ミーニョ・ガリシア ワインの旅 2
2013年 10月 10日

2日目は、ガリシアの風光明媚な小さな村サント・アンドレにある小さなワイナリー、「カサル・デ・アルマン」を訪ねた。ツーリズモ・ルラル(農業観光ホテル)を併設し、ワインの醸造、広報、ホテルやレストランの運営、インテリアまで家族経営によって行われている。18世紀の石造り総二階建ての建物は、ポルトガル北部にもよく見られる典型的なカントリーハウス。室内はそれぞれ違うインテリアで可愛らしくまとめてある。ビーチリゾートや有名な観光都市の豪華なホテルもいいけど、朝は鳥の声で目覚め、深呼吸すれば新鮮な酸素がたっぷり補給できて、食事は地元で採れた海の幸山の幸を地ワインで味わうのも素敵だ。ただし交通機関はないので、レンタカーや近くの町からタクシーで行く事になる。


トルティーリャ(スペインオムレツ)と地元産のチョリソ、パンをつまみにここで造られる白ワインをテイスティング。ガリシアワインのコンクールで賞を取ったというだけあり、華やかな香りと爽やかな酸味の調和したすばらしいワイン。私は昨日のワインよりもこちらの方が気に入った。

今度はミーニョ川を挟む谷の上にある赤ワインのメーカー、「レジナ・ヴィアルム」に向かった。ここは完全に人里離れた孤絶した場所にある。しかしこの地には古代ローマ人がすでに葡萄畑を作り、ここで作られたワインを輸出していたという。角ばった怒り肩の個性的な瓶と力強い渋みのある味は、古の大帝国の伝統を継承していることを誇示しているようだ。

葡萄畑は45度もあろうかとも思われる急斜面にある。うっかり足を滑らせようものなら、何百メートル下の谷底に転げ落ちてしまいそうだ。ポルトガルのドウロ河上流の葡萄畑のように、斜面に等高線を描くように葡萄が植えられているが、異なるのは、日の良く当たる谷の片側にしか畑がないことである。ガリシア地方はイベリア半島の内陸に比べ、雨が多く日照時間が少ない。そんな所でも日光が最大に当たるような場所を選んで良質のワインを作っていた古代ローマ人の知恵は偉大である。

昼食は小さな石の村のモダンな内装のレストランでガリシア地方の名物料理に舌鼓を打った。パプリカをたっぷり使った朱色のチョリソ、マイルドなガリシアチーズ、そして木皿に敷き詰められたガリシア風タコ!タコにはガリシアのアルバリーニョがよく似合う。メインは豪快な子ヤギのロースト。肉にはスムースな地酒の赤ワイン。デザートは素朴な(すの入った)カスタードプリン、滑らかで濃厚なコーヒープリン、ライスプリンの3種。





レストランの外には汽車ポッポ型観光バスが止まっていた。今の時期、こんな辺鄙な場所に観光客が来るのだろうか?と訝っていたが、私たちのために特別に用意してくれたらしい。谷の斜面を切り通したくねくねの山道を走る観光バスは、ガリシア州庁事務局長アントニオ氏による格調高いガリシア語のガイド付き。山には葡萄ばかりでなく樹齢何百年という栗の木が青い実をびっしりつけている。昔はガリシア地方やミーニョ地方の主食は栗だった。
このエクスカーションの記念写真は地元の新聞に「日本の輸入業者がガリシア訪問」みたいな扱いで写真入りの記事になってしまった。

汽車型観光バスを降りて、今度は普通の車に乗り換えて更に山奥にある、この地方で一番うまいワインを造ると言う「ギマロ」を訪問。と言っても田舎の細道の途中にある小さな醸造所である。何となく日本のお笑い芸人にいそうな感じの若い男性が私たちを迎え入れた。この工場では今も伝統的かつ家内手工業的なメソッドで良質のワインを造っている。大きな工場では取り入れた葡萄の実を軸から外したり、軸ごと実を潰して汁を絞る工程は機械化されているが、ここでは若手芸人、もとい若手醸造技師のペドロさんの手によって葡萄は揉み潰され、余分なタンニンのない上質のワインが出来上がる。彼は紫色に染まった掌を誇らしげに見せてくれた。ここでは軽快な若いテーブルワインからジビエに合いそうな重厚なタイプまで、わずか4人のスタッフで生産している。先ほどの昼食で出された赤はここの製品だった。ここで作られるワインは有名なポートワインメーカーにも卸されている。

チャーミングなペドロさん。「ギマロ」は「楽天」や「神の雫」でも紹介されています。
最後に彼が大きなスポイトで樽から吸い上げたのは、白い濁り酒のような液体だった。恐る恐る口に含むと、とろけるような甘さと極わずかなガスの弾けるのを感じた。「うまいっ!」モストと呼ばれる発酵中の葡萄ジュースだった。まだ絞られて間もないワインの赤ちゃんは、スペインではポピュラーな飲み物だそうだ。
くうう~秋の夜長、ワイン片手になんかしたい!!
0
ペドロさん、お笑い芸人って、めっちゃ笑いました。あのスポーツウェアがまた醸造技師のイメージからかけ離れたものにしてしまっている・・・。
ヤギはピリピリ付けて食べたくなりました。
ヤギはピリピリ付けて食べたくなりました。
「神の手」から作られる「神の雫」箱で買っとけば良かった。
秋の夜はワイン片手に松茸ご飯などいかがでしょう。
秋の夜はワイン片手に松茸ご飯などいかがでしょう。
今度、家で栗ご飯は炊くつもりなんだが。
by caldoverde
| 2013-10-10 20:22
| 酒・ワイン
|
Comments(4)


