ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

<   2016年 05月 ( 2 )   > この月の画像一覧

貧乏人食堂

a0103335_05080439.jpg

前菜のミニサイズのタラコロッケは揚げたての熱々

その店には看板がなく、顧客の間では貧乏人の食堂と呼ばれている。7€でパン、ドリンク、メインデッシュ、デザート、コーヒーとコースが食べられ、味も良いので、近隣の市営住宅に住む庶民や外回りの会社員でいつも賑わっているそうだ。この木曜日はここ数年平日になっていた宗教的な祭日がまた休日に戻ったので、店が営業しているかどうかをお得意さまのBさんご夫妻に確認してもらった上に、リスボンの郊外にあるこの店まで車を出していただいた。
カーボヴェルデ人のオーナーとその奥さん(何代目かの)のシェフによる家族経営のこの店は、炭火焼が美味しい。4人でそれぞれ1種類ずつ頼み、皆でシェアした。そろそろ旬のイワシもあったが、この店で特に美味しいのは豚の頰肉なので、ほっぺたを中心に頼んだら、豚肉ばかりになった。

a0103335_05080449.jpg

クミンの香りがアクセントの豚頬

豚肉の頰肉は煮たものが多いけど、ここでは食べやすく開いて焼いてある。


a0103335_05080513.jpg

レバー嫌いの方にもお勧めのイスカス

昔、イスカスというものが何なのか知らずに頼んだら、油の中にどっぷり浸った巨大なレバーが出てきてがっかりした。実はレバーのあの食感と臭いが苦手だった。しかしBさんはここのは美味しいから、と言うので騙されたつもりで食べたら、本当に美味しかった。薄切りにし良く血抜きをして焼いてあるので、いけ好かないと思っていたイスカスをちょっと見直した。


a0103335_05080596.jpg

こんがり香ばしく焼けたピアノ

私はピアノを頼んだ。骨つきのあばら肉がピアノの鍵盤に似ているからピアノなのだろう。1本づつ切り離し、両手で持ってかぶりついて食べるのでピアノではなくハーモニカだ。私の歯では肉がすっかり骨からこそげ取れないのが悔しい。


a0103335_05080567.jpg

これも骨までしゃぶりたい美味しさ

黒豚のポークチョップもボリュームたっぷりでコテコテの美味しさ。脂の多い部位だが、黒豚は脂肪に甘みがあるので、適度な塩気が味を引き締め旨さ倍増。付け合わせのご飯やフライドポテトもいい味出している。流行っている食堂はポテトが美味しいのだが、冷凍ではなく生のじゃがいもを使うか否かによるらしい。

メインで十分にお腹が膨れるので、デザートが別会計なら端折るところだが、せっかくのセットメニューなので、ビスケットケーキとプリンを注文。
a0103335_05080640.jpg

a0103335_05080644.jpg


何の観光名所もない、住民もレストランのオーナーもアフリカ系移民ばかりという団地の中にある店だが、リーズナブルな値段と味は隣まちの住民も引き寄せる。リスボンから車で行ってもお財布は痩せずにお腹がいっぱいになる貧乏人食堂だが、タクシーの運転手にはどう説明すればいいのだろうか?ドライバーは安くてうまい店をよく知っているので、業界では案外有名な店なのかもしれない。


[PR]
by caldoverde | 2016-05-27 04:44 | 肉料理 | Comments(3)

さらば、サランボー

a0103335_02153762.jpg

今が旬のいちごのタルト

リスボンは今日もまた一つ新しい店が開いてはまた一つ閉じてゆく。古いガイドブックを見ると、もう存在していないお店も結構ある。TimeOut という街の最新情報を発信する雑誌でこの前見たので行ってみると、もうなかったという事も珍しくはない。別にどうって事のない、単価も高くないバールやカフェがしぶとく生き残っているのは、まさにどうって事のない、単価の安い店だからだと私は考える。いつも同じもの(だけ)があって、いつもの常連がいて、散歩がてらふらっと入って小銭でコーヒーやビールが飲める。平和な日常を売っているわけだ。
a0103335_02153791.jpg

