ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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サン・マテウス港とブラジル山


宿の台所には調理器具が揃っているが、付近に食材を売る店はないし、プールのバールにはハンバーガーの類いしかない。メニューにカサガイが載っていたが、その日は仕入れがなかった。まともな食事は昨日のツアーで食べたアルカトラという郷土料理だけで、後は宿のサービスのクラッカーやリンゴ、飲むヨーグルトなどでしのいだ。という訳で食費が大いに浮いたので、少し贅沢しようと、島で最も良いと評判のシーフードレストランで昼食をとることにした。


10年前にテルセイラ島に来た時は、路線バスに乗りサン・マテウスという漁港で降りて、バス停前のタスカ・デ・サン・マテウスという居酒屋でカサガイとフジツボとウツボを食べた。フジツボは貝の中に汁を残したまま下げられてしまった。隣の客は貝の肉を掻き出した貝殻を口に持っていき汁を旨そうに飲み干していた。すごく損したような気持ちになった。何とかリベンジしたいとずーっと思っていたが、とうとうその日がやって来た!

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前菜のフレッシュ・チーズにはトウガラシペーストが付く


レストラン・ベイラ・マール(海辺)は10年前行った居酒屋のすぐ近くにあり、その名の通り漁港が真ん前で、テラスからブラジル山も見える。店内には様々な種類の魚が並び、どれも新鮮で美味しそうだ。メインは後からまた考えることにして、まずはフジツボとカサガイと白ワインを頼んだ。海藻に覆われたフジツボが計6個に、釣り針のようなものが添えてある。これで貝の中身を掻き出すのだ。身は小さいが 、海の旨味が濃縮されたような味で、牡蠣を海のミルクと呼ぶならば、フジツボは海のエヴァミルクと言ってもいいだろう。もちろん身を食べた後は汁を飲むのも忘れなかった。居酒屋よりもやや高級な店なので、一応人目を気にしながら。焼き網に載せられてじゅうじゅう音を立てるカサガイも最高だ。バターで焼いてレモンをかけて熱々のところに冷たいワインを流し込み口の中を冷ます。コリコリした歯ごたえと磯の香りがなんとも言えない。これも貝汁まできれいにいただく。

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前菜が終わり、メインを何にするか決めようと魚のケースや生け簀を見に行った。生け簀にはロブスターとぺちゃんこに潰れたような海老が入っている。ロブスターの値段を聞くとキロ当たり50€でリスボンよりずっと安い。一瞬心が動いたがぺちゃんこの海老の名前と値段も聞いてみた。カヴァコという海老で本土ではブルシャ(魔女)、日本ではセミエビと呼ばれている種類らしい。

ロブスターよりも美味で値段も60€と高い。しかしロブスターよりも小さいのでそれほど高くはつかないだろうと考え、前の大統領と同じ名前の海老を注文した。茹でるのに30分かかると言われた。港の景色を眺め白ワインを飲みながら大統領の到着を待った。


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縦に真っ二つに割られたカヴァコは、赤い殻から真っ白な身をぷりっと弾き出している。シャコエビ程度しか肉がないだろうと思っていたら、結構食べ応えがある。大味なロブスターよりも甘みと弾力がある。赤いソースが添えてあり、これをかけて食べても旨いが、シンプルに茹でたままのを食べてもいける。ソースはオリーブオイルの中にカヴァコの細かい身、ゆで卵、パセリ、パプリカなどを混ぜたもので、カリッと焼いたパンにのせて食べると、海老の本体よりも美味しいと思う私は貧乏性だ。お勘定はしめて76€、リスボンでは100€は下らないはずだ。またテルセイラ島に来たら、毎日通ってしまいそうだ、やばい…。アソーレスでは大統領と呼ばれる魔女に魔法をかけられてしまった。


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# by caldoverde | 2018-07-13 09:33 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
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野山に咲く✖︎ベラドンナ◎ジギタリス

