ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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金のミュージアム

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この紋所が目に入らぬか!はは〜 一両金貨


急に涼しくなって秋の気配の感じられる9月、最近オープンした二つの新しいミュージアムに行ってみた。どちらも「金」に関するミュージアムだ。

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一つはコメルシオ広場そばの旧市庁舎の隣にある古い教会を改装した「お金の博物館」で、その名の通り、古代ギリシャからユーロまでの歴史的な貨幣や鋳造プロセスなどを紹介したミュージアム。入場は無料だが、お金そのものが展示されているせいか、入り口で持ち物をチェックされる。最初の展示物は本物(だと思う)の金塊で、アメリカの銀行の堅固極まりない金庫に入った状態を再現し、実際に触ることができる。持ち上げる事ができたら、もっとありがたみが増すと思う。


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カエサル アウグスト と読める。かっこいい。


上の階には歴史的コインの展示室がある。古代ギリシャやローマのコインはグルベンキャン美術館にも良いコレクションがあるが、ポルトガルの古い貨幣は意外と見る機会が少ない。昔の硬貨や紙幣には王様の肖像が入り、中にはなんとか威厳を保ちながらも残念な特徴が良く表れているものもあって面白い。


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19世紀の王様ジョアン6世。かっこわるい…

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19世紀の王様ペドロ5世。イケメン!


ミュージアムの中にはカフェもありコーヒーとケーキで一服した。お盆はプラスチックではなく金属製、中に敷いた紙は詩人のフェルナンド・ペッソーアの肖像入りのポルトガル・エスクード紙幣を拡大したもので、お洒落である。

 

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ニワトリ、イワシと並ぶポルトガルのキャラクター




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黒地に金で描かれた3人の女性の看板が目印


次にシアードのサン・カルロス劇場の広場に面した、金細工のミュージアム「フィリグラーナ博物館」を訪ねた。広場に面したウィンドウには巨大なペンダントが飾られた店舗の中に、制作過程や昔の工房の様子、北部の民族衣装などを展示するスペースを併設したものだ。ここも無料で見学できる。ポルトガルの伝統工芸品をより多くの人々に知ってほしい、もっと気軽に使って欲しいという願いを込めたミュージアム。確かに宝飾店だと敷居が高いが、ここなら散歩がてらふらっと入れて、しかもそれほど高価でない銀や金メッキのものもある。私のような冷やかしの客にも丁寧な接客だ。



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このようにジャラジャラ着けるのが正式



実はちょっと気になる商品があるので見に来たのであった。このミュージアムのオリジナル商品「リスボンの心」は伝統的なデザインのハートの中に市電、石畳、ポルトガルギター、4月25日橋、イワシとリスボンのシンボルが満載されて、とても可愛い。年末調整の税金の戻りが振り込まれていたら買ったかもしれない。しかし毎年7月に支払いがあるのだが今年は未だ来ない。これを当て込んで夏を過ごすのに、今年の夏は悲惨なことになった。今回は目の保養だけだ。


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サイズは色々、金メッキされた銀製



ミュージアムのすぐそばにはミシュランの星付きレストラン「ベルカント」があり、ついでにメニューをチラ見すると、アラカルトの前菜35€、メイン48€、デザート17€、と素晴らしいお値段であった。メッキではない本物の金のアクセサリーを着けて行くに相応しい店だ。丁度昼時だったのでお腹も空いてきた。私にぴったりの近所のカフェで5€の定食を食べた。


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モンゴウイカの庭師風 (ジャルディネイラ・デ・ショコ)

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# by caldoverde | 2018-09-06 01:26 | カルチャー | Comments(0)

シェフ・キコのポケもん

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弱冠39歳です

ある暑い日、友人のmoreiaさんに誘われてデパートのエル・コルテ・イングレスにビールを飲みに行った。地下の大衆的なフードコートで一杯1.5€を想定していたが、待ち合わせ場所は最近オープンした7階のグルメコーナーの中にある、有名シェフ、キコ氏の店だった。こういう機会でないとまず自分では行かない種類の店である。moreia さんによると、キコ氏は他にも数軒店を持ち、どれもすごーく美味しいのだそうだ。エル・コルテの店はポケ(ポキ)というハワイ風生魚料理をメインにした店である。


