ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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フルナスの最終日。午前中はまたカルデイラスにホットスプリングズを見に行った。プチプチ細かい泡が出る小さな湯だまりもあれば、煮えたぎった熱湯が勢いよく噴き上がる泉もある。灰色の泥がボコっと膨らんでは破裂する穴もある。白い地面からほんわか湯気が立っている場所もある。見ていて飽きない。あちこちに水が出るパイプがあるので、試しに口に含むと、ペッ酸っぱい!鉄臭い!シュワっとする!こんな小さなエリアに様々な泉質と温度の水が湧くのにまた驚いた。

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コジードと共にフルナス名物の双璧をなす、ボーロ・レヴェド

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こんなに美味い袋菓子がアソーレスにあったとは…ビールクッキー


最後の日はお菓子の食べ比べになった。カルデイラスの土産物屋で買ったビールクッキーはサクサクと香ばしく今まで食べたポルトガルの袋菓子で1、2を争う美味しさ。特産の里芋のケーキは、ねっとり感と土臭さを抑えつつ甘さも控えめにして意外と上品だ。お土産にフルナス名物のボーロ・レヴェドを買うついでに、その店の「豆のケイジャーダ」と「フルナス谷のケイジャーダ」という2種類のケイジャーダ(フレッシュチーズを使ったお菓子)も試してみたら、どちらも甘さ控えめで美味しい! 乳製品の産地であるアソーレスのお菓子は程よくバターやチーズが使われていて、本国の何を原料としているのか判らないやたら甘い菓子よりも上質だ。サン・ミゲル島のヴィラ・フランカ・デ・カンポやグラシオーザ島のケイジャーダは有名だが、フルナスの小さなお菓子屋のケイジャーダもなかなかの実力。せっかく温泉やサイクリングでカロリーを消費したのに元の木阿弥になった。

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黒糖饅頭に通じる味の里芋ケーキ

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某有名観光地のケイジャーダよりも数倍美味しい

最後の夜はたっぷり厚みのあるアソーレス牛のステーキを食べたいと思い、微生物センターの男の子に聞いたところ、サン・ミゲル島で一番美味しいステーキは、リベイラ・グランデの畜産協同組合のレストランであるという。残念ながらリベイラ・グランデまで行ってステーキを食べる時間は無いので、微生物センターにチラシが置いてある関係も窺われるが、彼の推挙する村のレストランに行ってみた。フルナス湖にもこの店の名前の立札の刺さった砂山があったので、温泉コジードで有名なんだろうが、インターネットの評判はあまり芳しくない。

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やっと来たら、冷めている

店内はそこそこお客が入っており、評判ほど悪くはないのではないかと期待した。しかし注文したステーキがなかなか来ない。 やっと来たら冷めている。出来上がったのを放置していたのか焼く温度が足りなかったのか。焼き直しを頼んでしばらくして食べかけのステーキが来たが、結果は全く同じであった。それどころかフライドポテトは更に萎びていた。我慢して食べ始めたが、リスボンで食べるステーキは厚かろうが薄かろうが熱々が来るのになあと思うと、もう一度言わずにはいられなかった。素材は良いのに調理人のセンスが足りないのか、客席に持っていくタイミングが悪いのか…グラシオーザ島でステーキをミディアムで頼んだらウェルダンで焼かれたのを思い出す。それがこの店の流儀だとしたら、私はクレーマーだ。

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作り直し?のステーキも大差なし

入店から2時間後、2枚目のステーキが来た。今度のは幾分熱いので、せっかくの新しい肉を無駄にするのは申し訳なく完食した。しかしフライドポテトの方は前の皿のリサイクルらしく、更に硬く芋ケンピのようになっていた。リスボンのアソーレス料理屋のトカゲステーキ・ミゲル風はこれまで食べた最も美味いステーキだったのに、現地のステーキはなぜこんなのか理解に苦しむ。しかしポルトガル語で話しても英語で返事する給仕を見て、何となく解った。夏はイギリスやドイツの観光客が怒涛のごとく訪れ、最近はアメリカ人の観光客も増えている。彼らはゴムのような肉や芋ケンピのフライドポテトもうまいうまいと食べているに違いない。コジードは温泉が作ってくれるので、料理人の腕はあまり関係しない。そう言えば、観光案内所の隣にも関わらず、職員が紹介した何軒かのレストランの最後におまけのように付け加えたのがこの店であった。

