工芸見本市はうまいもの見本市 2012
2012年 07月 06日
この夏も恒例の工芸見本市(FIA)がリスボンのエキスポ地区のFIL(国際見本市会場)で7月8日まで行われている。毎年欠かさず訪れる見本市だが、年を追う毎にポルトガルの伝統工芸の展示エリアが縮小していくのを寂しく感じていた。しかも昨今の経済危機である。廃業に追い込まれた職人や工房も多いのではないかとの危惧を抱きながら、あまり期待もせず行ってみたところ、意外なことに昨年とはちょっと様子が違っていた。
夏にウール製品は不利だが、目を引いた可愛いフェルトのケープと帽子
ブリキのちりとりみたいなものはトースター
第1パビリオンがポルトガルの伝統工芸とコンテンポラリークラフト、第2パビリオンが世界の手工芸品、第3パビリオンが郷土料理やお菓子の出店と、構成はいつもと同じである。
第1パビリオンのエントランスでは毎年テーマを設け、特別展が開かれる。ここしばらく「鉄」「土」「糸」「木」と工芸品の材料が主題だったが、今年はなんと「甘いもの」である。私は今回の工芸見本市にかつてない興奮を覚えた。


ポルトガル全国の伝統菓子が分類され、ガラスケースに展示されている。過去の記事でも触れたが、大部分のポルトガルのお菓子は修道院に起源を持ち、卵の黄身をふんだんに使った真っ黄色いものが圧倒的に多い。和菓子同様、材料はほぼ共通している。しかし地方によってその配合や形態は千差万別で、そこから豊かなバリエーションが生まれる。

ケイジャーダ(チーズ菓子)は地方によって味も形も様々

紙に包まれ焼かれた元祖カステラのパン・デ・ロー

ベレン名物はエッグタルトばかりじゃないとビールケーキ

マジパンでできた鯛の尾頭付き
苦い抹茶が欲しくなるような強烈な甘さが、ガラス越しに視覚を通じて感じられる。実際に賞味できるようにいくつかの菓子店も出張販売を行っており、近所のカフェ「アロマ」がリスボン一の誉れを受けたご自慢のエッグタルトを売っていたのはサプライズだった。

私はお香の臭いの充満する第2パビリオンがどうも苦手だ。エスニック系はある日突然凝るとはまるが、嫌いになるのもある日突然やって来る。しかしポルトガル人は安価でインパクトのあるエスニック小物を上手に取り入れている。だから田舎臭い伝統工芸コーナーよりよっぽど賑わっている。人ごみの苦手な私は素通りして第3パビリオンに直行。
何なんだこの賑わいは?不況の影はどこに?と思うくらい第3パビリオンは盛況だった。平日にもかかわらず仕事帰りの勤労者や家族連れで溢れかえっている。陽気なサンバのBGMがパチンコ屋の軍艦マーチと同じ効果を与えるのか、とにかく心も体も浮き立つ。内容は毎年同じ、生ハムとチーズを挟んだサンドイッチをメインとした屋台が主であるが、今年はだいぶ出店が増えた印象。軒からぶら下がる様々な腸詰、鮮やかな赤い切り口を見せた生ハム、大胆にくり抜かれた丸いチーズが怒涛のごとく視界に押し寄せ、生唾を飲み込ませる。屋台の周りの折り畳みテーブルは、薄く切った生ハムやチーズを並べたお皿を囲み談笑する家族や友人達で巨大居酒屋のような賑やかさだ。


オーブンを持ち込みその場で焼いているパン屋の出店には、チョリソパンやピザなどのおなじみメニューと並んで、イワシパンがあった。炭火で焼いた鰯をパンに乗せて食べるイワシサンドは珍しくないが、パン生地の上にイワシを丸ごと置いてオーブンで焼いたイワシパンは初めて見た。初めて見たけど味は想像できた。頭や骨を取る面倒も想像できた。なので、食べるのに苦労を要さず、やはり初めて見る鱈(バカリャウ)パンにした。どちらもありそうでなかったものだ。

イワシが丸ごと二匹!
干し鱈入りコッペパン
この手工芸品見本市の入場料は5ユーロ。工芸品を買ったり、食事をすると結構な散財になる。なのにこの賑わい。衰退の道を歩んでいるかに見えた伝統工芸品も、若い世代がその良さを見直し継承していこうとする兆しが感じられた。毎日テレビでは不景気なニュースばかり報道されるが、ちょっとだけ雲間から光が差したように感じた。

イワシも甘いお菓子に
ポルトガル版たいやきくん?
アマランテの由緒あるお菓子です
口に卵をくわえたトカゲのお菓子。これも縁起物らしい



第1パビリオンがポルトガルの伝統工芸とコンテンポラリークラフト、第2パビリオンが世界の手工芸品、第3パビリオンが郷土料理やお菓子の出店と、構成はいつもと同じである。
第1パビリオンのエントランスでは毎年テーマを設け、特別展が開かれる。ここしばらく「鉄」「土」「糸」「木」と工芸品の材料が主題だったが、今年はなんと「甘いもの」である。私は今回の工芸見本市にかつてない興奮を覚えた。


