ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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まだ6月だというのに、リスボンで40度を超えた。あまり暑がりではない私が暑いと感じるのは、だいたい35度以上の時だが、今日は乾燥したリスボンでさえ日本の真夏のような不快感を感じた。このような時期にはポルトガルではしばしば山林火災が発生するのだが、土曜日に起こり、60人以上もの犠牲者を出したペドロガン・グランデの火事は歴史上稀に見る大惨事だった。数日前ロンドンで起こった高層アパートの大火災の記憶も生々しい中、度重なる悲劇に、人々は大きなショックを受けた。

ポルトガルの夏は高温で乾燥するので、山火事がしばしば起こる。原因は気象条件に由来する天災の要素も放火や失火などの人災の要素もある。今回のペドロガン・グランデの火災は40度を超えるような気温の中、雨を伴わない落雷があり、それが発端となって山火事が起こり、強風で火が瞬く間に広がった。国道を走って逃げようとした車は煙で方向を失い、互いにぶつかったり、立木に衝突したりする間に煙に巻かれ、あるいは猛火に襲われて車の中で亡くなった犠牲者が多いということだ。逃げるための道具であった車が逃げ場を塞ぐ罠になってしまった。灰に近い状態にまで焼けた車は、いかに火の勢いが烈しかったかを物語る。

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1988年にシアード地区が大火災にあったリスボン

基本的には台風、地震、噴火などの自然災害が少ないポルトガルであるが、毎年大規模な山火事が発生している。喉元過ぎれば熱さを忘れるごとく、効果的な山火事対策は遅れており、このように人命を巻き込んだ山火事は、ますます暑くなる今後も起こる可能性は充分にある。人々の防災意識も希薄で、タバコの吸殻を平気でポイ捨てする輩も多い。どこか安全は消防署や警察任せという風潮を感じる。

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老朽化した建物も多いポルト

リスボンやポルトは今や世界で最も人気のある観光地で、歩道や古い建物の改装が進んでいる。しかし街は建物が密集し、道は狭く、路上駐車の車や、道路に張り出したテラス席などの障害物が多い。地震だって100%ないとは言えない(というか、必ず起こるぞと言う人もいる)。ポルトガルに限らず、旅行に来たら、避難場所や避難経路を確認しよう。パニックに陥らず、安全に逃げられるように。また怪我、病気、盗難に遭う方が増えている。お守りとして旅行保険は必ず加入して下さい。お願いです。



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# by caldoverde | 2017-06-18 21:04 | ポルトガルの旅 | Comments(4)

ロブスターの夢

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水族館の様にファンタスティックないけす

ある日、目が覚めたら億万長者になっていた。とりあえず家のローンを完済し、まだ動いているiPhone3GSをiPhone7に買い替え、友達に奢ってもらったコーヒーを今度は奢ってあげよう…と日ごろ夢想しているが、今日は銀行残高をよく見たら、本当に入金がある。年末調整で多く払った税金の戻りだ。ローンを完済するにはあまりにも少ないが、思わぬボーナスに気が大きくなった。

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いつもは値段を気にして手を出さないパンと生ハム。今日は腹一杯ロブスターを食べるのでパス。

先日友達に奢るからと大見得を切って一匹100€払ったロブスターを、今度は一人で食べるんだ!その店を紹介した知り合いのファドレストランの支配人に、あそこのロブスターは美味かった〜と言ったら、今度は俺に言え、店主と友達だから特別価格にしてくれる様に頼んでやるぞ、という言葉は心に深く刻み込まれた。ポルトガルはコネがものを言う社会なのだ。

リスボンの日本料理店で一人で寿司と刺身の舟盛りを食べているポルトガル人男性を見たことがあるが、女でロブスターを一匹と言うのは有りだろうか。まあいい。別に誰も気にしていないし。

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どーん

何と、ロブスターばかりではなく、あさりのニンニク炒めまで来た。大サービスだ。ワインはヴィーニョ・ヴェルデ(緑ワイン)の中でも評価の高い「ムラーリャス」のハーフボトル。小皿に殻が積み上がれば、給仕がさっと取って新しい皿を置いてくれる。ファドの支配人が「特別にアテンドする様に」と言ってくれただけあって、お一人様の私にもよく気を配っている。

