ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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食欲の秋

ご無沙汰しています。暇つぶしに始めたブログですが、最近あまり暇がなくなってしまいました。いや、暇があるにはあるのですが、ネットを見たりソファで昼寝してそのまま夜に突入したり…

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適当な和食を作るのさえ億劫で(アボカドとマグロの漬け丼)

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こんな夕食をとったり(ロブスターに似せたカニカマ)

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「小鳥の家(カーザ・ドス・パッサリーニョス)」での外食も増え(鴨煮込み、ドライフルーツ入り御飯添え)

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「美徳屋(オ・ビトック)」で茹で牛タンを食べたり

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すっかり国際的に有名になったモランゲイロ(イチゴワイン)の居酒屋で肋肉の炭火焼きを食べて、リスボンは良くも悪くも変わったなあと思ったりの今日この頃です。
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by caldoverde | 2017-09-21 18:54 | 話題の店 | Comments(5)

マグロの美徳

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 焼いた牛肉に目玉焼きを乗せたものをビトックbitoqueと言う。付け合わせにフライドポテトとご飯が付く。ポルトガルの牛丼と言っていいかもしれない。肉は塩とニンニクで味付けしているが、店によっては特製ソースに浸っているものもある。しかし、元来はソースは不要である。ポルトガル人は、目玉焼きの半熟の黄身をソース代りに肉や芋に絡めて食べている。すき焼きと似ている。

 あれ、そう言えば鶏肉と卵の組み合わせはあったっけ?タラの卵とじはあるが、ポルトガル料理に親子丼のようなものがあったかどうかは思い出せない。強いて言えばチキンのオムレツやキッシュだろうか。
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 先日、地域の店として愛されているカンポ・デ・オリークのCasa dos Passarinhosに行ったところ、マグロのビトックが本日のおすすめだった。たっぷり厚みのあるマグロのステーキに目玉焼きを乗せ、フライドポテトを添えたものだ。私は油っこいご飯の代わりに青菜の炒め物を付け合わせに頼んだ。まぐろは火を通しすぎるとバサバサして美味しくないけど、その硬くなる寸前で火から下ろしたという感じで、いい焼き加減である。鮮度は刺身にするほどではないと思うが、悪くはない。こういう食べ方もあるのかと目からうろこのツナステーキだった。

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デザートはイチゴのムース。もっと色気のある盛り付けはできないものだろうか…
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by caldoverde | 2013-05-30 09:12 | シーフード | Comments(4)

風邪にはステーキ 2

 風邪にやられた先週は、これまでの人生で最もステーキを食べた一週間だった。おかげでどの店のステーキが美味しいかリーズナブルか少々リサーチできた。やはり最初に食べた近所のステーキ専門店「レイ・ドス・ビッフス」の肉が一番柔らかく、上等の肉を使っているようだ。
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 また同じく近所にある大衆食堂のビトックはコストパフォーマンスが抜群で、味も悪くない。約7ユーロでステーキ、卵、キャベツ、フライドポテト、ご飯と全部付いてくる。この店はその名も「オ・ビトック」と言い、この目玉焼き付ステーキはこの店の定番である。ソースも味が良い。ハウスワインとコーヒーも頼んで10ユーロでお釣りが来る。
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 ファドハウスの「ティンパナス」のステーキもなかなか。たっぷりニンニクを使った「ポルトガル風」である。でも私がこの店の食べ物で一番好きなのは、青菜の炒め物だ。以前仕事でよく行っていた頃は、菜の花の炒めものだけ頼んでいた。

 家と同じ通りにあるグリル専門店「ヨーロッパ」の焼き魚は良かったが、肉はどうだろうか。「ヨーロッパ風ステーキ、胡椒ソース」をミディアムで注文したが、硬い。肉の部位によるのだろうが、筋があって噛み切れない部分があった。給仕が普通のナイフをノコギリナイフに替えた時点でヤバイ予感がした。また端はレアというか火の通っていない部分があった。ステーキ屋のステーキと2ユーロくらいしか違わないのなら、ステーキ屋に行けばよかったと少し後悔。でもポルトガル人はこのような噛みごたえのある肉を好むのかもしれない。
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 一週間居座り続ける風邪にとどめを刺すべく、最後のステーキを食べに行ったのは、エストレーラ大聖堂に近い「オ・ラブラドール」という肉屋兼業の店だ。隣が肉屋なので肉の見立てには間違いあるまいと見込んだ。日替わりのスープはポルトガル人が風邪をひいたとき飲む「患者」もとい「カンジャ」というチキンスープ。細く裂いた鶏肉と小さなパスタが入ったコンソメタイプのスープだ。
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 ステーキは「ラブラドール風」、シンプルに塩だけで味付けした肉は嵩があり、表面には香ばしく焼き目がついていて、中はジワッっと赤い肉汁のしみ出すいい焼き加減だ。「レイ・ドス・ビッフス」よりは固めだが、弾力があって噛む毎に滋味の出るタイプ。約10ユーロ。
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 ということで、肉質はステーキ専門店、次いで肉屋兼業の店が良いが、値段ではビトックが圧倒的に他を制圧している、という結果が出た。しかし、アソーレスレストランで食べたトカゲステーキとサンタレンのグルメ祭りでご馳走になった北部のミランダ牛のステーキを凌駕するものはない。いつか岩塩だけで味付けした炭火焼ステーキを産地のミランダ・デ・ドウロで食べたいものだ。でももうしばらくは風邪もステーキもたくさんだ。
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by caldoverde | 2013-02-18 08:37 | 肉料理 | Comments(4)
 小国でありながら世界で最も豊かな(肉付きの人々の)国のひとつであるポルトガルでは、連日のようにこの問題がマスコミで盛んに議論されている。学校ではチョコレートバーを売る自動販売機は撤去された。スーパーには「ライト」と銘打った食品が並ぶ。コレステロールを減らすという食用油がTVでさかんに宣伝されている。いろんな人がファストフードはカロリーが高いからとりすぎに注意しろと啓発している。車で立ち寄ることができたり、電話ひとつで配達してくれるファストフードは確かに現代のポルトガル人の中性脂肪増進に寄与しているだろうが、じゃあ、伝統食はどうなんだ?

