仏蘭西風タコ料理
2020年 03月 09日
かつてこんなお洒落なタコ料理があっただろうか。ポルトガルのタコの料理といえば、付け合わせに皮付きのまま焼いたジャガイモがどんどーん。味付けといえばオリーブオイル、ニンニク、塩。それだけで充分美味いのだが、見かけがアレだ。初めてのデート向けではない。ところが『ダックワーズ』のタコはまるでパリのお嬢さんのように可愛くて華やかだ。ピュレはアスパラガスだろうか、爽やかな緑色で、タコの赤い色がよく映える。カラフルな茹で野菜は8種類くらいの材料を使っていて、クタクタにせず、シャキッとした歯ごたえを残している。
これなら女の子を誘っても絶対喜ばれるだろうし、ご馳走されたとしても、気を使うほどの金額でもない。むしろこの金額なら男は奢らなくてはいけない。私は一人で入ったので当然自分で払ったが、グラスワインを頼んで10€ちょっとで、味も良く見た目も楽しめ、パンやデザートも付くのでなかなかお得だ。難を言えばタコが小さ目かな。この太さならもう一本欲しいところだ。しかしその問題は、普段は手を付けないパンを完食する事で解決できた。ここではパン屋も兼ねており、布に包まれたライ麦の丸パンはほんわか暖かく、食べたらお腹が膨れるぞと理性が警告するも、抗うことは不可能であった。またバターがうまい。
食後のデザートに好きなプチフールを選ぶことができる。とろりとしたチョコレートに金粉をまぶしたオペラは小さな貴婦人といったたたずまい。
ポルトガル料理は良く言えば素材を生かした、悪く言えば芸のない料理だが、ちょっぴり異国風の装いをすれば、田舎娘がお洒落なパリジェンヌになる。昔フレンチポップスのアイドルだったLIOはベルギーに移民したポルトガル人家庭の出身で、全盛期はキュートでフランスのマドンナとも言われたが、最近ポルトガル在住のフランス人向け情報誌の表紙を飾った彼女は見事に先祖返りをしていた。







