ミランダ・ド・ドウロの旅 4
2014年 12月 29日

ミランダ・ド・ドウロに3泊した後、20kmほど離れたセンディンという村に宿を移した。ここから6km先のアテノールという場所にミランダロバ牧場がある。この旅の重要な目的の一つはロバを見ることだった。10年位前にリスボンのサン・ジョルジェ城に数頭のミランダロバが来たことがあった。その時にロバの可愛さにやられてしまったのである。

昔、人々は農作業や物資の運搬、交通手段としてロバを大いに利用していたが、生活様式が変わり、ロバもその需要が失われ、多くの雄ロバは去勢されて絶滅が心配されるほどになってしまった。またミランダロバはトラス・オス・モンテス地方特産のポルトガルの固有種であるが、スペインのロバと混血し純血種が脅かされるという問題もあるので、種の保存と研究を目的とするAEPGAという団体が作られ、アテノール村で飼育、繁殖が試みられている。更に同団体は年老いて不要になり放置されたロバに幸せな余生を過ごしてもらおうと、別の村に老ロバ施設も作った。


ミランダロバの体重は400kg前後、茶色の体毛、鼻と目の周りは白く、個体によっては毛が長いものもある。性質は柔和。長い耳は柔らかい毛で覆われている。牧場で飼われているロバは人馴れして、柵に近づくと次々と寄ってきて温かい鼻息を吹きかける。耳を触られるのは嫌がるが、耳の付け根はOKということで、順繰りに耳の付け根を掻いてあげた。ここでは50頭のロバが飼われており、それぞれに名前が付けられている。ロバ達は観光やテラピーなどに従事している。近郊の野山を歩くロバツアーも可能だが、牧場を見学するだけでも十分に楽しい。いずれにせよAEPGAに事前に申し込みが必要だ。

牧場の広さは24ヘクタールあるが、1頭のロバにつき1ヘクタールが理想ということで、近くの土地を購入し拡張する予定だそうだ。そうか、1ヘクタールの土地が必要なのか…
最近ロバのミルクを原料とした石鹸や化粧品を見るようになった。この牧場でも売っていれば買おうと思っていたが、Xマスの時期のせいか商品はほとんどなかった。牧場を案内してくれたヌーノさんによれば、儲けが出るほどは生産できないということだ。リスボンのスーパーで買ったロバ石鹸を贈った友達には「お肌がツルツルになった」と喜ばれたので、この地方の特産品としてもっと力を入れても良いのではないかと思う。

センディンという村には「ガブリエラ」というレストランがある。英語のガイドブックには、ここで食べるためにこの村に一泊する価値はあるとまで書かれているし、たまたま乗ったリスボンのタクシーの運転手がこの地方出身で、彼もまた有名なレストランとしてこの店を挙げていたので、その名声は広範囲に及んでいるのだろう。 外観はどうってことのない、アルミサッシの窓のチープな感じさえする田舎のレストランだ。席に着くなり「ポスタか?」と聞かれた。それだけミランダ牛ステーキを注文する人が多いのだろう。しかし値段が23€である。いくらうまくともそんなに高くて大きい肉は食べられないと躊躇すると、じゃあ小さいのにするからと言われたので、結局ポスタ・ミランデーザを選んだ。しかしもう一つの名物の腸詰アリェイラにも心惹かれるものがあった。値段はポスタの3分の1になる。

前菜にオリーブと謎の漬物が来た。珍しいので食べてみたら、辛いのなんの。巨大な獅子唐芥子を丸ごと漬けたものだ。野趣溢れるクレソンのサラダはさっぱりして牛肉に良く合う。肝心の「小さい」ステーキはこの前に食べたのよりも1.5倍くらいの大きさで一瞬たじろいだが、あっさりした赤身なので、結局ほとんど平らげた。デザートはチーズに自家製ジャムを添えたもの。ジャムは数種類の中からナシを選んだ。甘いジャムと塩気のあるチーズの組み合わせはとても美味しい。





今回は残念ながら「なまはげ」は見られなかったが、地元の若者たちが普段着で踊るパウリテイロスの踊りが見られた。衣装をつけないと乱闘の様にも見える。パグパイプの音楽といい、この地方の民俗文化は、厳しい気候、異民族や隣国との衝突に晒されてきた土地柄を反映するような雄々しさがある。お約束の枕詞「哀愁」とは異質の、もう一つのポルトガルを垣間見ることができた。
Xmasイブにカテドラルの前でパウリテイロスの踊りを踊る若者
ロバ石鹸ありがとうございました。ベビー石鹸のようでナチュラルですね。ロバ自体少なくなっているのでは、生産は無理でしょう。どこも酪農は大変です。
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その通りです。あくまでも副産物みたいなものですね。クレオパトラはロバの乳風呂で入浴していたと言いますが、何頭飼っていたんでしょう。
ロバ見に行ったよね!可愛かったので良く覚えてます。しかし肉おいしそう・・・私ならペロッと食べられそう。そして漬物是非食べてみたいです。Serrabulhoだっけ?肉の雑炊のようなやつ。あれはなかった?私あれ大好きなのよね。このあたりでは食べれないじゃない。
by caldoverde
| 2014-12-29 19:20
| ポルトガルの旅
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