ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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マデイラの誇り

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最近街中でよく見るポスター、バナナを手ににっこり微笑む美魔女?と「私にとってバナナはマデイラで2番目に優れた輸出品」のコピー。

世界中で流通しているバナナは数社しかない大会社で栽培される単一品種で、もしバナナの病気が流行したらたちまち全滅する恐れもあるという。そう言えば日本ではバナナに品種があるなんて考えもしなかった。リスボンの大きなスーパーやデパートに行くと、バナナにも色んな種類があることが分かる。アフリカ料理に使う大きなバナナから子供の手のような可愛らしい小さなもの、赤い皮に包まれたものと大きさも色も多様である。

しかし普通のスーパーや八百屋に並んでいるのは、大メーカーのバナナともう一つ、マデイラバナナの2種類だ。私が選ぶのはいつもマデイラバナナ。輸入物に比べて少し高いが、小さめで小腹が空いた時のおやつにちょうど良い。甘みも強く、国産品なので殺虫剤などの心配も少ないと思う。

ポルトガルの食糧自給率を高め経済を活性化させるためにも、マデイラバナナを奨励する運動をひとりで密かに行っていたが、マデイラバナナ協会からはポスターのモデルになるオファーは来なかった。ミス・マデイラバナナに選ばれたのはマデイラ島出身のドローレス・ドス・サントス・アヴェイロ夫人、クリスティアーノ・ロナウドのご母堂である。ポスターのキャッチコピーの「マデイラで2番目に優れた輸出品」がバナナだとしたら、第一の輸出品は当然自分の息子であると誇らしげにドローレスおばちゃんは微笑む。

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シールには「ドローレス母さん推奨」の文字

現在、ヨーロッパはイギリスのEU脱退とサッカーのユーロ選手権で沸いている。開催国フランスでは熱い戦いが繰り広げられているが、ポルトガルは楽勝と思われていたF組でまさかの苦戦、アイスランド、オーストリア、ハンガリーとの対戦で引き分けてリーグ内3位に止まり、決勝進出をかけたクロアチア戦では、100分を超える延長の末に遂にロナウドのシュートをクアレズマがゴールに押し込み、危うく敗退の危機を脱した。ジリジリイライラする試合運びではあったが、最後の最後で本領を発揮したポルトガル代表、30日のポーランド戦ではより積極的なプレイを期待する。もう引き分け(ドロー)にならない(レス)ように、ドローレス母さんも応援している。フォルサ!ポルトガル‼︎
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# by caldoverde | 2016-06-27 18:13 | 野菜・果物・キノコ | Comments(7)

リスボンでリハビリ

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養生におしゃれな器入りのサヴァラン

3月に足首のくるぶしを骨折しはや3ヶ月、ようやく回復が実感できるようになった。3週間半でギプスを外し、4週目からリハビリを開始したが、折れた骨自体よりも周りの関節や筋肉や靭帯の回復に時間がかかって大変だった。

初めは近所のリハビリセンターに週3回ほど通った。リハビリの内容は、ギプスの中で固まった足首の関節を動かす事が中心となる。マッサージをして、足でボールを踏んで動かしたり、足にゴムのベルトを引っ掛けて前後左右に引っ張ったり、スケートボードに足を乗せてころころ動かしたりする。スケボーは簡単そうで実はかなり痛い。踏み台を超えたり、壁に手をついて左足を後ろに引いて右足の膝を曲げると激痛に襲われる。左足首はまだ赤く腫れ熱を帯びている。

日常生活の松葉杖の使用は2本から1本に減らし、歩く練習や階段の昇り降りもメニューに加わった。階段は昇りよりも下りの方が難しい。左足首は痛みの生じるある角度以上は曲げられず、階段を踏ん張ることもできないので、右足を軸にピョンピョン跳ねるような格好で階段を降りることになる。この痛みに耐えてこそ、普通の生活に戻れると自分に言い聞かせながら、普段はエレベーターを使うくせに、無理してアパートの階段を降りたら、軽くなりつつあった足首の痛みがまたひどくなった。

関節がコキコキ鳴り、足を前後に動かすと鋭い痛みが走る。セカンドオピニオンを受けようと、別の大きな病院の診察を受けた。X線写真と症状を説明した紙を用意したが、医師はそれらを一瞥し「もう骨はくっついているからリハビリは止めて普通の生活に戻ってよい」と痛み止めの飲み薬とスプレーを処方した。10分足らずの診察に50€も払った。整形外科的にはもう治ったことになっているのだろうが、実際痛いから来ているのだ。また1ヶ月後に来るように言われたがもう二度と来るか。お金返せ。
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リスボンの青山テリェイラス地区でリハビリの仕切り直し

