ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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ほぼ毎年の帰省の折は、日本食を堪能し一年間のサウダージをやっつけるのであるが、ポルトガル暮らしも長くなるにつれて、1ヶ月もポルトガル料理が食べられないのかと逆の感覚を覚えるようになった。そして今年は何と帰国早々東京のポルトガル料理店に食べに行ってしまった。もっとも数年前にポルトガルに遊びに来たことのある旧い友達と女子会をするというのが建前上の理由であるが。

日比谷のペニンシュラホテルから延びる、落ち着いた石畳風の通りにはコム・デ・ギャルソンやらエルメスなどのシックなお店が並ぶ。そんな中に昔風の地下飲食店コーナーがあり、階段を下りるとガラスのドア越しに「マヌエル 丸の内 "タスカ・デ・ターリョ" ポルトガルの肉酒場」と色々と説明のくっついた名前の小さなポルトガルレストランがある。壁にはポルトガル語のことわざか格言の様な文章が手書きで書かれ、土産物の定番の雄鶏の置物で飾られた、気取らない居酒屋(タスカ)風のお店だ。

お値段も居酒屋並みなら尚結構なのだが、何しろここは東京の、しかも一等地のど真ん中なのでそれなりになることは覚悟の上だ。アラカルトであれこれと味見するのも楽しいが、ポルトガルでもそれをやると結構高くつく。「マヌエル」ではちょっとづついろんなものが楽しめるコースが三種類あり、また追加料金2000円を払えばドリンク飲み放題なので、一番安いテイスティングコースに飲み放題を付けた。単品だと一例としてポルトガルビールが1000円という目玉が飛び出る値段なので、2時間半という時間制限の中でできるだけ飲んでやろうという意地汚い魂胆もあった。

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まず小さなまな板にぎっしり載った前菜の盛り合わせ。店の女の子が何か食べられないものはないかと尋ね、友人はレバーが苦手だと答えると、レバーパテを鱈コロッケに替えてくれた。なかなか親切だ。牡蠣の南蛮漬け、人参や赤キャベツの酢漬け、タコのサラダ、ポルトの名物モツと豆の煮込み、生ハムと、色合いも美しく盛り付けも可愛らしい。ポルトガルならオリーブの実、チーズ丸ごと、生ハムの皿をどんどん置くだけで盛り付けや彩りなどは考えていない。さすが日本である。

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レタスを四分の一に切ったものにニンニクのきいたオイルソースをかけたものはシェフのオリジナルであろう、ポルトガルでは見たことのない料理なのだが、ソースがピリ辛で、お酒がすすむ。こういう食べ方もあるのかと感心した。

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ちびちび前菜を食べながら飲み物をお代わりし、程よくお腹が満ちてきた頃、ボリュームのあるメインのチキンのグリルが登場。十分に下味をつけたチキンは臭みがなくジューシーで柔らかくてとても美味しい。2種類のソースをつけながらフライドポテトを食べるとどうにも止まらない。ポルトガルの鶏の炭火焼も美味しいがこれほど汁気はない。

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〆にはタコのリゾット。丸い弾力のある日本米で炊いたタコ雑炊は、ポルトガルに足りない繊細さが感じられる。

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デザートはポルトガルでもポピュラーな焼きリンゴ。現地では1個丸ごとどーんとやって来るが、日本人らしい美意識が加わり上品な盛り付けになっている。

コテコテの100%ポルトガル料理という訳でもないが、原型から更に洗練させる日本の洋食の伝統が十分に生かされ、誰にでも好まれる味になっている。元々ポルトガルの食べ物は日本人の口に合うとは言われているが、「マヌエル」に見られるような繊細さがあれば更に評判は高まるだろう。リスボンに支店を出せば意外とイケルかもしれない。このディナーをとった翌日、ポルトガルはユーロカップで開催国フランスを破り初優勝した。いよいよポルトガルブーム到来かも?!




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by caldoverde | 2016-07-12 04:40 | インターナショナル料理 | Comments(4)