ポルトガル全国の伝統菓子が分類され、ガラスケースに展示されている。過去の記事でも触れたが、大部分のポルトガルのお菓子は修道院に起源を持ち、卵の黄身をふんだんに使った真っ黄色いものが圧倒的に多い。和菓子同様、材料はほぼ共通している。しかし地方によってその配合や形態は千差万別で、そこから豊かなバリエーションが生まれる。




苦い抹茶が欲しくなるような強烈な甘さが、ガラス越しに視覚を通じて感じられる。実際に賞味できるようにいくつかの菓子店も出張販売を行っており、近所のカフェ「アロマ」がリスボン一の誉れを受けたご自慢のエッグタルトを売っていたのはサプライズだった。

私はお香の臭いの充満する第2パビリオンがどうも苦手だ。エスニック系はある日突然凝るとはまるが、嫌いになるのもある日突然やって来る。しかしポルトガル人は安価でインパクトのあるエスニック小物を上手に取り入れている。だから田舎臭い伝統工芸コーナーよりよっぽど賑わっている。人ごみの苦手な私は素通りして第3パビリオンに直行。
何なんだこの賑わいは?不況の影はどこに?と思うくらい第3パビリオンは盛況だった。平日にもかかわらず仕事帰りの勤労者や家族連れで溢れかえっている。陽気なサンバのBGMがパチンコ屋の軍艦マーチと同じ効果を与えるのか、とにかく心も体も浮き立つ。内容は毎年同じ、生ハムとチーズを挟んだサンドイッチをメインとした屋台が主であるが、今年はだいぶ出店が増えた印象。軒からぶら下がる様々な腸詰、鮮やかな赤い切り口を見せた生ハム、大胆にくり抜かれた丸いチーズが怒涛のごとく視界に押し寄せ、生唾を飲み込ませる。屋台の周りの折り畳みテーブルは、薄く切った生ハムやチーズを並べたお皿を囲み談笑する家族や友人達で巨大居酒屋のような賑やかさだ。


オーブンを持ち込みその場で焼いているパン屋の出店には、チョリソパンやピザなどのおなじみメニューと並んで、イワシパンがあった。炭火で焼いた鰯をパンに乗せて食べるイワシサンドは珍しくないが、パン生地の上にイワシを丸ごと置いてオーブンで焼いたイワシパンは初めて見た。初めて見たけど味は想像できた。頭や骨を取る面倒も想像できた。なので、食べるのに苦労を要さず、やはり初めて見る鱈(バカリャウ)パンにした。どちらもありそうでなかったものだ。


この手工芸品見本市の入場料は5ユーロ。工芸品を買ったり、食事をすると結構な散財になる。なのにこの賑わい。衰退の道を歩んでいるかに見えた伝統工芸品も、若い世代がその良さを見直し継承していこうとする兆しが感じられた。毎日テレビでは不景気なニュースばかり報道されるが、ちょっとだけ雲間から光が差したように感じた。




日本なら、そういうとこでは、必ずお茶やコーヒーも一緒に売るけど、そういう商売気はないの?年を取ると甘い物はきついけど、年寄りも甘い物OKなんでしょね。ポル人は。
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会場に既存のカフェがあるので、大丈夫です。昔、老婦人の家に下宿していた時、物理的に食べ物が入るスペースがなくても、デザートは消化にいいから食べろ食べろと強制されました。ポルトガル人にとって甘いものは、薬(麻薬?)の一種です。
すごく面白そう!中々の充実ぶりですね。
先日北部へ行ったとき、ある工芸品の質が昔より落ちていたり、あの○○を作っていた人が見当たらない...みたいな事もあって、ちょっとガッカリしました。かと思えば、リスボンではますますのレトロブームに驚き、これが伝統文化の継承に繋がるといいなと思ったり、でした。
ビールケーキの味も気になるけど、魚関係のデザインが私的にツボです(笑)
先日北部へ行ったとき、ある工芸品の質が昔より落ちていたり、あの○○を作っていた人が見当たらない...みたいな事もあって、ちょっとガッカリしました。かと思えば、リスボンではますますのレトロブームに驚き、これが伝統文化の継承に繋がるといいなと思ったり、でした。
ビールケーキの味も気になるけど、魚関係のデザインが私的にツボです(笑)
わぁ・・・ここにあったか、パン・デ・ロー。友人を連れてリスボン見学・・・一日中、このお菓子を探し廻りました・・・残念。
今日は、ニッポ協会経由で来ました。
今日は、ニッポ協会経由で来ました。
最終日にまた見本市に行く気満々でしたが、たまたま受けた無料体脂肪測定で35%という結果にショックを受け、自粛しました。
by caldoverde
| 2012-07-06 17:01
| カルチャー
|
Comments(5)

