ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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蛸の油屋風

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我輩は猫である。名前は知らない。

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我輩は蛸である。名前は油屋風。

ポルトガルに来たら、タコを堪能していただきたい。その柔らかさ、ジューシーさはきっとあなたを虜にする。未知のタコの味わいを発見できる。そして日本でポルトガルのタコ料理を再現すれば、再びあの感動が蘇る。茹でてあるタコを使えば面倒な事はほとんどない。究極にシンプルなポルトガルのタコ料理は茹でダコにオリーブオイルをかけただけのものである。その次に手間のかからないのがこれだろう。

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ポルヴォ・ア・ラガレイラ、要するにタコのオーブン焼きだが、ラガレイラとはオリーブオイルを搾る搾油場のことで、タコの油屋風とでも言ったら良いのだろうか、その名の通りタコがどっぷりとオリーブオイルの中に浸っていて、その上からこれでもかとニンニクが散らしてある。お供は皮付きのジャガイモで、タコとともにオーブンで焼かれ、ぐちゃっと潰されている。

ポルトガルのオリーブオイルはとても良質で、あらゆる料理に使われている。シーフード、特にタラ、タコ、そしてイカとは相性が抜群だ。タラやイカの油屋風(バカリャウ・ア・ラガレイロ、ショコス・ア・ラガレイロ)もあり、魚介の出汁の浸みたオリーブオイルをつけながら食べる皮付きのジャガイモもこれまた美味しい。食べ過ぎ注意である。油なのでカロリーが気になるが、オリーブオイルにはお通じを良くする作用もあるので、むしろスッキリするかも。昔、初めてツアーでポルトガルに来た時は毎晩お腹を下し、日本に帰る頃には2〜3キロ体重が減っていた。その頃のオリーブオイルは品質があまり良くなかったのかもしれないし、和食から急にコテコテの油っぽいものを食べて胃腸がびっくりしたのかも知れない。今ではかなりの量を食べても平気になった。

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タラ専門店「ラウレンティーナ」のタラ料理はオリーブオイルで煮たと言ってよい

秋は新絞りのオリーブオイルが出る季節。新しい瓶を買ったら、皮ごと潰したニンニクを入れたヴァージンオイルを焼きたてのパンにつけて食べるんだ!


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# by caldoverde | 2017-09-04 02:49 | シーフード | Comments(0)
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いい色に揚がったタラのコロッケ

今年の夏も郷里の仙台に帰省し、日系ブラジル人のポルトガル語講師ヴァレリア先生とその生徒さんたちと共に、ほぼ恒例になったポルトガル料理の夕べを開いた。

今年のテーマは「マッサ・デ・ピメンタン」(赤ピーマンのペースト)を使った料理ということで、ヴァレリア先生は自家製のペーストを用意し、私もリスボンで出来合いのペーストを買っては来たものの、どんな料理に使われるかと聞かれると、首をひねってしまう。地方によっては何にでもこの赤ピーマンペーストを使うのだろうが、使用確実なアレンテージョ風ポークの他には、ビファナの豚肉がひょっとしてこれに漬けたものかもしれないという程度しか思い浮かばなかった。

日本ではある料理研究家が「マッサ」という呼び名でこの赤ピーマンペーストを紹介し一時ブームになり、ポルトガルにはない独創的なレシピを紹介していた。さすが換骨奪胎の得意な日本である。そのうち冷奴や寿司にも使われるようになるかも?
しかし今回は超スタンダードなアレンテージョ風ポークを中心に、これまたベタなポルトガル料理をいくつか紹介することにした。材料は全て日本で調達できる。
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これは何でしょうか?ヒント:スムージーやポタージュスープを作る時も便利

前菜はタラのコロッケ。ポルトガルの干し鱈が無いじゃないかと言われそうだが、生の切り身で全然オーケー。塩茹でにして、骨や皮を取ってほぐすのだが、日本には薄い柔らかい皮の骨のない切り身の鱈が売られているので、手間がかからない。以前作った時は布巾で鱈を揉みほぐし繊維状にしていたが、ヴァレリア先生の片腕のブラウンのハンドブレンダー(写真)が、鱈もジャガイモもあっという間に混ぜてくれて非常に楽だった。

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タコのサラダは茹でたタコの足を使えば超スピードでできるオードブルだ。タコの細切りに生の赤ピーマン、黄ピーマン、玉ねぎ、パセリ、にんにく、レモンなどをみじん切りにしてたっぷりのオリーブオイルであえるだけ。タコには塩気があるので 、ほとんど調味料を追加する必要はなかった。