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マヨネーズとバターソース付き
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デザートとコーヒーも済ませ、お勘定を頼んだ。どれだけ特別価格になっているのか期待したら…あれ?101€?定価と変わらないどころかちょっと高くない? よく見たらアサリが14€の値段がついていて、別にサービスでも何でもない。しかしあの盛り付けはどう見てもおまけに付けてくれた様にしか思えないが。まあいい。今日は臨時収入があったのだ。セコイことは言わないでおこう。とレシートをしまおうとしたら、水0.90€という数字に気が付いた。いくら今日は気が大きくなっているとは言え、飲んでないものに払ういわれはない。しかしもう会計は終わっている。悔しいので水の瓶を持ち帰った。



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# by caldoverde | 2017-06-08 09:27 | シーフード | Comments(5)

黄金海岸のバカンス 3

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ゴールデンウィークの後、再びアルモグラーヴェ海岸に出かけた。去年の8月に初めて訪れ、荒々しくも美しい海岸線と砂丘に生きる不思議な植物に魅せられて以来、春から初夏の花の咲く時期にまた来たいと思っていた。

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特に見たかったのはハマカンザシの群生で、仕事でよく行くロカ岬のは白い花ばかりだが、アルモグラーヴェのはピンクで、とても可愛らしい。ちょうど咲き始めて間もない時期だったようで、まだ蕾の株も多く見られた。

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ナデシコに似た花や、アザミの仲間、ノギクの類いなど、名前の知らない花々。潮風に耐えながら冬をしのぎ、太陽が砂を焼く夏が来る前の、束の間の暖かさと雨露に力を得た小さな命が一斉に目覚め、砂丘は華やかに彩られる。

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わずかなスペースに数種類の植物が寄植えのように固まって生え、その小さな庭は海岸沿いに延々と続いて緑のベルトをなす。サラサラのベージュの砂浜が途絶えると、今度は褶曲した黒い岩に波が砕ける磯が現れる。

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この日は晴天で、水平線に徐々に隠れて行く夕日もバッチリ見えた。

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翌日は海ではなく村と農地の境界辺りを散歩した。この辺は意外と水が多く、せせらぎや鳥の声に耳を澄ませながら、砂丘とは違う草花や、牧場の豚や牛、可愛い民家の庭先を見ながら歩くのも結構楽しい。

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アルモグラーヴェ村で食べたのは、結局去年と同じクロダイ。新鮮で美味しいが、これしかない印象も。別のカフェでは、ランチとディナーの間の軽食にウツボのフライを出す。カリカリに揚げたウツボは脂が強いが、ビールのお供にちょうど良い。

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去年泊まったホテルは満室だったので、Airbnb(民泊紹介サイト)で見つけた家に泊まった。3室あったが、私が滞在中は他には宿泊客がおらず、静かに過ごせた。隣の棟にはオーナーの家族がいて、可愛いおばあちゃんが何かと気にかけてくれた。

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ポルトガル西南に位置するコスタ・ヴィセンティーナ(聖ヴィセンテ海岸)もじわじわ観光化の波が押し寄せ、ポルト・コヴォやヴィラ・ノヴァ・デ・ミルフォンテスなどはすっかりリゾート地になってしまった。今のところアルモグラーヴェ海岸は村の周辺が農地なのと、海と集落が自然保護区の砂丘で隔てられているせいか、他のビーチのように新築の別荘ラッシュは見られないが、休耕地が不動産屋に売られたら、あっという間に小洒落た外人向けの住宅で一杯になってしまうんだろうなと想像する。どうかこのまま素朴な農村の姿を残して欲しいと心から願っている。

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# by caldoverde | 2017-05-10 22:26 | ポルトガルの旅 | Comments(2)

2度目のマデイラ その3

マデイラ3日目は、ホテルの近くの旅行社の主催する島の北部を巡るツアーに参加した。町のあちこちに様々なエクスカーションを提供する旅行社があるが、この会社は土日も営業しており、しかもすごく安い。9人乗りのバンであちこちの名所を周る1日観光で、驚きの22.40€だった。車もドライバー兼ガイドも古い、もといベテランで、マデイラ訛りのポルトガル語はいまいちよく分からなかったが、一人ではとても行けないような場所に連れて行ってくれるので、この値段は大変ありがたい。私の乗った車はポルトガル人カップル2組とフランス人女性1人、もう1台の車は英語とドイツ語のスピーカーの客だろう。

