ワイン市@闘牛場
2012年 11月 05日

新酒の季節である。全国のワイナリーがリスボンのカンポ・ピケーノ闘牛場に集合し、選りすぐりのワインをテイスティングさせてくれるワイン市が11月の初めに開催された。赤レンガのアラビア風の闘牛場は、グラスを片手にどのワインを試飲しようかと右往左往する左党たちで賑わった。入場は無料で、試飲する人はプラスチックなら1ユーロ、ガラスは3ユーロのグラスを購入する。ワインだけでなく、チーズやハム・ソーセージ、お菓子、ジャムなど様々な地場産品も出品しているので、飲めない人も結構楽しめる。

私はたまたま財布が空っぽで、最後の1ユーロ硬貨でプラスチックのグラスを買った。試飲にはプラコップと決まっているではないか。きりっと冷やしたロゼはそのままでもいけるが、赤はやはりつまみがければなどとチーズをつまんだりしながら歩いていると、一緒に来た日本人たちが、あるワイナリーの宣伝マンに捕まっている。滑らかな口上で、ワインのテイスティングの仕方を教授している。
彼はリスボンの農業試験場で教鞭をとる醸造技師でもあり、私のプラスチックのグラスを見て、即座にこれはダメだと却下し、ガラスのグラスを私に貸し与え、赤ワインを注いだ。まず、鼻をワイングラスに全部突っ込むようにして香りを嗅ぐように言われた。いきなりグラスの足を持ってグルグル回すのはツーリスト(通リスト/痛リスト?)だそうな。
あら不思議、私の持っていたプラコップに鼻を入れて嗅いでもあまり香りを感じないのに、口のすぼんだガラスのグラスに注いだワインは同じものとは思えないほどよく香る。あの形には理由があると漠然と知っていたが、実際にこんなに違うとは、ここで初めて実感した。

この先生が最初に味見させたのは、アレンテージョ地方の赤ワイン。香りが華やかでフルーティ、味は軽やかな酸味のある、飲みやすいワインだ。次にドウロ地方の赤ワイン。アレンテージョワインほど強くはないが、落ち着いた香り。口に含むとじんわりと渋みが広がり、果実味とは全く違う、土や革を連想させる、タンニンの強い辛口のワインである。これが暑い地方(アレンテージョ)と寒い地方(ドウロ)のワインの違いだそうだ。前者は軽い食事または食事なしでも飲めるが、後者は食事と一対をなす。近年はポルトガルでも世界的にも飲みやすいアレンテージョタイプが好まれているが、本当のワインの醍醐味を味わうならば、ドウロワインであると先生は言いたげだった。
食事なしでワインそのものを楽しむタイプも紹介してくれた。ドイツワインと同じリースリングのダン地方の白ワインは、日本人が昔から馴染んできた甘口ワインと同じ系統で、デザートワインにぴったり。後でお金をおろして買いに来るからと、1本予約した。


イベリコ豚の生ハム、可愛いビンに入った手作りのジャム、珍しい伝統菓子、お洒落な装丁の料理本、ミニチュアサイズのオリーブオイルなど、ワインの他にも食指の動くものでいっぱいだ。もし財布に100ユーロ入っていたら、ほとんど使ってしまっていたところだ。幸い(?)所持金がゼロに近かったので、散財せずに済んだ。それでもリースリングワインの取り置きを頼んでいたので、7ユーロのワインを買うために20ユーロATMから引き出したが、あの先生は他のお客さんに講義中で忙しそうだったので、邪魔しては悪いと思い、買わずに闘牛場を後にした。コイン一つでポルトガル中のワインを堪能した秋の一日だった。

各地でサンマ祭り、牡蠣祭り、新米祭りに新蕎麦祭り、収穫祭の真っ盛りですね。ワインや食べ物の羅列を見るだけで、シ・ア・ワ・セ。
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こちらはもうクリスマス菓子が並んでいます。秋の存在感の薄いポルトガルです。
ワイン好きにはたまらないイベントですね!プラスチックとグラスでは香りも違ってくるとは驚きです。
普通のソーダガラスとクリスタルガラスでも違うそうです。隣のガト君のおばさんによると、水まで味が違うと言うことです。私も良いコップを買って水道水を飲もうかな。
本当にグルメな国ですね~♪ 私はあまり飲めないのですが、相方が今ワイン講座に趣味で通っていてポルトガルワインもお勉強中です。スペイン産にはもうあまり魅力を感じないそうで・・・・(笑)
このイベントは毎年この時期にリスボンで開催されるのですか?
このイベントは毎年この時期にリスボンで開催されるのですか?
このイベントの1週間後にはリスボンの別の場所で、ワイン専門誌の主催するワイン市が開かれました。こちらは有料です。
秋は収穫の季節なので、修道院菓子の展覧会やら、栗祭り、キノコ祭りなど各地で行われます。でも大々的な広報がないので、終った後にこういうものがあったと分かるんですね・・・
秋は収穫の季節なので、修道院菓子の展覧会やら、栗祭り、キノコ祭りなど各地で行われます。でも大々的な広報がないので、終った後にこういうものがあったと分かるんですね・・・
by caldoverde
| 2012-11-05 10:07
| 酒・ワイン
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Comments(6)

