愛しのフィーゴ
2010年 10月 04日

クリスティアーノ・ロナウドがこんなに注目を浴びる以前は、ポルトガルサッカーの星といえばフィーゴだった。2004年ポルトガルで開催されたヨーロッパ選手権の主将を務め、数々の賞を獲得し、ポルトガルサッカーの黄金時代を築いた名選手である。巨額の契約金で他国のクラブに引き抜かれてもポルトガルにとってはバスコ・ダ・ガマに匹敵する英雄だ。
漆黒の髪にきりっと濃い眉の下から覗く鋭い黒い瞳、うっすら青いひげの剃り跡、そして渦を巻く胸毛(今は脱毛して、ロナウドのようにつるっとした胸になった)マッチョなラテン男性の典型といった風貌である。奥様は金髪碧眼の元モデルの北欧美女である。サッカー選手は北欧美女が好きだ。クリスティアーノ・ロナウドの彼女もロシア系のモデルだ。
フィーゴ率いるポルトガルが4位に入賞した2006年ワールドカップは、フランスのジダンとイタリアのマテラッツィの頭突き事件も有名である。引退を控えたジダンは有終の美を飾ることが出来なかった。サッカー音痴の私の記憶にも残るこの事件は、今「テルマエ・ロマエ」で大ブレイク中の漫画家ヤマザキマリさんが「赤い牙」という同人誌で発表した作品「VICTORIA」でも扱われている。「テルマエ」のプレリュードとも言うべき帝政ローマを舞台とした大真面目ギャグ漫画で、主人公はフィーゴとジダンそっくりのグラディエーター。熱狂する大観衆と皇帝の見守るコロシアムで行われる競技は…私にとってヤマザキさんの最高傑作のひとつであり、機会があったら是非単行本に入れて欲しい作品である。
さてそんな有名なフィーゴも素顔はとても気さくで、ポルトガルにいるときはおばちゃんたちと仲が良い。彼女たちの間では、とってもスイートで、柔らかいと評判である。フィーゴはよく下町の辻に現われては皆からべたべた触られていたり、匂いを嗅がれたり、挙句に2ユーロで買われたりする。私も何度も買っては情熱をむさぼったものだ。季節がすぎるともう彼はリスボンには来ない。また来年までの辛抱だ。あ~フィーゴは本当に美味しいなあ。

フィーゴ(無花果)は日本と同じように、よく民家の庭先に植えられており、初夏から初秋にかけ、自分ちで採れた無花果をキロ2ユーロほどで売って小遣いを稼いでるおじさんおばさんがリスボンのあちこちに出没する。先日は珍しく若者が道端で無花果を売っていた。よれよれのTシャツにジーンズ、蓬髪にキャップといういでたちは、イチジクよりドラッグを売るのに似つかわしく、売り物は彼自身の地所から出荷されたものとは思えなかったが、フィーゴの誘惑には勝てず、数メートル通り過ぎてから引返し買うことにした。兄さんはベトベトする使い古しのビニール袋の底に3,4枚の無花果の葉っぱを敷いて、箱に無造作に積み上げられた無花果から15個袋に投げ入れ私に渡した。意外なことにおじさんおばさんが売っているものよりも傷みは少なかった。ということは食べ頃になる前の未熟な実が多かったとも言える。誰かに見つかる前にやみくもに木から収穫したのだろうか。



そうか、今年は7月くらいに少しいちじくを見かけましたが、まだ食べてないです。日本でも見ましたがリスボンで食べればいいかと思って、やはり食べてない。
あまり果物を食べる習慣が無いのですがシーズンに一度はいちじくとザクロと栗は食べたいかな。
私も、そのまま食べるいちじくが好きです。


ザクロは今日買ったんだけれど。
仕方が無い。干しイチジクで我慢するかな。
ところで、イチジクって北限はどこなのですかね?
CaldoVerdeさんの実家って東北のはずですがお庭にあったのか!
しかし砂糖煮って、甘さ無限大頭痛がするような甘さではないですか?

当時はAvenida da igrejaにあるポルトガル人の家にホームスティしてました。行った事のある場所や食べた物などが写真で写ってるととても懐かしく思います。そしてまた、無性に行きたくなります。これからもブログ楽しみにしています。