キコ氏はパリのコルドン・ブルーで勉強し、世界中の有名店で修行し、世界中を食べ歩き、TVの料理番組にも出演したポルトガルの若手シェフで、何冊か本も出している。めくってみるとカラフルで美しく繊細でとても美味しそうな料理ばかりだが、自分で作るのは到底無理だ。彼の料理はそれぞれの材料の特徴が際立って、一口食べる毎に驚きがあるとのmoreiaさんの評である。


メニューを見ると、一つ一つの料理の名前がやたら長い。暑くて頭がぼうっとしていたので解読をやめてボーイさんがこれはムイトボンと勧めるもの2品と黒ビールを頼んだ。一つは要約するとタコキムチ、もう一つはハンバーガーだ。


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食べ散らかした後ですみません。甘くないカステラはもう無くなっていました。


お通しに甘くないカステラのようなパンと薄い胡麻せんべいに、キムチ入りバター?と卵黄だけの酸っぱくないマヨネーズのようなものが出て来た。どれも濃厚な味と舌触りだ。



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野菜はシャキシャキ、タコはソフト、何だかよく分からない緑のピュレは滑らか


タコキムチにはタコばかりではなく新鮮な野菜と緑色のピュレがついていて、とても上品だ。上品過ぎて、キムチのパンチが足りない。よく見るとタコにポツポツ赤い唐辛子の破片が見られるので、これがキムチソースなのだろう。moreiaさんはキムチの味がしないとボーイにクレームを付けていたが、私達が慣れ親しんでいるキムチの発酵臭と辛さはポルトガル人にはおそらく耐えられない。まあ、ポルトガル人の味覚に合わせたアレンジなのだろう。でもタコキムチだと思わず、タコサラダと考えると、かなり上等のものだ。



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断面図は強烈な色彩

ハンバーガーの方はmoreiaさんは一口食べて「美味い!」と合格点を得た。まるでマカロンのように綺麗な緑色のバンズは抹茶のパンだ。その間に赤紫のビーツの千切りやら何やら色々な野菜と脂肪たっぷりの黒豚肉が挟んであって、彩りが非常に美しい。一つ一つの材料は厳選され細心の注意を払い調理され一つのまとまりに統合されている。その辺のハンバーガーとは大違いの手間暇かかったものだ。ビールよりもアールグレイの紅茶で頂いた方が似合いそうだ。


このような手の込んだ料理を食べるのは久し振りだ。しかしお金に余裕があったら食べに来るかと言うと…私はタコのぶつ切りに市販の白菜キムチを混ぜたのを白飯にのせてガツガツ食べたり、カンポ・デ・オリークの「レイタリア・コンデスターヴェル」のプレーゴやポルトの「コンガ」のビファナの方が好きかも…貧乏性でスミマセン。


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カンポ・デ・オリークいち美味いレイタリア・コンデスターヴェルのプレーゴ

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ポルトいち美味いコンガのビファナ

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# by caldoverde | 2018-08-25 18:47 | 話題の店 | Comments(1)
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サン・マテウス港とブラジル山


宿の台所には調理器具が揃っているが、付近に食材を売る店はないし、プールのバールにはハンバーガーの類いしかない。メニューにカサガイが載っていたが、その日は仕入れがなかった。まともな食事は昨日のツアーで食べたアルカトラという郷土料理だけで、後は宿のサービスのクラッカーやリンゴ、飲むヨーグルトなどでしのいだ。という訳で食費が大いに浮いたので、少し贅沢しようと、島で最も良いと評判のシーフードレストランで昼食をとることにした。


10年前にテルセイラ島に来た時は、路線バスに乗りサン・マテウスという漁港で降りて、バス停前のタスカ・デ・サン・マテウスという居酒屋でカサガイとフジツボとウツボを食べた。フジツボは貝の中に汁を残したまま下げられてしまった。隣の客は貝の肉を掻き出した貝殻を口に持っていき汁を旨そうに飲み干していた。すごく損したような気持ちになった。何とかリベンジしたいとずーっと思っていたが、とうとうその日がやって来た!