 とあるビールメーカー経営のレストランでポルトガル人の友人と昼食をとった。彼は10年前知り合った時は中肉中背の好男子であった。2ヶ月に1度くらいの割合で会うが、ある時期から会うたびに太りつつあるような気がし始めた。先日1ヶ月ちょっとの帰省を挟んで再会すると、それは確信に変わった。
 親日家の彼は日本食が好きでよく寿司バイキングに行く。寿司バイキングをやっている店はもちろんガイジンの寿司職人である。私も時々誘われるが、寿司は日本人の作っている店でしか食べたくないし、バイキングは作りおきだしどうも食指が動かない。第一もうバイキングで元を取れるほどたくさんは食べられないのだ。彼は寿司はヘルシーだと言っていた。ひょっとしていくら食べても太らないものだと考えているのではないだろうか?最近の日本食ブームは、日本食のほうが儲かるともくろんだ中華レストランからの転向に加え、ポルトガル人の健康志向と日本食への誤解もその要因だろう。
 また友人は高校生のときアメリカに1年ほど住んでいたので味覚も微妙にアメリカンで、ワイン嫌いのビール好き、ポルトガル人の大好きなオリーブの実が苦手でステーキの類が好物だ。痛風を誘発する組合せだ。私は肉には消化を手伝う赤ワインでないと食べるのが困難なのだが。

 この日もビール会社のレストランなので、飲み物は当然ビールしかない。食べ物は何種類もあるステーキが主力である。その中で友人が薦めるのはポルトガル風ステーキというものであった。何をもってポルトガル風とするのかは未だに良くわからない。メニューによると他のステーキは基本的に肉とソースだけで、付け合わせは別料金のサイドメニューで注文しなくてはならないが、ポルトガル風は生ハム、ニンニク、ピクルス、フライドポテトがついていて、ビネガーソースで味付けされている。全部付いているので他のものに比べるとお得である。2人ともこのポルトガル風ステーキにしたが、友人は更に目玉焼きを追加した。ステーキに目玉焼きを乗せたものはビトックと呼ばれ、どのレストランにも必ずあるものである。
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 皿ではなく鍋(!)に入ったステーキはほとんど黄金色のフライドポテトに埋まっている。堂々とした厚みの肉の上にはピンクの生ハムが覆いかぶさっている。粒のニンニクがキツネ色に揚げられている。人参やカリフラワーのピクルスがアクセントを添える。底にはボルドー色のソースが肉やポテトを浸している。相当なボリュームだ。全部食べたら何カロリーなんだろう…

 肉料理を食べるときは、普通の肉用のナイフの他にノコギリのようにギザギザの歯のついた木製の取っ手のナイフが用意される。それだけ肉が切りにくいということだ。ポルトガル風ステーキもこのノコギリナイフでかなり力を入れないと切れない。ようやく切った肉片は頬張るとほっぺたがリスのように膨らむほど大きくて、噛んでも噛んでも千切れない。顎の筋肉がこわばってきたのでビールとともに無理やり流し込んだ。
 いい色に揚がったポテトはビネガーソースにつけて食べると美味い。どちらかというと肉より美味い。いや、ソースが良いせいか?友人はパンにソースを付けて食べている。私も白いご飯が食べたくなる危険な味だ。私は我慢してポテトは3分の1残したが、友人は目玉焼きを別に頼んでいる。ビタミンを補給すべき野菜はゼロである。
 味のほうは、残念ながら先日旅行したアソーレスのビーフや、予算不足のため数枚の薄い焼肉しか食べられなかった松坂牛には遠く及ばなかった。友よ、ごめん。しかし彼は非常に満足そうに肉とフライドポテト全て、目玉焼きも平らげ、皿に残ったソースもパンで拭った。

 「ポルトガル風」と名づけているからには国民の嗜好を十分リサーチし研究を重ねて開発されたメニューに違いない。人々が慣れ親しんだ、家庭に代々伝わる伝統の味、特定の地域に偏ることなく、あらゆる年代層から支持される味、それを「ポルトガル風」と呼ぶのかも知れない。そして長年「ポルトガル風」を実践した結果、ユーラシア大陸の果てに位置するこの小さな国は輝けるヨーロッパ一のカロリー摂取国となったのだ。
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by caldoverde | 2008-09-07 14:16 | 肉料理 | Comments(9)