朝9時に宿泊先に迎えに来たのは、三菱の四駆車と坊主頭に髭、唇にピアスという悪役プロレスラーの様な風貌ながら、最近生まれたばかりのお嬢さんにメロメロの優しいお父さんであるガイドドライバーのギーさん。アソーレスは英語圏のお客さんが多く、特にテルセイラ島は米軍基地があるので、宿のオーナーもギーさんも英語の方が得意のようだ。というか、アソーレスのポルトガル語は訛りが強くて正直なところ半分も聴き取れなかった。しかし火山に関する基礎知識があれば、どの言語でも、あるいは外国語が全く苦手でも十分楽しめると思う。


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テルセイラ島は緑のパッチワークの島と言われる。たしかに飛行機の窓から見る景色は、つぎはぎの敷物を広げた様な牧場が広がっている。しかしそれはどの島でも見られる珍しくも何ともない風景だろうと思っていたら、その偏見は完全に覆された。沿岸からも良く見える平らに広がったクメ山地は、実は世界だかヨーロッパだかで2番目に大きな火山噴火口(クレーター)で直径15kmもあり、展望台は海抜545メートル、大した高さではないがそこから見下ろす風景は圧巻だ。広大な盆地の中の数百あるいはもっと沢山の、石垣で区切られた四角い牧場が視界いっぱい広がり、ゴマ粒の様な乳牛が点々と見える。まさに巨大なパッチワークだ。クレーターの中はさらに凹凸があり、太古の昔起こった巨大噴火による火山灰が噴火口を塞いだ後も、マグマは出口を求めて地面を持ち上げた、そんな隆起があちこちに見られる。テルセイラ島の第一の景観はどこかと問われたら、世界遺産のアングラ・ド・エロイズムの旧市街よりも、私はこのクメ山地を挙げる。


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海側に目を向ければ、割れた小火山のカブラス(雌山羊)島と、アングラの町と繋がった半島状のブラジル山が見える。カブラス島は自然保護区で船で近づく事は出来るが、上陸は禁止されている。鳥や魚が豊富で、バードウオッチングやダイビングに格好の場所だ。ブラジル山は深い森に覆われた小さな山で、やはり自然公園になっているが、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパの富が集まるアングラの町を敵国や海賊から守るための城塞の役割も果たしてきた。


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島の主要産業はやはり酪農。翌日は別の旅行社の主催する牧場ツアーに申し込もうかと考えていたが、ダメ元でチーズ工場を見たいとギーさんに言ったところ、立ち寄ってくれた。テルセイラ島で最古のチーズ工場 Vaquinha ではガラス越しにチーズの製造過程を見学でき、製品の試食もできる。リスボンではなかなか見られないちょっと違うテルセイラチーズを3種類買った。


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ツアーにはローカルなレストランで郷土料理のランチが付いている。島の西端のセレッタという集落にあるTi Choaは、トリップアドバイザーなどでも良い評価を受けている店だ。10年前に来た時も食べたテルセイラ風ビーフシチューのアルカトラを選んだ。素焼きの器にほろほろ崩れるほど柔らかく煮込んだ牛肉をご飯やジャガイモと共に食べると、実に美味しい。陶器のカラフでサービスされたワインはテルセイラ島名産のビスコイトの白。アソーレスのワインは断然白が美味しく、特にビスコイトの最高級ワインは30€以上もするが、ハウスワインでも十分に美味しい。デザートはアソーレスならではのカッテージチーズ(酢で固めたミルクに甘味を加えたもの)。


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日本の三大美林にも匹敵するような杉の巨木の並ぶ道をドライブする。アソーレスの杉は日本杉と呼ばれて日本から輸入された外来植物である。これだけ大きく育つのに100年もかかりそうだが実は30年ぐらいでこんなに大きくなる。アソーレスは湿気が多く寒暖の差が少ないので植物の生育が早く、熱帯から寒帯の幅広い植生が見られる。本来は独特の照葉樹林に覆われていたが、大航海時代に入植が始まると瞬く間に家畜や農業作物が増殖し、今や固有植物は絶滅の危機に瀕している。山道を走るとアソーレス山鳩が飛び立つ。この鳥は島固有の植物を増やすのに貢献しているそうだ。やや小さめのタカの様な鳥はミリャフレと呼ばれ、これがアソーレス(鷹)諸島の名前の由来になったと思われがちだが、イタリア人が青い(アスーリ)島々と呼んだのが語源だそうだ。でもアソーレスの旗に描かれているのはこの鳥がモデルと思われる。