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前菜のフレッシュ・チーズにはトウガラシペーストが付く


レストラン・ベイラ・マール(海辺)は10年前行った居酒屋のすぐ近くにあり、その名の通り漁港が真ん前で、テラスからブラジル山も見える。店内には様々な種類の魚が並び、どれも新鮮で美味しそうだ。メインは後からまた考えることにして、まずはフジツボとカサガイと白ワインを頼んだ。海藻に覆われたフジツボが計6個に、釣り針のようなものが添えてある。これで貝の中身を掻き出すのだ。身は小さいが 、海の旨味が濃縮されたような味で、牡蠣を海のミルクと呼ぶならば、フジツボは海のエヴァミルクと言ってもいいだろう。もちろん身を食べた後は汁を飲むのも忘れなかった。居酒屋よりもやや高級な店なので、一応人目を気にしながら。焼き網に載せられてじゅうじゅう音を立てるカサガイも最高だ。バターで焼いてレモンをかけて熱々のところに冷たいワインを流し込み口の中を冷ます。コリコリした歯ごたえと磯の香りがなんとも言えない。これも貝汁まできれいにいただく。

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前菜が終わり、メインを何にするか決めようと魚のケースや生け簀を見に行った。生け簀にはロブスターとぺちゃんこに潰れたような海老が入っている。ロブスターの値段を聞くとキロ当たり50€でリスボンよりずっと安い。一瞬心が動いたがぺちゃんこの海老の名前と値段も聞いてみた。カヴァコという海老で本土ではブルシャ(魔女)、日本ではセミエビと呼ばれている種類らしい。

ロブスターよりも美味で値段も60€と高い。しかしロブスターよりも小さいのでそれほど高くはつかないだろうと考え、前の大統領と同じ名前の海老を注文した。茹でるのに30分かかると言われた。港の景色を眺め白ワインを飲みながら大統領の到着を待った。


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縦に真っ二つに割られたカヴァコは、赤い殻から真っ白な身をぷりっと弾き出している。シャコエビ程度しか肉がないだろうと思っていたら、結構食べ応えがある。大味なロブスターよりも甘みと弾力がある。赤いソースが添えてあり、これをかけて食べても旨いが、シンプルに茹でたままのを食べてもいける。ソースはオリーブオイルの中にカヴァコの細かい身、ゆで卵、パセリ、パプリカなどを混ぜたもので、カリッと焼いたパンにのせて食べると、海老の本体よりも美味しいと思う私は貧乏性だ。お勘定はしめて76€、リスボンでは100€は下らないはずだ。またテルセイラ島に来たら、毎日通ってしまいそうだ、やばい…。アソーレスでは大統領と呼ばれる魔女に魔法をかけられてしまった。


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# by caldoverde | 2018-07-13 09:33 | ポルトガルの旅 | Comments(4)
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野山に咲く✖︎ベラドンナ◎ジギタリス

朝9時に宿泊先に迎えに来たのは、三菱の四駆車と坊主頭に髭、唇にピアスという悪役プロレスラーの様な風貌ながら、最近生まれたばかりのお嬢さんにメロメロの優しいお父さんであるガイドドライバーのギーさん。アソーレスは英語圏のお客さんが多く、特にテルセイラ島は米軍基地があるので、宿のオーナーもギーさんも英語の方が得意のようだ。というか、アソーレスのポルトガル語は訛りが強くて正直なところ半分も聴き取れなかった。しかし火山に関する基礎知識があれば、どの言語でも、あるいは外国語が全く苦手でも十分楽しめると思う。


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テルセイラ島は緑のパッチワークの島と言われる。たしかに飛行機の窓から見る景色は、つぎはぎの敷物を広げた様な牧場が広がっている。しかしそれはどの島でも見られる珍しくも何ともない風景だろうと思っていたら、その偏見は完全に覆された。沿岸からも良く見える平らに広がったクメ山地は、実は世界だかヨーロッパだかで2番目に大きな火山噴火口(クレーター)で直径15kmもあり、展望台は海抜545メートル、大した高さではないがそこから見下ろす風景は圧巻だ。広大な盆地の中の数百あるいはもっと沢山の、石垣で区切られた四角い牧場が視界いっぱい広がり、ゴマ粒の様な乳牛が点々と見える。まさに巨大なパッチワークだ。クレーターの中はさらに凹凸があり、太古の昔起こった巨大噴火による火山灰が噴火口を塞いだ後も、マグマは出口を求めて地面を持ち上げた、そんな隆起があちこちに見られる。テルセイラ島の第一の景観はどこかと問われたら、世界遺産のアングラ・ド・エロイズムの旧市街よりも、私はこのクメ山地を挙げる。