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バナナの花と果実

豪奢なホテルの建ち並ぶフンシャル西部は、かつてはバナナ畑だった。今は家庭菜園の規模の畑しか残っていない。私は普段マデイラバナナを愛食しているが、中南米のインポートものの2倍の値段なのが難点だ。しかし急斜面に石垣を作ってわずかな土地に植え、収穫し、運搬する労力を考えれば、高いものではない。リスボンではキロ2€以上だが島では1€くらいだった。

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カラフルな漁船の浮かぶ小さな港は、カマラ・ドス・ロボス(狼の部屋)。狼とは海の狼(アザラシ、トド)のことで、元々はトドの寝床という呼び名をもうちょっと典雅?にしたものだそうだ。以前マデイラに遊びに来た時は、この港が路線バスを使って自力で来れた最西端だったと思う。夜に着いたので、暗く寂しい印象だったが、今では観光客向けのバーでひしめき合っている。

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ひゃー
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カーボ・ジラゥンという高台には、世界で2番目に高いガラスの床の展望台がある。足元から500m下の海岸が見える高所恐怖症の人は近づけない観光名所で、10年前になかったものだ。すぐそばにはイギリスのデベロッパーによる真新しいバカンス用のコンドミニアムがある。泊まるのはもちろんイギリス人だ。長年君臨したジャルディン知事がマデイラの経済発展に大いに寄与したのは誰もが認めることだが、不動産屋や建築業との間に何もなかった訳はあるまい。観光客から集めたお金をもっと島民や自然保護に還元してもいいのではないかと思うが…

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いつか建物の上に岩が落ちる
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ポルト・モニスの海浜プール

マデイラは、海から屹立した崖に囲まれた、ほとんど平らな土地がない島だ。季節によっては強風が吹く。フンシャル以外には大きな船が停泊できるような港はない。小さな湾に造られた漁港は、今や漁業よりもその景観や天然プールを呼び物にしている。昼食をとったポルト・モニスは、荒磯と人工的なプールの対比が素晴らしく、レストランや水族館や科学館などの施設もそこそこあって、北部の最大の観光地になっている。一応ガイドブックで紹介されているレストランを覗いたが、あまりピンとくるものがなかったので、観光案内所で住民の食べる店はどこかと聞いたら、直ぐに教えてくれた。職員もそこで食べるのだろう。マデイラの郷土料理である一口大に切った牛肉の煮込み(ピカード)を頼んだ。ソースに浸ったフライドポテトが美味い。

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つつくように食べるのでピカード(刺された)なんでしょうか

マデイラのピークは1860mに達し、島のてっぺんは霧に覆われ、南海岸の暖かさとは対照的だ。日照の良い島の南斜面はほとんどが人の手の加えられた段々畑になっているが、島の北側はまだ天然の森が残っている。特に月桂樹林は氷河期を生き延びた貴重なもので、ユネスコ世界遺産になっている。良く考えると花や果物がいっぱいというマデイラのイメージは、市場や植物園によるものが大きい。島の本来の自然はアクセスの悪い北側に行かないと見られない。

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岩にぺったり張り付いたバラのようなサボテンの仲間
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花嫁のベールという名前の滝
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世界遺産になっている月桂樹林

アソーレス諸島とマデイラ島どちらが好きかと言われたら、迷いなくアソーレスと答えるが、マデイラ島の北東やポルト・サント島、デゼールタ島などの付近の小さな島も見たいので、また安い切符が手に入れば再訪したい。しかし島への旅行は天気に左右されやすい。私がリスボンに帰った翌日、マデイラ空港が強風のために何便かキャンセルになったというニュースを聞いた。今年は運が良いらしい。


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# by caldoverde | 2017-04-10 18:56 | ポルトガルの旅 | Comments(5)