タルト・タタンはリンゴだけでなく桃やあんず、梨もあった

時々オーナーの嗜好や理想を強く打ち出した、おしゃれなカフェが現れるが、長続きしない。そのような店はコーヒーとお菓子で2€では足りないので、たまに行くのには良いが、毎日となると懐がちょっと痛い。それにバターやクリームやチョコレートをたっぷり使ったケーキを毎日食べていたらダイエットにも影響する。しかし日常から少しばかりグレードアップしたものも無いと困る。困るのだ!
a0103335_02153715.jpg

本格的なパリ・ブレスト

フランス菓子とお惣菜の店 La Pâtisserie Salammbô が カンポ・デ・オリーク地区にひっそり開店して2年、知る人は知るが、地元の人にもほとんど知られないまま、5月半ばで閉店してしまう。同じ通りには改装して盛況のカンポ・デ・オリーク市場があり、色んな商店やレストランが集まっているのだが、どん詰まりに近いこの辺りは日中でさえ歩いている人は非常に少ない。雨の日や寒い日は開店休業になるだろうと予想はつく。
a0103335_02153857.jpg

野菜たっぷりのピザ

近くにフランス語学校があるせいか、この地区にはフランス人が少なからず住んでいるらしく、また年配のポルトガル人は第二外国語としてフランス語を習っていたり、フランスに出稼ぎに行っていた人も結構いるので、サランボーにケーキを食べに行くと、よく店の主人がお客さんとフランス語で会話していた。クロワッサンやバゲットもあるので、フランスの味を懐かしむ人がここにやって来る。しかし、コーヒー一杯だけ飲みたいポルトガル人は、まず入らないだろう。コーヒーはリスボンでは55セントから70セントだが、最も多い価格は60セント。一時サランボーでは70セントに値上げしたが、すぐに60セントに戻した。コーヒーだけ飲みに入った客が「高いね」と言ったらムッシューは「うちは良い豆を使っているから」と説明していた。日本人から見ると、エスプレッソ70セントは激安なのだが。
a0103335_02153844.jpg

パイもカスタードクリームも絶品のミルフィーユ

お菓子もその辺のポルトガルのカフェのものよりずっと良い材料を使っていると自負しているだけあって、店に入るとバターの良い香りが漂う。ある日のミルフィーユには本物のバニラビーンズの鞘が飾りに使われていた。ここのカスタード系のケーキは本当に美味しくて、日本の洋菓子と肩を並べられる。またここのチーズケーキは、コッテリして酸味がある正しいチーズケーキだ。ポルトガルのチーズケーキ、あれはいったい何なのだ。
a0103335_02153810.jpg

見かけはホームメイドですが、味は本物のブルーベリーチーズケーキ

お惣菜はフランスのみならず、色んな国の影響を受けたものが登場する。奥さんはカザフスタン出身のルーツは朝鮮半島という事で、キムチ風の人参サラダ、キクラゲのサラダ、ピロシキなど東洋風のものもあれば、ピザやタコのサラダなど地中海風もあり、週末にはブッフ・ブルギニョン、クスクス、羊のシチューなどフランスやその植民地の料理を注文販売するなど、バラエティに富んでいた。
a0103335_02153987.jpg

端右のキクラゲのサラダはまさに酢の物

残念ながら良いものを作るのとビジネスの成功は必ずしも連動しない。せめてもう少し人通りの多い場所にお店があったら、と誰もが考える。サランボーの主人は商業住宅地として人気の高いアルバラーデ地区の全ての通りを当たったが、家賃が月数千ユーロという事で諦め、カンポ・デ・オリークのこの店を選んだ。しかしやはり高い(または安い)物件はそれなりに理由があるのだろう。今後は自宅で注文を受けてケーキを焼くそうだが、いつかまた良い場所を見つけてサランボーを再開して欲しい。
a0103335_02153998.jpg

ホオズキとフランボワーズのタルトはパリの味…に違いない

5月14日まで、市電28番や25番に乗っておいで下さい。Rua Francisco Metrass, 109A-B, Campo de Ourique, Lisboa


[PR]
by caldoverde | 2016-05-04 01:36 | お菓子・カフェ | Comments(8)