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ひよこ豆のサラダも、水煮の缶詰を使えば簡単だ。玉ねぎやゆで卵、パセリ、レタスなどでボリュームアップ。これも味付けはオリーブオイル。

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メインは肉+肉になったが、アサリと豚肉を合わせたアレンテージョ風ポークと、チキンのビール煮。どちらも肉の下味付けに赤ピーマンペーストを使った。ポークは更に白ワインをひたひたに注いで月桂樹の葉と共にマリネし、チキンはビールで煮込む。分量は適当に。
最後にピーマンの千切りや、イタリアンパセリ、コリアンダーなどで飾り、出来上がり。

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付け合わせはトマトライス

今後はEUとの協定で輸入品がより安く買えるようになるらしい。ポルトガルの食材やワインが日本の日常の食卓にさりげなく登っている、そんな日も遠くないだろう。

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# by caldoverde | 2017-07-24 15:21 | インターナショナル料理 | Comments(2)
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羊の揚げ餃子とトマトご飯

残念ながら閉店してしまったフランス菓子店「サランボー」のあった通りに、何だか洒落た店ができていた。「ア・シャルクタリア(腸詰屋)」という店名は、以前カンポ・デ・オリーク市場と同じ並びにあったアレンテージョ料理屋と同じだ。あそこは鴨のパテが美味しくて、見ただけで歯が疼くような伝統菓子のデザートが並ぶ、ちょっと高級そうな小さなレストランだった。市場の盛況に押されて閉店したのかと思ったら、こんな通りの奥まったところに引っ越していた。郷土料理の店はその地方らしさをアピールした置物や家具を使うところが多いが、こじんまりとした店内は何の飾りもなくシンプルで都会的だ。

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小さな容器に入った鴨のパテは、以前別の場所の同名の店で食べたのと同じ味、やはり同じスタッフがやっているようだ。パンに塗って食べると止まらなくなる。両隣のテーブルではお店の人の勧める小アジのマリネを食べている。丁寧に皮や内臓を取った小アジもオリーブオイルの色も綺麗だ。色鮮やかな焼きピメントのサラダはキリッと酢がきいて夏の暑い日にはぴったり。

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この日のお供はMoreiaさんで、彼女は鮫のスープと白ワイン、私は羊の揚げパイと赤ワインをメインに頼んだ。自分でも鮫のスープを作るというMoreiaさんは、全く臭みのない上品な味と絶賛。白ワインによく合ったのだろう。羊の揚げパイは、付け合わせのトマトご飯共に、もうちょっと素朴な田舎料理らしい味だ。軽く冷やした赤ワインが一層素朴さを引き立てる。夏は赤も冷やすと美味しい。

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人通りの少ない道の奥に作ったフランス菓子屋さんは潰れてしまったが、この「シャルクタリア」は、不利な場所にもかかわらず前の店からの顧客がしっかりついているようで、親しげに店の人と話していた。値段はその辺のカフェの昼定食並というわけにはいかないが、清潔な店構えと少数精鋭のメニューは、より洗練された昼食を食べたい時にいい。カンポ・デ・オリーク地区のもう一つの有名なアレンテージョレストラン「マガーノ」もそうだが、前菜の種類が豊富で、メイン無しで小皿料理とワインだけで食べたくなる。この日は小さなミートパイはパスしたが、次回はぜひ他のエントラーダ(前菜)とともに賞味したい。

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# by caldoverde | 2017-07-10 05:12 | 話題の店 | Comments(2)

蟹バーガー

パダリア・ポルトゲーザ(ポルトガルパン屋)がカンポ・デ・オリーク地区に2号店を出したのは6年前になるだろうか。今はリスボンを中心に40店舗を数えるまでになり、地域に一つは同じ構えの、茶色とオレンジを基本色とした内装の、同じパンを提供する「パダリア」が見られるようになった。成功の要因は、どの店も変わらぬ品質や味、店舗イメージの統一、定期的な新製品など、アメリカ発祥のファストフード店のノウハウを取り入れながら、メニューは店名のごとくバリバリにポルトガル風を大事にしたからではないかと思う。サービスまでポルトガル風を踏襲し、モタモタしている。ついでにポルトガルのマクドナルドも日本と比較すると3倍は時間がかかる。

いつでもどこでも同じものが食べられるということは、目新しさがなくなる事だ。私はとっくの昔に飽きてしまったのと、お気に入りのメニューがなくなったので「パダリア」からしばらく足が遠のいていたが、先日近所で見たポスターに目が釘付けになった。