病院は当てにならないので接骨院を探すことにした。子供の頃はよく肩の関節を外し、接骨院でコキッと数秒で入れてもらった。そのような技術を持つ療法士はいないのだろうか。インターネットでオステオパシーと検索し、2つしかオピニオンがなかったがいずれも高評価の、スポーツ整体師を訪ねてみた。

先生は病院でも使わなかったエコーで足首の状態を診て、まだ腫れており、むくみがあると指摘した。腫れがあるうちは無理に動かさず、腫れが引いてから運動すべきだと。考えてみれば当然なのだが、今まで関わった医療関係者は誰も言わなかった。接骨院での治療は電気を筋肉に流し、テーピングで固定するのが主である。クリスチアーノ・ロナウドがCMをやっていたあのタイプの機械で電気を流すと筋肉がピクピク動きぐーっと引っ張られる。それを45分。痛みを伴う機能回復訓練はない。こんなんで本当に良くなるのか半信半疑だったが、腫れも痛みもだんだん引いていった。7回目あたりからは杖なしで歩けるようになった。まだ痛みがあると訴えれば、マッサージや鍼(日本の鍼とは違うタイプ)も併用し、ようやく10回目にして最初のリハビリセンターでやっていたようなトレーニングを始めた。
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マンションしかないけど緑は多い

初めからこの先生の所に通っていたら、もっと短期間で回復していたかもしれないが、家からバスを乗り換えて1時間弱かかる所にある。ドトール(博士、教授)の地区とも呼ばれる新興住宅地でリスボンでも家の値段と住民の質の高いテリェイラスにある。
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隣はリスボンの中の田舎、カルニーデ地区。私はこっちの方が好き

診療の前やバスを待つ間に近くのカフェで時間をつぶしていたが、この店はインテリアが洒落ていて店員の応対もプロフェッショナルで、大きな窓からの眺めも気持ちが良い。伝統的な菓子の他に洒落たパッケージのビスケットなども売っている。接骨院の向かいの小さなスーパーは、明治屋紀伊国屋とまではいかないが、大きなチェーン店やインド人の八百屋よりもずっと良いものを売っている。何とアソーレスのフローレス島のチーズまであった!病院やリハビリに大枚はたいてしまったが、時にはこんな素敵な店に遭遇することもある。人生には無駄はないのだ。きっと。
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カフェ「ケルビム・リスボア」は洗練されたインテリア

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# by caldoverde | 2016-06-17 04:16 | 生活 | Comments(4)
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空港でも聖アントニオがお出迎え

最近の気候の変化はジャカランダの開花を遅らせ、イワシも不漁で、6月のリスボン祭り月間には供給不足で輸入の冷凍物に頼っているという。水道橋の見えるカンポリーデの公園の祭りの屋台のメニューを見ると、1匹2€という結構なお値段だ。昔は1匹1€だった。しかし6月12日の聖アントニオの日の前夜祭はやはりどうしてもイワシが食べたい。屋外で炭火で焼いたイワシをパンにのせて食べるとめちゃ美味い。しかし冷たい風の吹く中を長時間立って待った挙句に皿を持って空いた席を探してウロウロするのは何度か経験済み。今年は足の怪我もあるので、イワシはレストランで食べることにした。しかし今日は4連休の3日目でしかも日曜日。広場の屋台以外のほとんどの店は休業している。
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眺め抜群のカンポリーデのお祭り会場

カンポ・デ・オリーク市場のそばにあるグリルレストラン「ヨーロッパ」は、そんな日にもかかわらず営業していた。しかもペニーシェという漁港で水揚げされたイワシが本日のおすすめだ。12.5€と高めではあるが、一皿6匹にサラダが付くので屋台と値段はそう変わらない。粗塩をまぶされていい具合に焦げ目のついた小ぶりのイワシは、ワタの苦さもうまさを引き立てるアクセントになって食欲は加速され、次から次へと骨と頭だけになっていった。
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サラダの焼きピメントも美味い

