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ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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麿歯科医院

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創作ポルトガル料理「エンソパーダ・デ・バカリャウ」干鱈を残り物の野菜とパンと一緒に煮込んだもの。鱈は食べた後糸楊枝が必要になる。

悲劇は土曜日に起こった。糸楊枝で歯を掃除していたら、奥歯に被せていた銀冠が飛んだ。コン、と陶器の洗面台に当たる音が聞こえ、歯には空洞が生じた。床に這いつくばって隅々探したが、冠は見つからない。ひょっとすると洗面台の穴に落ちて、排水管の中に入ってしまったのだろうかと、排水口の金属を外し、中を覗いても何も見えない。数少ない手持ちの貴金属を無くした上、食べるのにも不自由な状態になった。

今は8月、多くのポルトガル人はバカンスで2週間も4週間も仕事を休んでいる。医者も例外ではない。しかも週末である。開いている歯科医院は皆無に近い。一縷の望みをかけて、1月前に同じ銀冠を入れ直した歯科医院に行くも、月末まで夏休みだった。仕方なく薬屋で何か穴に詰めるようなものはありませんかと訊くと、親切にもただで見本の入歯固定用ペーストを分けてくれた。しかし虫歯で出来た穴に詰めても良いものだろうか…

そこに救世主が現れた。以前住んでいたアパートの同じ階の未亡人とすれ違った。事情を話すと彼女はアレンテージョだかアルガルヴェの別荘の隣人がリスボンのクリニックに勤務する歯科医、しかも土曜日が担当だということを思い出した。だからそのクリニックは土曜日も開いているはずだと示唆した。しかしその歯科医院とは、世界的に名を馳せている「マロ・クリニック」である。近所のヤブ歯科医院の治療費は35€だった。それでも十分高いのに、一体いくらかかるのだろう…100€、それとも200€だろうか?しかし一刻の猶予もない。今すぐ穴を塞がないと神経に触って大変なことになりそうなのだ。
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遠くからも目立つ、威風堂々たる建物

家に戻って電話をかけると、何とその日のうちに予約を取ることができた。これも奇跡的なことである。夏休みの時期でなくとも、病院の予約は1週間、2週間先はざら、ひどい時は2ヶ月後と言われたこともある。

場所はアメリカ大使館のとなり、近くにはリスボン大学病院や、マリオットホテルもある。建物は黒いガラス張りの14、5階はあるビルで、全てマロ・クリニックと関連施設である。エステサロンや美容院もある、13階の受付はまるでホテルのロビーのようだ。なんとバーまでありマロワイナリーのワインを売っている!マロ先生はかなりやり手の実業家と見えた。
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試飲したかったけど治療前なので自粛

実際の治療は女性の歯科医師が担当した。ポルトガルは日本と比べると女医の割合が多く、特に歯科医師は女性が多い。
小さな虫歯の穴を塞ぐ程度なら1回の治療で済むが、取れた銀冠が結構大きかったので、セメントみたいなものを仮に詰めて、次の治療で金属を被せることになった。気になる治療費は、初回が診療65€、レントゲン代45€、合計110€で、2回目は105€だった。その辺の歯科医院に比べると相当高いが、安いところで詰めた冠や差し歯が何度も取れたことを考えると、高いが良いに違いないと自分に言い聞かせるより他なかった。
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広々とゴージャスな待合室

ドクター・マロの専門はインプラントで、画期的な方法を開発した。麻酔をかけ全ての歯を抜き、総入れ歯のような義歯を顎の骨に固定するというもので、手術は1日で済むという。世界中に多くのクリニックを持ち、日本では東京にマロ・クリニックがあるので、その技術は評価されているのだろう。私の詰め直した銀冠も、ほとんど違和感なく、削るなどの調整が日本の歯科医師と比べても少なかったので、上手だったと言える。でないと215€かけた意味がない。願わくば一生この歯が使えると良いのだが、他の歯もあちこちガタが来ているので、またマロ・クリニックのお世話になることもあり得る。しかし1本200€では…やはり全部抜いて総入れ歯インプラントにした方が手っ取り早く安上がりなんだろうか?宝くじを買わねば。
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大金持ちのイケメン歯科医師。三高揃ってます。
Commented by pato at 2014-09-04 07:39 x
すごーい。
研修の歯科医師の方々を送っていって客室は見たことはあるけれど、
待合室ってそんなふうになってるんだ。
私は帰国時にしばらく欠損してた上の4番を作りましたよ。
大口を開けないと見えないので一年近く放置してたの。
Commented by caldoverde at 2014-09-04 17:30
元々の診療代が高い上に、医療保険が効かないんです。商売上手な麿先生、月々わずかな支払いで最高の治療が受けられます、ってシステムも作るといい。
Commented by pato at 2014-09-05 16:29 x
ついでにインタビュー?
・初診と2回目の間ってどれくらいの期間がありました?
・2回とも同じ先生が診てくれたのですか?
・そんなに高いのに詰めたのは金属なんですか?
私も前に取れた銀を田中貴金属のリ・タナカに持って行こうかと
思いましたが、日本だと銀と言ってもアマルガムとか?の合金なので
止めました。
Commented by caldoverde at 2014-09-05 18:13
土曜日が初診で、次は火曜日にしますかと聞かれましたが、仕事があるので木曜日にしました。これも日本に比べても早い。
Commented by caldoverde at 2014-09-05 18:16
同じ先生です。詰めたのは金属です。材質は分かりません。値段から見るとプラチナ?2回目に行ったら冠が出来上がっていたので、3Dコピーかなんかで作ったのかな?
Commented by おっちゃん at 2014-09-05 22:01 x
私も震災の最中とれた奥歯の詰め物の穴を3年半も放置したままです。痛まないもんでね。そのうち入れ歯だよ。
Commented by caldoverde at 2014-09-05 23:11
まだ傷が浅いうちに処置した方が…日本は歯科も保険がききますから。
Commented by pato at 2014-09-07 06:29 x
答えてくれてありがとうございました。
切羽詰ったら行ってみるかな?
ただ、私の場合もう殆ど神経の残ってる歯が無いので
痛むのは、歯の根が割れた時くらいですなぁ。
Commented by おっちゃん at 2014-09-10 15:02 x
歯医者関係ないけど、前のアパートの騒音風俗店はまだ営業しているのですか?
Commented by caldoverde at 2014-09-10 15:36
はい、今は休みも取らず営業しています。私のあとに入ったカップルはベッドの向きを変えたそうです。
Commented by おっちゃん at 2014-09-11 07:38 x
引っ越してよかったですね。歯痛に騒音は響いたことでしょう。
Commented by pato at 2014-11-01 10:54 x
そう言えば9月に左上のクラウンが2つ立て続けに取れてしまったのでした。
いつものマダレナ先生だと予約が1週間先とかになるので
フランチャイズ展開してるO Meu Dentistaのアモレイラスに行ってみました。
エル・コルテにもあるアレです。
なかなか明朗会計で良かったよ。
電話した次の日に予約が取れて、緊急初診料30ユーロでレントゲン込み、後は
1本着ける毎に30ユーロでした。
by caldoverde | 2014-08-30 14:46 | 生活 | Comments(12)