勘定を見ると、15€だと思ったら11€しかついていない。私は15€の仔牛のビッフェ(ステーキ)を頼んだのに、店員はビトックを厨房にオーダーしたらしい。だから目玉焼きが付いて薄くて硬かったのか。それにしても1時間かかってぬるい料理が出されたのは解せない。今度来るときは、島民が口を揃えて勧めるリベイラ・グランデの畜産協同組合で最高のアソーレス牛のステーキを食べてやる。

肝心のフルナスの温泉効果であるが、4日通って足首の痛みはほとんど消えた。骨折が治った後も捻った靭帯がずっと鈍痛を持っていたのだが、2日目辺りから軽くなっているのを感じた。水着着用だからこそ混浴の可能な露天風呂で、様々な国の様々な年代の人々の色んな言葉のおしゃべりを聞くのも楽しいし、赤い小川の流れ、里芋畑に来る小鳥、浴槽の石に生える苔などを観察するのも飽きない。思いの外楽しめた湯治だった。

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by caldoverde | 2017-01-01 06:49 | ポルトガルの旅 | Comments(4)
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飛行機から見たロカ岬

かねがね春に骨折した足首の養生を兼ねて、12月は温泉に行こうと漠然と考えていたが、ネットでたまたま格安航空会社イージージェットのリスボンーポンタ・デルガーダ往復56€の航空券を見つけたので、冬のアソーレスも体験してみようと切符を押さえた。ローコストキャリアはちょっと考えていると値段がすぐに変わる。

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テーラ・ノストラ・ガーデンホテルの温泉プール。赤い水は水着を一つダメにした。

それからサン・ミゲル島の温泉を探したら、以前訪れたフルナスに天然温泉の公衆浴場があるではないか。昔行った時は気付かなかったが、地元ではよく知られた温泉で、数年前に新装開店し、なんと朝は7時から夜は23時まで一年中営業しているという。また最近フルナスのテーラ・ノストラ・ガーデンが、世界の名庭ベスト100の内ポルトガルから選ばれた5つの庭園のひとつとなったので、再訪したいと思っていたのと、地熱で作るフルナス名物のコジードももう一度食べたかったのもあり、今回のアソーレスの旅はあちこち移動せずにフルナスに連泊することにした。

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中央の白い家がポエムの家 (Casa do Poema)

フルナスの代表的な宿泊施設は何と言っても大きな温泉プールと素晴らしい庭園のあるテーラ・ノストラ・ガーデンホテルなのだが、シングルの部屋は狭いし冬でも結構高い。オフシーズンにもかかわらず温泉に近いホテルやペンションはほとんど満室で、唯一残っていたのが「ポエムの家」というポエマーな名前の築4年の小さな一軒家で、料金は4泊200€に清掃代35€。台所や洗濯機など長期滞在も可能な設備が全て揃い、リスボンのおしゃれなアパートのような内装だ。
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小さな家だが吹き抜けがあり、広々とした印象

自転車でフルナス湖の周辺を散歩したいと思い、後から自転車の積載を追加したら、料金が驚きの98€で、人間様より高い。格安航空会社の最安チケットで持ち込める荷物はキャビンに積める手荷物一つのみで、女性のハンドバッグや土産物の紙袋まで追加料金の対象になる。ケチ!
朝7時出発の便が10時半に遅れるとアナウンスがあり、結局9時半ごろリスボンを離陸した。一応お詫びの4.50€のミール券を貰った。この会社の機内食は有料なので、少しばかり得をしたような?
昼頃にポンタ・デルガーダの空港に着くと「ポエムの家」のオーナー、ルイスさんが迎えに来た。時間の都合がつけば、送迎や観光案内もしてくれるので、帰りも空港までのトランスファーを頼んだ。北回りの幹線道路をドライブしながらフルナスに到着し、早速宿の近くのレストラン「トニーズ」でフルナス名物温泉コジードを久々に食べることができた。
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3種の肉と芋+2種類の腸詰とキャベツ+人参+ご飯で限界の満腹度