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海側に目を向ければ、割れた小火山のカブラス(雌山羊)島と、アングラの町と繋がった半島状のブラジル山が見える。カブラス島は自然保護区で船で近づく事は出来るが、上陸は禁止されている。鳥や魚が豊富で、バードウオッチングやダイビングに格好の場所だ。ブラジル山は深い森に覆われた小さな山で、やはり自然公園になっているが、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパの富が集まるアングラの町を敵国や海賊から守るための城塞の役割も果たしてきた。


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島の主要産業はやはり酪農。翌日は別の旅行社の主催する牧場ツアーに申し込もうかと考えていたが、ダメ元でチーズ工場を見たいとギーさんに言ったところ、立ち寄ってくれた。テルセイラ島で最古のチーズ工場 Vaquinha ではガラス越しにチーズの製造過程を見学でき、製品の試食もできる。リスボンではなかなか見られないちょっと違うテルセイラチーズを3種類買った。


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ツアーにはローカルなレストランで郷土料理のランチが付いている。島の西端のセレッタという集落にあるTi Choaは、トリップアドバイザーなどでも良い評価を受けている店だ。10年前に来た時も食べたテルセイラ風ビーフシチューのアルカトラを選んだ。素焼きの器にほろほろ崩れるほど柔らかく煮込んだ牛肉をご飯やジャガイモと共に食べると、実に美味しい。陶器のカラフでサービスされたワインはテルセイラ島名産のビスコイトの白。アソーレスのワインは断然白が美味しく、特にビスコイトの最高級ワインは30€以上もするが、ハウスワインでも十分に美味しい。デザートはアソーレスならではのカッテージチーズ(酢で固めたミルクに甘味を加えたもの)。


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日本の三大美林にも匹敵するような杉の巨木の並ぶ道をドライブする。アソーレスの杉は日本杉と呼ばれて日本から輸入された外来植物である。これだけ大きく育つのに100年もかかりそうだが実は30年ぐらいでこんなに大きくなる。アソーレスは湿気が多く寒暖の差が少ないので植物の生育が早く、熱帯から寒帯の幅広い植生が見られる。本来は独特の照葉樹林に覆われていたが、大航海時代に入植が始まると瞬く間に家畜や農業作物が増殖し、今や固有植物は絶滅の危機に瀕している。山道を走るとアソーレス山鳩が飛び立つ。この鳥は島固有の植物を増やすのに貢献しているそうだ。やや小さめのタカの様な鳥はミリャフレと呼ばれ、これがアソーレス(鷹)諸島の名前の由来になったと思われがちだが、イタリア人が青い(アスーリ)島々と呼んだのが語源だそうだ。でもアソーレスの旗に描かれているのはこの鳥がモデルと思われる。


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午後は2つの洞窟を見学する。ひとつはナタル(クリスマス)洞窟、もう一つはカルヴァン(石炭)洞窟。ナタル洞窟は溶岩が凄い勢いで地中を走ってできたトンネルだそうだ。黒くゴツゴツと尖った溶岩が地面に広がり、壁は溶岩の流れた跡が残っている。比較的自然の洞窟の姿そのままに保存してある。天井が低く頭をぶつける高さになる場所もあるので、ヘルメットを着用する。また靴はビーサンやヒールは避け、底の厚い足をすっぽり覆うタイプがお勧め。


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カルヴァン洞窟は世界にも稀な縦に開いたドーム型洞窟だ。火山が爆発すると地中からガスが噴出し、山のてっぺんが吹き飛び噴火口ができるが、完全に吹っ飛ばず、ドーム状の屋根を形成したのが、このカルヴァン洞窟だそうだ。いくつもの部屋があり、天井は丸いドームになっている。底は雨水の溜まった池がある。雨の少ない時期には干上がってしまう。こちらは階段が設けられ、ヘルメットなしでもヒールでも歩けるようになっているが、かなりの深さだ。


