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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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地の果てる処のキノコ

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 リスボンから車で約45分も走ると世界の果てに行き着く。ユーラシア大陸最西端ロカ岬。ここはまたリスボンとは異なる特殊な小気候の地域に属し、独特な植物の宝庫でもある。
 岬を覆うように生えているのは巨大化した「マツバギク」。5月頃満開になり、ピンクや黄色の花はとても可憐で、太い指のような葉は秋になると先が赤く色づいてこれも美しい。繁殖力が強く、時々引き抜かれている。
 春は白い小さな葱坊主のような「アルメリア」が咲く。別名ハマカンザシとも呼ばれるこの花が風に揺れる様は、夢二の描くはかなげな少女のようだ。
 数年前までやたら生えていたが、おそらく駆除されたのだろう。最近あまり見ない「ドクゼリ」は不気味な宇宙人のような姿である。
 何十年に一度しか花を咲かせない「リュウゼツラン」はポルトガルの海岸部でよく見られ、電柱のように丈のある茎を伸ばしてあまり美しくはない黄色い花を咲かせると、倒れて枯れてしまう。
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 そして春と秋の、暑くもなく寒くもない時期の雨の後には、ロカ岬にキノコがにょきにょきと生えてくる。春のキノコは巨大な白いキノコで、秋は茶色のこれまたかなり大型化する茶色いキノコが出現する。時々コメントを寄せてくれるOVOSMOLESさん、PATOさんはキノコ狩りの名人で、季節にはリスボンから車を出してロカ岬にキノコを採りに行き、仕事でロカ岬に来る時はビニール袋を持参する程の熱心さである。当然地元の人も黙ってはいない。ロカ岬の観光局のおばさんもキノコハンターの一人で、彼女は食用と毒キノコの見分けがつくと自負している。彼女によると、軸にスカートをはいているのは食べられるということだ。

 先日ロカ岬に行ったところ、このおばさんがずっしり重いビニール袋を私にプレゼントしてくれた。中身は日本では見たこともないような巨大なキノコがたくさん入っていた。椎茸に似た茶色のひび割れた模様のある笠で、軸はかなり長く、開いた状態のものは確かに軸にスカートをはいたような格好に見える。とても一人で食べきれる量ではないので、同じくこのブログの読者のMOREIAさんにおすそ分けすることにした。彼女の旦那様はご母堂がこのキノコをよく料理し食べていたということをおっしゃったので、私も二人の経験者のお墨付きを得たものと心強く、早速その晩に調理に取りかかった。
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 一番大きい直径が15cm位あるものは焼き魚用のグリルでシンプルに焼いて、ポン酢で食べた。マツタケどころか椎茸ほどの香りも何もない淡白な味だ。
 丸い、笠の開いていないものは玉ねぎ、ニンニク、ベーコン、ソーセージと一緒に炒めてワインのつまみとして食べた。これも特に印象に残る味や香りはないのだが、キノコ特有の歯ざわり、弾力があり、悪くはなかった。
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 しかし食べ終わってしばらくすると腹の具合がおかしくなり、胃腸が不穏な音を鳴らし始めた。ふと数ヶ月前ポルトガルに住むタイ人の家族がキノコで食中毒を起こし亡くなったというニュースが頭の中によぎった。静かなトイレの中で体と心の安定を試みた。最近少々便秘気味だったが問題は一気に解決した。キノコとソーセージの炒め物が私の贅肉となるのは回避された。喜ばしいことだ。

