エリセイラのウニ祭り
2019年 04月 06日
久々の朗報。4月からリスボン圏の公共交通機関の定期券が大幅に値下げされた。新しい定期券は主に2種類あり、一つの市内の交通機関のみ使えるパスが30€、リスボンとその周辺の19の市町村の交通機関が使えるパスが40€である。今まではリスボン市内の地下鉄とCARRISの運行する乗り物(バス、市電、ケーブルカー、サンタジュスタ・エレベーター)、一部の国鉄駅が30日間使えるパスが35€いくらだったが、何と5€もの値下げ、あるいはわずか5€多く払うだけでシントラやカスカイスなどの観光地やテージョ河の向こうの町にも行ける。どちらを買うか迷ったが、40€の方を買って使い倒すことにした。
早速パスを使ってリスボンから路線バスに乗り海辺の町エリセイラに出かけた。ここでは春に「ウニ祭り」が催される。エリセイラという地名はポルトガル語のウニ(オリッソス・ド・マール)から来ているそうだ。昔は沢山のウニが獲れたのだろう。現在はサーフィンで有名で、リスボンにも「エリセイラ」というサーフショップがある。遠目にはお洒落なアパートが立ち並ぶリゾート地にしか見えない今のエリセイラには全く興味が湧かなかったが、ウニには強く惹きつけられた。そういえば昔、初めて「亀の手(ペルセベス)」を食べたのもこの町だった。その時は女だけのグループでただひたすら食べまくり、町や海岸を散歩する余裕というか関心は皆無だった。今度は例によってお一人様なので、ウニの他にどんなものがあるのか見て来よう。
バスターミナルのあるメインストリートの片側はマンションが立ち並ぶ新しい地区だが、もう片方の海側は細い道が入り組んだ迷路のような、昔ながらの漁師町。白い石灰の壁に鮮やかな青い縁取り、窓の手摺やドアも青く塗った可愛い家が多い。砂浜から垂直に立ち上がった崖に沿った道には数軒レストランがある。「ウニ祭り」協賛店は期間中ウニを使ったメニュー、またはウニをそのまま焼いたり茹でたものをフィーチャーする。ウニを見ながら海を食べ、いや海を見ながらウニを食べられたら最高なのだが、ウニはどんなに大きくても所詮前菜にしかならず、また海に面した店のメニューはロブスターや牡蠣をキロ幾らで表示してあり、少なめに見ても50€位は覚悟しないと。もうちょっと安い所はないかと路地を歩いていると市場があった。ウニがあれば買って帰ろうかと思ったが、海が荒れているせいか無かった。しかし大きなヒメジが目についた。
市場の向かいが焼き魚をメインにしたレストランで、値段もそれほど高くなさそうだし、ウニ祭りに参加しているので、ここで食べることにした。この店のウニメニューは「ウニのクリームコロッケ、トマトライス添え」である。クリームコロッケはバールやお菓子屋にもよく見られるスナックで、中身はエビや子豚肉が多いが、ウニとも良く合いそうだ。しかし量的にはちょっとボリュームのある前菜といった感じなので、メインとしてヒメジのグリルも頼んだ。コロッケを半分に切ると赤い粒々や緑の葉っぱが見えて、なかなかカラフルだ。ウニの量は少ないがその香りはしっかりと存在を主張している。ヒメジは向かいの市場直送で、身がプリッとしている。付け合わせは茹で野菜、アソルダ(パンのお粥)、サラダだが、もう入らなかった。
デザートとコーヒーは、昼食前に海沿いの道で「エリセイラのウニ」という看板を掲げた菓子屋を見たので、そこでとろうと決めていた。まさかウニは使っていないだろうが、黄金色にこんもり丸く焼き上げた小さな菓子の見た目は確かにウニっぽい。一口食べると「まさか?」と思うほど、とろけるような舌触りと濃厚な味は本当にウニに似ている。これはすごい。このお菓子は「ウニ祭り」に限らず年中あるので、エリセイラにサーフィンや日光浴に行ったなら必ず買うべきお土産だ。











