ポルトガルの食べ物、生活、観光情報


by caldoverde
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さらば、サランボー

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今が旬のいちごのタルト

リスボンは今日もまた一つ新しい店が開いてはまた一つ閉じてゆく。古いガイドブックを見ると、もう存在していないお店も結構ある。TimeOut という街の最新情報を発信する雑誌でこの前見たので行ってみると、もうなかったという事も珍しくはない。別にどうって事のない、単価も高くないバールやカフェがしぶとく生き残っているのは、まさにどうって事のない、単価の安い店だからだと私は考える。いつも同じもの(だけ)があって、いつもの常連がいて、散歩がてらふらっと入って小銭でコーヒーやビールが飲める。平和な日常を売っているわけだ。
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タルト・タタンはリンゴだけでなく桃やあんず、梨もあった

時々オーナーの嗜好や理想を強く打ち出した、おしゃれなカフェが現れるが、長続きしない。そのような店はコーヒーとお菓子で2€では足りないので、たまに行くのには良いが、毎日となると懐がちょっと痛い。それにバターやクリームやチョコレートをたっぷり使ったケーキを毎日食べていたらダイエットにも影響する。しかし日常から少しばかりグレードアップしたものも無いと困る。困るのだ!
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本格的なパリ・ブレスト

フランス菓子とお惣菜の店 La Pâtisserie Salammbô が カンポ・デ・オリーク地区にひっそり開店して2年、知る人は知るが、地元の人にもほとんど知られないまま、5月半ばで閉店してしまう。同じ通りには改装して盛況のカンポ・デ・オリーク市場があり、色んな商店やレストランが集まっているのだが、どん詰まりに近いこの辺りは日中でさえ歩いている人は非常に少ない。雨の日や寒い日は開店休業になるだろうと予想はつく。
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野菜たっぷりのピザ

近くにフランス語学校があるせいか、この地区にはフランス人が少なからず住んでいるらしく、また年配のポルトガル人は第二外国語としてフランス語を習っていたり、フランスに出稼ぎに行っていた人も結構いるので、サランボーにケーキを食べに行くと、よく店の主人がお客さんとフランス語で会話していた。クロワッサンやバゲットもあるので、フランスの味を懐かしむ人がここにやって来る。しかし、コーヒー一杯だけ飲みたいポルトガル人は、まず入らないだろう。コーヒーはリスボンでは55セントから70セントだが、最も多い価格は60セント。一時サランボーでは70セントに値上げしたが、すぐに60セントに戻した。コーヒーだけ飲みに入った客が「高いね」と言ったらムッシューは「うちは良い豆を使っているから」と説明していた。日本人から見ると、エスプレッソ70セントは激安なのだが。
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パイもカスタードクリームも絶品のミルフィーユ

お菓子もその辺のポルトガルのカフェのものよりずっと良い材料を使っていると自負しているだけあって、店に入るとバターの良い香りが漂う。ある日のミルフィーユには本物のバニラビーンズの鞘が飾りに使われていた。ここのカスタード系のケーキは本当に美味しくて、日本の洋菓子と肩を並べられる。またここのチーズケーキは、コッテリして酸味がある正しいチーズケーキだ。ポルトガルのチーズケーキ、あれはいったい何なのだ。
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見かけはホームメイドですが、味は本物のブルーベリーチーズケーキ

お惣菜はフランスのみならず、色んな国の影響を受けたものが登場する。奥さんはカザフスタン出身のルーツは朝鮮半島という事で、キムチ風の人参サラダ、キクラゲのサラダ、ピロシキなど東洋風のものもあれば、ピザやタコのサラダなど地中海風もあり、週末にはブッフ・ブルギニョン、クスクス、羊のシチューなどフランスやその植民地の料理を注文販売するなど、バラエティに富んでいた。
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端右のキクラゲのサラダはまさに酢の物

残念ながら良いものを作るのとビジネスの成功は必ずしも連動しない。せめてもう少し人通りの多い場所にお店があったら、と誰もが考える。サランボーの主人は商業住宅地として人気の高いアルバラーデ地区の全ての通りを当たったが、家賃が月数千ユーロという事で諦め、カンポ・デ・オリークのこの店を選んだ。しかしやはり高い(または安い)物件はそれなりに理由があるのだろう。今後は自宅で注文を受けてケーキを焼くそうだが、いつかまた良い場所を見つけてサランボーを再開して欲しい。
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ホオズキとフランボワーズのタルトはパリの味…に違いない

5月14日まで、市電28番や25番に乗っておいで下さい。Rua Francisco Metrass, 109A-B, Campo de Ourique, Lisboa


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Commented by jojo at 2016-05-06 18:57 x
自分のお気に入りのお店が閉まるのって、
本当に寂しいよねぇ。
こんなカフェがあったなんて、知らなかったよ。
5月末までに是非行ってみたい!
Commented by Moreia at 2016-05-06 20:42 x
あそこが無くなるのは悲しいですねえ。ムッシューはいかにもお人好しっぽいし。野菜ピザ、どこかシルクロードの味で、美味しいよね。
Commented by caldoverde at 2016-05-06 22:05
jojoさん、月末じゃなくて14日閉店と訂正します。すみません。もう1週間しかありません。大きな冷凍庫があれば商品を買い込んで保存するんですが。
Commented by caldoverde at 2016-05-06 22:08
本当、悲しいです。前のアパートの騒音源のカフェは閉めたままなので、あそこに入ればいいのにな〜。彼らなら住民に迷惑かけないと思います。
Commented by おっちゃん at 2016-05-06 22:21 x
日本なら宅配ピザとかケーキの頒布会とかやってる店もあるけど、採算とるの難しいようですね。
Commented by caldoverde at 2016-05-06 23:29
このお店も採算が取れなくて閉めちゃうんです。でも自分たちの納得するものを売りたかったんでしょうね。
Commented by pato at 2016-05-13 07:44 x
今日、やっと行ってきました。
4月末にサバにあたり、また先週末にミートパイの牛肉にあたり、外出を控えているのですが、
やむを得ずアモレイラスまで行く事になってタイミングよくバスが来たので行けました。
確かにドン・詰まりな場所なのですね。
ウチの近所は個人商店がバタバタ閉店してます。
後はフィリピン・レストランの所も場所が悪くて前の3件のレストランも悪くなかったのに閉店してしまいました。しかし?なぜか?至近の大衆食堂とか中華スシとか、坂道の途中にあるPetisco屋とかは流行っています。
Commented by caldoverde at 2016-05-13 08:01
風水的に良くない物件というのもあるかもしれません。しょっちゅう店が出ては潰れる店舗もよくありますね。
by caldoverde | 2016-05-04 01:36 | お菓子・カフェ | Comments(8)