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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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バルセロナ菓子店

 地下鉄ピコアス駅やサルダーニャ駅周辺は様々な会社が集まるオフィス街で、サラリーマンやOLが仕事前や昼に腹ごしらえするための気軽な飲食店が多い。またショッピングセンターもいくつかあり、流行に敏感な若い人やちょっと余裕のある奥様などがお友達とお茶をするところには事欠かない。しかしそのような人たちがまだ気付いていないらしい店を、シェラトンホテルのそぐそば、ポルトガルテレコム社の脇に発見した。
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「バルセロナ菓子店」は一見ファストフード店みたいな外観だが、よく見るとガウディの建物の一部をイメージに使い、オレンジとブラウンを基調とした60年代風モダンのシンプルでお洒落なインテリアだ。壁のテレビはサッカー中継ではなく自社製品の写真を大きく映し出している。お茶の時間は過ぎてもうすぐ昼食という微妙な時間だったせいか、客は誰もいない。小奇麗な店なのに不思議だなと思いながら入ってみると、ショーケースの中には色とりどりの直径5cmほどの小さなケーキがきれいに整列し、まるで日本の洋菓子店のようである。ポルトガルの菓子屋にしては相当凝っている。昼食前なのでコーヒーだけ飲んで出るという決意は瞬時に消滅し、気がつくとプチフールを三個も選んでいた。
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白黒のチョコムースのプチフールとコンデンスミルククリームのシュー。甘い!

 店名が示すとおり、オーナーはバルセロナ出身で、かの地の影響をうけたオリジナルなお菓子を作っている。バルセロナのお菓子の特徴はコンデンスミルクを使うことだそうだ。キャラメル状になった濃厚なコンデンスミルククリームを使ったパイは、リスボンではたぶんこの店にしかないだろう。
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カロリー高そう。

 サンドイッチなど食事系のものも、そこいらのカフェにあるようなごつい丸パンに無造作にハムやチーズを突っ込んだようなものではなく、味や色合いのバランスを考えてパンや中身を選び、ひとつの料理として作ろうとしている姿勢が伺われる。
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チーズ、肉、鱈、野菜などの小さなパイ。

 まだお客が少ないのは4ヶ月前にオープンしたばかりという事情もあろうが、ポルトガル人は食に関しては保守的なので、慣れ親しんだものばかり好んで食べるため、あるいはひそかに自分たちの食べ物が最高であると自負しているのでスペインのものなんか、という偏見やライバル意識が働いているのかも知れない。今はポルトガルのお菓子も甘さ控えめになりつつあるが、小さいながら強烈な甘さのバルセロナ菓子店のケーキが、変にポルトガル人の好みに迎合せず個性や創造性を保ち続けてくれるといいのだが。
バルセロナ菓子店_a0103335_750362.jpg

Commented by volontaire at 2010-04-10 01:18
初めまして、ヤマザキマリさんのブログを経由してきました。
この美味しそうなお菓子の写真を見て、口の中が涎でいっぱいになりました。
今が空腹なのもありますが、どこでもドアがあるならこの店に行って腹いっぱいこの店のお菓子を食べたくなりました。
caldoverdeさんのブログで紹介されている料理はどれも美味しそうなので、目に毒です(笑)
これからもこちらのブログを楽しみにしています。
それでは。
Commented by caldoverde at 2010-04-10 03:02
ポルトガルは見ごたえ食べごたえのあるところですよ!
ぜひどこでもドアか航空券を入手してお越しください。
リスボンにはどこでもドアというか、いきなりドアというか、
開けると4m下の道路に転落・・・という恐ろしい建物がよくあります。
なかなか味わいのある街です。
Commented by おっちゃん at 2010-04-11 09:13 x
当ブログも始まって数年、初めの頃と比べると、ポルトガルらしからぬ洗練された店というのが増えてきたようですね。初期に紹介された昔ながらの店はだんだん消えてしまうかも?古いメニューの記録貴重です。ポルトガルにいる間頑張って続けてくださいね。
Commented by caldoverde at 2010-04-11 20:06
いや、洗練された店に行く予算が不足しているだけですよ。昔ながらの店はそれなりに需要があります。ポルトガル人はあまり目先の変ったものには飛びつかないです。スタバとかオーストリアカフェなどは観光地という場所柄か、外人ばかりです。
Commented by caldoverde at 2012-12-15 08:26
残念ながら、バルセロナ菓子店、閉店しました。アラブ菓子店も、ルーマニア料理店もなくなった。不景気のせいもあるけど、やっぱりポルトガルでは慣れ親しまれたものしか長続きしないのかな。
by caldoverde | 2010-04-09 07:57 | お菓子・カフェ | Comments(5)