人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3

世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3_a0103335_5375661.jpg
荒々しい岬に立つ可憐なBROMPTON

 最後の日は全国的に荒れ模様との天気予報だったが、朝のうちはきれいな青空で、ホテルの人もアルガルヴェじゃ降らないよと根拠のない太鼓判を押したので、また自転車でポタリングに出かけた。サグレスの町の中心や港のそばにはたくさんのレストランがあり、1軒1軒なめるようにメニューを確認したが、秋刀魚らしい品書きを見つけることは出来なかった。せっかく遠くまで来たのだから、地元ならではのものを食べたい。しかしどれもリスボンと似たりよったりだった。
世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3_a0103335_5383314.jpg

 浜に下りると風は徐々に強まり、太陽は灰色の雲に隠れては時折弱々しく海面を照らした。人けのない砂浜では監視員の青年が黙々とデッキチェアーを直したり、ゴミを拾ったりしていたが、私を見つけて話しかけてきた。何年ぶりかの、人生最後かも知れないナンパである。人のことは言えないが非常に訛ったポルトガル語を話す。彼は私がポルトガル語で答えているのにも関わらず東洋人はポルトガル語を喋るとは思わないらしく、Do you speak English? と尋ねた。英国人の多いこの辺で仕事をしているのだからさぞかし流暢な英語を話すのだろうと思ったら、「きょう、てんきわるい。およぐのだめ。だからYellowのはた。」アンゴラ出身の監視員が発した英語はYellowだけであった。腰が砕けた。
 彼は私が何度も自分は日本人だと言っているのに、中国人は皆マッサージできるからあんたもできるだろうとか、日本では中国語を話すのかとガックリ来るようなことを熱心に質問し続け、遂には初級日本語会話をメモ紙に書かせられた。案の定「愛している」は何と言うか書いてくれと頼まれた。これで東洋人の女をナンパしマッサージしてもらおうという目論見だろうが、彼はかなり飲み込みが悪く、せっかくの授業も一生役に立ちそうにないのは明らかであった。
世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3_a0103335_5385523.jpg

 ようやく太陽が現われて海に反射し、面白い写真が撮れそうな雰囲気になっても、アンゴラから来た監視員の兄さんは私を解放してくれない。そのうちに初老の男性が一人海岸にやって来た。この秋の波の高い日に泳ぎに来たようだ。やっと監視員の仕事ができ、私は自由の身になった。良い構図を求め浜の一番端のほうまで歩いていくと、岩にズボンや下着が脱ぎ捨ててあった。先ほどの男性が何も着ずに海水浴をしていた。私が来たのを察してか腰まで水に浸かる深さで波にもまれている。私が長居すれば彼は海から出るに出られず溺れる可能性がある。そうなるとさっきの監視員の兄さんも大変だろうと、残念だが写真を撮るのもそこそこに浜を後にした。
世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3_a0103335_540512.jpg
魚のスープとサグレスビール

 昼は港のそばのいかにも観光客が好みそうな造りのレストランでカタプラナ(ポルトガル風ブイヤベース)を食べようか、あくまで秋刀魚を探そうか迷っていたが、結局、ホテルのおじさんが推薦する町はずれのリーズナブルな店でべズーゴという鯛に似た魚を食べた。昨日のエイほどインパクトはない普通の味だが、あのサグレス岬の老漁師が命がけで釣った魚かもしれないと思うと、ありがたさもひとしおである。
世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3_a0103335_5403336.jpg

 サグレス岬が見えるように外のテラス席で食べ、コーヒーも飲み終わる頃、ものすごい雨が降り出した。ポルトガルの天気予報は意外と正確だ。中に入りアマルギーニャというアーモンドのリキュールを飲みながら雨が小止みになるのを待った。アルガルヴェ地方はその昔アラブ人がアーモンドを伝え、春はアーモンドの花、菓子はマジパンの練り切り菓子、酒はアーモンドのリキュールがこの地方の名物となっている。アーモンドの花見をしながら練り切りを食べ、リキュールを飲むなど風流だが、どちらも舌が麻痺しそうなほど甘い。
世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3_a0103335_5405944.jpg
ビワの形のマジパン菓子。中にはあんこならぬ鶏卵そうめんが入っている

