アソーレス諸島の旅6 グラシオーザ島4 ロバとタコ
2012年 07月 24日
グラシオーザ島の最終日。太陽が戻ってきた。午前中は自転車で海岸や町の中を散歩した。アソーレスが美しいのは雨が多いせいではあるが、やはり雨天と晴天とでは、美しさ楽しさが段違いである。すれ違う島民から挨拶されることもしばしばで、リスボンでは失われかけている素朴さがまだ残っている。そして、こんなものも残っている!

この島にはコビトロバ(burro anão)という独特の種があって、今は数十頭しかおらず絶滅が危惧されている。名前の通り小柄なとても可愛いロバだ。20世紀始めの写真には、大勢の女性達がロバに乗って島内を移動する様子が記録されている。島に居る間2度ほどロバが曳く荷車を見た。速度は人間が歩くのと変わりない。自転車の方がはるかに早い。私が見たのは茶色のメスのロバで、とても優しそうな顔をしている。乗っていたおじさんに声をかけて触らせてもらった。
ポルトガル北部ミランデーラにも絶滅が心配されているロバがあり、ロバの養子制度を設けて種を保存しようという団体があるが、グラシオーザ島ではどうだろうか。レンタカーならぬレンタロバや観光ロバ車を創ったり、車のラリーだけでなくロバレースを開催して、ロバ券も販売すれば、島の活性化に大いに役立つと思うのだが。私もロバ主になりたいと思い、burro anao と検索すると、なんとたったの数百ユーロ(数万円)で売買されている。血統書つきの犬猫より安い。どなたか希少なロバのオーナーになりませんか?

おじさんが牧場で牛や馬の世話をしている間、ロバと犬はおとなしく待っている

意外と美人です
12時を少し回って昨日頼んだタクシーが迎えに来た。ドライバーのアントニオさんに、まず昼ご飯を食べるので適当なレストランに行くように頼んだ。彼が選んだのは島の中心の方にあるキンタ・ダス・グロッタス(QUINTA DAS GROTAS)という、地主の館を改装したレストランだった。ポルトガルの典型的な石造りの田舎家の建物で、内装も可愛いカントリー調で、窓からの眺めも良い。新しいホテルを除けばおそらくグラシオーザで一番大きなレストランだろう。メニューもサンタ・クルスのショボめの食堂とは違って郷土料理っぽいものが揃っている。


メインはタコのグリルを頼んだ。やはり赤いピメントがアクセントに添えられたタコはプリッとジューシーで、ブロッコリーはゆですぎず緑も鮮やかで、香りの良いオリーブオイルをたっぷり吸った皮つきの子ジャガイモもホクホクと美味しい。いつもは残すジャガイモを全部平らげてしまったので、デザートはパスしてコーヒーを頼んだが、帰り際にガラスケースに入っているものを見て激しく後悔した。昨夜プライア地区で食べたチーズプリンよりも更にクリーミーかつ濃厚そうなチーズ系デザートが何種類かある。ポルトガルのチーズケーキは原材料不明の「チーズケーキの素」を使ったような怪しげなものが多いが、この島のケイジャーダや昨日のチーズプリンは、コテコテの濃いミルクの味が本物だと納得させるものがある。このレストランのデザートもその期待をはずすことはなかっただろう。翌日から3日間絶食するつもりで食べておくべきだった。

サンタ・クルスのカフェで食べたチーズタルト。リスボンにある類似のお菓子よりはるかに美味しい!
食事後はこの島のハイライトである火山が造った洞窟、フルナス・デ・エンショフレに向かった。この島最大のクレーター、カルデイラの噴火口の底にある洞窟へは138段の螺旋階段を使って降りることができる。
田舎道を走っていたタクシーがトンネルに入り、そこを抜けると、いきなり周りを高い森に囲まれた火山の真ん中にいる。樹木の濃い緑のリングの中に牛が放牧されている。駐車場で車を降り、坂道を上っていくと森の中にガラスとコンクリートでできた小さなモダン建築がある。それが洞窟の入り口だ。


石造りの螺旋階段は中世の教会や城の塔のようだ。今は緑で覆われた噴火口の底にぱっくりと口を開けた深淵を初めて探検したのは19世紀、モナコ大公アルバート1世だった。白っぽい石の断崖にはコケや羊歯が生えているが、陽の差し込まない底のドームには生物の姿はなく、水が溜まっている。かすかなイオウの臭いがする。季節によってはイオウ臭が強くなり危険だということである。この山から湧く温水が海の方に流れ出てカラパッショ温泉になっているわけである。
カルデイラを後にし、マリアという女性が隠れ住んでいたという洞窟、島でもっとも風光明媚といわれるセーラ・ブランカ(白山)などを周りながら4時ごろ空港に着いた。


グラシオーザ島で生まれ、2年間サン・ジョルジェ島にいた期間を除きこの島を離れたことのないドライバーのアントニオさんは、色々な質問に朴訥と答えてくれ、なかなか楽しい旅となった。空港で別れを告げる際、次の来訪はいつかと尋ねられ、わからないと答えたが、最後のレストランで食べなかったデザートとロバの散歩とカラパッショ温泉のためにまたグラシオーザに戻りたくなった。小さな島だが3泊4日では短すぎた。

この島にはコビトロバ(burro anão)という独特の種があって、今は数十頭しかおらず絶滅が危惧されている。名前の通り小柄なとても可愛いロバだ。20世紀始めの写真には、大勢の女性達がロバに乗って島内を移動する様子が記録されている。島に居る間2度ほどロバが曳く荷車を見た。速度は人間が歩くのと変わりない。自転車の方がはるかに早い。私が見たのは茶色のメスのロバで、とても優しそうな顔をしている。乗っていたおじさんに声をかけて触らせてもらった。
ポルトガル北部ミランデーラにも絶滅が心配されているロバがあり、ロバの養子制度を設けて種を保存しようという団体があるが、グラシオーザ島ではどうだろうか。レンタカーならぬレンタロバや観光ロバ車を創ったり、車のラリーだけでなくロバレースを開催して、ロバ券も販売すれば、島の活性化に大いに役立つと思うのだが。私もロバ主になりたいと思い、burro anao と検索すると、なんとたったの数百ユーロ(数万円)で売買されている。血統書つきの犬猫より安い。どなたか希少なロバのオーナーになりませんか?