昼食の後は、テーラ・ノストラ・ガーデンを散歩した。広大な庭には湯気の立つ小川が流れ、水辺には里芋が群生し、地面は苔で覆われ、赤や白の椿が咲き、銀杏が黄金色の落葉を歩道に敷き詰め、杉の巨木の下には季節外れのツツジもぽちぽち咲くかたわら、ジュラシックパークに出てきそうな巨大なシダが大きく葉っぱを広げ、見慣れないトロピカルな植物もありといった具合の、日本とヨーロッパと古生代の混じったなんとも不思議な庭園である。
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庭園の里芋の収穫。煮物が食べたい!

庭園の後は、天然温泉の「ポッサ・ダ・ドナ・ベイジャ」に出かけた。勢いよく流れる赤茶色の小川を挟んで、5つの異なった深さと温度の露天風呂があり、地元民や外国人のカップルや家族連れがまったりと湯に浸っている。水温は28度の一つを除き、他は39度の熱くもぬるくもなく、長時間浸れる湯加減である。お湯から出る度に冷たい空気に当たっては体を縮めたが、5つの浴槽を一巡りした頃には、身体がぽかぽか温まっていた。


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by caldoverde | 2016-12-25 20:56 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
テーラ・ノストラ・ガーデンホテルに隣接する素晴らしい庭園
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 食べ物以外のアソーレスの大きな魅力といったら、何と言っても温泉だ。ポンタ・デルガーダからバスで1時間40分ほどのフルナスという町には、そばにカルデラ湖があり、湖のほとりに湧く温泉の熱を利用して島民が鍋物を作ることで有名だ。また温泉の水を利用した大きなプールと素晴らしい庭園を持つテーラ・ノストラ・ガーデンホテルも名高い。普段はなるだけ安いペンションに泊まる私もたまには贅沢しようと、このテーラ・ノストラ・ガーデンホテルに1泊することにした。このために15年位前に買って一度も公衆の面前で着たことのないセパレーツの水着も用意してきた。

 早めにホテルに着いたので、荷物を預け、湖に行く道を聞き、散歩に出かけた。日本の温泉町のように町中には小さな川がいくつか流れ、中には黄褐色の水の川もある。町のメインストリートから外れて、農道に入ると牛や畑の世話をしている人を2、3人見かけた以外はほとんど人も車も来ない。途中から舗装されていない細い山道に入り、草木の雫に足を湿らせながら坂道を登って急に下り坂になると、下のほうには車が往来する舗装道路がある。降りると目の前に青緑色の湖が広がっていた。

 ところが何だか雰囲気が物々しい。ヨーロッパやポルトガルの観光客が次々レンタカーや自分の車でやって来るが、一般車や観光客に匹敵する数のパトカーや警官がいる。消防車まで出動している。白い湯気の立つ温泉鍋の現場のはるか手前でロープが張られ、通行が規制されている。殺人事件でもあったのだろうか。よく見ると、反射板とかカメラを支えている人たちがいる。映画かTVの撮影が行われているらしい。事情のわからない私やフランス人、ドイツ人観光客に対し、お巡りさんが3〜4人ずつロープのそばにやって来ては、見て宜しいと許可を与えている。私はポルトガル人の俳優はどうでもいい。温泉で鍋物を作るところが見たくて道なき道を苦労して歩いてきたのに、目前で目的は達成できなかった。せめて来た記念にフルナスの名前入りの温泉饅頭とか温泉卵でも買ってやろうと思ったが、移動販売車のカフェにあるのはポルトガルのどこのスーパーにもあるメーカーもののアイス、チョコ、ドーナツばかり。それにしてもポルトガル人は商売気がない。