 雨が小降りになるのを見計らって、ローカルバスでサグレスからラゴスに移動。長距離バスを待つ間ラゴスの町をぶらぶら歩き、アルガルヴェの伝統菓子を売っている店で一休み。マジパン菓子や、鶏卵そうめんを砂糖シロップに漬けて銀紙で包んだ「ドン・ロドリゴ」、キャロブ豆のタルト、イチジクとアーモンドのタルトなど、リスボンでは珍しいお菓子を製造販売している。最後の一切れだったイチジクとアーモンドのタルトは、果物と木の実を細かくして混ぜ押し固め、シナモンでアクセントをつけたもので、どっしりとしているものの天然の果物の甘みはしつこくなく、むしろダイエット中の方にもお勧めしたくなるようなヘルシーな味だった。秋刀魚を食べることはできなかったが、アルガルヴェならではのデザートを食しリスボンに帰ることができて満足した。
世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3_a0103335_5412626.jpg


世界の最果てで阿呆と叫ぶ その3_a0103335_5494291.jpg

Commented by snow-white at 2010-11-08 11:01
こんにちは。少し前に非公開で書き込みさせて頂いた者です。

あれだけ魚好きの国で秋刀魚を見かけない事を不思議に思っていましたが、食べられる所もあるのですね。日本人なら、秋刀魚とアジの開きはやっぱり恋しくなりますね。

キャロブと言う豆に興味深々です。インドネシアでタマリンドと言う甘い豆のキャンディーを食べました。日本のブラジル食材店ではタマリンドジュースを飲みました。ドライプルーンに似た味でとても美味しかったです。その豆に似ているなと思いました。
いつかポルトガルでキャロブを食べてみたいです。

ミス・ユニバース日本代表専属の栄養士が、「おやつにはアーモンドとドライイチヂクを!」と言うのを聞き、次回のポルトガル訪問であの花型のやつをどっさり仕入れてこようと一瞬思いました。しかしポルトガルのおばちゃん達を見る限り、食べてどうにかなるもんでも無いなとすぐに考え直しました。
Commented by caldoverde at 2010-11-09 04:57
アジの開きはナザレにありますが、サンマは・・・アルガルヴェで捕れるのはサヨリの仲間らしいです。季節のものなのか、見ませんでした。ウツボフライも食べたかったですが、これもサグレスにはありませんでした。そもそも観光局の人が、ここでは郷土料理を見つけるのは難しいと言っていたので、外国人が来ないような町にしかないのかも知れません。それにしても帰る途中に通ったプライア・ダ・ロシャは高層マンションが林立し、映画で見るアメリカみたいで、びっくりしました。こんなところではピザやハンバーガーの方が確実に需要がありますね。
Commented by momoji at 2010-11-09 08:31
ナザレの市場で太刀魚やアジの開きを見ました。アジは頭の開き方が違うだけで(日本のように頭を割らず、片側に寄せてある)まさに伊東付近で見かける光景となんら変わりなくちょっと嬉しくなりました。サンマも探しましたがどこでも見つけられませんでした。キンキのようなお魚は時々みかけました。
太刀魚に似た長いお魚で、魚体がもうすこし肉厚で真っ黒、目がぐりぐりしたお魚はなんでしょうか?ナザレにもエルコルテイングレスのB1にも売っていました。グロテスクなお魚は美味しいのできっとさぞかし・・・と思いながら指をくわえて見つめていました。
Commented by Moreia at 2010-11-09 20:57
表題に大受けしたじゃないですか~wwとんでもない阿呆に遭ってしまいましたね。ひなたぼっこして目を細めている猫がアナタ自身のようで。サヨリの小さいのが小鯵の中に紛れ込んでいたことがあるから、やっぱり採れるんだと思うわ。
Commented by caldoverde at 2010-11-09 22:26
ポルトガルには銀と黒の太刀魚があって、黒い方が美味しいという噂です。でもレストランでは特に黒か銀かは表示していません。
監視員がおじいさんで海で裸で泳いでいるのがアンゴラの青年だったらバチバチ写真撮ったんですが~。
by caldoverde | 2010-11-08 05:37 | ポルトガルの旅 | Comments(5)