ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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阿蘇列島旅日記PART5 サンタ・マリア島1  黄色い島へ

 私のアソーレス諸島全島制覇への旅は残すところあと3島となった。今年はサンタ・マリア島を選んだ。最も南にあり、大陸に近いサンタ・マリア島は週一度リスボンとの直行便がある。他の便はサン・ミゲル島で乗り換えだが毎日3便ある。サン・ミゲルとサンタ・マリア間はわずか30分、乗り継ぎ時間の少ない便を選ぶと離れ小島とはいえリスボンからは比較的アクセスが良い。

 島の地形は西と東で劇的に異なる。空港のある西側は平坦な草原が広がり、東側は森林に覆われた山岳地帯。島の半分を占める平野部は草が黄色く枯れ、崖や切り通しは黄色っぽい地層が現われている。サンタ・マリア島は別名「黄色い島」とも呼ばれている。
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昔はトウモロコシを挽いていた可愛い風車

 空港付近は草原の中に白い長屋のような市営住宅風の家やカマボコ型のトタンで出来た不思議な建物があるばかり。第二次大戦中からベトナム戦争ころまでサンタ・マリア島にはアメリカ軍基地があり、その頃に造られた宿舎なのだろう。タクシーは寂寥感漂う住宅地を通り過ぎ、今度はやや上り坂の、住宅展示場のような立派な家の並ぶ道に入る。そして牛や馬が点々と枯れた草を食む牧場の広がる中に何か収容所のような陰気臭い建物が見えてきた。私が3泊するホテル・コロンボである。一応島の伝統的な建材である玄武岩や赤土を取り入れた外観は、ガイドブックやインターネットで酷評されている。部屋からの眺めは良いが周辺には店も何もない。
 ピコ島に行って以来、アソーレスを自転車で散歩したいという願いがあったので、今回は超過料金を払い愛車のピンクのブロンプトンを飛行機に乗せてきた。ゆるい傾斜の平原の中に立つホテルから島最大の集落ヴィラ・ド・ポルトを移動するのに多少役に立った。
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ホテルの北側の山はいつも雲で覆われている

 島にはホテルと呼ばれる施設は、このコロンボと空港近くのサンタ・マリア・ホテル、ヴィラ・ド・ポルトのメインストリートにあるホテル・プライア・デ・ロボスの3つのみである。交通手段を持たない人は町中のプライア・デ・ロボスに泊まるべきだ。銀行、商店、スーパー、レストラン、バス、タクシー、港、図書館、自然環境センター、旅行代理店は、みなヴィラ・ド・ポルトに集中しているからだ。サンタ・マリア・ホテルは空港からヴィラ・ド・ポルトに向かうシャトルバスが途中立ち寄るが、コロンボの側は通らない。町まで3~40分歩くかタクシーを呼ぶしかない。ホテルを選ぶ時にグーグル地図やグーグルアースで調べたのだが、詳しい映像が出ず、どういう環境にあるのかよくわからないまま内装の写真で選んでしまった。
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一応4★、プール、ジム、ジャグジーあり

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 お天気は所々青空の覗く曇り空、自転車でゆるい下り坂を走るのは爽快だが、帰りは上り坂の向かい風を覚悟しなくてはいけない。ヴィラ・ド・ポルトの街はまっすぐに海に向かって伸びるメインストリートに白壁の低層住宅が肩を寄せ合う、典型的なポルトガル南部の田舎町のつくりである。まず港に下りてフェリーの待合所の観光案内所でパンフレットをもらい、見所や交通機関、レストランについて教えてもらった。つつましい町には豪華な建造物はなく、ゴシックアーチのある古い建物はスーパーに、修道院は町役場にと日常生活の中に歴史は溶けて見えにくくなっている。アソーレスの売りはどちらかというと自然である。この町にも自然環境センターがあり、英語やポルトガル語によるガイドツアーを行う。初々しい女性職員は島の動植物や化石、石の標本を平易に解説し、いろんな地質や化石の見られるトレッキングコースなどを紹介してくれる。
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港にはヨットやスキューバダイビングのクラブ、フェリー乗り場、観光案内所、wifiスポット、カフェがある。

 さてタクシー運転手も観光案内所のおばさんも自然環境センターのお姉さんも推薦する町のレストランは「オス・マリエンセス」である。市場の向かいにあり、美味しくて値段もそう高くないという。いつも参考にする英語のガイドブックには載っていない店で、客は地元の家族連れがほとんどのようだ。大好きなカサガイのグリルと腸詰のフライにヴィーニョ・ヴェルデというつまみと酒だけの晩餐にした。
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腸詰はサン・ミゲル島から来たピリカラ味

 ところが出てきたカサガイの量にたまげた。何かの冗談ではないかと思うほどの数である。しかもカサガイはみな赤い唐辛子ソースがまぶされている。ただの網焼きにレモンだけでも十分美味いものを全部キムチ味にしている。初めの1個2個なら変わった趣向として楽しめるが、だんだん辛さは増していく。白いご飯が欲しい。これは拷問だ。しかし漁師が危険を冒して捕ってきたカサガイを無駄にするのは申し訳ない。最後はもう意地で一気食いだ。殻の数を数えたらちょうど50個だった。島ではカサガイ50個を一人で平らげた女として有名になっていることだろう。
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Commented by Moreia at 2011-07-29 21:48 x
ちゃくちゃくとアソーレス諸島制覇していらしゃる、脱帽です。サンタ・マリア島で500万年前の新種の貝類の化石が見つかったとプブリコにでてました。いずれ「古代生物園」を建設する計画も出てるそうで。アナタの食べたカサガイも、サンタ・マリア島の貝塚の一部になったのですねwww
Commented by caldoverde at 2011-07-29 22:15
50個も食べておいてなんですが、小笠原諸島ではカサガイは天然記念物だそうです。値段は11ユーロでした。安いのにも驚きました。今度は唐辛子ソースなしでお願いします。
by caldoverde | 2011-07-28 07:01 | ポルトガルの旅 | Comments(2)