 移動販売車の止まっている辺りには穴のたくさん開いている泥のくぼみがあって、そこからも湯気が立っている。近づくと硫黄のにおいがし、地面に触ると暖かい。耳を澄ますとごうごうと水音がする。これは温泉だ!懐かしさで胸いっぱいになった。湖の周辺にはレストランもなさそうなので、今度は車の通る道を歩いて町まで戻った。曲がりくねった山道の両側にはアジサイの花が沢山咲いていてとても綺麗だ。しかし前後から車がビュンビュンやって来る。歩道がないのでその度に体をアジサイの植え込みに傾けなくてはいけない。人気のない農道と車の来る街道とどっちが安全かというと何とも言えない。

 2キロほど歩いて町に着くと、レストランの看板を見つけた。名前は Aguas Quentes(お湯)。いかにも温泉鍋がありそうな店名なので早速入った。開店したばかりの正午頃だったせいか、お客は私のほかに1組のカップルのみ。メニューを開くと、ビンゴ!Cozido nas Caldeiras(温泉鍋) 1人前と2人前がある。1人前11ユーロとハウスワインの赤を頼んだ。腹を膨らまさないようにパンには手を付けず我慢した。そのうちにどんどん家族連れがやってきた。ポルトガル人も多い。有名な店なのかもしれない。
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 ステンレスの楕円皿に盛られたコジードがやって来た。思わず絶句した。これが一人前だろうか。全部食べろというのは拷問に等しい。別皿にご飯も付いている。小山となっている煮物を隠すかのように大きな青菜が覆いかぶさって、それを除けると下からソーセージや牛・豚・鶏肉の塊、大きなジャガイモ、半分に切ったキャベツ、人参がごろごろ出てくる。私は腸詰が好きなのでまず赤いチョリソから始めた。ピリッと辛くて、うまい!この鮮やかな色はアソーレス料理によく使われる大きな赤い唐辛子の色なのだろう。次に材料のうまみをたっぷり吸ったキャベツ。野菜の甘みと肉のコク、ソーセージに使われている香辛料が渾然一体となって、複雑なハーモニーを醸し出す。コラーゲンたっぷりのぷるんぷるんした豚足。ねっとりしたジャガイモ、柔らかい骨付き若鶏モモ肉、スパイシーなブラッドソーセージ、甘い人参、パサパサになるまで茹でられた牛肉、ウニャッとした腸詰ファリニェイラを交互に切っては食べ、食べてはワインを飲み、と口と胃は休む暇がない。5分の3は食べたところでギブアップ。牛のように胃が4つあれば全部平らげたかったところだ。リスボンで食べるコジードもうまいけれど、温泉の熱でじっくり7時間かけて調理するというフルナスの温泉コジードは今まで食べたコジードの中で最も美味だった。

 その後が大変だった。満腹の状態ではプールに入れないので、庭園を散歩して少しでもカロリーの消化に努めたが、胃がもたれて苦しかった。ホテルの宿泊客が食事を取り始める8時ごろようやく腹も落ちついてきたので、そろそろプールに行こうと水着を着てみたが、鏡に映った己の姿にショックを受けた。しかしプールにはナイスバデーの若い女性もいるけど、温泉だから爺婆も多いので、その中間(からやや爺婆寄り)の私などに誰も気に止めることはないだろうと信じつつ、水着デビューを果たした。直径が30メートルもあろうかと思われる円形のプールはオレンジジュースと濃い緑茶を混ぜたような不気味な色の水をたたえ、プールの壁にはぬるっとした藻が生えていて気持ち悪いが、なんとなく効きそうな湯である。しかも透明度がほとんどないので湯に入っている間、体は見えない。水着姿を恥じる必要は無かった。滝に打たれたり歩いたり泳いだりしながら1時間半ほど久々の温泉を楽しんだ。
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by caldoverde | 2007-08-16 06:20 | ポルトガルの旅 | Comments(2)