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午後は2つの洞窟を見学する。ひとつはナタル(クリスマス)洞窟、もう一つはカルヴァン(石炭)洞窟。ナタル洞窟は溶岩が凄い勢いで地中を走ってできたトンネルだそうだ。黒くゴツゴツと尖った溶岩が地面に広がり、壁は溶岩の流れた跡が残っている。比較的自然の洞窟の姿そのままに保存してある。天井が低く頭をぶつける高さになる場所もあるので、ヘルメットを着用する。また靴はビーサンやヒールは避け、底の厚い足をすっぽり覆うタイプがお勧め。


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カルヴァン洞窟は世界にも稀な縦に開いたドーム型洞窟だ。火山が爆発すると地中からガスが噴出し、山のてっぺんが吹き飛び噴火口ができるが、完全に吹っ飛ばず、ドーム状の屋根を形成したのが、このカルヴァン洞窟だそうだ。いくつもの部屋があり、天井は丸いドームになっている。底は雨水の溜まった池がある。雨の少ない時期には干上がってしまう。こちらは階段が設けられ、ヘルメットなしでもヒールでも歩けるようになっているが、かなりの深さだ。


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最後は島の北部のクアトロ・リベイラスの展望台から素晴らしい海岸線を眺めた。ギーさんはここが一番好きな景観だそうだ。今回はワイナリーのあるビスコイト地区は以前も行ったのでカットしたが、初めての方には、特にワイン好きの方には必見の場所だ。1日で島の自然モニュメントをほぼ全て見られて、ランチも付くこのツアーは95€とかなりお得。チップ込みで100€払った。


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箒の様な植物はエリカ・アゾリアというアソーレス諸島の固有種

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# by caldoverde | 2018-07-08 17:00 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
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世界遺産の町、アングラ・ド・エロイズモは新世界と旧世界を結ぶ要衝だった


昔はヨーロッパの主都市並みに高くついていたアソーレス諸島の旅も、最近はイージージェット(既に撤退)やライアンエアーの乗り入れにより、SATA(アソーレス航空)とTAP(ポルトガル航空)の寡占状態の時代に比べると随分航空券の値段が安くなった。またしょぼいペンションがリスボンの3つ星ホテルの値段とほぼ同じだったのが、今ではbooking.comやAirbnbのような宿泊施設紹介サイトによって選択の幅がかなり広がった。アソーレス諸島ももはや秘境ではなく、気軽に行ける所になった。嬉しいような、寂しいような…

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本当はSATAの鯨飛行機に乗りたかった


今回は3泊4日(正味2日)でテルセイラ島に行ったのだが、実は昨年末にフローレス島とコルヴォ島を旅行した時に、トランジットで行き帰り数時間ほどテルセイラ島に立ち寄ったし、既に10年前、2度目のアソーレス旅行としてテルセイラ島を訪れていた。なぜまた?昨年のわずかなトランジット時間を利用してアングラの街を歩いている内に、島の中心部にあるアルガール・ド・カルバォン洞窟の存在を知った。アソーレスの訪問も回を重ねるうちに、火山の造った不思議な景観に心惹かれるようになり、教会や宮殿よりもそちらの方が面白く感じられるようになった。そんな訳で今回は洞窟を中心に島の内部に重点を置いた観光をしようと考えた。いつもは空港で拾ったタクシーに適当に観光コースを回ってくれるように頼んでいたのだが、今回はネットで見つけた個人ツアーを請け負う会社の「ジープで周る火山と自然ツアー」に申し込んだ。値段は95€で宿泊先までの送迎と昼食付きで、約8時間。同じようなツアーを組む会社は他にもあるが、催行人数は2人からのところが多く、参加者一人でも出してくれるこの会社を選んだ。