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ハンバーガーから足が生えている⁈ キモい‼︎

2017年パダリア・ポルトゲーザ夏の新製品、新味覚ディスカバリーの時来たれり!ソフトシェルクラブバーガー。

脱皮したてのフニャフニャの殻の蟹を丸ごと揚げたものをパンに挟んだものだ。蟹全体がパンの中に収まっていれば何の変哲も無いハンバーガーの一種に過ぎないが、パンからはみ出した脚のビジュアルは相当なインパクトがある。その上、蟹は俎板に載せてプラスチックのトンカチでガンガン甲羅を割って食べるものだという認識がある。果たしてこれは保守的なポルトガル人にどこまで受け入れられるのだろうか…

初めてポスターを見てから約1ヶ月後にようやく食べる機会が持てた。蟹バーガーは昼食用にセットメニューが設定され、さつまいもチップスとグラスワインが付いて5.95€。ポルトガルのランチメニューとしては普通の値段である。食べた所は最近開店したマルケス・デ・ポンバル駅のそばの店だ。ちょうど昼時で近隣のOLや勤め人で賑わっていた。

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実物は、SF映画の宇宙探査機のように長い足がパンから伸びている訳ではなく、いかにも「蟹です!」とハサミや目玉を主張するでもなく、オニオンスライスに隠れたそれは、言われなくては何なのか解りにくい地味な外観だ。私も脚の肉やミソでなく殻を食べる蟹など初めての経験で、仮の前歯がまた外れるのではないかと不安を抱えながら、大口を開けて蟹バーガーにかぶりつくと…

懐かしい味覚が口一杯に広がった。おお、これは日本のデパ地下などで売っている贈答用の海老煎餅と同じ味ではないか!芳醇なアミノ酸の旨味、パリッとした甲殻類独特の食感。予想外のうまさにポスター以上の衝撃を受けた。

しかし私の予想では、多分この夏限りの限定品になるのではないかと思う。こんな変な見かけの、しかもポルトガルの伝統とは関係なさそうなものが長続きするとは思えない。なくなる前にもう一度食べておこう。

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限りなくペチャンコの蟹

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容器は経木(きょうぎ)の舟!凝ってる
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# by caldoverde | 2017-07-04 05:54 | ファストフード | Comments(2)
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まだ6月だというのに、リスボンで40度を超えた。あまり暑がりではない私が暑いと感じるのは、だいたい35度以上の時だが、今日は乾燥したリスボンでさえ日本の真夏のような不快感を感じた。このような時期にはポルトガルではしばしば山林火災が発生するのだが、土曜日に起こり、60人以上もの犠牲者を出したペドロガン・グランデの火事は歴史上稀に見る大惨事だった。数日前ロンドンで起こった高層アパートの大火災の記憶も生々しい中、度重なる悲劇に、人々は大きなショックを受けた。

ポルトガルの夏は高温で乾燥するので、山火事がしばしば起こる。原因は気象条件に由来する天災の要素も放火や失火などの人災の要素もある。今回のペドロガン・グランデの火災は40度を超えるような気温の中、雨を伴わない落雷があり、それが発端となって山火事が起こり、強風で火が瞬く間に広がった。国道を走って逃げようとした車は煙で方向を失い、互いにぶつかったり、立木に衝突したりする間に煙に巻かれ、あるいは猛火に襲われて車の中で亡くなった犠牲者が多いということだ。逃げるための道具であった車が逃げ場を塞ぐ罠になってしまった。灰に近い状態にまで焼けた車は、いかに火の勢いが烈しかったかを物語る。

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1988年にシアード地区が大火災にあったリスボン

基本的には台風、地震、噴火などの自然災害が少ないポルトガルであるが、毎年大規模な山火事が発生している。喉元過ぎれば熱さを忘れるごとく、効果的な山火事対策は遅れており、このように人命を巻き込んだ山火事は、ますます暑くなる今後も起こる可能性は充分にある。人々の防災意識も希薄で、タバコの吸殻を平気でポイ捨てする輩も多い。どこか安全は消防署や警察任せという風潮を感じる。

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老朽化した建物も多いポルト

リスボンやポルトは今や世界で最も人気のある観光地で、歩道や古い建物の改装が進んでいる。しかし街は建物が密集し、道は狭く、路上駐車の車や、道路に張り出したテラス席などの障害物が多い。地震だって100%ないとは言えない(というか、必ず起こるぞと言う人もいる)。ポルトガルに限らず、旅行に来たら、避難場所や避難経路を確認しよう。パニックに陥らず、安全に逃げられるように。また怪我、病気、盗難に遭う方が増えている。お守りとして旅行保険は必ず加入して下さい。お願いです。



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# by caldoverde | 2017-06-18 21:04 | ポルトガルの旅 | Comments(4)