満腹してアパートに帰り、テレビをつけるとちょうどリベルダーデ大通りのパレードの生中継が始まるところだった。今年は十数年ぶりに地元のカンポ・デ・オリーク地区が参加するので、ぜひ見ようと思っていた。優勝するのは大抵アルファマなどの歴史と伝統のある古い地区だが、そうでない地区も斬新なアイディアで勝負。例えばカンポリーデ地区は刑務所があるので、衣装は縞々の囚人服をイメージしたものに、鉄格子を小道具に使うなどのユニークな演出もあった。
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最近のポルトガルは空前の数の観光客を迎えているらしい。バイロ・アルトやアルファマは今夜は外国人でごった返すことだろう。しかし観光客の来ない普通の住宅地でも祭は行われている。昨夜は向かいのアパートの小さなベランダに提灯や小旗を飾って音楽を流し、十数人ほど集まってパーティをしていた。毎週末なら苦情を入れるが、音楽が明らかにお祭り用なのでこの日1日だけと目を瞑るしかない。
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# by caldoverde | 2016-06-13 20:22 | シーフード | Comments(4)

貧乏人食堂

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前菜のミニサイズのタラコロッケは揚げたての熱々

その店には看板がなく、顧客の間では貧乏人の食堂と呼ばれている。7€でパン、ドリンク、メインデッシュ、デザート、コーヒーとコースが食べられ、味も良いので、近隣の市営住宅に住む庶民や外回りの会社員でいつも賑わっているそうだ。この木曜日はここ数年平日になっていた宗教的な祭日がまた休日に戻ったので、店が営業しているかどうかをお得意さまのBさんご夫妻に確認してもらった上に、リスボンの郊外にあるこの店まで車を出していただいた。
カーボヴェルデ人のオーナーとその奥さん(何代目かの)のシェフによる家族経営のこの店は、炭火焼が美味しい。4人でそれぞれ1種類ずつ頼み、皆でシェアした。そろそろ旬のイワシもあったが、この店で特に美味しいのは豚の頰肉なので、ほっぺたを中心に頼んだら、豚肉ばかりになった。

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クミンの香りがアクセントの豚頬

豚肉の頰肉は煮たものが多いけど、ここでは食べやすく開いて焼いてある。


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レバー嫌いの方にもお勧めのイスカス

昔、イスカスというものが何なのか知らずに頼んだら、油の中にどっぷり浸った巨大なレバーが出てきてがっかりした。実はレバーのあの食感と臭いが苦手だった。しかしBさんはここのは美味しいから、と言うので騙されたつもりで食べたら、本当に美味しかった。薄切りにし良く血抜きをして焼いてあるので、いけ好かないと思っていたイスカスをちょっと見直した。


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こんがり香ばしく焼けたピアノ

私はピアノを頼んだ。骨つきのあばら肉がピアノの鍵盤に似ているからピアノなのだろう。1本づつ切り離し、両手で持ってかぶりついて食べるのでピアノではなくハーモニカだ。私の歯では肉がすっかり骨からこそげ取れないのが悔しい。


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これも骨までしゃぶりたい美味しさ

黒豚のポークチョップもボリュームたっぷりでコテコテの美味しさ。脂の多い部位だが、黒豚は脂肪に甘みがあるので、適度な塩気が味を引き締め旨さ倍増。付け合わせのご飯やフライドポテトもいい味出している。流行っている食堂はポテトが美味しいのだが、冷凍ではなく生のじゃがいもを使うか否かによるらしい。

メインで十分にお腹が膨れるので、デザートが別会計なら端折るところだが、せっかくのセットメニューなので、ビスケットケーキとプリンを注文。
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何の観光名所もない、住民もレストランのオーナーもアフリカ系移民ばかりという団地の中にある店だが、リーズナブルな値段と味は隣まちの住民も引き寄せる。リスボンから車で行ってもお財布は痩せずにお腹がいっぱいになる貧乏人食堂だが、タクシーの運転手にはどう説明すればいいのだろうか?ドライバーは安くてうまい店をよく知っているので、業界では案外有名な店なのかもしれない。


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# by caldoverde | 2016-05-27 04:44 | 肉料理 | Comments(3)