12時を少し回って昨日頼んだタクシーが迎えに来た。ドライバーのアントニオさんに、まず昼ご飯を食べるので適当なレストランに行くように頼んだ。彼が選んだのは島の中心の方にあるキンタ・ダス・グロッタス(QUINTA DAS GROTAS)という、地主の館を改装したレストランだった。ポルトガルの典型的な石造りの田舎家の建物で、内装も可愛いカントリー調で、窓からの眺めも良い。新しいホテルを除けばおそらくグラシオーザで一番大きなレストランだろう。メニューもサンタ・クルスのショボめの食堂とは違って郷土料理っぽいものが揃っている。


メインはタコのグリルを頼んだ。やはり赤いピメントがアクセントに添えられたタコはプリッとジューシーで、ブロッコリーはゆですぎず緑も鮮やかで、香りの良いオリーブオイルをたっぷり吸った皮つきの子ジャガイモもホクホクと美味しい。いつもは残すジャガイモを全部平らげてしまったので、デザートはパスしてコーヒーを頼んだが、帰り際にガラスケースに入っているものを見て激しく後悔した。昨夜プライア地区で食べたチーズプリンよりも更にクリーミーかつ濃厚そうなチーズ系デザートが何種類かある。ポルトガルのチーズケーキは原材料不明の「チーズケーキの素」を使ったような怪しげなものが多いが、この島のケイジャーダや昨日のチーズプリンは、コテコテの濃いミルクの味が本物だと納得させるものがある。このレストランのデザートもその期待をはずすことはなかっただろう。翌日から3日間絶食するつもりで食べておくべきだった。

食事後はこの島のハイライトである火山が造った洞窟、フルナス・デ・エンショフレに向かった。この島最大のクレーター、カルデイラの噴火口の底にある洞窟へは138段の螺旋階段を使って降りることができる。
田舎道を走っていたタクシーがトンネルに入り、そこを抜けると、いきなり周りを高い森に囲まれた火山の真ん中にいる。樹木の濃い緑のリングの中に牛が放牧されている。駐車場で車を降り、坂道を上っていくと森の中にガラスとコンクリートでできた小さなモダン建築がある。それが洞窟の入り口だ。


石造りの螺旋階段は中世の教会や城の塔のようだ。今は緑で覆われた噴火口の底にぱっくりと口を開けた深淵を初めて探検したのは19世紀、モナコ大公アルバート1世だった。白っぽい石の断崖にはコケや羊歯が生えているが、陽の差し込まない底のドームには生物の姿はなく、水が溜まっている。かすかなイオウの臭いがする。季節によってはイオウ臭が強くなり危険だということである。この山から湧く温水が海の方に流れ出てカラパッショ温泉になっているわけである。
カルデイラを後にし、マリアという女性が隠れ住んでいたという洞窟、島でもっとも風光明媚といわれるセーラ・ブランカ(白山)などを周りながら4時ごろ空港に着いた。


グラシオーザ島で生まれ、2年間サン・ジョルジェ島にいた期間を除きこの島を離れたことのないドライバーのアントニオさんは、色々な質問に朴訥と答えてくれ、なかなか楽しい旅となった。空港で別れを告げる際、次の来訪はいつかと尋ねられ、わからないと答えたが、最後のレストランで食べなかったデザートとロバの散歩とカラパッショ温泉のためにまたグラシオーザに戻りたくなった。小さな島だが3泊4日では短すぎた。
こんにちは~
いつもながら素敵な一人旅行記。一緒に行ったような気になってしまいます。日本でお会いできるのを、楽しみにしています。
いつもながら素敵な一人旅行記。一緒に行ったような気になってしまいます。日本でお会いできるのを、楽しみにしています。
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グラシオーザ島はクロスカントリーにも良いと思います。今まで行った8島の中でも観光開発が進んでいない方です。アソーレスはどこを掘っても温泉が湧き出てくるはずです。グラシオーザ島のセミハードチーズがものすごく美味しい。メロンも栽培されていますが、今年は雨が多くて不作だったそうです。
オリャオのおばば
これだ、これだ、このタコが食べたい・・・リスボンにはもうないの?オリャオにはありませぬ・・・タコはいっぱいあるのだけれど・・・。
これだ、これだ、このタコが食べたい・・・リスボンにはもうないの?オリャオにはありませぬ・・・タコはいっぱいあるのだけれど・・・。
ロバはほんと優しい顔をしていて癒されますよね。ポルトガルではロバを飼うと国から援助が出ると聞いたので、本気で飼おうかと考えたくらいですw アソーレスはのんびりしていてよさそうですね♪
ユーロミリオンが当たったら、グラシオーザに土地を買ってロバ牧場を作ります。海のそばの石垣に囲まれた地所が売りに出されていました。
by caldoverde
| 2012-07-24 08:05
| ポルトガルの旅
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Comments(6)




