テージョ河アート散歩 リスボンにゴジラ現る
2020年 02月 16日
ジェロニモス修道院や発見のモニュメントに向かう途中にある18世紀のロープ工場で、3月22日までディノサウロスの展覧会が開かれている。ポルトガルでも恐竜の骨や足跡が発掘され、観光名所になっている所もあるのだが、ポルトガルにわざわざ恐竜関連のものを観に来る人はいないだろう。私も大して関心はなかったのだが、リスボンの地質学博物館で、人間が誕生する以前の地球の歴史に触れ、また展示物に恐竜の骨もあったので、恐竜が実際に生きていたらどんな大きさや質感なんだろうと興味を持った。恐竜が栄えた時代は人間よりもずっと長いそうだが、ある時期突然滅んでしまった。隕石の衝突による気候の激変が原因ということだが、今我々は地球の環境の激変時期に入ってしまったのか?人類も恐竜と同じ運命を辿るのだろうか?
薄暗い会場に入るとゴジラの咆哮と黄色い悲鳴が聞こえてきた。幼稚園のグループが見学に来ていた。恐竜に轢かれたら子供はもちろん大人もひとたまりもない。どの恐竜も強大な後脚でとてつもない体重を支えている。足の骨一つだけで樹齢100年単位の大木に匹敵するサイズだ。一方前足は申し訳程度に生えている。獲物を掴んで口に持って行けるような、格闘して相手を掴み投げるような、痒いところを掻けるような長さも太さもない。一体何の役に立つのか不明だ。後脚の極端な進化に反比例して、ほとんど使わない前足は退化したのだろうか。
恐竜は大別すると草食恐竜と肉食恐竜があり、それぞれ必要に応じた進化を遂げている。肉食恐竜はバリバリ草食恐竜を食べるので、顎がものすごく大きく強靭になり、歯は鋭く尖っている。草食恐竜は可愛いおちょぼ口のが多い。肉食恐竜を脅かすため、あるいは食べるのを躊躇させるために、頭蓋骨が団扇の様に広がったり背びれや角が発達したりと、見掛け倒し的に進化している。
頭や尻尾を動かす恐竜のハリボテを見ながら、この後脚から何百人分のフライができるだろう、骨や皮は色んなものに使えそうだ、ならばジュラシック・パークのように養殖したらどうだろう、しかし牧場は相当広くないと直ぐに餌が無くなってしまう、空を飛ぶ恐竜が飛行機と衝突したら大変だ、などとお馬鹿な発想が生じる一方で、とてつもない天災や人類の傲慢さが種を滅ぼす可能性にも思い及ぶ、大人にも興味深い展覧会だ。
爬虫類以外で恐竜に最も近い動物は鳥だろうか。その中でも七面鳥は恐竜っぽい顔をしている。多分味も似ている筈だ。脂肪の少ない肉は良質なプロテインとしてダイエットに、見栄えのする大きさはクリスマスなどのパーティーに、淡白な肉は色んな味付に適応できる。リベイラ市場の裏手の小さな食堂の今日の昼定食の七面鳥のオーブン焼きは、トマトや玉ねぎなどでしっかりマリネしたこってり系。ティラノサウルスとなってモリモリ貪れば、現場で働くクロマニヨン人にも十分な栄養が補給できるボリューム。私は元々草食系なので3.90€のミニプレートで充分だった。








