ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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ミーニョ・ガリシア ワインの旅 3

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 3日目は、ようやく我がポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデの番である。ミーニョ地方の葡萄畑はアレンテージョやドウロ上流の広大な葡萄畑と比べるとこじんまりして、また葡萄の木の仕立て方も多いに異なる。民家の敷地を区切る生垣のように、横に張ったワイヤーにツルをはわせている。ミーニョ地方やガリシア地方は海洋性気候で雨が多く、内陸に比べると日照時間が少ないので、葡萄に良く陽が当たるようにこのように作るのだそうだ。このような土地の葡萄は酸味が強く、そのような葡萄で作られたワインはアルコール度数は低くなり、長期熟成させるタイプではなく、早めに飲み切るタイプとなる。然して「緑のワイン」(ヴィーニョ・ヴェルデ)が生まれる。
 100%アルバリーニョ種から作られるものはヴィーニョ・ヴェルデの中でも高級品と見なされる。大衆的なヴィーニョ・ヴェルデは、ロウレイロ種など数種類の葡萄をミックスして作られる。実は私は高級品のアルバリーニョ100%より、気軽に飲める大衆的なヴィーニョ・ヴェルデの方が好きだ。なぜか?アルコール度が軽めでガスが多く含まれているので、暑い日にビール感覚で飲めるからである。ゴクゴク…プハー。しかし今回は高貴なヴィーニョ・ヴェルデを賞味するために来たのだ。

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16世紀の建物の入り口には面白い顔の井戸がある

 エレガントなアルバリーニョ100%の緑ワインはレゲンゴ・デ・メルガッソという小さな町の貴族の館(ソラール)のあるワイナリーで生まれる。ミーニョ地方はポルトガルの中でもソラールが集中している地域で、16世紀~18世紀に建てられたクラシックな邸宅がホテル(ツーリズモ・デ・アヴィタサォン)となっているところも多い。貴族の親戚や友達のいない方でも気軽にお屋敷に泊まることができる。

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ハネムーンにいかがでしょうか

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 訪れた日は葡萄の収穫(ヴィンディマ)が行われていた。りり子さんはヴィンディマに合わせてワイナリーの日程を組み、しかも参加する気満々でやって来た。私は葡萄畑や工場を見るだけでも十分満足したのだが、彼女は収穫した葡萄を踏み潰すことまで想定し、ショートパンツを持参して来た。その日はあいにく雨が降っては止みという天気で、工場の外で採り入れた葡萄を機械に入れる作業も一時中断される程の土砂降りに見舞われた。そんな天気にも関わらず、毎年ヴィンディマ時期に雇われる地元の人々は既にひと仕事終えて、お昼を食べに帰るところだった。りり子さん、Ovosmolesさん、私は葡萄を切る鋏を借りて、一応ヴィンディマに参加した。葡萄はほとんど残っておらず、たまたまよく熟れた葡萄を見つけたら、それはアルバリーニョではなく雑種の葡萄だということだった。ワイナリーは100%アルバリーニョという品質を守るため、ヴィンディマには経験と責任感のある、代々葡萄摘みを手伝ってきた家族を直接雇うのだそうだ。

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仕事が終わったころに畑に向かう私たち
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白ワインの女王アルバリーニョ

 お昼は廊下が広くなったところにテーブルを置いただけの社員食堂で、従業員達が食べる昼食をごちそうになった。一応肉と魚のフルコース、ワインも赤と白が出る。魚はマッサーダ・デ・バカリャウ(干鱈とマカロニの煮込み)、肉体労働を終えた人達のためか、やや塩辛いが、鱈の出汁がマカロニにしみて旨い。これに貴婦人のようなアルバリーニョ・ワインの組み合わせは、美女と野獣のようであるが、お互いに引き立てるナイスカップル。肉は香ばしく焼いたチキンで、相棒はミーニョ地方ならではの酸味のきいた赤のヴィーニョ・ヴェルデ。

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 アグアルデンテと呼ばれるポルトガルの焼酎の中でも最高のものはヴィーニョ・ヴェルデから作られたものだという。隣に座っていた運送会社の社長のマリオさんが、食後に小さなグラスでアグアルデンテをうまそうに飲んでいたのを私が見逃すはずはなかった。マリオ社長は自家製アグアルデンテを作り、自分の名を入れたラベルまで印刷し、親しい人にプレゼントしたり、カフェに卸したりしている。まあ、密造酒である。そのマリオブランドのアグアルデンテの置いてあるカフェで食後のコーヒーと、消化薬(アグアルデンテ)を飲んだ頃は3時をとうに回っていた。ポルトガルの中で特に南部のアレンテージョの人々はのんびりやと言われているが、ミーニョの人も負けていない。いや、もてなし好きなのかもしれない。

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「マリオ2000」非売品です

 既に夕刻になりつつあったが、モンサォンというヴィーニョ・ヴェルデの一つの指定産地の中でも特に名高いアルバリーニョの緑ワインを作るパラシオ・ダ・ブレジョエイラを訪ねた。堂々たるシンメトリーの豪壮な館(パラシオ)がここで作られるワインの名前となっている。19世紀に作られた比較的新しい宮殿で、内部は豪華だが当時のブルジョアの成金趣味の香りもそこはかと漂う。残念ながら宮殿内は撮影禁止、また宿泊設備はない。しかし売店のワインやアグアルデンテは市価より安いので、ワイン好きには必見の場所だ。

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 この日はパラシオ・ダ・ブレジョエイラに行く前に、同じモンサォンにある「アルバリーニョ会館」にも立ち寄る予定だったが、レゲンゴ・デ・メルガッソでの葡萄狩りと昼食が予定より長引いたので残念ながらパス。「アルバリーニョ会館」では様々なメーカーのヴィーニョ・ヴェルデが試飲できるらしい。この町には温泉もあるので、いつかゆっくりとワインと温泉を楽しみたい。

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Commented by OvosMoles at 2013-10-17 02:38 x
いや、caldoverdeさん、また笑ってしまった。我々が傘差して畑に行く姿。で、向こうからみんなは作業を終えて帰ってきてるし。あのブドウがきれいさっぱり収穫された後の裸の木を見渡した時は、ウチで栽培してたバジルがある日突然アオムシに食いつくされていた姿を思い出しました。
Commented by pato at 2013-10-17 04:31 x
うわぁぁぁん、ますます私も行きたかったよー。
モンサォンは2005年の夏に結婚式の披露宴で行ったけど、
慌しくてSpaとかを楽しめる雰囲気ではかなったのだ。
by caldoverde | 2013-10-16 04:27 | 酒・ワイン | Comments(2)