは一歩間違えば海に落ちる岸壁ギリギリに沿って歩きながら、正確に船を探しあてるが、小石を投げながら歩く2人の男を不審に思った警官によって連行される。

白杖を使わないことによって自らも幾度も怪我をし、生徒にとって危険だと判断された英国人助手は、盲学校を去る。塀の外に出た助手を、ドイツ人女性が杖なしで追う。車や市電が行き交う段差のある道を横断し、歩道に設置された変圧器や鉄棒などの様々な障害物を避けながら、彼女は英国人助手とコーヒーを飲んだ階段下のカフェに行き着く。古いアパートの建て込む狭い路地の向こうに、リスボンを出港する巨大な船が横切っていく。教会の鐘が鳴り響く。市電の警笛も、車の騒音も、人の話し声も石畳の道に響き、反響する。すぐそばのテーブルには追っていた英国人助手が…

映画の宣伝では、盲目の男女のロマンスとして扱われているが、私には目の見えない人々の知覚が捉える世界を、そして私たちにとってごく普通の環境が、彼らにはいかに過酷で危険であるかを、垣間見ることのできる興味深い作品だった。
盲目=闇というイメージは、舞台となる修道院の真っ白い壁や眩しすぎるリスボンの陽光によって揺らぐ。視覚を持たずに生まれてきた人々の、意外なほどの敏捷さや鋭敏さ。音に集中することで様々なものが形をなすという驚き。「見える人は見ようとしない」主人公の英国人助手の言葉は示唆に富む。時には「目を閉じて」何かを見ようと試みるのも大事なことだ。

オフィシャルサイト http://mermaidfilms.co.jp/imagine/

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by caldoverde | 2015-08-05 21:31 | カルチャー | Comments(2)