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テルセイラ島に着いたのは午後4時過ぎで、Airbnbで見つけた宿の主人のフランシスコさんが空港に迎えに来てくれた。宿は空港から車で15分ほどの、村はずれの小さな家だ。廃墟になっていたフランシスコさんの親が建てた家を改装し、AL(Alojamento Local 民宿)にし、Airbnbにも登録したそうだ。面積は60平米ちょっとの小さな建物で、昭和の文化住宅くらいの大きさだが、意外と広いロフトがあって、小さな子供2人を持つ夫婦などは余裕で泊まれる。私は一人で貸切だ。


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芝生の広い庭があり、向かいは牛が数頭いる牧場、家の前の通りは直ぐに行き止まりで、その奥には鬱蒼とした森の中に黒い石垣で区切られた極小の畑があって、ちょっとミステリアスな雰囲気。少し歩けば黒い磯の海岸に出て、海岸沿いに歩くと突き当たりにプールとスナックがあり、村人たちが一杯やっている。付近には他に飲食店らしいものはない。滅多に車も来ないし、窓は二重ガラスになっていて静かである。Casa Rustica(田舎風の家)という名前の通り、室内は昔ながらのダサ可愛いインテリアで、オーナーの郷愁と愛がひしひしと感じられる。


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# by caldoverde | 2018-07-05 02:42 | ポルトガルの旅 | Comments(0)

ズッキーニの詰め物

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小さな鰯はペティンガと呼ばれる


6月13日の聖アントニオの日のみならず、6月は鰯を食べる月だ。でももう鰯はいい。この前小鰯を10匹食べたし、どこに行っても鰯を焼く臭いで辟易してしまう。何か違うものを食べたいけど、特にこれと言ったものがなければやっぱり鰯かなあと思いながら、近所のマデイラ料理店に入った。ここなら鰯ではない何かがあるはずだ。案の定今日のお勧めに「ズッキーニの詰め物」というメニューがあった。外食でサラダ以外の野菜を食べる機会が少なく、初めて見るメニューでもあるので興味がわきこれを注文した。出て来たものは、ほぼ予想通りの、ズッキーニの上にミートソースとチーズをのせて焼いたものだった。イタリア料理なのか、ポルトガル料理にも存在するのか、マデイラ島の郷土料理なのか、はたまたシェフのオリジナルなのかは判らないが、味も予想通りで満足した。予想と違ったのは、ズッキーニを縦に二分して種のある部分を少しくり抜いてミートソースをのせている点。考えてみるとこれが一番簡単なのだが、私は輪切りにしたものの中央を空洞にしてそこに詰め物をするのかなあと漠然と考えていたので、茄子田楽みたいなものが来て一瞬何だこれは?とフリーズしてしまった。


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ズッキーニのシャキシャキ感がうまい

ミートソースさえ何とかすれば簡単で美味しくできるはずだ。今度は自分で作ってみようと思いながらモリモリ食べていたら、視線を感じた。目をあげると斜め向かいのテーブルのフランス人らしき3人連れの中の女性が私の方を見ていた。よほどズッキーニが美味そうに見えたのか、よほど私が美味そうに食べていたのか。私も彼らが何を食べるのか気になった。やがて給仕が3つの小鍋を向かいのテーブルに運んで来た。給仕は一つの鍋を開け、チラと客に中身を見せた後、両手に持ったスプーンで中身をわしわしとかき回し始めた。パンをドロドロにしたアソルダ(パン粥)で、生卵が落としてあり、それを食べる直前に混ぜ合わせるのだ。よく混ざったそれは、初めての人にとっては決して美しくはない。せめて卵を崩さずに半熟になるまでおいた方がよほど美的に見えると思うのだが。3人組は全員アソルダを注文していた。うち一人はかき混ぜなくてよいと給仕にサービスを断った。私と同じ感覚の持ち主かもしれない。そんなにアソルダ好きかい?まあ美味いけど、3人別々のものを頼んで皆で分けて食べたらもっと楽しいのに、と思うのは大きなお世話だろうか。

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直接関係ないけどリスボンの近くのケルース宮殿そばの店のフランセジーニャ(フランス娘)

