2度目のマデイラ その2
2017年 04月 06日

マデイラの代表的な料理と言えば、魚は太刀魚と鮪、肉は月桂樹の串に刺して焼いたバーベキューであろう。市場には黒と銀の太刀魚がたくさん並べられていて壮観だ。1日目の夜はホテルの隣にあるレストランで太刀魚のフライを食べた。入り口に某国ガイドブック推奨のシールがベタベタ貼ってあり、それを参考に来たと思われる外国人客ばかりだったが、意外に味は悪くは無く、バックパッカー向けのガイドブックが推薦するだけあって値段もそれほど高くなかった。骨を取ったくせのない太刀魚のフライに焼いたバナナを添えクリーミーなホワイトソースをかけた料理は、子供にも、(私のように)歯の抜けた人にもお勧めの優しい味だ。

海岸通りのロープウェイ乗り場の向かいに、マデイラ・ヒストリー・センターという土産店とレストランとミュージアムが一緒になった施設がある。5€の入場料は上のレストランの10%割引券となる。展示物はパネルや映像が中心で貴重なものはないが、昨日観た映画の基礎知識によって興味深く見ることができた。
階上のレストランはオープンテラスで海や山の絶景が眺められ、料理に所場代が加算されても納得できる。その分割引券を使うのだ。定番メニューの他に、ガラスケースに入った魚を選んで調理してもらう事もできる。その日はカサゴに似たカルネイロという赤い魚があったので、グリルにしてもらった。一人で食べるには大き過ぎる(500g)かと思ったが、内臓を取って焼くとちょうど良い量だった。

フンシャルの博物館は日曜日閉館の所が多く、CR7ミュージアム(クリロナ記念館)も、フランドルの宗教画が展示されている宗教美術館も、マデイラの重要産業だった砂糖の博物館も閉まっている。そんな訳で日曜日のマデイラは乗り物に乗って景色を楽しむのが良い。まずロープウェイ。以前来た時も乗ったが、あの時の恐怖が蘇った。眼下は赤い屋根の密集する斜面。よくこんな土地に建てるものだと感心するような切り立った崖っぷちに造られた家。ベランダにビーチチェアーが並ぶデラックスな家もあれば、屋根が落ちて廃墟になった家もある。小さなバナナ畑もあれば、数年前の土砂崩れや山火事の跡と思しき所もある。犬や鳥の鳴き声が聞こえるほどロープウェイの中は静かだ。それだけにロープを支える柱を通過する時に生じる音と振動が一層怖い。怖いけど眺めは最高だ。

ロープウェイの上の乗り場の先には植物園とトボガン(かごぞり)乗り場がある。10年前はロープウェイで植物園に行き、帰りはトボガンで降りるというマデイラ観光の王道を体験したが、今回は植物園は広すぎて見学に時間がかかるのと、トボガンがまだ運行していなかったので、直ぐにロープウェイで下に降り、今度は路線バスに乗ってクラル・ダス・フレイラスに向かった。10年前は、垂直にそそり立つ岩に囲まれた谷底に家がポツポツ見える落武者部落のような所だった。海賊の襲撃を避けるため修道女たちが人里離れた山の中の谷底に住んだのが始まりだそうだ。平和な生活と引き換えに、大変な苦労があったと思われる。現在は私の予測に反して民家が増え、限界集落から村の規模になっている。かつての落武者部落のような秘密めいた印象はなくなっていた。

クラル・ダス・フレイタスの名産品は、栗。バス停側の屋台では栗のケーキやクッキー、干し栗を売っている。冬は栗のスープが登場する。売り子のおばさんが作ったと思われる素朴な栗ケーキを頬張り、やはり手製の栗のリキュールを飲んだ。警察が禁止しているのでおおっぴらに売れないんだと言いながら、小さなジュースの瓶に詰めたリキュールをこそっと小さなコップに注いでくれた。本当は一瓶買えば良かったのだが、甘い酒は頭が痛くなるのでね…ごめん。
by caldoverde
| 2017-04-06 09:09
| ポルトガルの旅
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