ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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阿蘇列島旅日記5 サンタ・マリア島3 サンタ・マリアの光と影

黄色い島サンタ・マリア島に自生する黄色いウイキョウの花。島ではスープの風味付けに使う。
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 2日目のタクシー観光の途中、フィッシングボートやスキューバダイビングをアレンジする船屋に立ち寄り、明日か明後日島一周の遊覧船は出ないか尋ねた。翌日フォルミーガス島に行くグループの船が出るので、入れてもらえるかどうか聞いてみるという返事だった。フォルミーガス島はサンタ・マリア島とサン・ミゲル島の間にある岩礁で、ダイバーのメッカとなっている。
 この日は天気がいまひとつで連絡を待ちながらホテルのプールに入ったり、周辺を散歩したり、ジャグジーで温泉気分を味わった。残念ながらこの島には温泉はない。
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 サンタ・マリア島はアソーレス諸島の中で異色の島である。様々な分野で1番の島なのだ。
1、九島の中で最も古い。800万年前この島が誕生した時、他の八島は存在していなかった。
2、大航海時代、1427年ポルトガル人ディオゴ・デ・シルヴェスによって最初に発見されたアソーレス諸島の島とされている。
3、湿潤な気候のアソーレス諸島の中で、最も乾燥した島である。
4、九島の中で唯一火山活動の見られない島である。
5、アソーレス諸島随一の空港がある。
6、アソーレス諸島中最大の砂浜がある。
7、コロンブスがアメリカ発見後に立ち寄った島である。
8、諸島の中で最初に風力発電を取り入れた。
9、アソーレス諸島の中で唯一化石が採れる。

…etc.

 しかし個人的には最も地味な知られていない島のNo.1ではないかと思う。隣がアソーレス諸島最大の島サン・ミゲル島で、その影に隠れて忘れられた感は否めない。渋い、玄人好みの島と言えよう。

 サンタ・マリア島は常に外部の影響に翻弄され繁栄と斜陽を味わってきた。観光案内所の人やタクシー運転手にこの島の産業は何かと質問すると「何もない」という答えが返ってきた。

 空港周辺の平原はかつては穀倉地帯で、小麦やトウモロコシを輸出していた程であったが、国が牛を飼うのを奨励し、補助金を出すようになったので、農家は耕作をやめてしまったそうだ。他の島にも牛は多く、乳製品の工場があるのに、サンタマリア島に加工場はなく肉牛ばかりである。
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 第2次世界大戦中はポルトガルは中立国であったにもかかわらず、アメリカの都合によりサンタ・マリア島に空港を建設し、アメリカの情報収集の重要な基地となる。戦後は旅客機の給油所として昔のアラスカのような役割を果たしていたが、オイルショック以降、大西洋線は直行便となりその意義は失われた。

 捕鯨が行われていた頃に作られた監視所や解体所は再利用されず、廃墟となっている。ファイアル島やピコ島では観光資源として利用しているが。

 素晴らしい景観を誇るサン・ロレンソ湾やマイアの葡萄畑は過酷な作業や人手不足ゆえに収穫や栽培をやめてしまった所もある。特産物とされる島ワイン、ヴィーニョ・デ・シェイロは実際には流通していない幻のワインである。一説には当局によって販売が禁止されているとも。
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 島の最大の輸出品は移民である。かつては14000人を数えた住民は2001年に5500人に減少。廃校が検討されている学校も幾つかある。

 なんだかいけてない島サンタ・マリアだが、ひょっとすると埋れた宝石、隠れたパラダイスの可能性も。特に地学の専門家・研究者にとっては化石の宝庫である。釣り、ヨット、ウィンドサーフィン、ダイビングなどマリンスポーツの愛好家にとっては穴場である。山登りの好きな人には手頃なコースがいくつかある。バードウォッチャーにも興味深い。

 食べ物の値段も他の島に比べると安い。特産物はメロン。市場に生産者の名入りのシール付きのブランドメロンが売られていた。あまりメロンが好きでないので買わないでいたら土曜日には売り切れていた。ないと欲しくなるもので、食堂でデザートにメロンはないかと尋ねると、まだ少し早く7月の末が旬で来週出回るだろうという返事。リスボンで売っていないだろうか。
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 夕食はガイドブックではかなり良い評価が与えられ、ホテルにも宣伝用のカードをおいている「ローザ・アルタ」というレストランでステーキを食べた。アソーレス牛は旨いという思い込みがあったが、緑の少ないこの島の牛は少々痩せ気味なのか、切り方が薄いのか、ミディアムなのにジューシーさが足りなかった。うーむ英語のガイドブックのレストラン情報は私のツボにははまらないようだ。
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 前菜のケイジョ・フレスコ(フレッシュ・チーズ)はサンタ・マリア製とメニューに書いてある。スーパーにあるのは全てサン・ミゲル島産だった。農家の手作りかしらと興味が沸き、手を付けずに一度引っ込められたのものをデザートとして注文した。添えてあるのは赤いイチゴジャムならぬ、唐辛子ペースト。めちゃくちゃ辛い。
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Commented by pato at 2011-08-01 06:07 x
前菜にカサガイ50個ですか。
スーパーで見かけて買うときでも大体1ダースだなぁ。
昨日、一緒に食べたカラコイシュも思ったより量があって私も昼飯はアレで終わりましたが。
しかし、サンタ・マリア島では何かとピリピリが活躍してるのですかね?
ひそかに大栽培されてるとか?
Commented by caldoverde at 2011-08-01 09:55
隣のサン・ミゲル島ではよく料理に唐辛子の塩漬けや唐辛子ソースを使います。サンタ・マリア島はたぶんその影響を受けているのでしょう。他の島の料理は辛くないです。
ちょっとだけだと美味しいけれど、あのカサガイは過ぎたるは及ばざるが如しでした。
by caldoverde | 2011-08-01 04:49 | ポルトガルの旅 | Comments(2)