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# by caldoverde | 2018-06-14 07:33 | 野菜・果物・キノコ | Comments(1)

黄金海岸のバカンス 4

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今年もアルモグラーヴェ海岸に花見に出かけた。たまたま1泊25ユーロの格安の民泊を見つけたので、2泊3日で花の写真を撮ったり、砂浜でぼーっとしようと思ったのだが、結局、1年分の運動不足を解消するようなハードな旅になった。今回はアルモグラーヴェに直行せず、リスボンから9時半のシーネス行きのバスでサント・アンドレで降り、そこで数時間過ごしてから目的地に向かうことにした。サント・アンドレにも美しいビーチやラグーン(潟湖)があり、鳥が多いということで、入手したばかりの50倍望遠のカメラで撮影しようと張り切って降りた。今度も年に数回しか出番のない愛車ブロンプトンと一緒である。



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バスが停車するのは、ビーチから数キロ離れた、ヴィラ・ノヴァ(新村)・デ・サント・アンドレという町で、新しいアパートが立ち並び、大きいスーパーが4つもある。着いたのが昼時だったので、その辺で立ち話をしているおじさんに、良いレストランはないかと尋ねたら、「インターマルシェに行け」と的外れなアドバイスを受けた。インターマルシェはポルトガルのどこにでもある大手スーパーだ。事前にラグーンの近くに評判の高いレストランがあることは調査済みだったが、残念ながらその日は定休日だった。季節には鰻料理も出るらしいのだが…という訳で、バスターミナル近くの店で、鰻に似たところもある鮫の料理を食べた。



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食後はビーチまでサイクリング。人も車もほとんど通らず坂も少ない快適な道を、時々立ち止まっては道端に咲く草花や、野原の鳥を観察しながら30分ほどペダルを漕いだ。サント・アンドレ海岸は淡いベージュの砂とサファイアブルーの水に反射する白い光が美しい。5月の風がひんやりと涼しくて爽快だ。


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バスの窓からオレンジのような夕陽が刻々と落ちるのを見ながらアルモグラーヴェに着いた。予約した宿は昨年泊まった民泊の隣の、やはり普通の家で、やはり親切なおばあちゃんが私の到着を外に出て待っていてくれた。今は20~30代の若者がインターネットを使い祖父母の家をどんどん民泊化しているようだ。


アルモグラーヴェ海岸に沿って設けられた道の片側は、断崖の下にサラサラのビーチと黒いギザギザの岩礁が交互に現れる迫力満点の景観、片側は月か火星のような砂丘が広がる神秘的な光景で、海岸線は春から初夏にかけて色とりどりの花で一杯の庭園になる。潮風に吹きさられて養分もない砂に根を張って生きる植物はしたたかで逞しいに違いないが、その花は小さく愛らしいものが多い。


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アルモグラーヴェにもついに去年の夏、観光案内所ができた。そこで仕入れた情報を元に、翌日は9kmほど離れたカヴァリェイロという村までサイクリングし、そこで昼食をとった。またまた村人に良いレストランはあるかと尋ねると、幸いインターマルシェはまだ進出していなかったようで、観光案内所や宿の女の子も推した店を指した。アレンテージョ料理の定番中の定番、アレンテージョ風ポークは期待に違わず良い味だった。


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近くには灯台のある岬があり、周辺の景観がまた絶景で、バックパックにウォーキングサンダル姿の旅行者が何組も訪れていた。こんな小さな村が結構欧米のハイキング愛好者の間では有名らしい。そういえば店のメニューにも英語とドイツ語のページがあった。アレンテージョ地方の海岸は国立公園に指定され、素晴らしい景観が満喫できるハイキングコースを紹介する旅行案内サイトもある。http://en.rotavicentina.com/go.html  

ポルトガル旅行というと、世界遺産巡りが強調されがちだが、歴史や宗教施設に興味が無い方には自然の美しさが堪能できるアソーレス諸島と、このアレンテージョ・コーストがお勧めだ。 


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危ないので真似しないで下さい↑



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# by caldoverde | 2018-05-20 07:58 | ポルトガルの旅 | Comments(3)