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最後は島の北部のクアトロ・リベイラスの展望台から素晴らしい海岸線を眺めた。ギーさんはここが一番好きな景観だそうだ。今回はワイナリーのあるビスコイト地区は以前も行ったのでカットしたが、初めての方には、特にワイン好きの方には必見の場所だ。1日で島の自然モニュメントをほぼ全て見られて、ランチも付くこのツアーは95€とかなりお得。チップ込みで100€払った。


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箒の様な植物はエリカ・アゾリアというアソーレス諸島の固有種

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# by caldoverde | 2018-07-08 17:00 | ポルトガルの旅 | Comments(2)
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世界遺産の町、アングラ・ド・エロイズモは新世界と旧世界を結ぶ要衝だった


昔はヨーロッパの主都市並みに高くついていたアソーレス諸島の旅も、最近はイージージェット(既に撤退)やライアンエアーの乗り入れにより、SATA(アソーレス航空)とTAP(ポルトガル航空)の寡占状態の時代に比べると随分航空券の値段が安くなった。またしょぼいペンションがリスボンの3つ星ホテルの値段とほぼ同じだったのが、今ではbooking.comやAirbnbのような宿泊施設紹介サイトによって選択の幅がかなり広がった。アソーレス諸島ももはや秘境ではなく、気軽に行ける所になった。嬉しいような、寂しいような…

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本当はSATAの鯨飛行機に乗りたかった


今回は3泊4日(正味2日)でテルセイラ島に行ったのだが、実は昨年末にフローレス島とコルヴォ島を旅行した時に、トランジットで行き帰り数時間ほどテルセイラ島に立ち寄ったし、既に10年前、2度目のアソーレス旅行としてテルセイラ島を訪れていた。なぜまた?昨年のわずかなトランジット時間を利用してアングラの街を歩いている内に、島の中心部にあるアルガール・ド・カルバォン洞窟の存在を知った。アソーレスの訪問も回を重ねるうちに、火山の造った不思議な景観に心惹かれるようになり、教会や宮殿よりもそちらの方が面白く感じられるようになった。そんな訳で今回は洞窟を中心に島の内部に重点を置いた観光をしようと考えた。いつもは空港で拾ったタクシーに適当に観光コースを回ってくれるように頼んでいたのだが、今回はネットで見つけた個人ツアーを請け負う会社の「ジープで周る火山と自然ツアー」に申し込んだ。値段は95€で宿泊先までの送迎と昼食付きで、約8時間。同じようなツアーを組む会社は他にもあるが、催行人数は2人からのところが多く、参加者一人でも出してくれるこの会社を選んだ。


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テルセイラ島に着いたのは午後4時過ぎで、Airbnbで見つけた宿の主人のフランシスコさんが空港に迎えに来てくれた。宿は空港から車で15分ほどの、村はずれの小さな家だ。廃墟になっていたフランシスコさんの親が建てた家を改装し、AL(Alojamento Local 民宿)にし、Airbnbにも登録したそうだ。面積は60平米ちょっとの小さな建物で、昭和の文化住宅くらいの大きさだが、意外と広いロフトがあって、小さな子供2人を持つ夫婦などは余裕で泊まれる。私は一人で貸切だ。


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芝生の広い庭があり、向かいは牛が数頭いる牧場、家の前の通りは直ぐに行き止まりで、その奥には鬱蒼とした森の中に黒い石垣で区切られた極小の畑があって、ちょっとミステリアスな雰囲気。少し歩けば黒い磯の海岸に出て、海岸沿いに歩くと突き当たりにプールとスナックがあり、村人たちが一杯やっている。付近には他に飲食店らしいものはない。滅多に車も来ないし、窓は二重ガラスになっていて静かである。Casa Rustica(田舎風の家)という名前の通り、室内は昔ながらのダサ可愛いインテリアで、オーナーの郷愁と愛がひしひしと感じられる。


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# by caldoverde | 2018-07-05 02:42 | ポルトガルの旅 | Comments(0)