2度目のマデイラ その2

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ピカピカ光る太刀魚

マデイラの代表的な料理と言えば、魚は太刀魚と鮪、肉は月桂樹の串に刺して焼いたバーベキューであろう。市場には黒と銀の太刀魚がたくさん並べられていて壮観だ。1日目の夜はホテルの隣にあるレストランで太刀魚のフライを食べた。入り口に某国ガイドブック推奨のシールがベタベタ貼ってあり、それを参考に来たと思われる外国人客ばかりだったが、意外に味は悪くは無く、バックパッカー向けのガイドブックが推薦するだけあって値段もそれほど高くなかった。骨を取ったくせのない太刀魚のフライに焼いたバナナを添えクリーミーなホワイトソースをかけた料理は、子供にも、(私のように)歯の抜けた人にもお勧めの優しい味だ。

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とろけるような味わい

海岸通りのロープウェイ乗り場の向かいに、マデイラ・ヒストリー・センターという土産店とレストランとミュージアムが一緒になった施設がある。5€の入場料は上のレストランの10%割引券となる。展示物はパネルや映像が中心で貴重なものはないが、昨日観た映画の基礎知識によって興味深く見ることができた。
階上のレストランはオープンテラスで海や山の絶景が眺められ、料理に所場代が加算されても納得できる。その分割引券を使うのだ。定番メニューの他に、ガラスケースに入った魚を選んで調理してもらう事もできる。その日はカサゴに似たカルネイロという赤い魚があったので、グリルにしてもらった。一人で食べるには大き過ぎる(500g)かと思ったが、内臓を取って焼くとちょうど良い量だった。

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脂がのって美味しい

フンシャルの博物館は日曜日閉館の所が多く、CR7ミュージアム(クリロナ記念館)も、フランドルの宗教画が展示されている宗教美術館も、マデイラの重要産業だった砂糖の博物館も閉まっている。そんな訳で日曜日のマデイラは乗り物に乗って景色を楽しむのが良い。まずロープウェイ。以前来た時も乗ったが、あの時の恐怖が蘇った。眼下は赤い屋根の密集する斜面。よくこんな土地に建てるものだと感心するような切り立った崖っぷちに造られた家。ベランダにビーチチェアーが並ぶデラックスな家もあれば、屋根が落ちて廃墟になった家もある。小さなバナナ畑もあれば、数年前の土砂崩れや山火事の跡と思しき所もある。犬や鳥の鳴き声が聞こえるほどロープウェイの中は静かだ。それだけにロープを支える柱を通過する時に生じる音と振動が一層怖い。怖いけど眺めは最高だ。

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ロープが外れませんように…

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宣伝用の写真撮影中のトボガンの運転手(モデル?)

ロープウェイの上の乗り場の先には植物園とトボガン(かごぞり)乗り場がある。10年前はロープウェイで植物園に行き、帰りはトボガンで降りるというマデイラ観光の王道を体験したが、今回は植物園は広すぎて見学に時間がかかるのと、トボガンがまだ運行していなかったので、直ぐにロープウェイで下に降り、今度は路線バスに乗ってクラル・ダス・フレイラスに向かった。10年前は、垂直にそそり立つ岩に囲まれた谷底に家がポツポツ見える落武者部落のような所だった。海賊の襲撃を避けるため修道女たちが人里離れた山の中の谷底に住んだのが始まりだそうだ。平和な生活と引き換えに、大変な苦労があったと思われる。現在は私の予測に反して民家が増え、限界集落から村の規模になっている。かつての落武者部落のような秘密めいた印象はなくなっていた。

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猫の頭のような山

クラル・ダス・フレイタスの名産品は、栗。バス停側の屋台では栗のケーキやクッキー、干し栗を売っている。冬は栗のスープが登場する。売り子のおばさんが作ったと思われる素朴な栗ケーキを頬張り、やはり手製の栗のリキュールを飲んだ。警察が禁止しているのでおおっぴらに売れないんだと言いながら、小さなジュースの瓶に詰めたリキュールをこそっと小さなコップに注いでくれた。本当は一瓶買えば良かったのだが、甘い酒は頭が痛くなるのでね…ごめん。

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栗のブロア(どっしりしたパン)

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# by caldoverde | 2017-04-06 09:09 | ポルトガルの旅 | Comments(0)