 インターネットで調べると、私の食べたキノコは「オニタケ」か「カラカサタケ」のようだ。ところがこの両キノコは人によって食用とされたり毒キノコとされたり評価はまちまちである。生食厳禁と警告している人もいれば、調理法を紹介しているHPもある。15cm以下のものが毒だという人もいれば、人によって食中毒を起こす可能性もありという記述もある。どうも100%安全なキノコではないらしい。調理の仕方や体質によっては当たる可能性もあるオニタケ?は、命を賭してまで食べたいような美味なものでもなかったので、まだ冷蔵庫に眠っているキノコの処分を今検討中である。
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石川県HP「いしかわ きのこ図鑑」より
Commented by おっちゃん at 2011-11-22 12:29
キノコが縦に裂けるといいとか、袴がどうとか、あてになる説はないらしいですよ。茸の素人判断は危険ですね。宮城では椎茸など、屋外栽培の茸の放射線値が高いです。茸は環境のバロメータですな。
Commented by caldoverde at 2011-11-22 19:31
スーパーに年中あるマッシュルームが一番無難ですね。リスボンでは椎茸やしめじ、エリンギ、なめこはびっくりする程高いので手が出ません。
Commented by Pato at 2011-11-24 06:04
しいたけでも生だとお腹を下しますよ。
ちゃんと火がと通ってなかったのではないですか?
私はもともと脂がダメなのでこのキノコはたいてい茹でるか蒸すかです。でポン酢で食べたり、スパゲティーに入れたり。
この間は茎の食感がごぼうに似てるので、めんつゆで卵とじにしました。柳川風のイメージですか。
もうすぐ、帰国です。フグとかミル貝、ホッキ貝の刺身となまこを食べてきます。
Commented by caldoverde at 2011-11-24 07:37
十分火を通したつもりでしたが、足りなかったんでしょうか。その後喉がイガイガしていたので、粘膜をやられたのかもしれないです。笑いが止まらなくなったということはありませんでした。
Commented by Moreia at 2011-11-24 19:50
大事にならないでよかった、よかった!うちの姑はもっと苦しんだようです。
フランスの田舎の薬局には秋になると「キノコ判別ポスター」が貼られます。ポルトガルはキノコに関する情報が少ないですね。
あんなに高い栽培種を売るより、地元で採れるキノコが市場に上るといいのにねえ。当分は乾燥キノコのリゾットで我慢しておきますwww
Commented by caldoverde at 2011-11-24 20:24
冷蔵庫に残っていたキノコは小さく切ってリゾットにし・・・と思ったのですが、思いなおして止めました。観光局のおばさんやPatoさんはなんでもないんですね。最近ロカ岬にまた新たに柵が設けられたのはキノコ狩りを防ぐためかしら?
Commented by OvosMoles at 2011-11-26 03:02
Hortaの空港に降り立って、待ち受けている楽しい滞在にワクワクしていたところで、Moreiaさんから電話がきました。かなり深刻な話し方で、何かと思ったら、Caldoverdeさんがキノコで下痢になった、という話。後で一人で笑ってしまいました。私はもう何十回も食べてますが、大丈夫ですよ。大きいのはあまり食感が好きじゃないので、最近のターゲットは閉じた小さいものだけです。下痢にはなっても毒で誰かが死んだ話は聞いたことないので、タダだし、自由に収穫も楽しめ、いいんじゃないですか~。
ところで、写真の石川県のキノコは、品種が違うのでは。茎の部分が、ロカのキノコはもっと細くてストレートな感じだと思います。そして傘の下の部分のリングも見受けられないし・・・。
Commented by caldoverde at 2011-11-26 05:29
オニタケ、カラカサタケは同じファミリーの様です。写真には写ってないけど、はかまは有り、軸が中空になっている等、共通の特徴がありました。でもシレルカほど美味しくないです。あれ位美味しければ正露丸飲んで食べますが。
Commented by pato at 2012-10-03 07:01
オオシロカラカサタケはどうやっても有毒。
そして、カラカサタケは生食で有毒だけど加熱すれば食用みたいですね。
ただ、違いを見分けるポイントがまだ私も良く分かってないですわ。
Commented by カラカサ at 2012-10-19 17:02
カラカサタケはもっと茎が長いです。
オニタケでしょうか。
Commented by caldoverde at 2012-10-27 23:06
今週のニュースで、ポルトガル北部の人が山で取ったキノコを食べて亡くなったとの報道。キノコを見分けるのはベテランでも難しいですね。
by caldoverde | 2011-11-22 02:29 | 野菜・果物・キノコ | Comments(11)