さらば、サランボー

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今が旬のいちごのタルト

リスボンは今日もまた一つ新しい店が開いてはまた一つ閉じてゆく。古いガイドブックを見ると、もう存在していないお店も結構ある。TimeOut という街の最新情報を発信する雑誌でこの前見たので行ってみると、もうなかったという事も珍しくはない。別にどうって事のない、単価も高くないバールやカフェがしぶとく生き残っているのは、まさにどうって事のない、単価の安い店だからだと私は考える。いつも同じもの(だけ)があって、いつもの常連がいて、散歩がてらふらっと入って小銭でコーヒーやビールが飲める。平和な日常を売っているわけだ。
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タルト・タタンはリンゴだけでなく桃やあんず、梨もあった

時々オーナーの嗜好や理想を強く打ち出した、おしゃれなカフェが現れるが、長続きしない。そのような店はコーヒーとお菓子で2€では足りないので、たまに行くのには良いが、毎日となると懐がちょっと痛い。それにバターやクリームやチョコレートをたっぷり使ったケーキを毎日食べていたらダイエットにも影響する。しかし日常から少しばかりグレードアップしたものも無いと困る。困るのだ!
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本格的なパリ・ブレスト

フランス菓子とお惣菜の店 La Pâtisserie Salammbô が カンポ・デ・オリーク地区にひっそり開店して2年、知る人は知るが、地元の人にもほとんど知られないまま、5月半ばで閉店してしまう。同じ通りには改装して盛況のカンポ・デ・オリーク市場があり、色んな商店やレストランが集まっているのだが、どん詰まりに近いこの辺りは日中でさえ歩いている人は非常に少ない。雨の日や寒い日は開店休業になるだろうと予想はつく。
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野菜たっぷりのピザ

近くにフランス語学校があるせいか、この地区にはフランス人が少なからず住んでいるらしく、また年配のポルトガル人は第二外国語としてフランス語を習っていたり、フランスに出稼ぎに行っていた人も結構いるので、サランボーにケーキを食べに行くと、よく店の主人がお客さんとフランス語で会話していた。クロワッサンやバゲットもあるので、フランスの味を懐かしむ人がここにやって来る。しかし、コーヒー一杯だけ飲みたいポルトガル人は、まず入らないだろう。コーヒーはリスボンでは55セントから70セントだが、最も多い価格は60セント。一時サランボーでは70セントに値上げしたが、すぐに60セントに戻した。コーヒーだけ飲みに入った客が「高いね」と言ったらムッシューは「うちは良い豆を使っているから」と説明していた。日本人から見ると、エスプレッソ70セントは激安なのだが。
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パイもカスタードクリームも絶品のミルフィーユ

お菓子もその辺のポルトガルのカフェのものよりずっと良い材料を使っていると自負しているだけあって、店に入るとバターの良い香りが漂う。ある日のミルフィーユには本物のバニラビーンズの鞘が飾りに使われていた。ここのカスタード系のケーキは本当に美味しくて、日本の洋菓子と肩を並べられる。またここのチーズケーキは、コッテリして酸味がある正しいチーズケーキだ。ポルトガルのチーズケーキ、あれはいったい何なのだ。
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見かけはホームメイドですが、味は本物のブルーベリーチーズケーキ

お惣菜はフランスのみならず、色んな国の影響を受けたものが登場する。奥さんはカザフスタン出身のルーツは朝鮮半島という事で、キムチ風の人参サラダ、キクラゲのサラダ、ピロシキなど東洋風のものもあれば、ピザやタコのサラダなど地中海風もあり、週末にはブッフ・ブルギニョン、クスクス、羊のシチューなどフランスやその植民地の料理を注文販売するなど、バラエティに富んでいた。
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端右のキクラゲのサラダはまさに酢の物

残念ながら良いものを作るのとビジネスの成功は必ずしも連動しない。せめてもう少し人通りの多い場所にお店があったら、と誰もが考える。サランボーの主人は商業住宅地として人気の高いアルバラーデ地区の全ての通りを当たったが、家賃が月数千ユーロという事で諦め、カンポ・デ・オリークのこの店を選んだ。しかしやはり高い(または安い)物件はそれなりに理由があるのだろう。今後は自宅で注文を受けてケーキを焼くそうだが、いつかまた良い場所を見つけてサランボーを再開して欲しい。
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ホオズキとフランボワーズのタルトはパリの味…に違いない

5月14日まで、市電28番や25番に乗っておいで下さい。Rua Francisco Metrass, 109A-B, Campo de Ourique, Lisboa


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# by caldoverde | 2016-05-04 01:36 | お菓子・カフェ | Comments(8)