豚もん屋で一杯
2015年 06月 12日
中央の今にも崩れ落ちそうな小さな建物が会員制クラブ
近所に謎の立ち飲み屋がある。店名を記す看板はなく、何時でも開いていて、所在無さげな親父たちが昼から一杯引っ掛けている。さえない店だが、安いに違いない。ある日そこでグラスのワインを飲もうとしたら、「ここは会員だけだ」と言われ、たまげた。
ボトルのワインを買うまでもなく、ちょっと飲みたいだけの時、家まで数mしか離れていないこの店は、極めて理想的な店なのだが、会員でないとダメなのか。こんなショボい店が一体何の会員専用なのか??
ところがその変な立ち飲み屋の数10m先に、お洒落なタスカ(居酒屋)がオープンした。名前はPIGMEUという。ピグメウとはポルトガル語でピグミー族だが、分解すると「私の豚」という意味になる。この店名が政治的に正しいかどうか疑問であるが、メニューが豚肉料理だけというのが売りである。レストランを紹介するサイトによると、ポルトガル初の「豚もん屋」(porcaria)である。
ポルトガル語では、お菓子屋はpastelaria、魚屋はpeixaria、文具屋はpapelaria、という風に、名詞にariaをつけると、何々専門店という意味になる言葉が多い。ところが豚のporcoにariaをつけた単語 porcaria は、(豚のような)下らないもの、汚いものを意味する。しかしユーモアのあるオーナーは「豚の店」という解釈を与え、国内初の豚専門店 porcaria と称している。ポルカリア、と人々がいう時は必ず侮蔑や嫌悪の感情が含まれているが、カンポ・デ・オリーク地区に関しては、好意を持って受け止められる言葉になるかも。
「豚もん屋」は、謎の立ち飲み屋よりも若々しくシンプルで清潔な印象だ。紙のテーブルクロスの模様は可愛いどんぐり模様。そう、イベリコ豚の餌となるどんぐりである。女性一人でも、非会員でもOK。グラスワインは2€から、前菜は3€から。夜小腹が空いた時、ちょっとだけ飲みたい時に丁度良い。
生ハムとヤギのチーズのサラダ。
可愛いサイズの豚の頬肉のコロッケ。
この店のメインディシュは、豚肉を挟んだサンドイッチ。数時間低温でじっくり調理したロース肉のスライスや、レイタン(子豚の丸焼き)肉、上等な生ハム等、中身は豚肉がメインだが、一つだけベジタリアン用のものもある。サラダやフライドポテトなどの付け合せと飲み物が付くので、軽い食事にぴったり。
近所には、おじさん達に人気のニンニクのピリッと効いた美味しい豚サンド(ビファナ)の店があるが、この豚もん屋は、ポルトガルの伝統をしっかり受け継ぎながらも、スマートでヘルシーなメニューとリーズナブルな値段、親しみやすい店づくりで、若者や女性の共感を得られるだろう。
しかし、夜、小腹が空いた時豚コロッケはなぁー、カロリーがなーwww
200ユーロだなぁ。
ガス瞬間湯沸かし器が点いてれば非常事態ということで消防士を呼べると言われたんだけど。
家の近所にも豚サンドを気軽に食べられる場所が出来ました。
その名もABC、Associação de Bairro de Campolideです。